岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小西洋之議員にお答えいたします。
 日米首脳共同声明と議会演説についてお尋ねがありました。
 今般用いたグローバルパートナーシップ等の表現は、かつてなく強固となった友好・信頼関係に基づき、日米両国が、二国間や地域にとどまらず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に維持強化していくという両国の不退転の決意を示すものです。この表現をもって、これまでの日米の役割分担や責任分担を変えるものではなく、また国家安全保障戦略の枠組みを超えるものでもありません。
 また、日米がグローバルなパートナーとして協働する場合を含め、我が国の外交・安全保障上の政策は、我が国の憲法、法律にのっとり、かつ、我が国の国益に基づいて行っていくものであり、この点を含め、今回の日米首脳共同声明と今回の私の議会演説、この両者のメッセージは一貫したものであり、相互のそごはありません。
 なお、グローバルパートナーとしての活動は、軍事的手段に限らず、外交や経済も含めたあらゆる手段により取り組んでいくものです。今次訪米においては、こうした点も含め、米国議会や米国国民の理解を得ることができたと考えております。
 連邦議会での演説及び日米共同訓練についてお尋ねがありました。
 今回の連邦議会における私の演説では、米国が築き上げてきた国際秩序が新たな挑戦に直面していること、自由と民主主義が世界中で脅威にさらされていることを指摘した上で、米国のリーダーシップが必要不可欠であること、その取組において日本は米国と共にあることを訴え、多くの賛同を得ることができました。
 その上で、我が国の外交・安全保障上の政策については、我が国の憲法や法律にのっとり、かつ、我が国の国益に基づき判断するものであることから、今回の議会演説によって、米国独自の軍事方針に対して日本が主体外交を講ずる政策基盤を、失礼、政治基盤を著しく損ねた、あるいは米国の軍事力行使に日本が巻き込まれる危険が増大したとの指摘は当たりません。また、御指摘の日米共同訓練については、特定の国や地域を念頭に置いたものではありません。
 そして、より効果的な日米同盟の指揮統制及び米国との軍事的、政治的な一体性についてお尋ねがありました。
 まず、より効果的な日米同盟の指揮統制については、日米が共同対処を行う場合に、様々な領域での作戦や能力を切れ目なく緊密に連携させていく観点から、自衛隊の統合作戦司令部の新設を踏まえ、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上することで一致したものです。
 その上で、御指摘の在日米軍司令部の権限を含め、米側の今後の体制については現時点で決まっていないと承知しておりますが、今後とも日米間で緊密な連携に向け議論を行ってまいります。
 このように、日米間で様々な能力の発揮のため緊密な連携を図ることは当然ですが、自衛隊の全ての活動は、主権国家たる我が国の主体的判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われること、また自衛隊及び米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動すること、何ら変更はありません。
 また、自衛隊の指揮については、法令で定められているとおり、日本国内閣総理大臣が最高指揮官として自衛隊を指揮監督することに変わりはありません。
 さらに、日米ガイドラインにおいて、自衛隊及び米軍の活動について、各々の指揮系統を通じて行動すること、また、各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われること、これらが明記されております。こういった点は日米間の共通の認識となっています。よって、御指摘の自衛隊と米軍の軍事的な一体化や日米の政治的な一体化に至る危険といった指摘は当たりません。
 日米同盟の重要性と米側の理解についてお尋ねがありました。
 日米同盟は、我が国にとって、現在、唯一無二の同盟関係であり、我が国の安全と繁栄の確保について欠くべからざる礎です。私は、今回の連邦議会における演説においても、不朽の友好に基づく日米同盟の重要性と、これが今後も堅固な同盟としてあり続けるということを具体的なビジョンとともにしっかりと伝え、超党派の米国議員から大きな賛同が得られたものと考えております。
 また、バイデン大統領との間では、今回、日米両国が深い信頼と重層的な友好関係で結ばれており、このかつてなく強固な友好・信頼関係に基づき、外交、防衛、経済等のあらゆる分野において連携を強化し、グローバルなパートナーとして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に維持強化していくことを確認いたしました。
 このように、米側においても日米同盟の重要性に対する評価は相当程度確立しているものと理解しており、今回、バイデン大統領からも、日米同盟は米国にとって最大の資産であるとの評価が得られたところですが、引き続き、地方も含めた米国の各界各層の理解の増進に取り組んでまいります。
 そして、台湾有事の際の米軍基地への攻撃の可能性及び米軍のミサイルに係る事前協議についてお尋ねがありました。
 まず、台湾有事における在日米軍基地に対する攻撃の可能性とのお尋ねについては、台湾有事という仮定の御質問であり、お答えすることは差し控えなければならないと考えております。
 政府としては、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要と考えており、台湾をめぐる問題について、対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来からの一貫した立場です。
 また、お尋ねの在日米軍施設・区域へのミサイルの持込みと他国への発射に係る事前協議について、一般論として申し上げれば、米国による通常弾頭のミサイルの我が国への持込みについては、日米安全保障条約上の事前協議の対象となりません。
 また、日米間では、岸・ハーター交換公文により、日米安全保障条約第五条の規定に基づいて行われるものを除き、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は事前協議の対象であるとされています。
 ここで言う戦闘作戦行動については、昭和四十七年の政府統一見解において、その典型的なものに言及した上で、そのような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断するほかないとされています。
 御指摘のような米軍の行動が戦闘作戦行動に該当するか否かは、この政府統一見解の基本的な考え方に基づき、実際の個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断することになります。
 連邦議会における演説についてお尋ねがありました。
 今回の演説で私は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が新たな挑戦に直面しており、そして自由、民主主義といった日米が共有する価値が脅威にさらされていると述べた上で、引き続き、米国のリーダーシップが必要不可欠であること、そして日本も共に責任を果たす用意があること、これらを訴えました。
 ここで掲げた米国のリーダーシップが必要とされている国際秩序の維持強化という取組にはインド太平洋におけるものも当然含まれており、さらに、現下の国際情勢に照らせば、そこでの日米共同の取組の意義はかつてなく深いものとなっています。
 この点、この演説では、米国のプレゼンスがインド太平洋で果たしてきた役割の重みに触れた上で、自由や民主主義といった価値を守ることが、日米両国、そして世界中の未来世代のための大義であり利益であるとして、米国自身の未来にとっても価値あるものだとし、また、日米同盟は自由で開かれたインド太平洋の実現を目指しているのだと訴えた次第です。
 こうした日米双方の未来に向けたメッセージは、今申し上げた点も含めて、超党派の米国議員の多くにしっかり伝わったと感じております。
 国家戦略及び防衛費についてお尋ねがありました。
 我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、日米同盟は、我が国の安全保障のみならず、国際社会の平和と安定の実現に不可欠な役割を果たすものです。
 国家戦略の在り方について、それぞれの国力の差との比較において単純に論ずることは適当ではありませんが、いずれにせよ、我が国としては、先ほど述べた認識を念頭に、日米の戦略レベルで連携を図り、米国と共に外交、防衛、経済等のあらゆる分野において日米同盟を強化していく考えです。
 防衛費については、防衛力整備計画で定めた金額の規模を超過することなく必要な防衛力の抜本的強化を行っていく考えであり、そのための財源については、国民負担を最大限抑制する観点から、歳出改革の徹底や税外収入の確保などに取り組み、それでも足りない分について税制措置での協力を国民の皆様にお願いするものです。今後とも、一昨年末の閣議決定の枠組みに基づいて、防衛力強化を安定的に支える財源の確保を図ってまいります。
 また、防衛力整備計画における契約額四十三・五兆円程度の内訳は既にお示しをしており、お求めの更なる詳細について、防衛省において作業を了したものから順次お示ししているところであると承知をしております。
 そして、共同開発、生産した装備の第三国移転、防衛装備移転と憲法の関係についてお尋ねがありました。
 新たに開催する日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASにおける協議の対象は日米間での共同開発、生産であり、第三国への移転は想定しておらず、将来における移転も想定しておりません。
 装備移転三原則等では、憲法の平和主義の精神にのっとり、我が国の行為として他国による国際法違反の侵略等の行為への関与を避けるため、装備移転三原則に言う紛争当事国への防衛装備の移転は禁止しております。
 他方、我が国憲法は他国の行為に適用されるものではなく、例えば、他国が国際法に違反する侵略を受け、国連憲章で認められている自衛権の行使等を行う際に我が国から移転した防衛装備を用いることは、我が国憲法の平和主義の精神に何ら反するものではないと考えております。
 中国との戦略的互恵関係の維持発展についてお尋ねがありました。
 戦略的互恵関係とは、国際社会の平和、安定及び発展に対して責任を負う日中両国が、将来にわたり二国間、地域、国際社会等、様々なレベルにおける互恵協力を全面的に発展させ、両国、アジア及び世界のために共に貢献し、その中でお互いに利益を得て共通利益を拡大し、そのことにより両国関係を新たな高みへと発展させていくという考え方です。
 御指摘の東アジア、失礼、東シナ海情勢やCPTPPについては、政府として日本の立場に基づき適切に対応してまいりますが、その他様々な分野においても中国との間で戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくことが重要であると考えております。
 政治資金規正法の改正についてお尋ねがありました。
 政策集団による政治資金パーティーの禁止については、我が党の政策集団がお金や人事から完全に決別した真の政策集団として生まれ変わるため、自民党単独でも速やかに実行に移すべく、厳格に遵守されるべきルールとして党のガバナンスコードに明記をしたところです。
 他方で、これを政治資金規正法でも禁止することについては、自民党の政策集団以外の全ての政治団体の政治活動の在り方とも密接に関わる事柄であることから、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点も含めた各党各会派における十分な議論が必要であると考えております。
 そして、今回の一連の事案に鑑みますと、まずもって着手すべき喫緊の課題は厳格な責任体制の確立や政治資金の透明化の向上であり、我が党としては、私の指示の下、議員本人の責任の強化、外部監査の強化、デジタル化の推進を内容とする政治資金規正法の改正について制度の詳細を詰め、考え方を整理してきたところです。
 既に公明党との協議も開始しているところであり、今国会での法改正を必ず実現するべく、我が党としての最終的な改正案を責任を持って取りまとめ、可能な限り早期にお示ししたいと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2024-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議