村田享子の発言 (本会議)

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○村田享子君 立憲民主・社民の村田享子です。
 冒頭、四月二十日に発生をしました海上自衛隊のヘリコプター墜落事故でお亡くなりになられた方に心より哀悼の意を表しますとともに、今なお行方不明となっている方々の早期発見と御無事をお祈り申し上げます。政府に対し、今回の事故の真相究明と再発防止を求めたいと思います。
 それでは、ただいま議題となりました二法案について、会派を代表し、経済産業大臣に質問をいたします。
 まず、基金についてお尋ねします。
 今週月曜日に政府の行政改革推進会議が開かれ、本来の業務である補助金の交付等を行わず支出が管理費だけとなっている休眠基金について、十一の休眠基金を二〇二四年度末までに廃止することとなりました。廃止される十一基金のうち、九基金は経済産業省が所管するものです。あわせて、経済産業省では、補助金の交付基準の策定や審査を民間に任せていた事例が多くありました。
 また、全二百基金を点検した結果、五千四百六十六億円を不用額として国庫返納することになりました。そのうちの約四千億円が経済産業省の所管でありますが、過大な国費が基金に投入されてきたことが明らかになったわけです。
 基金については、事業の終了時期が未定なもの、定量的な成果目標がないものもあり、不透明な管理体制を我が党も追及し、税金の無駄遣いであると指摘してきました。一昨年度末時点で全基金の残高は十六・六兆円にも上ります。子ども・子育て支援金、防衛増税等、国民に負担を求める前に、まずは無駄を速やかになくすべきではないでしょうか。
 基金の多くは補正予算で計上されていますが、経済産業省においては前年度の補正予算の額が当初予算額を上回ることが続いています。二〇二三年度補正予算は二〇二四年度当初予算の約十倍、二〇二二年度補正予算は二〇二三年度当初予算の約三十一倍であります。
 経済産業大臣として多大な無駄遣いの温床となってきた基金に対しどう取り組んでいくおつもりなのかをお聞きし、法案の質問に入ります。
 二〇二二年度の日本の温室効果ガスの排出量が発表され、過去を遡ることが可能な一九九〇年度以降で過去最低となりました。この統計では、世界で初めて、昆布やワカメ等によって海洋に吸収された炭素であるブルーカーボンの量も算定をされています。二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた取組が進んでいく中、脱炭素化が難しい分野においても脱炭素とともに産業競争力強化を実現していく、そのために重要な法案であると認識をしています。
 その上で、まず、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案についてお聞きをします。
 法案名にある低炭素水素等について、低炭素の基準や水素等の内容は省令に委任をされています。低炭素水素等の定義は、法案を議論するための前提となるものです。どのような低炭素の基準を考えているのか、水素以外にどのような物質が想定されているのか、より具体的な定義を伺います。
 また、国から事業者に対する支援も具体的に明らかになっていません。経済産業大臣の認定を受けた事業計画に基づき、事業者が行う低炭素水素等の供給や共用施設の整備に必要な資金を国が支援するとされていますが、内容については法案に規定されておらず、今後検討することとされています。
 事業者への後押しは私も重要と考えておりますが、本来であれば、支援制度の詳細、認定のための評価基準等について明らかにされた上で、国会審議においてその課題や運用に当たっての留意点をあぶり出し、より精緻な制度設計としていくことが望ましかったと考えますが、このような法的枠組みとなった理由を御説明ください。
 本法案では、国、事業者の責務とともに、第五条で関係地方公共団体の責務が定めてあります。低炭素水素等の供給、利用において地方公共団体の果たす役割をどのように考えているのか。また、責務が規定されている一方で、地方公共団体への支援は明記されていません。地方公共団体に対して国として支援する必要はないのか、お答え願います。
 日本の技術力を生かした世界の脱炭素化についてお聞きします。
 日本の温室効果ガスは過去最低となった一方で、世界全体の排出量は増加傾向にあります。日本で幾ら温室効果ガスを減らしても、世界で排出量が増えれば温暖化を止めることはできません。日本が持つ脱炭素技術を他国にも広めることで、世界の脱炭素化とビジネスチャンスにつながると考えます。
 低炭素水素等の利用の一つに水素やアンモニアによる発電がありますが、日本が技術的強みを持つ分野です。火力発電の延命ではないかという否定的な意見がありますが、今はガスや石炭との混焼ですが、いずれは専焼を目指しており、インドや東南アジアなど、火力発電を利用する国々も脱炭素につながる技術として注目をしています。
 水素、アンモニア発電のような日本の強みである脱炭素技術を世界に広め、脱炭素化に貢献できるよう、どのような戦略を取っていくのか、政府の見解を伺います。
 次に、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案についてお聞きします。
 二酸化炭素を分離回収し、地中に貯留するCCSは、日本のGX戦略においてどのような役割を果たしていくのでしょうか。このCCS事業によって日本の排出量のうち、どの程度貯留する見込みなのか、御答弁願います。
 CCSに期待する声がある一方、国民にとってはなじみのある技術ではありません。CCS事業を進めるためには、国民、特に貯留地域の理解が必要であり、CCSの意義や地域への投資効果等を政府は説明していく必要があると考えます。CCSに対する国民理解の醸成に向けて今後どのように取組を進めていくのか、お伺いをします。
 安全についてお聞きをします。
 私は、物づくり産業の労働組合の出身でございますが、物づくり産業では御安全にという挨拶を物づくりの現場でやっています。これは、危険と隣り合わせの現場の中で、自分と仲間の安全を祈って掛け合う言葉です。CCS事業を実際に実施していくに当たっては、現場で働く皆さん、そして地域住民の安全が確保されることが大前提です。アメリカでは、二酸化炭素を輸送するパイプラインが破断し、高濃度の二酸化炭素が噴出、漏えいし、数十名が病院搬送される事故が起きています。CCSは新しい技術です。安全性を高めるための技術研究を進めるとともに、安全規制についても日々見直し、より良いものとしていく必要があると考えます。
 政府は、CCS事業の安全確保に向けてどのような措置を講ずるのか、お伺いをします。
 二酸化炭素の地下貯留に当たっては、我が国の領土や領海、EEZ等の地質情報を取り扱うことになります。国防や国益の観点から見ると、外国法人等の参入に一定の制限を課すことも考えられます。今回の法案は、事業者が金属や石油等の資源を採掘する鉱業権を定めた鉱業法を参照したとのことですが、鉱業法第十七条では、「日本国民又は日本国法人でなければ、鉱業権者となることができない。」とされています。本法案においては、貯留事業等の許可申請は外国法人であっても特に制限を設けないのか、お答えください。
 続いて、両法案にまたがるGX全般についてお聞きします。
 我が国経済を支える製造業はCO2排出量が大きく、国内部門別排出量の三分の一を占め、業界別に見ると鉄鋼業がそのうちの三分の一を占めています。日本の企業はもちろん、各国の製鉄会社が製造時のCO2排出量を大幅に削減したいわゆるグリーンスチールの開発にしのぎを削っています。どの国が世界に先駆けて脱炭素化を実現するのか。今後の産業の行く末を決める、まさに今が正念場であり、現場の皆さんの努力を見るに、産業と国がしっかり連携を取りながら取り組んでいくべきであり、政府の役割として、GX製品の市場価値の向上や国際的な取引ルールの確立があると考えます。
 グリーンスチールは、従来の製品と見た目や性能は変わりませんが、脱炭素化のコストが反映され、価格が高くなっています。CO2排出量が削減できていますと言っても、なかなかその価値が相手に理解されにくいと聞きます。また、そもそもグリーンスチールの定義について国際ルールが構築されていないのが現状です。GX製品に関する国際的な取引のルール作りに我が国が積極的に参画し、ルール作りを主導していくことは、国際的な市場獲得にとって大変重要と考えます。
 GX製品が市場に受け入れられるための制度的措置として政府はどのようなことを検討しているのか、また、GX製品に関するルール作りにどのように取り組んでいく方針か、お伺いをします。
 GXに向けた世界各国の状況を見ると、投資競争や他国への規制強化が起きています。中国による自国産業への補助を始め、アメリカではインフレ抑制法によりクリーンエネルギー分野で政府が企業を支援しています。EUでは昨年十月から炭素国境調整措置、CBAMを発動をしました。地球の環境を守ることはもちろん目指すべき目標でございますが、保護主義への批判や自由貿易の推進は影を潜め、経済安全保障というテーマも加わり、自国産業の保護や有志国とのサプライチェーンの強靱化が進んでいます。このような中、日本としてどのようにGXを進めていくのか、政府の見解を求めます。
 また、先日の大臣の訪米時には、脱炭素分野での政策協調に向けてポデスタ大統領上級補佐官と会合を行い、水素の供給網整備や浮体式洋上風力の開発等を連携して進めることや、補助金がWTOのルールに触れたり、他国の経済に悪影響を与えたりする内容にならないよう、日米で共通のルールを検討すること等が議論されたとの報道がございました。会合において実際どのような協議がなされたのか、お尋ねをします。
 GXに向けた各国の状況を見ていく上で、カーボンニュートラルの目標が国によって異なる点も注視すべきです。日本、アメリカ、EUが二〇五〇年カーボンニュートラルを掲げる一方、現在、世界最大の排出国である中国は二〇六〇年、三番目の排出国であるインドは二〇七〇年としており、目標年の開きがあります。日本のGX製品が中国やインドの製品とどう勝負をしていくのか。また、生産拠点自体が中国やインドに移ることになれば、日本の産業や雇用に大きな影響があります。各国のカーボンニュートラルに向けた目標年が異なることに対し、国としてどのように対処していくのか、見解を求めます。
 最後に、公正な移行についてお聞きをします。
 GX推進においては、円滑な移行だけでなく、公正な移行も重要です。GXの推進は、我が国の産業、国民生活に大きな変化をもたらします。その移行期には、水素、CCSを始めとするグリーン分野で新しい産業が発展していくことが期待されますが、痛みを伴うことがあることも忘れてはなりません。自動車産業で働く方からは、エンジン部品を作っているけれども、EV化で仕事がなくなるのではないかという不安の声をよくお聞きします。さらに、地域経済への影響も懸念されます。GX推進に当たり、公正な移行を後押しする具体策について政府の説明を求め、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。御安全に。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 村田享子

speaker_id: 25548

日付: 2024-04-24

院: 参議院

会議名: 本会議