倉林明子の発言 (本会議)
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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
日本共産党を代表し、育児・介護休業法等改正案について厚生労働大臣に質問します。
本法案は、少子化対策として掲げられたこども未来戦略の中に位置付けられたものです。同戦略の政策の基本的な考え方の中では、少子化、人口減少に歯止めを掛けなければ、我が国の経済社会システムを維持することは難しく、世界第三位の経済大国という我が国の立ち位置にも大きな影響を及ぼすとして、経済成長のために少子化対策を位置付けています。
そもそも少子化は、自民党政権が進めてきた低賃金で不安定な雇用の拡大の結果だと言わざるを得ません。育児や介護は労働者個人の権利です。少子化対策として位置付けること自体が間違っているのではないでしょうか。
〔副議長退席、議長着席〕
昨年、私は、北欧と日本の育児、家族政策を比較するセミナーにパネリストとして参加しました。その中で、北欧五か国では、男性の育児休業の取得向上を、少子化対策としてではなく個人の権利として保障し、ジェンダー平等を進める中で実現してきたと紹介がありました。日本に足りないのはこの視点ではないでしょうか。ジェンダー平等を実現するための政策こそ必要です。大臣の認識をお答えください。
法案について質問します。
子の看護休暇制度について、取得事由を子の世話又は疾病だけでなく、感染症に伴う学級閉鎖や入園式や卒園式といった子の行事にも、行事参加にも拡大したことは前進です。しかし、対象が小学校三年生まででは不十分です。取得日数についても、現行制度の子が一人の場合は五日、二人以上の場合は十日では少な過ぎるという声が上がっています。対象を義務教育期間の中学校卒業まで拡大し、子が一人の場合でも一年に十日以上取得できるようにすべきではないですか。
さらに、看護休暇は法律上の所得補償がありません。そのため、有給休暇を使うか、無給とならざるを得ません。経済的な心配をすることなく、病気の子供の看護に専念したり、行事に参加したりするためにも、子の看護休暇について所得補償制度をつくるべきです。いかがですか。
法案では、残業免除の対象を三歳までから小学校就学前までに拡大します。しかし、小学校に入学してからも、学童保育に入所困難な場合や、防犯対策を迫られる社会情勢もあり、不十分だという声が上がっています。残業免除の対象は最低でも小学校六年生までに拡大すべきと考えますが、お答えください。
衆議院の議論の中で厚生労働省は、子の看護休暇の日数や残業免除の利用期間を増やすことは、制度の利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、女性のみの利用が拡大して女性のキャリア形成に影響するおそれがあると答弁しています。しかし、一人親家庭は一人で対応せざるを得ません。また、看護休暇の日数にかかわらず、子供が体調を崩せば休まざるを得ません。女性のキャリア形成を阻んでいるのは休暇の取得日数や残業免除制度ではありません。正規雇用であれば長時間労働を前提とし、無条件に働くことを求められる日本の働き方そのものです。
厚生労働省の答弁は、育児や介護などで長時間働けない労働者は非正規雇用を選ばざるを得ない、特に女性が非正規雇用を選ばざるを得ない実態を助長することになるのではありませんか。答弁を求めます。
柔軟な働き方を実現するための措置についても不十分と言わざるを得ません。
法案では措置の対象年齢を小学校就学前までとしていますが、小学校一年生の壁、三年生の壁が社会問題化する中で、不十分だという声が上がっています。育児と仕事の両立のために、最低でも子供が小学生の期間は措置の対象とすべきです。
また、措置の内容も、始業時刻などの変更、テレワーク、新たな休暇の付与、短時間勤務制度などについては、労働者が自由に選択するようにすべきです。同時に、事業主が労働者の求める措置が実施できるよう、国が財政的な支援を行うよう求めるものです。
以上二点、お答えください。
非正規雇用労働者は産前産後休業や育児休業が取得しにくい実態があります。厚生労働省が行った調査では、非正規雇用の場合、勤務先に産前産後休暇や育児休業の制度が整備されていなかった、契約が終了する見込みだったためという理由で仕事を辞めたという回答が正規雇用を上回っています。同調査で、利用すれば仕事を続けられたと思う支援、サービスは、育児休業や子の看護休暇といった気兼ねなく休める休業・休暇制度という回答が一番多くなっています。非正規雇用労働者が育児休業を取得しやすい環境の整備が求められています。
二〇二一年の法改正で一年以上の勤続要件は廃止されましたが、子供が一歳六か月に達するまでに労働契約が満了することが明らかでない場合のみ育児休業を取得できるという要件は残されたままです。まずは、この要件を撤廃し、有期雇用労働者も契約期間にかかわらず育児休業を取得できるようにすべきではありませんか。
女性の育児休業取得率は八割ですが、男性は僅か一七%であり、その五割以上が育休取得期間は二週間未満となっています。収入減少への不安が男性が育児休業を長期間取得できない理由の一つとなっています。育休中の休業補償を一年間は休業前の手取りの所得を補償する水準に引き上げるべきです。見解を求めます。
家族の介護、看護を理由とする離職者や、家族の介護をしながら就業する労働者は年々増加しています。しかし、本法案では、介護休業や両立支援制度に関する個別周知などにとどまっています。これで介護離職を防止できるのでしょうか。
介護している雇用者に占める介護休業取得者割合は僅か一・六%です。多くの労働者が介護休業を利用できていないのが実態です。なぜこれだけ取得率が低いのですか。お答えください。
現行の介護休業制度は、対象家族一人につき三回まで、通算九十三日までしか休業できません。給付も九十三日を限度に三回までしか支給されません。介護は先々の見通しが立ちにくいのが実態です。また、今般のトリプル報酬改定により、訪問介護サービス事業所では人手不足から利用を断らざるを得ない実態が拡大することが想定されています。家族負担が増す中で、休業期間が九十三日では余りにも短過ぎます。休業期間を延長すべきではありませんか。
さらに、介護休業給付は、社会保険料の免除がないため、育児休業給付より給付水準が低くなっています。介護休業給付についても、給付期間は社会保険料を免除し、育児休業給付と同様の水準まで引き上げるべきです。
ハラスメントの問題も深刻です。育児、介護に関するハラスメントは、労働局による是正指導は行われているものの、事業主の雇用管理上の措置の履行を求めるもので、ハラスメントの有無の認定や被害救済についての指導が行われているわけではありません。ハラスメントを禁止して、被害者を救済するための枠組みをつくるべきです。お答えください。
最後に、男女共に仕事と育児、介護を両立できるようにするためにも、ジェンダー平等を実現することが解決策であり、全ての人の人権が尊重される社会の実現にもつながることを強く指摘して、質問終わります。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕