伊藤孝恵の発言 (予算委員会)
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○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
今日は、異次元の少子化対策、かぎ括弧スウェーデン並みのトリックを指摘したいと思います。
総理は施政方針演説で、少子化対策が画期的に前進した根拠として、家族関係支出がOECDトップのスウェーデンに達する水準のGDP比一六%になったことを挙げられました。折に触れ、スウェーデン並みをレトリックに使ってきた総理の発言を時系列にまとめましたのがパネル一です。(資料提示)
二〇二一年九月、自民党総裁選で子供予算倍増を明言された総理は、二二年六月には一年以内に倍増の詳細を示すと言い、二〇二三年一月には異次元の少子化対策を表明されました。何の指標のどの数字を倍増するのかが示されないため、一体どこが異次元なのか不明だった事態が動いたのは、二月十五日の衆議院予算委員会です。
総理の御答弁をそのまま読みます。家族関係社会支出は二〇二〇年度の段階でGDP比二%を実現しています。そして、それを更に倍増しようではないかということを申し上げている。OECD基準による二%を四%にするなら、それは確かに異次元です。家族政策先進国スウェーデンでも三・四%ですから、まさに画期的です。
しかし、これにはすぐに火消しが入ります。二日後の松野官房長官、当時。家族関係支出以外にも、少子化対策関係予算六・一兆円やこども家庭庁予算四・八兆円などの様々な整理がある。これ、金額ベースでの倍増を示唆されました。六日後の木原官房長官、当時。子供が増えればそれに応じて予算は増えていく。結果的に倍増。いやいや、それでは少子化対策になりませんよねという珍妙な認識ですが、要は子供一人当たりに着目しています。
少なくとも、昨年二月までのスウェーデン並みは、OECD基準、つまり国際比較可能な物差しを使用し、GDP比、いわく、国内総生産における子供予算を倍増するという文脈で総理は使われていました。ちなみに、二%を四%にするための財源はおよそ十兆円です。
この二月から六月の間に分かったのは、幾ら社会保険料に手を突っ込んで子ども・子育て支援金制度をつくったとしても、捻出できるのは三・六兆円程度。これだとGDP比二%が二・四%になるだけで、三・四%のスウェーデン並みになど到底ならない。そこで登場したのが、二三年六月の閣議決定、子供一人当たりの家族関係支出という新たな日本独自の物差しです。
十一月の財政審では、十八歳以下人口一人当たりの家族関係社会支出とタイトルした数字を、分母を日本国民一人当たりのGDP、分子を家族関係社会支出の金額を十八歳人口およそ二千万人で割るという独特の計算式で導き出し、日本はGDP比一一%、スウェーデンは一五・四%だと提示しました。
これ、総理に伺いたいというふうに思います。
この子供一人当たりの家族関係支出という、官邸だか財務省だか分かりませんけども、発明した物差しを使うことで、日本のGDP比はOECDトップのスウェーデンを超える一六%を達成し、晴れてスウェーデン並みになりました。ただ、家族関係社会支出は、現金、現物給付のこれ総和です。我が国のように、現金給付も自治体間格差がありますし、医療費そして給食費などの現物給付もこれ自治体間格差が著しい中で、この子供一人当たりで語るということは果たして適当なんでしょうか。