本会議

2024-05-17 参議院 全59発言

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会議録情報#0
令和六年五月十七日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十九号
  令和六年五月十七日
   午前十時開議
 第一 道路交通法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第二 自動車の保管場所の確保等に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第三 風力発電設備の設置等による電波の伝搬
  障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑か
  つ安全な活動を確保するための措置に関する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 放送法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第五 民法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第六 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の
  ための低炭素水素等の供給及び利用の促進に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、子ども・子育て支援法等の一部を改正する
  法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
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尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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尾辻秀久#2
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。加藤鮎子国務大臣。
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#3
○国務大臣(加藤鮎子君) ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子化は、我が国が直面する最大の危機であり、二〇三〇年代に入るまでがこの少子化傾向を反転させるラストチャンスです。
 こうした問題認識の下、昨年末に閣議決定したこども未来戦略では、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援し、共働き、共育ての推進と併せて、社会全体の構造、意識を変え、子供を持つことを希望する方が安心して子供を産み、育てることができる社会の実現を目指しています。
 このこども未来戦略の加速化プランに盛り込まれた施策を着実に実施するため、給付面と財政面の改革を一体的に行うものとして、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、加速化プランに盛り込まれた、子育て支援の施策や給付の拡充を行うため、児童手当における支給期間の延長や所得制限の撤廃、第三子以降の児童に係る支給額の増額を行うとともに、妊娠期の負担軽減のための妊婦のための支援給付を創設します。
 また、子育て世帯を対象とする支援を拡充するため、妊娠期から伴走型で支援を行う妊婦等包括相談支援事業や、保育所等に通っていない満三歳未満の子供の通園のための給付の創設、産後ケア事業の計画的な提供体制の整備、児童扶養手当の第三子以降の児童に係る加算額の引上げ等を行います。
 さらに、共働き、共育てを推進するため、両親共に育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付、育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付や、自営業、フリーランス等の国民年金第一号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置を創設します。
 第二に、こうした子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定と労働保険特別会計の雇用勘定の育児休業給付関係部分を統合し、子ども・子育て支援特別会計、いわゆるこども金庫を創設します。
 第三に、加速化プランを支える安定財源の確保策として、既定予算の最大限の活用等や徹底した歳出改革を行った上で、児童手当等の費用に充てるため、企業を含め社会、経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く拠出いただく仕組みとして、子ども・子育て支援金制度を創設します。
 具体的には、この支援金を充当する対象事業を定めるとともに、各医療保険者は、子ども・子育て支援納付金を国に納付することとし、その納付に要する費用について、被保険者等から子ども・子育て支援金を医療給付に充てる保険料と合わせて徴収することとします。
 また、子ども・子育て支援金制度を段階的に構築していく間、支援金を充てるべき給付に必要な費用に充てるため、子ども・子育て支援特例公債の発行を可能とします。
 このほか、施行期日並びにこの法律の施行に関し必要な経過措置及び留意事項等について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行います。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。拍手
    ─────────────
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尾辻秀久#4
○議長(尾辻秀久君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。磯崎仁彦君。
   〔磯崎仁彦君登壇、拍手〕
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磯崎仁彦#5
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 会派を代表し、ただいま議題となりました法案について質問いたします。
 我が国の人口減少は危機的な状況にあり、このままでいくと、総人口は二一〇〇年には今の半減、五人に二人は六十五歳以上となります。現在稼働している経済社会システムが崩壊しかねません。
 ただ、子供を産み育てたいという希望に沿った政策で流れを変えることはできます。例えば、第一子出生時の母の平均年齢は、昭和五十年の二十五・七歳から、四十年間、十年で一歳のペースで上昇していましたが、子ども・子育て支援新制度が開始された平成二十七年から五年間は三十・七歳、令和三年、四年は三十・九歳とほぼ横ばいとなっており、晩産化に一定程度の歯止めが掛かっています。ある有識者は、社会的な子育て支援策の成果があったと思うとのコメントを寄せています。
 総理には、子供を産み育てたいという方々に寄り添った少子化対策を強力に進めることで、少子化、人口減少の流れを反転させてほしいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 こども未来戦略の加速化プランにおいて、児童手当の所得制限の撤廃、支給期間の高校生年代までの延長、第三子以降の三万円への拡充などにより、子育て世帯の経済的負担感は大きく軽減されます。
 子供を産み育てたいという方々にとって希望の持てる支援策となりますが、出生から高校卒業までであれば十八年間となります。ライフステージを通じた子育て支援をうたうのであれば、永続性を持った政策でなければなりませんし、継続性に揺らぎが見えれば少子化を克服することはできないと考えます。他方で、政策の有効性をPDCAを回すことで確認しながら進めていくことも重要です。
 そこで、総理に、加速化プランで講じられる措置を始めとして、全ての子供、子育て世帯に向けた支援策の永続性とPDCAを回すことによる不断の見直しをどうバランスを取りつつ強力に進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。
 この支援金については、介護保険と同様、医療保険の賦課徴収ルートが活用されることから、医療保険者が被保険者等から保険料と合わせて徴収し、納付する形となります。
 まずは、支援金制度が医療保険制度を通じた制度であり、医療保険料を流用するわけではないことをしっかり国民に説明し、理解を求める取組に努めるべきと考えますが、加藤大臣の御所見をお伺いします。
 その上でお尋ねしますが、支援金制度の徴収に備えて相当程度の準備が必要となりますし、医療保険者に掛かる事務処理負担も想定以上になりはしないかとの懸念もあります。
 総理は、支援金制度導入に伴う医療保険者の負担への懸念に対して、どのような措置を講じて、健保組合などの被用者保険等保険者の円滑かつ健全な運営をどのように維持していくお考えでしょうか。お伺いをいたします。
 支援金制度について政府は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険料負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築するので、国民の皆様に実質的な負担は生じないと説明をしています。
 一方、子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるために設置する新たな特別会計における歳入の一つの柱である子ども・子育て拠出金は、厚生年金保険の被保険者を使用する事業者が負担するもので、拠出金の料率は、子ども・子育て支援新制度が施行された平成二十七年度は法定上限〇・一五%に対して同じく〇・一五%でしたが、令和五年度は法定上限〇・四五%に対し〇・三六%となっていました。
 仮に拠出金の料率が引き上げられれば、支援金の事業者負担と拠出金というダブルでの負担となり、事業者の賃上げ意欲を冷やしかねませんが、このような懸念をどう払拭して、物価高を超える賃上げの達成と経済の好循環の実現を図っていくのか、総理のお考えをお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#6
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 磯崎仁彦議員の御質問にお答えいたします。
 少子化対策についてお尋ねがありました。
 少子化の進行は危機的な状況にあり、若年人口が急激に減少する二〇三〇年代に入るまでの六年間が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスです。
 こうした危機感から、昨年末にこども未来戦略を閣議決定し、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を目指し、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援する、こうした三つの理念の実現を掲げ、加速化プランにより三・六兆円規模に及ぶ前例のない規模で子ども・子育て支援を抜本的に強化することとしております。
 加速化プランには、児童手当の抜本的拡充、高等教育の負担軽減、保育所の七十六年ぶりの配置改善、育児休業給付の充実など、長年指摘されながら実現できなかった施策が盛り込まれており、こうした制度や施策の充実と併せ、社会全体で子供や子育て世帯を応援する機運を高める取組も重要であり、車の両輪として進めてまいります。
 子ども・子育て政策の継続性とPDCAの推進についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て政策に係る制度が安定的に維持されることは、これから結婚、出産を考える若い世代が将来のライフプランを考える上でも重要であり、加速化プランに当たっては給付の拡充に見合った安定的な財源を確保することとしています。
 その上で、子ども・子育て政策を進めるに当たっては、KPIを適切に設定し、政策の効果等を検証しながら進めていくことも不可欠です。加速化プランの実施状況や各種施策の効果等を検証しつつ、政策の適切な見直しを行い、PDCAを推進してまいります。
 子ども・子育て支援金制度の導入に伴う健保組合などの負担についてお尋ねがありました。
 支援金については、既存の医療保険制度を通じ、医療保険料と合わせて賦課徴収するものであることから、事務負担やコストは効率化されると考えています。支援金制度は、関連法案が成立すれば、令和八年度から段階的に導入されるものであり、その円滑な施行に向け、医療保険者に対する支援について、医療保険者等の御意見も伺いながら、こども家庭庁において適切に検討してまいります。
 賃上げの達成等と子ども・子育て拠出金等の関係についてお尋ねがありました。
 賃上げについては、昨年を大きく上回る春季労使交渉での力強い賃上げの流れに加え、来月からは一人四万円の所得税、住民税の定額減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現してまいります。さらに、物価上昇を上回る賃上げの定着に向けて、価格転嫁の取組の強化や省力化投資の支援等を進めるなど、施策を総動員してまいります。
 こうした取組により経済の好循環を実現していく一方で、御指摘の子ども・子育て拠出金については、加速化プランが完了する令和十年度までの間、積立金残高等を踏まえ、現行料率〇・三六%の範囲内で料率を調整することとしており、法律上の上限についても〇・四五%から〇・四〇%に引き下げることとしております。
 また、子ども・子育て支援金については、令和八年度から段階的に導入してまいりますが、歳出改革によって保険料負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で構築することを基本としており、事業主拠出分を含め、実質的な負担は生じさせません。
 いずれも、先ほど申し上げた賃上げや経済の好循環の実現を阻害するものではありませんが、引き続きこうした点について丁寧に説明を尽くしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#7
○国務大臣(加藤鮎子君) 磯崎仁彦議員の御質問にお答えいたします。
 子ども・子育て支援金制度についてお尋ねがありました。
 支援金は、少子化対策のため、社会連帯の理念を基盤に医療保険料と合わせて拠出いただくものですが、支援金に係る料率は健康保険法等の改正案において医療保険に係る料率とは区分して規定しており、医療保険料の流用には当たりません。
 その上で、法律上、支援金を充当する事業を限定しつつ、支援金の充当割合を明確化するとともに、子ども・子育て支援特別会計、いわゆるこども金庫を創設し、区分経理を行うことで、費用負担の見える化や支援金の使途の透明性の確保を図っております。
 こうしたことについて、国民の皆様に御理解をいただけるよう、引き続き説明を尽くしてまいります。拍手
    ─────────────
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尾辻秀久#8
○議長(尾辻秀久君) 石垣のりこ君。
   〔石垣のりこ君登壇、拍手〕
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石垣のりこ#9
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこです。
 会派を代表して、子ども・子育て支援法等改正案について質問いたします。
 子供、子育てに関わる法律案の審議に先立ち、まず、国権の最高機関たる国会を構成する一議員としての、また、子供の手本となるべき大人としての姿勢を問いたいと思います。
 自民党の派閥の裏金事件を受け、参議院の政治倫理審査会では全会一致で裏金議員三十二人に対する審査の実施が議決されています。しかし、これまで弁明したのは僅か三人です。残る二十九人への再度の意思確認に対し、全員が欠席の意向を示していることが明らかになりました。
 岸田総理は、多くの裏金議員が審査会への出席を拒んでいることについてどのようにお考えでしょうか。議員としての説明責任は果たされていると思われますか。御見解をお願いいたします。
 さらに、政治改革の要となる政治資金規正法の改正について伺います。
 与党内での事前協議が調わず、自民党単独で改正案が提出されるとの報道があります。このことは、まさに自民党案が政治と金をめぐる問題を根絶するための抜本的改革につながらないことの証左ではないでしょうか。
 総理として、自民党総裁として、政治と金について国民の中にある政治不信を払拭し、再発防止につながる実効性のある改革を強く指示すべきではないですか。総理に御見解を伺います。
 なお、国会の専権事項たる憲法改正について党総裁の立場で踏み込んだ答弁をされている岸田総理におかれましては、本件に関して国会のことは国会でお決めになることといった御都合主義の答弁は通用しないと申し添えておきます。
 一九八九年、平成の始まりの一・五七ショックから三十五年です。本法案は、昨年提出されたこども未来戦略の加速化プランを実施するための法改正と位置付けられ、異次元の少子化対策の中心を担うものです。
 岸田総理は、昨年の年頭、若年人口が急激に減少する二〇三〇年代に入るまでが少子化トレンドを反転できるラストチャンスだ、持てる力を総動員してスピード感を持って取り組むと述べられました。次元が違う、持てる力を総動員してと大言壮語を吐いたにもかかわらず、蓋を開けてみれば、表向き予算規模こそ倍増していますが、内容はこれまでの子育て政策の焼き増し、あるいは我が党が何年も前から要望してきた政策の詰め合わせにすぎず、肩透かしを食らったというのが正直なところです。
 岸田総理が総理に就任された二〇二一年十月八日の所信表明演説では、いまだに内容がよく分からない新しい資本主義を実現する柱の一つとして、少子化対策に言及しておられます。しかし、この段階では次元が異なるには至っておりません。
 総理は、いつから次元の異なる少子化対策の必要性を認識されたのでしょうか。また、二〇三〇年代に入るまでが少子化トレンドを反転できるラストチャンスとされていますが、これから二〇三〇年代に入るまでの五年間のうちに何がどのような状態になることが少子化トレンドが反転した状態と判断するのか、総理、具体的にお答えください。
 こども未来戦略では、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造、意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するという三つの基本理念を挙げています。これは、裏を返せば、一九九四年のエンゼルプランに始まり、今日まで幾多の少子化対策を行ってきたにもかかわらず、解決できていない課題と言い換えることができます。すなわち、若い世代の所得が増えず、社会全体の構造や意識は旧態依然としており、所得制限、縦割り行政や地域格差などによって支援の対象が限定されたり、支援が途切れ途切れで当事者にとって使いづらいものであったということです。
 まずは、若い世代の所得を増やすことができなかった理由について伺います。
 総務省労働力調査詳細集計によれば、雇用に占める非正規の割合は、一九九五年から二〇〇五年にかけて正規労働者は四百四万人の減少、非正規労働者は六百三十三万人増加しています。この時期は、一九九三年から二〇〇五年にかけてのいわゆる就職氷河期と重なります。
 なぜこの時期に非正規雇用が一気に増加したのか、度重なる労働派遣法改正との関連も踏まえて、岸田総理、お答えください。
 また、総務省の二〇一九年労働力調査では、非正規雇用の七五%が年収二百万円以下、二百万円から三百万円未満が一五%です。非正規雇用で働かざるを得ない人々にとって結婚や子供を持つことは、経済的にも、ひいては心理的にもハードルが高くなることは容易に想像できます。雇用に占める非正規の割合は今や四割です。
 非正規雇用の大幅な拡大は、政府が日本経済再生への戦略とののろしを上げ、経済界とタッグを組んで雇用の流動化を進めてきたことにあり、若い世代の所得が増えなかったどころか減少した主たる理由であり、少子化の理由の主な要因であると考えますが、総理の見解を伺います。
 二点目として、社会全体の構造、意識を変えることについて伺います。
 こども未来戦略では、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境があり、今も根強い固定的な性別役割分担意識から脱却することが少子化対策の課題として示されています。
 固定的な性別役割分担意識が今も根強い理由をどのように分析していますか。また、意識を変えるために何が重要であると考えますか。さらに、御自分が固定的な性的役割分担意識が強いと感じておられますか。イエスであれば、どのような場面でそう感じるか、岸田総理、加藤大臣、お答えください。
 結婚して姓を変える人は女性が圧倒的に多く、二〇二二年時点で全体のおよそ九五%を占めます。
 結婚したら妻は夫の姓になるものという意識も固定的な性別役割分担の一つと捉えられると考えますが、岸田総理の見解を伺います。
 また、社会全体の意識改革や働き方改革を正面に据えた総合的対策として、早々に選択的夫婦別姓制度を導入すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 こども未来戦略の基本理念の三点目、全ての子供、子育て世帯への切れ目ない支援の一つとして、今回、児童手当の支給期間を中学生までから高校生年代までとし、支給要件から所得制限を撤廃したことは評価できます。もっとも、立憲民主党は、親の収入によって支援の対象から外されるということはこどもまんなかに反すると、これまでも再三申し上げてきた次第です。
 岸田総理、御党自民党は、所得制限なしの児童手当にかたくなに反対されていたのではありませんか。かつての民主党政権下、所得制限なしの子ども手当をばらまきだと批判し、政権復帰後に所得制限がある児童手当を復活させたにもかかわらず、今回、所得制限を撤廃した理由をお聞かせください。
 共働き、共育ての推進ということで、両親共に育児休業を取得した場合の給付の創設は、所得の減少を理由に育児休業取得をためらう状況を改善するためにも必要であると考えます。一方で、育児休業の取得に関し、代替要員の確保が困難であると回答した事業者が七割を超えるという東京都の調査結果もあります。
 そもそも圧倒的な人手不足の中、後顧の憂いなく育児休業を取得するようにするための施策について岸田総理に伺います。
 多くの職場では慢性的な人手不足にあえぎながら、生産性向上の掛け声の下、一層の努力が求められています。努力が報われるだけの賃上げが実現すればまだしも、実質賃金は二十四か月連続でマイナス、比較可能な一九九一年以降で過去最長を更新しました。今や結婚や出産は高所得者の特権とまで言われる時代になり、子育て中の親が職場などで配慮を受けていることを特別扱いのように捉え、やゆする意味で子持ち様という言葉まで生まれています。また、内閣府が二〇二一年に公表した少子化社会に関する国際意識調査によりますと、子供を産み育てやすい国だと思うかとの質問に、そう思わないと回答した割合は、欧州各国では二%から一七%だったのに対し、日本では何と六割にも達しています。
 岸田総理と加藤大臣は、このような子持ち様言説をどのように捉え、どのような対応が必要と考えますか。
 続いて、子ども・子育て支援金について伺います。
 これまでの議論でも、公的医療保険の仕組みを使って支援金を徴収するのは目的外使用であるとして、その制度設計の問題が指摘されています。しかしながら、岸田総理は、子ども・子育て支援金制度を、社会全体の連帯の理念の下に、全世代、全経済主体で支える仕組みと捉え、保険料と合わせて徴収することの正当性を主張しています。
 この考え方を採用するならば、公的医療保険制度の存立基盤である全世代、全経済主体を守る、存続させるという大義をもって、例えば安全保障に係る財源を公的医療保険制度を使って徴収することも可能になってしまうのではありませんか。本来の公的医療保険制度をゆがめる禁じ手であると考えますが、総理、明確にお答えください。
 また、財源確保に当たっては、徹底した歳出改革を掲げています。徹底した歳出改革とは何でしょうか。具体的にお示しください。また、徹底した歳出改革は新たな負担増を生じさせないと言い切れますか。歳出改革と同時に賃上げも示されていますが、賃上げすれば、上げ幅に比例して社会保険料の負担は増えるのではありませんか。
 徹底した歳出改革による負担減と賃上げによる収入の上乗せ、それによる社会保険料の負担増、さらに、子ども・子育て支援金の負担増をトータルで見たときに、現状よりも負担は増えることも想定されるのではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
 負担が増えるのは子ども・子育て支援金だけではありません。出産育児一時金は、昨年四月に四十二万円から五十万円に引き上げられました。七十五歳以上が加入する後期高齢者医療制度から費用の一部を回す仕組みが今年度から導入されており、一時金の七%を後期高齢者医療制度で負担、今年度と来年度は激変緩和措置で負担額は半額となる措置がとられています。
 この出産育児一時金の引上げ分について、今年度と来年度において後期高齢者の負担額は月幾ら増えているのでしょうか。また、激変緩和措置が終了する二〇二六年度以降は幾らになるのか、武見厚労大臣、具体的にお示しください。
 保育所における四、五歳児の配置基準が七十六年ぶりに見直されました。遅きに失したことは否めませんが、改善されたことは一歩前進です。
 配置基準の増員は必要であるものの、一方で、保育士の確保はこれまで以上に園の死活問題です。その弱みに付け入るように、悪徳な職業紹介事業者が保育士を紹介し、保育所は高額の紹介手数料や成約料を支払って採用しても、すぐに退職されてしまうなどの事例が問題になっています。厚労省は職業紹介事業者の認定制度を設けるなどして対応に当たっていますが、根本的な解決策にはなっていません。
 保育の質を保ち、安定的な人材を確保するためには、ハローワークなどの公的機関が人材を紹介し、保育士の採用に際して保育所に過度な負担を掛けるべきではないと考えますが、岸田総理の御所見を伺います。
 教育費はもちろん、経済的負担が大きい項目として、ランドセルや教材費、制服などの隠れ教育費負担が挙げられます。総理、こうした負担を軽減する施策についても検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、岸田総理は、こども未来戦略会議において、学校給食費の無償化に向けて、全国の実態を調べた上で具体的方策を検討するとの方針を掲げましたが、検討状況の進捗はどうなっていますか。給食費無償化こそ真っ先に実現すべき子ども・子育て政策であると考えますが、いかがでしょうか。
 妊娠、出産という極めて私的な事柄は、同時に、国家や社会の成立基盤そのものに関わる公的な課題と交錯しています。政治ができること、すべきことは、結婚も出産も希望する人が希望するときにかなえられるような社会を実現することです。あくまで選択は個人に委ねられています。こども未来戦略における、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造、意識を変える、全ての子供、子育て世代を切れ目なく支援するという三つのポイントに通底するのは、基本的人権を守るという一点にほかなりません。
 選択的夫婦別姓も同性婚もいつまでたっても認められない、外国人の人権も守れない、大勢の子供や女性が虐殺されているガザでのジェノサイドに明確な抗議の声を上げることもできない、こうした人権軽視の旧態依然とした政治に私たちは終止符を打ち、閉塞感にさいなまれた社会に風穴を空けるべく全力を尽くすことをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#10
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石垣のりこ議員の御質問にお答えいたします。
 まず、政治倫理審査会への出席と説明責任についてお尋ねがありました。
 個々の議員においては、説明責任を果たす観点から、これまでも様々な機会を捉えて説明が行われてきたと承知しておりますが、これは引き続き、それぞれの議員が、自らの置かれた状況をよく省みて最も適切な方法を判断し、そして国民の疑問に可能な限り丁寧な説明を続けることは重要であると考えております。その上で、政倫審への出席については、国会のルールとして議員の意思が尊重されるものであると承知をしております。
 政治資金規正法の改正についてお尋ねがありました。
 自民党においては、政治と金の問題に対する抜本的解決策として、私の指示の下、政治家の責任の強化、外部監査の強化、オンライン化による透明性の向上、政策活動費の透明性向上、政治団体間の資金のやり取りの適正化、政治資金パーティー券の購入者の公開基準の引下げ、また政治資金パーティー券の販売における銀行振り込みの徹底など、幅広い点において改正を提示したところです。こうした方向性については与党間でも合意ができており、制度面で実効性のある再発防止策を提示したものであると考えております。
 今後、各党と真摯に協議を行い、政治の信頼回復に取り組んでまいります。
 少子化対策の必要性の認識等についてお尋ねがありました。
 令和三年の所信表明演説においても少子化対策を進める旨明確に述べており、その上で、令和四年の出生数が八十万人を割り込んだことも踏まえて、昨年一月の年頭会見において、こども家庭庁の発足を待つことなく、次元の異なる少子化対策を進める、この旨述べました。
 また、政府としては、個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させることを目標としています。これは、若い世代の結婚、妊娠、出産、子育ての希望と現実の差を埋めていくことにより、希望がかなえられてその差が小さくなり、結果として出生率が向上し、少子化の流れに歯止めを掛けようということであります。
 少子化と非正規雇用との関係においてお尋ねがありました。
 御指摘の一九九〇年代後半から二〇〇〇年代前半にかけての非正規雇用の増加については、バブル崩壊以降の雇用環境が厳しい時期に非正規雇用で就業する若年層が増加したこと等がその背景にあると考えています。また、近年の非正規雇用労働者数の増加は、高齢者や女性の多様な就労増加が、就労参加が進む中で増加してきた面もあると考えております。
 そして、労働者派遣制度についてお尋ねがありましたが、労働者派遣制度については、これまで労働者保護を図りながら多様な働き方を選択できるよう必要な制度整備を行ってきたところであり、役員を除く雇用者に占める派遣労働者の割合は、二〇二三年平均で二・七%であることからも、我が国全体の非正規雇用割合の増加の主な原因を派遣労働に求めることは必ずしも適当ではないと考えております。
 一方、若い世代の雇用や所得などの経済的基盤の問題は少子化の要因の一つであると認識をしており、最重要課題である賃上げを持続的、構造的なものとするための三位一体の労働市場改革に取り組むとともに、同一労働同一賃金の徹底、また希望する非正規雇用労働者の正社員転換に向けた支援、これらの政策を進めてまいります。
 固定的な性別役割分担意識と選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
 固定的な性別役割分担意識として指摘されるものには様々なものがあると承知しておりますが、一般論として申し上げれば、こうした意識の形成には教育、親、家族、社会、メディア等から受ける影響など多様な要素が絡んでおり、また、往々にして幼少の頃から長年にわたり形成されることが多いと認識をしております。
 このため、固定的な役割分担意識の解消に向けては、意識啓発などの取組に加え、そもそも幼少期から性別に基づく固定観念を生じさせないことも重要です。私自身としても、常々、固定的な性別役割分担意識を持たないよう心掛けているところであります。政府としても、意識啓発など粘り強く取り組んでまいります。
 また、選択的夫婦別氏制度の導入については、様々な意見を真摯に受け止めながら、国会において議論を進めていただき、その中で具体的な制度の在り方を含め、建設的な議論をしていただくことが重要であると認識をしております。
 児童手当の所得制限についてお尋ねがありました。
 現在の所得制限は、平成二十三年の民主党、自民党、公明党の三党合意に基づき、限られた財源の中で支援を重点化するなどの観点から設けられたものと承知をしております。
 三党合意から十年以上が経過し、この間、様々な少子化対策を実施してきましたが、少子化傾向には歯止めが掛かっておりません。
 危機的状況にある少子化傾向を反転させるため、こども未来戦略において、全ての子供、子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援することを基本理念とした上で、児童手当について、次代を担う全ての子供の育ちを支える基本的な経済支援として位置付けることを明確化し、所得制限を撤廃するなどの抜本的拡充を行うことといたしました。
 そして、人手不足の中で育児休業を取得できるようにするための施策についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、周囲に気兼ねなく育児休業を取得できるようにするためには、育児休業中の業務を代替する体制整備への支援が重要となります。このため、育児休業中の業務を職場内でカバーすることができるよう、令和六年一月から両立支援等助成金に新たなコースを新設し、育児休業中の労働者の業務を代替する周囲の労働者に対して中小企業事業主が手当を支給する場合などの助成措置、これを大幅に強化をいたしました。そして、これと併せて、人手不足に対しては省力化投資の支援、年収の壁・支援強化パッケージなど、必要な政策を講じてまいります。
 こうした取組を進めることによって、育児休業を取得しやすい職場づくりに向け、企業や周囲の労働者の支援に取り組んでまいります。
 そして、子供、子育てを取り巻く環境についてお尋ねがありました。
 我が国の社会全体の意識、雰囲気が子供を産み育てることをためらわせる状況にあり、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境を改善していく必要があります。
 このため、加速化プランにより三・六兆円規模という前例のない規模で政策を強化することと併せて、制度や施策を充実するだけではなく、それが社会や職場で活用されるよう、社会全体で子供、子育て世帯を応援する機運を高めていく取組が重要であると考えており、この社会の構造、意識の改革を車の両輪として進めてまいります。
 子ども・子育て支援金制度や徹底した歳出改革等についてお尋ねがありました。
 社会保険料は、各社会保険制度の目的を超えて何にでも充てられるというものではありません。支援金については、急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けることが医療保険制度の持続可能性を高め、その存立基盤として重要な受益となることから、社会保険料と整理をし、医療保険と合わせて拠出いただくこととしたものですが、こうした関連性がない安全保障等の財源に社会保険料を充てられるものではないと考えております。
 また、徹底した歳出改革の具体的な内容については、昨年末閣議決定した改革工程において、窓口負担の見直し、医療提供体制の効率化、介護分野におけるICTの活用など幅広いメニューが列挙されておりますが、これらは一義的には社会保障の持続可能性を高める観点から記載されたものであり、これらのメニューの中から実際に取組を検討、実施するに当たっては、必要な保障が欠けることがないよう、見直しによって生じる影響を考慮しながら丁寧に検討を進めてまいります。
 これまでは歳出改革としては主に公費節減の効果に着目をし、保険料負担の軽減効果には具体的なメルクマールを設定しておりませんでしたが、今回は社会保障負担率という具体的なメルクマールを設け、歳出改革によって社会保障負担率の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することを基本とすることとし、支援金の導入によっても社会保障負担率は上がらないことを、国民に新たな負担を求めないことのあかしとしてお約束したいと考えております。
 その上で、賃上げによって雇用者報酬の伸びが高まれば、社会保障負担率の一層の軽減につながり、支援金の導入のために社会保障負担率が上昇しないことを確実にすることから、政府として賃上げに総力を挙げて取り組んでいくこととしている次第であります。
 そして、安定的な保育人材の確保についてお尋ねがありました。
 保育人材の確保に当たっては、ハローワークや各都道府県等に設置されている保育士・保育所支援センターといった公的機関の役割、非常に重要であると考えています。
 ハローワークにおいては、全国の主要なハローワークに医療、介護、保育分野等の専門コーナーを設け、求人充足に向けた助言や指導、また職場見学会等を通じた求職者の確保、こうした取組を進めております。
 また、保育士・保育所支援センターにおいては、令和六年度予算において、保育所等への見学同行など、伴走支援の拡充を行ったところです。
 引き続き、こうした公的機関の強みを生かして保育人材確保の取組を進めてまいります。
 教育費の負担軽減についてお尋ねがありました。
 今回の加速化プランにおいては、児童手当の抜本的拡充や高等教育の負担軽減、児童扶養手当の拡充など、長年指摘されながら実現することができなかった子育て世帯への経済的支援の強化に取り組むこととしています。
 その上で、ランドセルを含む学用品費や教材費、制服代、学校給食費等については、家庭の経済状況が厳しい児童生徒への支援として、生活保護による教育扶助や就学援助を通じて実施しており、引き続き保護者の教育費負担を軽減してまいります。
 また、学校給食費の無償化については、現在、全国ベースの実態調査を実施し、取りまとめ中であり、その結果の公表を六月までに行った上で、制度面等も含め課題を整理し、結論を出してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#11
○国務大臣(加藤鮎子君) 石垣のりこ議員の御質問にお答えいたします。
 固定的な性別役割分担意識についてお尋ねがありました。
 固定的な性別役割分担意識が今も根強い理由については、教育から受ける影響、親、家族から受ける影響、社会やメディア等から受ける影響など、様々な要素が絡んでいると考えられ、一概に理由を明らかにすることは困難であると考えております。固定的な性別役割分担意識は、往々にして幼少の頃から長年にわたり形成されがちであることから、幼少期から性別に基づく固定観念を生じさせないことが重要です。
 そのため、政府としては、固定観念や無意識の思い込み、アンコンシャスバイアスを生じさせない取組に関する情報収集を行うとともに、啓発手法等を検討し、情報発信を行ってきたところです。
 私としては、常々、固定的な性別役割分担意識を持たないよう心掛けています。
 引き続き、固定的な性別役割分担意識の解消に向けて粘り強く取り組んでまいります。
 子供、子育てを取り巻く環境についてお尋ねがありました。
 子育て中の方々からも、社会全体が子育て世帯に冷たい印象、子連れだと肩身が狭いなどの声が上がっており、我が国の社会全体の意識、雰囲気が子供を産み育てることをためらわせる状況にあると認識をしています。
 このため、こどもまんなか宣言の趣旨に賛同する企業、個人、地方自治体などにこどもまんなか応援サポーターとなっていただき、取り組んだ内容を自らSNSなどで発信していただくこどもまんなか応援プロジェクトや、子供、子育てを応援する地域や企業の好事例の共有、横展開に取り組むなど、加速化プランによる政策強化と併せて、社会全体で子供、子育て世帯を応援する機運を高めていく取組を進めてまいります。拍手
   〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
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武見敬三#12
○国務大臣(武見敬三君) 石垣のりこ議員の御質問にお答えいたします。
 出産育児一時金への支援に伴う後期高齢者の負担額の増加についてお尋ねがありました。
 出産育児一時金に係る費用の一部を後期高齢者医療制度が支援する仕組みについては、後期高齢者の保険料負担の激変緩和の観点から、令和六、七年度には、令和六年、七年度は、対象となる費用の二分の一のみに支援を行うこととしており、令和六、七年度の後期高齢者一人当たりの新たな保険料負担額は、法改正時の機械的な試算において月額五十円程度と推計しておりました。
 令和八年度以降の後期高齢者が負担する額については、被保険者数や出生数の変動により大きく影響を受けることから、現時点で具体的にお答えすることは困難であります。拍手
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尾辻秀久#13
○議長(尾辻秀久君) 杉久武君。
   〔杉久武君登壇、拍手〕
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杉久武#14
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
 子供は欲しいけれど、出産、育児に不安を感じるという声は少なくありません。その声をしっかり受け止め、応えていくためには、妊娠、出産から子育てまで寄り添いながら支えていく体制の整備が必要です。
 そこで、公明党は、一昨年、子育て応援トータルプランを発表し、子育てのライフステージごとに必要な支援を行い、子供自身が社会に巣立ち、自立するまで支援策をつなげ、さらに、そのつながりを強化し、支援の内容を充実させていくことを政府に提案し、この提案をベースとして政府はこども未来戦略、加速化プランを策定しましたが、この加速化プランの意義と目的について、岸田総理の見解を伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、こども誰でも通園制度について伺います。
 公明党は、専業主婦家庭が育児で孤立しやすい現状の改善に向け、子育て応援トータルプランや重点政策などで専業主婦家庭も定期的に利用できる保育制度の創設を掲げてきましたが、こども誰でも通園制度は、保護者が働いているかどうかにかかわらず、全ての子供がより良い育ちの環境を地域で経験できるという大きな意味があります。また、子育てが母親に偏るワンオペ育児を回避し、地域とつながる機会が得られることも特徴です。
 試行事業を行う全国百十五の市区町村と緊密に連携を図り、二〇二六年度の本格実施の際には、現場のニーズを踏まえ、柔軟に利用上限の引上げなどができるよう進めるべきと考えますが、加藤担当大臣の見解を伺います。
 次に、育児休業給付について伺います。
 共働き、共育ての推進のため、両親共に十四日以上の育児休業を取得した場合、手取り収入を育休前の実質十割に引き上げる出生後休業支援給付が来年四月から開始されます。
 育児休業を取りづらい理由の一つが経済的な問題であり、給付水準の引上げによって手取り十割を確保する今回の制度は高く評価できますが、一方で、既存の育児休業給付の上乗せであることや、給付が非課税であり、育児休業期間は社会保険料が免除されることによって手取り十割が確保されるものであるため、制度の理解は決して簡単ではありません。
 制度の活用に向けた周知徹底を進めていただくとともに、育休取得に対しては職場での理解促進と職場に対する支援の充実が必要と考えますが、どのように進めていくのか、武見厚労大臣の見解を伺います。
 次に、子ども・子育て支援金について総理に伺います。
 子育て支援の安定財源の一部として導入される子ども・子育て支援金について、医療保険制度を活用する仕組みが採用されましたが、その理由を確認するとともに、衆議院での議論では支援金の金額は医療保険料額のおおむね四から五%という説明がありましたが、低所得者への配慮も含め、個々人の負担について国民に対し丁寧な説明を尽くすべきです。
 また、支援金制度は、全世代が自らの負担能力に応じた形で子育て世帯を応援し、支え合う社会をつくろうとするものであり、その理念を真正面から訴えることで国民の理解を得るべきであると考えますが、岸田総理の見解を伺います。
 さらに、今回の加速化プランの実施により、児童手当や児童扶養手当の多子加算が拡充される結果、家計が大変な御家庭ほど給付と負担の関係が大きく改善されることになりますが、この点について併せて岸田総理の見解を伺います。
 次に、こども金庫について伺います。
 今回の加速化プランの実施に当たり、特別会計としてこども金庫が創設されます。これまでの特別会計改革により特別会計は統廃合が進められてきましたが、特別会計の創設は東日本大震災復興特別会計以来となります。
 今回、特別会計を新たに創設をして使途と財源の見える化を進める狙いについて、加藤担当大臣の見解を伺います。
 次に、子育て支援の更なる拡充について伺います。
 二〇三〇年代に入るまでの六、七年が少子化を食い止めるラストチャンスであることから、加速化プラン後も子ども・子育て支援の更なる拡充が必要であり、一刻も早く更なる拡充の検討を進めていくべきと考えますが、岸田総理の見解を伺います。
 公明党は、引き続き子供の幸せを最優先する社会の構築に全力を尽くしていくことをお約束し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#15
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 杉久武議員の御質問にお答えいたします。
 加速化プランの意義、目的についてお尋ねがありました。
 加速化プランは、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を目指し、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援する、この三つの理念を実現するため、実現を図るものであります。
 加速化プランでは、児童手当の抜本的拡充、高等教育費の負担軽減、保育所の七十六年ぶりの配置改善、児童扶養手当の拡充など、長年指摘されながら実現できなかった施策を盛り込み、三・六兆円という前例のない規模で子ども・子育て支援を抜本的に強化するものであります。
 子ども・子育て支援金制度や多子加算の拡充についてお尋ねがありました。
 支援金は、子供や子育て世帯を社会連帯の理念を基盤に全世代、全経済主体で支える仕組みであり、医療保険制度は他の社会保険制度に比べ賦課対象者が広いこと、急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けることが医療保険制度の持続可能性を高めることなどから、医療保険料と合わせて拠出いただくこととしたものであります。その際、支援金の拠出は、医療保険制度に準じ、拠出能力に応じた仕組みとするとともに、低所得者への軽減措置を講ずることとしております。
 また、児童手当等の多子加算の増額は、子供三人以上の世帯はより経済的支援の必要性が高いと考えられることも踏まえたものであり、今般の加速化プランの実施により大きな支援拡充となります。
 こうした支援金制度の仕組み、意義や加速化プランの内容について、引き続き丁寧に説明を尽くしてまいります。
 加速化プラン後の子ども・子育て支援についてお尋ねがありました。
 少子化対策は二〇三〇年までがラストチャンスという危機感を持ち、まずは加速化プランをスピード感を持って実行に移してまいります。特に制度や施策を充実するだけでなく、それが社会や職場で活用されるよう、社会全体で子供、子育て世帯を応援する機運を高めていく取組が重要であり、社会の構造、意識の改革を車の両輪として進めてまいります。
 その上で、子ども・子育て政策の充実は、もちろんこの加速化プランで終わるものではありません。加速化プランの効果の検証を行いながら、政策の内容、予算について更に検討を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#16
○国務大臣(加藤鮎子君) 杉久武議員の御質問にお答えいたします。
 こども誰でも通園制度についてお尋ねがありました。
 こども誰でも通園制度の上限時間については、今年度から月十時間を上限として実施している試行的事業の状況や全国的な提供体制の確保状況等も踏まえながら、都市部を含め、全国の自治体において提供体制を確保できるかといった観点から今後検討してまいります。
 また、こども誰でも通園制度について、全国の市町村で実施する給付制度とすることを前提としつつ、自治体によって地域差が生じることについてどのように考えるのかといった論点も含め、試行的事業を実施する中で、実施自治体の状況も丁寧に伺いながら検証を進めてまいります。
 いわゆるこども金庫についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、二〇二五年度から、子ども・子育て支援のための新たな特別会計として、子ども・子育て支援特別会計をいわゆるこども金庫、子ども・子育て支援特別会計、いわゆるこども金庫を創設することとしています。
 これにより、現在、年金特別会計子ども・子育て支援勘定で経理している子ども・子育て支援に係る予算と、労働保険特別会計雇用勘定で経理している育児休業給付に係る予算が本特別会計において経理されることとなり、子ども・子育て政策に関する予算の一覧性が高まることになります。
 また、子ども・子育て支援納付金や事業主拠出金、育児休業給付に充てる雇用保険料といった特定の財源を活用して実施する事業が一般会計と区分して経理されることにより、給付と拠出の関係がより一層明確化されることになります。拍手
   〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
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武見敬三#17
○国務大臣(武見敬三君) 杉久武議員の御質問にお答えいたします。
 出生後休業支援給付の周知や育児休業の取得促進に向けた支援等についてお尋ねがありました。
 出生後休業支援給付は非課税であり、育休中の社会保険料の免除と現行の育児休業給付により、手取り賃金の十割相当額の支給が実現されます。法案が成立した場合には、リーフレット等により分かりやすい周知に取り組んでまいります。
 また、育児休業の取得促進に向けて、育休中の業務を代替する周囲の労働者に手当を支給した事業主に最大百二十五万円の助成を行うことなどを通じて、企業や周囲の労働者の支援にもしっかりと取り組んでまいります。
 以上です。拍手
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長浜博行#18
○副議長(長浜博行君) 片山大介君。
   〔片山大介君登壇、拍手〕
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片山大介#19
○片山大介君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の片山大介です。
 会派を代表し、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案について、総理大臣に質問します。
 去年一月、総理が次元の異なる少子化対策を実現すると述べてから、一年掛けて今回の改正案が提出されました。その間も、去年の出生数が過去最少の七十五万八千人になるなど、少子化は政府予測を上回るスピードで加速していて、この法案で本当に歯止めを掛けられるのか、これまで以上に中身が問われています。
 しかし、衆議院の審議を見ると、実効性があるのか、実態を認識できているのか、疑わしくなります。
 政府の少子化対策は、平成元年の合計特殊出生率がそれまで最も低かったひのえうまを下回る一・五七を記録した、いわゆる一・五七ショックを契機に始まりました。
 以来、エンゼルプランを皮切りに、三十年以上、多くの策を講じながらも少子化が改善されなかったことは、これまでの策が個々人の結婚や出産、それに子育ての希望を阻む要因を解消できなかったことにほかなりません。この理由についてどのようにお考えですか。
 その上で、今回の少子化対策はこれまでとどう違うのでしょうか。
 加速化プランのメニューを見ると、何年も先送りされてきた配置基準の見直しなど、思い出したようにあれもこれもと総花的になっていますが、新規事業を含めてこれまでの延長線上にしか映りません。
 三・六兆円という規模も、ただやみくもに予算を増やせばよいというものではないし、三年という期間設定も、異次元と言うほどスピード感があるようにも感じられません。一体これまでの策と何がどう違うのでしょうか。
 それでも、これまでとは違う、効果も出ると言うのであれば、政府はそれを証明していかなくてはいけません。それには目標設定と検証が必要ですが、加速化プランの各施策によってどのような効果が見込まれるのか具体的な目標設定はない上、検証についても、今後、こども大綱の下でPDCAサイクルを進めていくとしているだけです。具体的な目標設定と効果検証は必要ないのでしょうか。
 また、総理の言う二〇三〇年代に入るまでに少子化トレンドを反転させるという約束も、具体的にどのような状態を指すのか分かりません。
 令和二年策定の少子化社会対策大綱で希望出生率一・八の実現を目指すとしたことに比べると、明らかに目標設定が後退したように見えますが、少子化トレンドの反転は何で判断されますか。
 少子化の大きな要因は、未婚の方が増えたことです。政府のこども未来戦略では、課題に若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けないとして未婚化、晩婚化を掲げ、年収の高い人ほど配偶者のいる割合が高いと分析した上で、若い世代の所得の持続的な向上につながる幅広い施策を展開するとしています。しかし、その先の具体的な対策の記述はなく、加速化プランはあくまでも子ども・子育て政策の強化で、所得を増やすのは新しい資本主義の下で行うとのことです。
 なぜ、このような立て付けになるのでしょうか。若い世代の所得の低さが少子化の課題のど真ん中と認識しておきながら、取組を新しい資本主義に丸投げするのはおかしくないですか。こども未来戦略としても、若い世代の所得向上に真正面から取り組むべきではないでしょうか。
 我が党は、ゼロ歳の子供に選挙権を与え、成人になるまでは保護者などが代理行使するゼロ歳児選挙権の検討を始めています。ドイツやハンガリーでは国会で真剣に議論されたこともある制度で、親が子供の利益のために代理行使すれば子供の権利が重視される結果が出てくるはずです。子育て世代の声を政治に反映させる究極の少子化対策とも言え、異次元の少子化対策と銘打つならば、根本から視点を変えていかなければいけないと思いますが、我が党の案をどのように評価しますか。
 今回の少子化対策には、実に三・六兆円もの財源が充てられます。財源は、既定予算の最大活用、歳出改革、それに支援金制度の三つから成りますが、それぞれ問題があります。
 特に歳出改革における一・一兆円の積算根拠、そして実質的な負担が生じない範囲で支援金制度を構築するというのは、いずれも机上の理論にすぎず、具体的に実現できる見通しは定かではないと思いますが、本当に実現できますか。
 歳出改革を本気で行うなら、それには痛みを伴います。医療費の患者負担に関する分野でいえば、高齢者層を中心に負担が増えることにもなります。しかし、全世代型社会保障の構築を目指す改革工程では、ステークホルダーとも言える業界団体などの利害関係者と合意形成の努力を行った形跡も見られません。
 令和四年度、自民党は、医師会関連で六億円以上の企業・団体献金やパーティー券収入を受け取っていましたが、今般の政治改革でも禁止にする気もないようですし、本気で改革できるのか、結果は目に見えています。それでも改革できるとおっしゃるのなら、本当にできたのかどうか、事後的な検証が必要だと思いますが、お約束いただけますか。
 また、支援金制度は、公的医療保険制度を活用して徴収されます。後期高齢者医療制度が導入されたときは、誰もが高齢者となりサービスを享受し得るという理由で現役世代から高齢者への支援金が創設されました。今回も同じような連帯の観点から全世代から子供への支援金を創設するという説明ですが、高齢者が再び子供になることはなく、同じ理屈は通じません。こんなへ理屈が通るのなら、今後、どのような名目にも社会保険料の使い道を拡大できます。
 受益と負担の関係が不明確な少子化対策にまで社会保険料を流用することは、明らかに保険料の目的外使用であり、かつ少子化対策にも反します。支援金制度は廃止すべきと考えますが、どのようにお考えですか。
 また、国民に実質的な負担が生じないとしていますが、これに関して加藤大臣が、これまでは歳出改革による社会保険の負担軽減効果に着目をしていなかったが、少子化対策の必要性に鑑み、実現すると答弁したのには驚きました。これは、政府自ら新たな錬金術を画策したことを認めたことになると思いますが、いかがお考えですか。
 何より、歳出カットができたのなら、無駄遣いを削ったことなのだから、まず、当事者たちに返すべく、保険料の軽減に充てるのが本来のあるべき姿ではないですか。その上で、もうちょっと出してくださいと言うのなら分かりますが、本当に削れたのかどうかも分からないのに、その分を徴収すると言われても、国民からすれば取られたとしか思えないのではないですか。
 支援金の額も、当初は一人当たり月五百円弱といいながら、その後、説明のたびに変わっていきました。保険の種類ごと、又は収入別の試算も審議直前まで出さず、ようやく出てきたら、当初の説明を上回る二千円のケースすらありました。
 試算は随分前から用意されていたものの、官邸から出さないよう、こども家庭庁にストップが掛かっていたという話もありますが、本当ですか。
 そもそも国民から新たに徴収する制度を創設するにもかかわらず、その具体的な額を国会審議の直前まで公表しないことは、国民に対してできるだけ負担額を隠したい、少なく見せたいという不誠実な態度ではないでしょうか。本来ならば、法案提出前の制度設計の段階から具体的な負担額の妥当性も含めて有識者を交えて議論しておき、遅くとも法案の提出時には具体的な額を示してしかるべきではなかったでしょうか。
 以上の点から、我が党は、参議院の審議においてもしっかり反対を訴えてまいります。そして、この国の将来について、子供の未来について、真正面から取り組んでいくことをお約束して、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#20
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 片山大介議員の御質問にお答えいたします。
 これまでの政策で少子化が改善されていない理由についてお尋ねがありました。
 これまで政府においては、例えば保育の受皿整備、幼児教育、保育の無償化など、様々な取組を進めてきました。その成果として、いわゆる保育所待機児童数は平成二十九年の約二・六万人から昨年は二千七百人まで減少するなど、一定の成果があったと考えております。
 一方で、少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因があり、いまだに多くの方の子供を産み育てたいという希望の実現には至っていないと認識をしています。
 昨年末閣議決定したこども未来戦略では、乗り越えるべき課題として、若い世代の結婚、子育ての将来展望を描けない、若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けない、そして、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある、また、子育ての経済的、精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する、こうした三点が挙げられているところです。
 加速化プランとこれまでの少子化対策との違いについてお尋ねがありました。
 昨年末まとめた加速化プランにおいては、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援する、この三つの理念の実現を掲げ、約三・六兆円規模に及ぶ前例のない規模の子ども・子育て支援の抜本的な強化をスピード感を持って実施することとしております。
 その内容として、本法案でも、児童手当の抜本的拡充、こども誰でも通園制度の創設、育児休業給付の充実など、長年指摘されながら実現することができなかった施策を盛り込んでいます。
 こうした制度や施策の充実と併せ、社会全体で子供や子育て世帯を応援する機運を高める取組も重要であり、車の両輪として進めてまいります。
 少子化対策の効果検証についてお尋ねがありました。
 少子化対策を進めるに当たっては、KPIを適切に設定をし、政策の効果等を検証しながら進めていくことが不可欠であり、既にこども大綱において政策全体に係るKPIとして数値目標を含めた指標を設定をしております。その上で、加速化プランに盛り込まれた個別の施策を含め、具体的に取り組む施策の進捗状況を把握するための指標を近くまとめるこどもまんなか実行計画において設定することとしております。
 こうした枠組みを重層的に活用し、PDCAの観点を踏まえながら、子ども・子育て政策を推進してまいります。
 また、少子化トレンドの反転を何で判断するのかというお尋ねについては、出生率の向上によって判断していくこととなります。
 具体的には、政府としては、個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させることを目標としています。これは、若い世代の結婚、妊娠、出産、子育ての希望と現実の差を埋めていくことにより、希望がかなえられてその差が小さくなり、結果として出生率が向上し、少子化の流れに歯止めを掛けるということであります。
 そして、こども未来戦略と若い世代の所得向上の関係についてお尋ねがありました。
 こども未来戦略では、若い世代の所得を増やすことを理念の一つとして掲げ、賃上げや三位一体の労働市場改革、非正規雇用の正規雇用への転換などの取組を進めることを明記しています。
 その上で、加速化プランでは、子ども・子育て政策の抜本的強化に当たって、児童手当の抜本的拡充、高等教育の負担軽減、児童扶養手当の拡充といった長年指摘されながら実現することができなかった経済的支援策を盛り込んでおり、これらを新しい資本主義による構造的賃上げ等の取組と車の両輪として進めていくこととしております。まさに若い世代の所得向上に真正面から取り組むものであり、新しい資本主義に丸投げしているという指摘は当たらないと考えております。
 いわゆるドメイン投票についてお尋ねがありました。
 御指摘のような仕組みについては、子供のいない方は一票、子供のいる方は子供の代理として複数回投票できることになることをどのように考えるのか、また、親が必ずしも子供のことを考えて投票するとは限らないことをどのように評価するのかなど様々な課題があり、慎重に検討すべきものであると考えております。
 そして、少子化対策の財源についてお尋ねがありました。
 今般の法案では、総額三・六兆円程度の加速化プランの財源について、歳出改革による公費節減、既定予算の最大限の活用、支援金制度の構築で賄うことを明記しており、机上の空論ではなく、法律にのっとって徹底した歳出改革、取り組んでまいります。
 このうち、歳出改革による公費節減については、これまでも社会保障関係費等の歳出の目安の下での歳出改革により、子ども・子育て関連予算を国、地方で年平均〇・一八兆円程度増加させてきた実績があり、昨年度、今年度予算においても、薬価等改定や医療保険制度改革などの取組を継続した結果生じた〇・三七兆円程度の公費節減効果を活用し、子ども・子育て予算の追加を行ったところです。こうした取組を二〇二八年度まで継続することで、一・一兆円確保することは可能であると考えております。
 また、支援金制度の導入によっても実質的な負担が生じないためには、二〇二八年度までに一兆円程度の保険料負担軽減効果を生じさせる必要がありますが、昨年度、今年度予算の歳出改革による保険料の軽減効果は合計〇・三三兆円程度であり、これを二〇二八年度まで継続すれば実現は可能であると考えております。
 そして、全世代型社会保障の改革工程の検証についてお尋ねがありました。
 歳出改革については、昨年度閣議決定した改革工程における医療・介護制度等の改革を実現することを中心に取り組むこととしており、その具体的な内容は毎年度の予算編成過程において検討、決定をし、着実に実施をしてまいります。
 各年度における改革の内容や、それによって生じる公費節減効果や保険料負担の軽減効果については、各年度の予算審議などを通じて丁寧に説明をし、政策の効果も事後的に検証、そして分析をしてまいります。
 子ども・子育て支援金を社会保険料と位置付けることについてお尋ねがありました。
 支援金制度は、社会連帯の理念を基盤に、子供や子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体で支える仕組みです。
 急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けることが医療保険制度の持続可能性を高め、その存立基盤にとっても重要な受益となることから、医療保険者に医療保険料と合わせて徴収していただくこととしたものであり、この保険料の目的外使用との指摘は当たらないと考えております。
 また、支援金は抜本的に拡充する児童手当等の給付に充てられ、少子化対策に反するどころか子供、子育て世帯にとって大きな給付の充実につながるものであり、今般の子ども・子育て支援の抜本的強化に当たって支援金制度の構築は必要不可欠であると考えております。
 子ども・子育て支援金と社会保険負担軽減の関係についてお尋ねがありました。
 これまでは、歳出改革としては主に公費節減の効果に着目し、保険料負担の軽減効果には具体的なメルクマールは設定しておりませんでしたが、今回の加速化プランに係る財源確保に当たっては、社会保障負担率という具体的なメルクマールを設けています。
 具体的には、歳出改革による社会保障負担率の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金を構築することを基本としており、これまでよりも歳出改革の努力を徹底するものであります。したがって、新たな錬金術を画策したという指摘は当たらないと考えております。
 そして、仮に、御指摘のように、保険料負担の軽減効果を生じさせるのみで、その範囲内で支援金制度を構築することを行わないとすれば、安定財源を確保しつつ、子ども・子育て施策の抜本的強化を図ることができなくなる、そして一方、この保険料負担の軽減効果の範囲内で支援金制度を構築することは実質的な負担を生じさせない、こういったことになると考えております。
 そして、子ども・子育て支援金の拠出額についてお尋ねがありました。
 支援金制度の制度設計については、こども家庭庁の大臣懇話会において有識者等の御意見を伺った上で、昨年末にこども未来戦略において決定したものです。
 その上で、具体的な拠出額については、予算委員会での御審議を踏まえ、法案審議に間に合う形で、医療保険制度ごとの額を始め、お求めに応じきめ細かくお示しをしましたが、加入者一人当たりの平均月額四百五十円との従来の説明が変わるものではありません。
 このように、支援金の拠出額については、申し上げてきたスケジュールに沿って適切なタイミングでお示ししてきたものであり、不誠実との指摘は当たりません。拍手
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長浜博行#21
○副議長(長浜博行君) 竹詰仁君。
   〔竹詰仁君登壇、拍手〕
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竹詰仁#22
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 こども未来戦略は、二〇三〇年までがラストチャンスという強い危機意識の下で、我が国の持てる力を総動員して、従来とは次元の異なる少子化対策を実施するために策定されました。
 財源の一部として新たに創設する子ども・子育て支援金制度については、実質的な負担が生じるものではないと説明されています。一方で、日本世論調査会の世論調査では、岸田政権の少子化対策に期待しないの回答が七三%でした。
 我が国の持てる力を総動員しようとしているのに、なぜこれほど国民に期待されていないのでしょうか。子ども・子育て支援金は実質的な負担がないと政府は説明しているのに、なぜ国民の期待が高まっていないのか、岸田総理の認識をお聞きいたします。また、こども未来戦略により少子化トレンドの反転が実現できる根拠をお示しいただき、期待しないと思っている人がそれなら期待できるとなるよう説明をお願いいたします。
 ライフステージを通した子育てに係る経済的支援の強化がされ、全ての子供、子育て世帯を対象とする支援が拡充され、共働き、共育ての推進に係る制度も改善され、そして実質的な負担がないのであれば、良いことばかりのはずです。
 支援金制度は、総理が言われる実質負担はないということを国民が理解していないのでしょうか。実質負担なしは賃上げが前提になっているようですが、総理は賃上げを約束していただけるのでしょうか。総理、改めて、子ども・子育て支援金には実質負担はないことを御説明ください。
 支援金の徴収を医療保険制度を活用することについては、疑問、不合理、不整合、不適切などの反対意見が多数出ています。医療保険制度を活用することは、せいぜいやむなしと思う団体や人はいるかもしれませんが、絶賛する団体や人はいるのでしょうか。
 支援金は社会保険料なのか税なのか、それとも、どちらでもない別のものなのか。医療保険と一緒に徴収することが適切なのでしょうか。総理に説明を求めます。
 次に、子ども・子育て支援金の事業主負担の考えを伺います。
 支援金を事業主にも拠出を求める理由は何でしょうか。民間事業主拠出、そして公務員共済の場合の使用者側拠出、それぞれの考えを加藤大臣に伺います。
 政府は、加速化プランを実施することにより、我が国の子ども・子育て関係予算は子供一人当たりの家族関係支出で見てOECDトップ水準のスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進するとしております。
 このスウェーデン並みという水準の根拠は、これまで委員会等で、国際比較に値しない独自の計算式を用いたもの、でたらめだという旨、指摘をされています。総理、改めて、スウェーデン並みの根拠を御説明ください。
 児童手当の拡充について、高校生年代までの延長と所得制限の撤廃が示されています。
 国民民主党はかねてより、延ばし、増やし、外すことが必要と主張してまいりました。私たちは、児童手当の支給年齢を十八歳まで延長し、金額は一人一律一万五千円とし、所得制限は撤廃するべきと考えています。それは、子供の学びや育ちに線引きは必要ないからです。
 第三子以降のみに支給額を月額三万円に増額する考えが大変残念に思います。三人以上子供がいる世帯は、子供がいる世帯のうち一三%です。恐らく、三人以上子供を持つ世帯の割合が今後飛躍的に高くなるとは見込めないのではないでしょうか。子供を三人以上持つことはもちろん歓迎することではありますが、我が国にとっての少子化対策は一人目の子供からが最も喫緊の対策ではないでしょうか。
 一人目の子供から児童手当を増額しない理由、第三子以降のみに増額する理由を、加藤大臣、お答えください。
 また、所得制限について、今回は児童手当の所得制限が撤廃されることは了と考えますが、所得制限は様々な給付や障害児福祉、奨学金などにも及んでいます。異次元の少子化対策として全ての所得制限の撤廃をすべきと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
 両親共に育休を取得した場合について伺います。
 男性の育児休業の取得促進のため、両親共に育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付の創設により、育児休業給付の手取りを十割相当とすることは歓迎いたします。ただし、その期間は最大二十八日間の産後パパ育休の期間に限られています。
 この期間について、厚生労働省雇用保険部会での議論では、労働者代表委員から、出産後の母体が安静にすべき期間が六週間から八週間とされることも踏まえ、産後パパ育休の期間に限定するべきではないとの意見がありました。また、公益代表委員から、産後パパ育休の期間を念頭に置いた引上げが男性は産後パパ育休を取れば十分との誤ったメッセージになることを懸念する意見、使用者代表委員から、ある程度幅を持たせた制度設計を検討してもよいのではないかという意見が出されていました。
 産後パパ育休に合わせた二十八日間を限度とした理由は何でしょうか。また、男性は産後パパ育休を取れば十分との誤ったメッセージとならないよう、武見厚生労働大臣に説明を求めます。
 新たに創設されるこども誰でも通園制度は、今年度実施されている試行的事業では補助上限が一人当たり十時間とされました。時間が短過ぎるとの指摘を受け、本法律案では、令和八年度からの制度化においては、十時間以上であって体制の整備の状況その他の事情を勘案して内閣府令で定める時間として、結論が先送りされています。
 こども誰でも通園制度の意義は賛同しますが、十時間という上限を設定した理由や、それで本当に期待される効果が実現できるのか、加藤大臣に伺います。
 また、保育園等に通っていないゼロから二歳児の未就園児は約百八十二万人程度とされています。全ての子供の育ちを支援するためには、希望する全員が利用できる実施体制の整備が求められますが、体制の整備について今後の取組方針を、加藤大臣、御説明ください。
 ヤングケアラー支援の法制化については、我が党の伊藤孝恵議員が先頭に立ってずっと求めてきたことであり、率直に評価いたします。
 子ども・若者育成支援推進法の改正により、国及び地方自治体等による支援の対象としてヤングケアラーが明記され、地方自治体間の取組格差の是正や、十八歳前後での切れ目のない支援につなげていくこと、また、子ども・若者支援地域協議会と要保護児童対策地域協議会の連携促進も期待いたします。
 ただし、法律上、定義規定や努力義務規定を設けるだけでとどめたら、真にヤングケアラー支援になるか疑問です。地方自治体における取組格差の是正を含めて、ヤングケアラーへの支援を具体的にどのように行っていくのか、加藤大臣の見解を求めます。
 国民民主党は、四月十日、育児と介護の両方を担うダブルケアラーを支援する法案を参議院に提出いたしました。
 これまでは育児と介護は厚生労働省が担当していましたが、育児がこども家庭庁に移管され、新たな縦割りとなっていることを懸念いたします。ダブルケアラーへの対応について、これまで政府からは、厚労省やこども家庭庁を始め関係省庁が連携しながら総合的に取組を進めるといった答弁を受けていますが、どのように育児と介護、すなわち、こ家庁と厚労省を始め関係省庁が連携した取組を実施していくのか、加藤大臣に伺います。
 ダブルケアの実態調査については、平成二十七年度に実施された内閣府調査から既に八年余り経過しています。我が党は、再三にわたり、実効的な負担軽減策を実施していくためにも、現在の実態調査を政府に求めてまいりました。ダブルケアの実態把握を是非実施してください。加藤大臣の見解を求めます。
 国民民主党は、寄せられた一つ一つの声を受け止め、引き続き対決より解決の姿勢で取り組むことをお誓いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#23
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 竹詰仁議員にお答えいたします。
 少子化対策への国民の期待、また子ども・子育て支援金等についてお尋ねがありました。
 昨年末まとめたこども未来戦略においては、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するという三つの理念の実現を掲げ、加速化プランにより三・六兆円規模に及ぶ前例のない規模で子ども・子育て政策を抜本的に強化することとしております。
 その実行に向けて、本法案には、児童手当の抜本的拡充、こども誰でも通園制度の創設、育児休業給付の充実など、長年指摘されながら実現することができなかった施策、これを盛り込んでいます。こうした制度や施策の充実と併せ、社会全体で子供や子育て世帯を応援する機運を高める取組も重要であり、車の両輪として進めてまいります。
 また、子ども・子育て支援金について、歳出改革による保険料負担の軽減効果の範囲内で構築することを基本としており、実質的に負担が生じない点や、政府として個人の幸福追求を支援することで結果として少子化トレンドを反転させることを目標としている点、こういった点についても引き続き丁寧に説明を尽くしてまいりたいと考えております。
 そして、子ども・子育て支援金制度についてお尋ねがありました。
 今般の子ども・子育て支援の抜本強化に当たっては、新たな政策を掲げ、そのために歳出を増やすには、増税や国債発行ではなく、既存の歳出の改革が重要であると考えています。既存の歳出を削る一方で、その削減した歳出の範囲内で新たな政策の支出に回せば、その意味において国民に新たな負担を求めないものとなります。
 その際に、抽象論に陥らないよう、社会保障負担率という具体的なメルクマールを設け、歳出改革による社会保障負担率の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することを基本とすることとし、支援金の導入によっても社会保障負担率は上がらないことを、国民に新たな負担を求めないことのあかしとしてお約束したいと考えております。
 支援金は、急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けることが医療保険制度の持続可能性を高め、その存立基盤にとって重要な受益となることから、医療保険者に医療保険料と合わせて徴収していただくこととしたものであり、保険料と整理されるものであります。
 衆議院審議の際の公聴会あるいは参考人質疑においては、こうした支援金制度の趣旨や制度設計について賛成の意見を十分いただいたものと認識をしております。
 そして、子供一人当たりの家庭支出、失礼、家族関係支出のGDP比による比較についてお尋ねがありました。
 今回の加速化プランにおける三・六兆円規模に及ぶ抜本的な政策強化により、我が国の子供一人当たり家族関係支出はGDP比で一六%となり、OECDトップのスウェーデンの水準に達し、画期的に前進するものとなります。
 子ども・子育て関係予算の国際比較を行う場合には家族関係支出のGDP比で比較することも重要ですが、今回の加速化プランでは、子供一人一人に対してしっかりと予算を充てていくことが重要であるとの考え方の下、児童手当の抜本的拡充、十万円相当の出産・子育て応援交付金などを盛り込んでおり、その評価に当たっても、子供の視点に立って、子供一人当たりで見た指標でお示しすることが有意義であると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#24
○国務大臣(加藤鮎子君) 竹詰仁議員の御質問にお答えいたします。
 子ども・子育て支援金の事業主の負担についてお尋ねがありました。
 実効性のある少子化対策の推進は、労働力の確保等の観点から、企業に極めて大きな受益をもたらすものです。こうしたことから、子ども・子育て支援金については、これまで社会保険制度において事業主が果たしてきた役割や取扱いも踏まえ、事業主の皆様にも拠出いただくこととしており、この考え方は、民間事業主だけでなく、公務員が加入する共済組合についても同様であると考えています。
 児童手当の支給額についてお尋ねがありました。
 児童手当については、所得制限の撤廃や、支給期間を高校生年代まで延長するなど、一人目の子供の支給額も含め、抜本的に拡充することとしています。
 今般の拡充においては、子供三人以上の世帯数の割合が特に減少していることや、子供三人以上の世帯はより経済的支援の必要性が高いと考えられること等を踏まえ、第三子以降の支給額を三万円に増額することとし、子供三人以上の世帯を重点的に支援することとしています。
 子供施策に関する所得制限の撤廃についてお尋ねがありました。
 各制度における所得制限の在り方については、個々の制度の目的や支援方法に応じてそれぞれ定められています。その取扱いについては、個々の制度の目的や他制度との関係も含めて、慎重な検討を行うことが必要と考えます。
 なお、本法案に盛り込まれている児童手当の所得制限の撤廃は、他の制度において所得制限に服する子育て世帯の経済的負担の軽減にもつながることに留意する必要があると考えます。
 こども誰でも通園制度の試行的事業についてお尋ねがありました。
 試行的事業については、都市部を含め全国の自治体において提供体制を確保できるようにすることなどを踏まえ、月十時間を上限としました。
 本格実施の際の上限時間については、全国的な提供体制の確保状況等も踏まえながら今後検討してまいりますが、本制度により子供が家族以外の人と関わる機会を得ることができるなど、子供にとって十分に効果が期待できるものと考えています。
 こども誰でも通園制度の体制整備についてお尋ねがありました。
 こども誰でも通園制度については、ゼロ歳六か月から二歳の保育所等に通っていない全ての子供を対象とすることとしています。対象となる全ての子供が利用できるよう、実施主体となる市町村において計画的に提供体制の整備を行っていただく必要があります。
 国としても、試行的事業を通じて地域の実情に応じた制度設計を行うとともに、市町村向けの説明会を適時に行うなど、市町村における体制整備の取組を支援してまいります。
 ヤングケアラーへの支援についてお尋ねがありました。
 ヤングケアラーについては、これまで法制上の位置付けがなかったことから、国や地方自治体の支援対象として明記することで、地方自治体間の取組格差の是正につなげてまいります。
 その際、全国展開を進めるこども家庭センターが学校等と連携してヤングケアラーを把握し、必要な支援につなげる重要な役割を担うと考えており、実態把握から具体的支援に至るまでのプロセス等について丁寧に周知を図り、より充実した支援が提供されるよう、運用に万全を期してまいります。
 ダブルケアラーへの対応についてお尋ねがありました。
 育児と介護のダブルケアについては、御指摘の内閣府における調査のほか、昨年公表された総務省の就業構造基本調査において、ふだん未就学児の育児をしている、かつ、ふだん家族の介護をしていると回答した者が約二十万人いる等の結果が示されているものと承知をしています。
 こうした調査結果等も活用しながら、厚生労働省とも連携の上、介護の問題も含め複合化した課題をお持ちの子育て家庭に対し必要な支援をお届けすることが重要であり、属性を問わない相談支援などを行う重層的支援体制整備事業の推進、地域で子育ての悩みを相談できる拠点の設置等により、支援が必要な家庭に対し適切な支援を行ってまいります。拍手
   〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
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武見敬三#25
○国務大臣(武見敬三君) 竹詰仁議員の御質問にお答えいたします。
 出生後休業支援給付についてお尋ねがありました。
 出生後休業支援給付については、男性の育児休業の取得や男女が働きながら育児を担うことを促進する観点から、特に子供の世話に手が掛かる一定の時期に限り、最大二十八日間の給付を行うこととしたものです。
 法案が成立した場合には、男性の育児休業は二十八日で十分という誤った理解につながらないよう、共働き、共育ての趣旨をも踏まえて、分かりやすいリーフレット等の配布等の様々な手法により、丁寧な周知に取り組んでまいります。拍手
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長浜博行#26
○副議長(長浜博行君) 吉良よし子君。
   〔吉良よし子君登壇、拍手〕
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吉良よし子#27
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私は、会派を代表し、子ども・子育て支援法改正案について総理に質問いたします。
 本法案は、こども未来戦略の加速化プランに盛り込まれた施策を着実に実行するために、子ども・子育て支援金制度を創設し、その財源を子供から高齢者まで全国民を支える社会保障予算の活用、抑制で確保するとしています。
 しかし、なぜ社会保障のみが財源の対象なのでしょうか。衆議院で政府は、社会保障以外の財源は防衛力強化のための財源と明言しました。それはつまり、子ども・子育て支援よりも軍事優先ということではありませんか。
 子供、子育てを国を挙げて取り組むというのであれば、アメリカ言いなりで倍増させた軍事費を見直して、武器の爆買いをやめ、その分を子育て支援や社会保障の充実に充てるべきではありませんか。
   〔副議長退席、議長着席〕
 総理は、子ども・子育て支援金により実質的な負担はないと言いますが、本法案によって年一兆円の支援金が医療保険に上乗せされ、全国民から徴収されます。
 医療保険料には上限があり、一定所得を超えると、所得が大きくなるほど負担が低くなる逆進性があることは明らかです。逆進性のある医療保険から子ども・子育て支援の財源を持ってくることは全くの筋違いではありませんか。
 所得が同じでも、入っている保険によって支援金の負担が変わることも不公平です。
 とりわけ、低所得者が多い国民健康保険の方が、他の被用者保険に比べ支援金の負担が重くなります。政府は、低所得者の負担軽減のために国保や高齢者医療制度に公費を投入すると言いますが、こども家庭庁の試算では、公費を投入しても国保の負担が被用者保険の負担より高くなっています。低所得者の多い国保の方が支援金の負担が重くなることを認めますか。今回の支援金が社会保障の所得再分配機能を弱め、格差と貧困に悪影響を及ぼすのではありませんか。
 衆議院で財務省は、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という従来の社会保障の構造を転換する必要があると答弁しましたが、実際はどうでしょうか。
 主要先進国の中で我が国は最も高齢化が進んでいますが、同じ高齢化率で比較したときに、社会保障支出は対GDP比で我が国は平均より下回っており、高齢者への給付が手厚いとは言えません。一方、家族関係支出と教育への支出は先進国の中で最低レベルです。高齢者中心などではなく、子供にお金を掛けなさ過ぎたことこそが問題なのではありませんか。
 今回の法案は、子供関係以外の社会保障予算について、二〇二三年から二〇二八年までの六年間で保険料と公費支出分合わせて二・一兆円も削減することとしています。これは過去九年間の削減実績を踏まえた目標といいますが、この九年間で生活保護基準の引下げ、要支援一、二の介護保険給付外し、要介護一、二の特養からの排除などが行われ、社会的弱者ほど深刻な影響をもたらされています。二年目に当たる今年度も、訪問介護事業所を廃業に追い込みかねない報酬引下げも行われました。さらに、今後四年、これらと同程度の影響をもたらす社会保障改悪を毎年進めようというのですか。
 高齢者や社会的弱者の生活は、当事者だけでなく、子や孫、親戚など現役世代の家族が支えています。社会保障費の削減により、むしろ介護離職やヤングケアラーなどの問題が更に深刻化するのではありませんか。
 政府は、子ども・子育て支援について社会連帯の精神を強調しますが、高齢者向けの支出を削って子供関係の支出を増やすこのやり方そのものが社会連帯を壊し、世代間の分断と対立をあおるものではありませんか。世代間の対立をあおるのではなく、高齢者も、子供、若者、現役世代も、そして子供を産んでも産まなくても、全ての人の暮らしを支える政治こそ目指すべきです。
 三歳未満の未就園児が全て保育施設を利用できるようにし、ワンオペ育児などで孤立した子育てをしている家庭を支援するという理念は重要です。私の周りでも、持病を持つ母親が通院のために子供の一時預かりを利用する、利用しようとするたび、毎回二百回以上電話を掛けないとつながらない、予約が取れないという声を聞いています。
 従来、政府は、こうした一時預かりを利用できない状況や、ふだんはその保育所を利用していない子供を預かる施設側の困難さなどの課題を改善し、利用を促進しようとしていましたが、今回の法案で課題は解消されるのでしょうか。
 幼い子供にとってみれば、いつも一緒にいる親と離れること、初めての場所で初めての大人に預けられることに当然ストレスや緊張が強いられます。だからこそ、多くの通常の保育では、慣らし保育を始め、保育園、保育士が時間を掛けて子供や親との信頼関係を築きながら保育が行われています。
 一方、政府の進めるこども誰でも通園制度の試行事業では、利用する園、月、曜日や時間を固定せず利用する自由利用方式を採用できることになっており、一時間ごとに事業者を替えることも可能です。
 衆議院では、居住地を離れて全国どこでも、直前まで空きがあればアプリで予約ができるようにすると答弁がありましたが、それでは子供が保育園という新しい環境や人に慣れるための慣らし保育の時間すら取れません。まだ言葉もうまく話せない、睡眠や食事のタイミングなど生活パターンも違い、個性ある子供たちを慣らし保育もなく新たに預かることは、施設側にとっても非常に負担の掛かる難しい保育となります。
 こども誰でも通園制度、とりわけ自由利用方式は、子供にとっても施設にとっても通常保育とは異なる困難や負担があるという認識が総理にありますか。
 政府の重大事故防止有識者会議によると、保育所における死亡事故の発生は、ゼロから二歳児、預け始めの時期が最も多くなっています。この最も死亡事故が多い条件で常に子供を受け入れることになるこども誰でも通園制度、自由利用方式の保育で子供の安全は保障されるのでしょうか。
 さらに、保育の質と安全を保障する前提となる人員配置基準も、保育士が半分でよいとされました。通常の保育より難しい保育が保育士側に求められるにもかかわらず、なぜ人員配置は低い水準でよいと考えたのでしょうか。
 衆議院で加藤大臣は、保育士以外の人材の活用も含めと答弁されましたが、保育士以外の更なる活用など、保育従事者の基準の更なる引下げもあり得るのでしょうか。緩い基準で安易な事業者参入のおそれはないのでしょうか。
 こども誰でも通園というのであれば、親がどれだけ働いているかなどで対象を絞る保育の必要性の要件を見直して、文字どおり、全ての子供たちに質の確保された保育を保障できるようにすべきではありませんか。
 今の日本は、若い世代が子供を産み育てることも結婚することも本当に困難で、選べない社会になっています。この社会を根本から変えることこそ求められています。若者、子育て世代の経済的負担を抜本的に軽減し、所得を増やし、ジェンダー不平等を解消する。そして、全ての子供たちがストレスのない安心、安全な環境で自由に遊び、自由に学び、成長できる権利を保障することこそが政治の責任であるということを申し上げ、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#28
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 吉良よし子議員の御質問にお答えいたします。
 子育て政策と防衛力強化の関係についてお尋ねがありました。
 防衛力の抜本的強化のための財源確保に当たっては、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象として歳出改革を行うこととしております。
 他方、子ども・子育て政策を抜本的に強化する加速化プランの財源確保のための歳出改革については、社会保障関係費を対象とすることとしておりますが、このような歳出改革を財源として子ども・子育て政策を強化することは、全世代型社会保障の構築に資することとなり、適切なものであると考えております。
 防衛力の抜本的強化と子ども・子育て政策の抜本的強化、どちらかが優先されるというものではなく、共に必要な予算をしっかりと措置するための財源確保に取り組んでまいります。
 そして、医療保険料と合わせて子ども・子育て支援金を拠出いただくことについてお尋ねがありました。
 支援金制度は、社会連帯の理念を基盤に子供や子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体で支える仕組みです。急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けることが医療保険制度の持続可能性を高め、その存立基盤にとっても重要な受益となることから、医療保険者に医療保険料と合わせて徴収していただくこととしたものであります。
 その上で、サラリーマン世帯が加入する被用者保険と、被用者保険に加入しない方々が加入する国民健康保険とでは、加入者の就業形態や収入の状況が異なる中で賦課の方法も異なっており、一概に比較できるものではありません。国民健康保険の支援金の拠出額については、加入者一人当たりと一世帯当たりの平均月額のいずれも公費の投入額が大きいことから、被用者保険に比べ低い額となります。
 支援金は、負担能力に応じた拠出をお願いしつつ、子育て世帯への経済的支援の充実等に充てるものであり、適切に所得を再分配する仕組みと考えており、格差と貧困に悪影響を及ぼすとの指摘は当たりません。
 我が国の社会保障の構造についてお尋ねがありました。
 高齢化率と比べれば給付が手厚いとは言えないとの御指摘については、我が国の社会保障は負担よりも給付を先行させてきたために、全体として中福祉低負担との指摘もあり、そのような給付水準の中では給付が高齢者中心であると言えます。本格的な少子高齢化が進む中、全世代がひとしく恩恵を受け、公平に支え合う全世代型社会保障に転換していくための改革に引き続き取り組む必要があります。
 そうした観点からも子ども・子育て政策の強化は重要であり、今般の加速化プランによる三・六兆円にも及ぶ政策の強化により、我が国の子供一人当たりの家族関係支出はGDP比でOECDトップのスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進することとなります。
 そして、社会保障分野の歳出改革についてお尋ねがありました。
 歳出改革の具体的な内容については、昨年末閣議決定した改革工程において、窓口負担の見直し、医療提供体制の効率化、介護分野におけるICTの活用など幅広いメニューが列挙されていますが、これらは一義的には社会保障の持続可能性を高める観点から記載されたものです。
 これらのメニューの中から実際に取組を検討、実施するに当たっては、全世代型社会保障の理念に基づき、世代間の対立に陥ることなく、むしろそれぞれの人生のステージにおいて必要な保障がバランスよく提供されるよう、見直しによって生ずる影響を考慮しながら、丁寧に検討をしてまいります。
 本法案による一時預かり事業の課題解消についてお尋ねがありました。
 一時預かり事業は自治体の裁量が大きい事業であるのに対し、こども誰でも通園制度は、給付制度とすることで一定の権利性が生じるとともに、全ての自治体で実施することで制度利用のアクセスを向上させる意義があります。
 また、こども誰でも通園制度の実施に当たっては、保育現場の業務の負担の軽減のため、慣れるのに時間が掛かる子供への対応として、親子通園も可能とするほか、受入れ施設が子供のアレルギー等の情報を円滑に把握できるような仕組みの構築を進めてまいります。
 そして、こども誰でも通園制度における子供の安全についてお尋ねがありました。
 こども誰でも通園制度における自由利用方式は、毎日異なる子供を預かるなど、通常保育と比べ一定程度困難や負担があると認識をしております。制度の実施に当たっては、子供の安全が確保されることが大前提であり、この考え方を徹底してまいります。
 人員配置基準については、試行的事業において一時預かり事業と同様の基準で実施していますが、保育士以外の人材の活用も含め、更なる検討を行うこととしております。そして、実施主体である市町村による認可の下、受入れ体制が整っている施設において実施することとしており、安易な事業者の参入を認めることは考えておりません。
 そして、保育の必要性の要件の見直しについてお尋ねがありました。
 現行の教育・保育給付について、一部の自治体では待機児童も残る中、保育の必要性の要件を見直すこと自体は困難であると考えております。このような状況の下、本法案でお示ししているこども誰でも通園制度の創設を行いつつ、幼児教育、保育の質の向上についても、今後とも、保育士等の処遇改善や職員配置基準の改善などに取り組んでいくことが適切な対応であると考えております。拍手
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尾辻秀久#29
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
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