清水貴之の発言 (本会議)
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○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、民法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
今回の民法改正は、夫婦の離婚後に子の親権について、現行では父又は母のどちらかの単独親権とされているところを、父と母が共に親権を担う共同親権を選択できるようにするものです。
両性の合意によって成立した婚姻は両性の合意によって解消できますが、母と子、父と子の親子の縁は誰も切り離すことはできません。
にもかかわらず、現行の原則単独親権の制度の下で、離婚後には親が我が子に会えないという悲劇が繰り返され、親権獲得をめぐる父と母との間での激しい争いも後を絶たない状況です。
まずは、原則共同親権の必要性について、法務大臣、どう考えますでしょうか。
改正案によって共同親権が選択できるようになりますが、これまで親権獲得をめぐる元夫婦間の争いが共同か単独かの争いに変わるだけではないかという懸念も残されます。子の立場からすれば、両親が争う悲しみが消えることにはなりません。
共同親権の選択制によって元夫婦間の争いはどのように減るのか、法務大臣の見解と見通しをお答えください。また、共同親権が原則であることを明確にすると親権争いの苛烈化を防ぐことができるとの指摘もありますが、法務大臣の認識をお示しください。
改正案の第八百十七条の十二では、親の責務等として、父母は、子の心身の健全な発達を図るため、その子の人格を尊重するとともに、その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならないと規定しています。
しかし、この条文では、親の責務を担うのは、父と母が共に担うのか、それとも父又は母のどちらかが担うのか、はっきりしません。民法の中でも重要な規定が多義的であるのはふさわしくないと考えます。親の責務は父母が共に担うべきことが原則であるということで間違いないでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
離婚後も子の最善の利益を実現するためには、父母の間で養育費について取り決め、その支払を確実に行うことが必要です。
しかし、現状では、実際に養育費を受け取っているのは、母子家庭では二八・一%、父子家庭では八・七%にすぎません。そもそもの取決めができた家庭も、子がいる離婚家庭の半分にも満たない状況です。
養育費の取決め率や履行率の低い原因は何か、法務大臣の見解を求めます。
もちろん我が子を虐待したり家族に暴力を振るうような者には子の養育を任せることはできず、親権の停止若しくは失効は必要な措置です。
共同親権に対しての不安の声の中でも多くを占めるのは、DVや児童虐待の問題がある場合、共同親権によって離婚後もそうした問題が持ち越され、再被害が生じるおそれがあるというものです。
DVや児童虐待は大変深刻な問題です。暴力加害は家庭内であってもれっきとした犯罪であり、警察が毅然として対応すべきと考えますが、DV、児童虐待の防止、加害者への取締りに関する警察の対応の強化の可能性についての法務大臣の認識を伺います。
また、DV被害の防止や軽減のために、緊急避難や相談の取組を抜本的に充実させる必要があると思いますが、併せて法務大臣の答弁を求めます。
DVが認定された親は親権を喪失することになり、しかも、一度失った親権を回復することは至難の業です。
共同親権の選択や監護者の指定に当たっては、DVの有無が大きな問題になります。DVの認定については、客観的事実に基づくなど慎重な検証が必要だと思いますが、法務大臣の見解をお答えください。
衆議院での質疑の中で小泉法務大臣は、DVや虐待の認定について、父母の一方が暴力等を受けるおそれや、子の心身に害悪を及ぼすおそれの有無を基準として判断すると答弁しています。大臣はDVの立証を必須の要件とするものではないとも答えていますが、立証もないままDV等のおそれをどのように判断するのか、法務大臣の具体的な答弁を求めます。
DV認定の難しさは、家庭内という言わば密室の中での行為であることと、DVとは何かというそもそもの定義が曖昧であることからくるものと考えます。
内閣府男女共同参画局のホームページでは、ドメスティック・バイオレンスの用語については明確な定義はありませんとした上で、日本では配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力という意味で使用されることが多いですと説明しています。
その配偶者からの暴力とは何を指すのかについては、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法において、身体に対する暴力のみならず、心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれています。今回の民法改正の議論の中では、さらに経済的DVも含まれると言明されています。
このように、DVの定義が広範で曖昧なものであると、国民の間でのDVに対する認識がばらばらになり、夫婦間で何が暴力に当たるのかの認識も一致せず、互いの人格を尊重し合うという基本もかえっておろそかになるのではないかと懸念をします。
DV防止を啓発する観点からも、DVとは何かについて更に厳格な定義付けを行うべきではありませんか。加藤大臣の見解をお聞きします。
また、DV防止法にはその前文に、配偶者からの暴力の被害者は多くの場合女性であるとの記述があり、全国自治体では女性相談員、女性相談支援センターという用語が使われている自治体も多いかと思います。しかし、DV被害者には男性も含まれます。加藤大臣、国の方から男性DV被害者が使いにくい用語の変更を求めてはいかがでしょうか。
さらに、DVの被害者は女性というDV防止法の前提は、親権をめぐる裁判での、裁判所での調停の際に裁判官の判断に予断を持ち込むことになっていないか、法務大臣の認識をお示しください。
最後に、本改正案については、今なお様々な立場から激しい論争が続けられています。共同親権に反対する立場からは改正案そのものを廃案にする主張がなされ、共同親権を推進する立場からも本改正案では実質的に何も変わらないのではないかという懸念の声も上がっています。更なる議論の継続を求める声もあります。
しかし一方では、両親から愛情を持って育まれる当然の権利を奪われた子供たちが大勢いることを思えば、いつまでも立ち止まっているわけにはいきません。
我が会派は、衆議院で自民、公明、立憲民主党との四党協議において、附則の修正を提案し、その中で五年をめどにした制度の見直しが合意されました。
共同親権の仕組みをまずは開始し、その運用を通じて制度の不備や改善すべき点を洗い出す、今後の更なる法の見直しについてはちゅうちょなく実施すべきと思いますが、法務大臣の答弁を求めます。
日本維新の会と教育無償化を実現する会は、結婚、離婚の自由を尊重するとともに、親の離婚によって生じる子の悲しみが最小となり、子の最善の利益が最大化するような親権制度となるよう、この参議院での審議においても全力を尽くしていきたいと思います。
以上で質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣小泉龍司君登壇、拍手〕