片山大介の発言 (本会議)
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○片山大介君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の片山大介です。
会派を代表し、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案について、総理大臣に質問します。
去年一月、総理が次元の異なる少子化対策を実現すると述べてから、一年掛けて今回の改正案が提出されました。その間も、去年の出生数が過去最少の七十五万八千人になるなど、少子化は政府予測を上回るスピードで加速していて、この法案で本当に歯止めを掛けられるのか、これまで以上に中身が問われています。
しかし、衆議院の審議を見ると、実効性があるのか、実態を認識できているのか、疑わしくなります。
政府の少子化対策は、平成元年の合計特殊出生率がそれまで最も低かったひのえうまを下回る一・五七を記録した、いわゆる一・五七ショックを契機に始まりました。
以来、エンゼルプランを皮切りに、三十年以上、多くの策を講じながらも少子化が改善されなかったことは、これまでの策が個々人の結婚や出産、それに子育ての希望を阻む要因を解消できなかったことにほかなりません。この理由についてどのようにお考えですか。
その上で、今回の少子化対策はこれまでとどう違うのでしょうか。
加速化プランのメニューを見ると、何年も先送りされてきた配置基準の見直しなど、思い出したようにあれもこれもと総花的になっていますが、新規事業を含めてこれまでの延長線上にしか映りません。
三・六兆円という規模も、ただやみくもに予算を増やせばよいというものではないし、三年という期間設定も、異次元と言うほどスピード感があるようにも感じられません。一体これまでの策と何がどう違うのでしょうか。
それでも、これまでとは違う、効果も出ると言うのであれば、政府はそれを証明していかなくてはいけません。それには目標設定と検証が必要ですが、加速化プランの各施策によってどのような効果が見込まれるのか具体的な目標設定はない上、検証についても、今後、こども大綱の下でPDCAサイクルを進めていくとしているだけです。具体的な目標設定と効果検証は必要ないのでしょうか。
また、総理の言う二〇三〇年代に入るまでに少子化トレンドを反転させるという約束も、具体的にどのような状態を指すのか分かりません。
令和二年策定の少子化社会対策大綱で希望出生率一・八の実現を目指すとしたことに比べると、明らかに目標設定が後退したように見えますが、少子化トレンドの反転は何で判断されますか。
少子化の大きな要因は、未婚の方が増えたことです。政府のこども未来戦略では、課題に若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けないとして未婚化、晩婚化を掲げ、年収の高い人ほど配偶者のいる割合が高いと分析した上で、若い世代の所得の持続的な向上につながる幅広い施策を展開するとしています。しかし、その先の具体的な対策の記述はなく、加速化プランはあくまでも子ども・子育て政策の強化で、所得を増やすのは新しい資本主義の下で行うとのことです。
なぜ、このような立て付けになるのでしょうか。若い世代の所得の低さが少子化の課題のど真ん中と認識しておきながら、取組を新しい資本主義に丸投げするのはおかしくないですか。こども未来戦略としても、若い世代の所得向上に真正面から取り組むべきではないでしょうか。
我が党は、ゼロ歳の子供に選挙権を与え、成人になるまでは保護者などが代理行使するゼロ歳児選挙権の検討を始めています。ドイツやハンガリーでは国会で真剣に議論されたこともある制度で、親が子供の利益のために代理行使すれば子供の権利が重視される結果が出てくるはずです。子育て世代の声を政治に反映させる究極の少子化対策とも言え、異次元の少子化対策と銘打つならば、根本から視点を変えていかなければいけないと思いますが、我が党の案をどのように評価しますか。
今回の少子化対策には、実に三・六兆円もの財源が充てられます。財源は、既定予算の最大活用、歳出改革、それに支援金制度の三つから成りますが、それぞれ問題があります。
特に歳出改革における一・一兆円の積算根拠、そして実質的な負担が生じない範囲で支援金制度を構築するというのは、いずれも机上の理論にすぎず、具体的に実現できる見通しは定かではないと思いますが、本当に実現できますか。
歳出改革を本気で行うなら、それには痛みを伴います。医療費の患者負担に関する分野でいえば、高齢者層を中心に負担が増えることにもなります。しかし、全世代型社会保障の構築を目指す改革工程では、ステークホルダーとも言える業界団体などの利害関係者と合意形成の努力を行った形跡も見られません。
令和四年度、自民党は、医師会関連で六億円以上の企業・団体献金やパーティー券収入を受け取っていましたが、今般の政治改革でも禁止にする気もないようですし、本気で改革できるのか、結果は目に見えています。それでも改革できるとおっしゃるのなら、本当にできたのかどうか、事後的な検証が必要だと思いますが、お約束いただけますか。
また、支援金制度は、公的医療保険制度を活用して徴収されます。後期高齢者医療制度が導入されたときは、誰もが高齢者となりサービスを享受し得るという理由で現役世代から高齢者への支援金が創設されました。今回も同じような連帯の観点から全世代から子供への支援金を創設するという説明ですが、高齢者が再び子供になることはなく、同じ理屈は通じません。こんなへ理屈が通るのなら、今後、どのような名目にも社会保険料の使い道を拡大できます。
受益と負担の関係が不明確な少子化対策にまで社会保険料を流用することは、明らかに保険料の目的外使用であり、かつ少子化対策にも反します。支援金制度は廃止すべきと考えますが、どのようにお考えですか。
また、国民に実質的な負担が生じないとしていますが、これに関して加藤大臣が、これまでは歳出改革による社会保険の負担軽減効果に着目をしていなかったが、少子化対策の必要性に鑑み、実現すると答弁したのには驚きました。これは、政府自ら新たな錬金術を画策したことを認めたことになると思いますが、いかがお考えですか。
何より、歳出カットができたのなら、無駄遣いを削ったことなのだから、まず、当事者たちに返すべく、保険料の軽減に充てるのが本来のあるべき姿ではないですか。その上で、もうちょっと出してくださいと言うのなら分かりますが、本当に削れたのかどうかも分からないのに、その分を徴収すると言われても、国民からすれば取られたとしか思えないのではないですか。
支援金の額も、当初は一人当たり月五百円弱といいながら、その後、説明のたびに変わっていきました。保険の種類ごと、又は収入別の試算も審議直前まで出さず、ようやく出てきたら、当初の説明を上回る二千円のケースすらありました。
試算は随分前から用意されていたものの、官邸から出さないよう、こども家庭庁にストップが掛かっていたという話もありますが、本当ですか。
そもそも国民から新たに徴収する制度を創設するにもかかわらず、その具体的な額を国会審議の直前まで公表しないことは、国民に対してできるだけ負担額を隠したい、少なく見せたいという不誠実な態度ではないでしょうか。本来ならば、法案提出前の制度設計の段階から具体的な負担額の妥当性も含めて有識者を交えて議論しておき、遅くとも法案の提出時には具体的な額を示してしかるべきではなかったでしょうか。
以上の点から、我が党は、参議院の審議においてもしっかり反対を訴えてまいります。そして、この国の将来について、子供の未来について、真正面から取り組んでいくことをお約束して、私の質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕