芳賀道也の発言 (本会議)
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○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
会派を代表して、令和四年度決算案外二件に全て反対、内閣への警告決議に賛成の討論をいたします。
論点は多数ありますが、決算反対の主な理由として七つを述べます。
第一に、食料安全保障の取組に欠け、食を守らなければ大変な目に遭うという危機意識がないことです。
この二〇二二年一月、ロシアがウクライナ侵略を開始。ウクライナが世界的な小麦の産地とあって、小麦などの穀物価格が上昇しました。トウモロコシの価格も上がり、酪農、畜産の餌代も急騰しました。燃料費の高騰も相まって、酪農、畜産農家の経営が大変厳しくなり、今も特に酪農家、畜産農家の苦境は続いています。
仮に東北アジアで緊張が高まった場合、海に囲まれている我が国は、昭和の戦争のときと同じように、国全体が飢餓に苦しむ危険性があります。我が国の領土、領海、領空への攻撃がなくても、我が国に海外から船がやってこられなくなったら、途端に食料危機に襲われてしまうのです。
東北アジアで緊張緩和に努めるのは当然のことですが、他方で、種や苗、肥料、農薬など長期的に計画を立てて国産の割合を高めていく必要があります。そして、農家が農業を続けられるように、特に小規模農家でも収益を高める必要があります。外国に食を任せることは生殺与奪の権を海外に渡すことにほかなりません。
第二の反対の理由は、アベノミクスの後遺症と言うべきです、円安とインフレが止められないことです。
例えば、二〇二二年の十月には三十二年ぶりに一ドル百五十一円台となるなど、急激な円安が進行しました。皆さんお分かりのように、今も円安は続いています。円安の影響で原油などエネルギー価格が上がり、食品も値上がりしました。
物価の高騰、この場合、市中金利を高くしてインフレを退治するのがセオリーです。しかし、金利を上げると、日本銀行がこれまでに大量に買い続けた国債の価値が暴落し、日銀が債務超過となってしまいます。日銀が債務超過に陥った途端に、円がドルと交換できなくなるなど、外国から相手にされなくなり、対外的に円が紙くずになってしまいます。だから、金利を上げてインフレ退治をしたくてもできません。
確かに、財務省や日本銀行の皆さんが必死の努力で円を守ってくださっていることはよく分かります。しかし、二〇二二年の決算を見れば分かるように、政府には私たちの資産を守るための努力が欠けていると言わざるを得ません。
反対の第三の理由は、いわゆる人への投資が少ないことです。
私たち国民民主党は、人づくりこそ国づくりとして、文教及び科学振興費の倍増を訴えてきました。しかし、この令和四年度当初予算では増えていません。
言うまでもありませんが、化石燃料や鉱物資源の少ない我が国で付加価値を生み出す源は、創意工夫や新しいアイデアを生み出す人的資源にあります。人への投資による新しい資本主義を本気で目指すのであれば、政策の大転換が必要であり、そのためには教育、科学技術予算を抜本的に引き上げなくてはなりません。
第四の反対の理由は、給料が上がる経済への取組が足りないことです。
国民民主党は、経済財政政策に関して、令和四年度予算案審議に先立って、参議院に給料が上がる経済実現法案と題した税制改正法案を提出しました。この法案では、赤字企業にも賃上げインセンティブを提供できるよう、法人事業税、固定資産税、消費税を軽減措置の対象にしました。一方、政府の税制改正法案の法人税減税による賃上げ促進では、法人税を払うことができる黒字企業にしか恩恵を受けることができないのです。
さらに、このときの政府案では、中小企業の控除要件を全雇用者の給与総額を一・五%以上増加させた場合を条件としていました。これでは、雇用者が増えて給与総額が増えても、従業員一人一人の給料が上がることには直結しません。
第五の反対理由は、燃料費が高騰する中で、ガソリン税、軽油引取税のトリガー条項の凍結解除をしないことです。
確かに、燃料油価格激変緩和措置が実施され、石油元売業者への補助でガソリン、軽油の小売価格が抑えられましたが、会計検査院は、この燃料油価格激変緩和措置事業について、支給に相当する額が小売価格に反映されていない可能性があると指摘しています。さらに、参議院では警告決議もありました。
一方、ガソリン税は本則の税金の二倍の負担になっています。その要因は暫定税率です。五十年間、半世紀続いている暫定税率は廃止すべきです。さらに、ガソリン税や軽油引取税の税額に更に消費税が掛かるタックス・オン・タックスも理不尽です。
また、別の面から考えると、車に関連する重税感、負担感が若い世代の車離れを招く一因となり、また、公共の交通機関が脆弱な地方に特に負担が重い、車が必需品の地方生活者への負担増ともなっています。
確かに、道路整備を進める財源としてガソリン税などが重要な役割を果たしてきたことは認めますが、時代や経済事情に合わせて自動車関連税制を見直すことは当然のことではないでしょうか。
第六の反対の理由は、統一教会という反社会的なカルト団体に対する政府・与党の対応が不十分なことです。
皆さんよく覚えていらっしゃるように、この年、二〇二二年の七月、参議院選挙のさなかに安倍元総理が凶弾に倒れ、お亡くなりになりました。改めて安倍元総理の御冥福をお祈りいたしますが、容疑者の犯行の動機と報じられている安倍元総理と統一教会との関係については国会や国民に十分な説明がされていません。
また、統一教会と政策協定を結んだ盛山文部科学大臣が辞任することなく、文化庁を通じて統一教会に解散命令の訴訟を起こしていることは、民間の常識からしてもいわゆる利益相反で、許容できることではありません。
報じられているように、宗教活動に名を借りた収奪、そして収奪による信者家族の家庭の貧困、貧困による児童虐待などがあったとすれば、第二、第三の統一教会を生み出さないためにも徹底した調査が必要です。
第七の反対の理由は、国としての目標を失い、政府が理想像を示せていないことです。
例えば、この年、二〇二二年十二月、岸田内閣は安保三文書を閣議決定しました。確かにこの国の政治、経済が日米同盟を基軸にしている以上、日米の協力関係は重要です。
しかし、高齢化、人口減少の進展と借金返済で重い負担を抱える日本財政を考えた場合、二〇二二年十二月に岸田総理が表明したように、防衛費を一・六倍増やすことが、国全体として、また庶民の幸せにどうつながるのか全く見えません。アメリカと良好な関係を結ぶことは大切ですが、だからといって日本の行く末を海外依存してはならないのです。
個人の自立もそうですが、独立国が独立国たるには、自分の国のことをまず自分で考えることが重要です。この国の次の目標や理念を、借り物の言葉ではなく、自分の言葉で語れていないのは問題です。
以上、反対の理由を申し述べました。
また、警告決議四項目は、必要な内容ですので、賛成いたします。特に、警告決議のうち三つ目、今年一月、羽田空港の滑走路で日本航空の旅客機と海上保安庁の飛行機との衝突事故について、原因究明と再発防止策の徹底を求め、政府に対して、航空の安全、安心の確保に万全を期すよう求めています。この内容を含めて、四つの警告決議に賛成をいたします。
以上、国民民主党・新緑風会の芳賀道也の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)