榛葉賀津也の発言 (本会議)
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○榛葉賀津也君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりましたGIGO設立条約に対し、外務、防衛両大臣に質問いたします。
議論に先立ち、日本における防衛装備移転の変遷を振り返りたいと思います。
我が国は、戦後間もない一九五〇年代前半、貴重な外貨獲得の手段として、在日米軍向けに武器の生産を行い、五〇年代から六〇年代にかけては、りゅう弾やピストルなどの日本製武器をタイ、ビルマ、台湾といった東南アジア諸国に輸出をしていました。また、いわゆる朝鮮特需では、進駐軍との物資契約のうち兵器及び関連部品は、一九五〇年から五三年の四年間で一億一千二百万ドルにまで増加し、全体の一四・五%を占めるまでになりました。
そこで、防衛大臣にお伺いします。
その日本が、どのような背景で、一九六七年、佐藤内閣の武器輸出三原則の政府答弁、さらには一九七六年の三木総理の実質的な全面禁輸の政府統一見解に至ったのか、国民に分かりやすく説明をお願いします。また、三木内閣における、武器輸出禁止地域以外へも輸出を慎む、言わば実質的な全面禁輸政策とはいかなる内容であったのか、防衛大臣にお伺いします。
一九八三年に対米武器技術供与取極を締結し、以降、共同開発・生産など、十八回の個別の例外化で防衛装備品の移転を許可しましたが、その後、民主党政権下の二〇一一年には、官房長官談話として防衛装備品等の海外移転に関する基準が発出され、平和貢献・国際協力に関する案件と国際共同開発・生産に関する案件が、個別ではなく、初めて類型として例外化されました。
私は、この民主党政権下による包括的例外措置が現在に至るまでの防衛装備移転への歴史的な転換点であったと思いますが、防衛大臣の御所見をお伺いします。
激動する国際情勢の中において、我が国の防衛装備の移転の変遷は、平和国家としての基本理念を維持しつつ、いかに国益と国家の安全を確保するかという葛藤の歴史でもありました。戦争を防ぐ一番の方法は確かな抑止力です。
国民民主党は、抑止力を高めるための重要な要素である防衛装備移転についても、現実的で偏らない議論を続けてまいります。
GIGO設立条約についてお伺いします。
本条約を精査すると、現状、多くが英国、イタリアと協議中であり、詳細は未確定という状況です。政府にはGIGOに関する説明責任と透明性の確保を強く求めます。
まず、GIGOの職員が全体では三百名程度で、日本からの派遣職員が約百名、そして開発費の分担比率については日本と英国が四割、残り二割がイタリアとの報道がありますが、これは事実ですか。また、ワークシェアは出資比率に準ずる見込みですか。防衛大臣、お答えください。
国民民主党はGCAPによる次期戦闘機の共同開発を理解し支持しますが、政府は国民に対して、次期戦闘機の共同開発について、そのメリットだけではなくリスクについても正直に説明すべきです。
そもそもなぜ次期戦闘機が必要なのか、なぜ共同開発でなくてはならないのか、日本単独開発の試算は存在するのか、なぜアメリカではなく英国とイタリアとの開発なのか、英国、イタリアがGIGOから離脱する可能性はないのか、日本が次期戦闘機に求める能力は確保されるのかなど、国民が感じる素朴な疑問に、防衛大臣、お答えください。
次に、次期戦闘機の第三国移転についてお伺いします。
政府は、第三国移転の理由として、生産数を増やしてスケールメリットを生かしたコストダウンであり、また、日本だけが輸出を拒否すれば、開発に向けた三か国間の協議が不利になるとしています。政府のその説明は理解します。
現在、米国の第五世代機であるF35ステルス戦闘機は、総発注数が三千五百機に迫っています。F35はなぜ売れるのか。それは、F35が性能に優れ、各国が国防のために必要だと判断するからです。誤解を恐れずに言えば、共同開発される次期戦闘機が性能やコスト面でF35に勝るものでなければ意味がありません。国際市場からそっぽを向かれ、新たな戦闘機を導入するのが日英伊の三か国だけになれば、単価は大幅に高騰します。
新戦闘機の性能は具体的にどの点がF35に勝るのか、防衛大臣にお伺いします。
次に、次期戦闘機に搭載予定であった次期中距離空対空誘導弾、JNAAMについてお伺いします。
JNAAMは、日本の優れた小型高性能電波シーカーと英国主導の欧州六か国で共同開発したミーティアを組み合わせる日英共同プロジェクトでしたが、昨年度、プログラムが終了しました。関係者からは、日英の共同開発の枠組みがそもそも不十分であったと指摘されています。
なぜJNAAMの日英共同研究が頓挫し、日本が期待する形とならなかったのですか。JNAAMの総括なくしてGCAPの成功はあり得ないと多くの関係者が不安を感じています。防衛大臣の説明を求めます。
これは短い恋愛ではなく結婚だ、今後四十年のプログラムで後戻りはできない、英国のウォレス国防相が日英伊の共同開発についてこう語りました。共同開発から運用終了までのおよそ四十年、その間、戦闘機の中核技術を共有する三か国は、安全保障上、切っても切れない準同盟国の関係となります。
他方、GIGOの運営や、それぞれの国が優先する性能の搭載などをめぐって三か国の利害がぶつかり合う主導権争いも始まります。政府は日本主導の開発が確保できることを強調しますが、その根拠が不明瞭です。戦闘機の国際共同開発機関に初めて参画する日本に対し、英国とイタリアはユーロファイター・タイフーンなど豊富な共同開発の実績があり、両国相手の交渉は楽観視できるはずがありません。
日本主導の共同開発について防衛省は、一、日本が求める主要な要求性能全てを満たすこと、二、将来にわたって適時適切な改修の自由を確保できること、三、高い即応性を実現する国内生産・技術基盤の確保を実現することを掲げ、これまでの日英伊の協議を通じてこれら全てを実現できる確信が得られたとしていますが、その根拠は何ですか。防衛大臣の説得力ある説明を求めます。
GIGOの本部は英国に設置され、実施機関の初代トップが日本、民間の共同事業体の初代トップがイタリアとなることが決まっています。しかし、その後の説明で、実施機関と共同事業体の二代目以降のトップについては三か国で持ち回りになることが明らかになりました。初代のトップを日本とイタリアに譲りながらも、動かすことのできない本部を自国に置くことに成功した英国が既に共同開発の主導権を握ったとも言われていますが、外務大臣の説明を求めます。
最後に、秘密保全についてお伺いします。
次期戦闘機の共同開発において最も重要な点は秘密の保全です。GCAPやGIGOをめぐる協議において、英国、イタリアとは三か国におけるサイバーセキュリティーの基準についてどのような議論が行われたのか、防衛大臣にお伺いします。
英国のサイバーセキュリティーセンター長官や英国軍のサイバー防衛戦略の統括司令官は、日本のサイバー防衛強化に期待の意を表し、アメリカのデニス・ブレア元国家情報長官も、日本のサイバー対策は不十分で、情報の共有をためらうと忠告しています。
能動的サイバー防御を導入していない日本は共同開発の主導権を握ることが極めて難しくなるばかりか、開発に関する機密が漏れれば、我が国の信頼は地に落ちます。
政府は、能動的サイバー防御について、いつまでに導入し、それまでの間、サイバー上の機密保全をどのように担保していくお考えか、外務大臣にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕