伊藤孝恵の発言 (予算委員会)

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○伊藤孝恵君 御答弁が矛盾していること、お気付きでした。
 ですから、その我が国一人一人のを使ってしまうと、それは国際比較ができません。諸外国はみんなそれを使っておりません。諸外国は一人一人が難しい。いろいろアプローチをしました、専門家は。それでもやっぱり難しいので、GDP比で各国比較をしているんです。
 総理、これ、少子化に伴うこの健全な危機感を今共有する、国民と共有する、そういったフェーズに入っています。公正な応能負担の在り方を考えて国民の皆さんにお願いをしなきゃいけない立場の政治家が、物差しを都合よく変えて、ほら、スウェーデン並みでしょう、異次元でしょうと総理自らの言説を正当化する、その不誠実さに今疑義を呈しております。
 一九九〇年の一・五七ショックから三十四年がたちました。一九九四年のエンゼルプランからは三十年です。そして今、少子化担当大臣は二十六代目を数えるにもかかわらず我が国の少子化対策が空振りをし続けているというのは、母親になる世代の人口が減っているからとか、未婚化、晩婚化の影響だけでなく、今、この期に及んでなおこのような粉飾をした物差しで取り繕い、施策のKPI、評価指標、これお持ちでないですよね、お持ちでないので過去の効果検証もできません。効果検証していないので改善も当然できません。当事者の声は聞き流し、的外れな政策を量産しても責任を取る人はおりません。こんな少子化対策を続けているから、だから結果は出ないんです。政治家は結果責任なんですよね。与党は結果を出すんですよね。見てください、この惨たんたる結果を。
 パネル二を御覧ください。
 自分の国は子供を産み育てやすい国だと思うかと問われた二〇二〇年の内閣府国際意識調査で、とてもそう思うと答えたのは、日本は四・四%、スウェーデンは八〇・四%でした。この両国には、スウェーデン並みはあったのに、七六%の意識の開きがあります。
 そして、この差は家族関係社会支出のGDP比だけによるものではありません。これ御覧になってください、住宅手当の差。それから、高等教育費全体に占める公的支援の割合の差、スウェーデンは八三%、日本は三三%です。それから、ここ特に、男女の家事時間倍率の差、スウェーデンは一・三倍、日本は五・五倍。これ、異常な数値であります。
 総理が今後もスウェーデン並みというのを喧伝されるのであれば、少なくともこれら四つの指標に係る政策は同時に手当てすべきだと御進言を申し上げます。
 あわせて、パネル三も御覧ください。
 我が国の実質賃金は、就職氷河期世代の非正規雇用の増大も相まって一九九六、七年をピークに四半世紀低下をしてきましたが、それと出生数の低下の相関係数、これ〇・九三です。これ、かなり強い相関関係があります。
 続いて、パネル四です。
 実質賃金は下がるのに教育費の家計負担は重くなり続けた平成の三十年間で、子供たちは奨学金という借金を借りざるを得ませんでした。今や二人に一人が奨学金を利用しておりますが、利用者が増加をすると出生数は低下をするというこの負の相関関係が見られます。係数はマイナス〇・九〇。これもかなり強い相関であります。
 そして、三百万円を超える奨学金を毎月返しながら、雇用は不安定だし、お給料も上がらない若者が果たして結婚しようと思えるでしょうか。子供を産み育てることはリスクだと、それは感じてしまうんじゃないでしょうか。
 パネル五をお願いします。
 昨年の婚姻数は戦後初めて五十万組を割り込みました。日本において非婚カップルの間に生まれる子供の割合はたった二%ですから、婚姻数の減少と出生数の低下の相関係数は当然ながら強く出ます。〇・九五です。もちろん、この相関係数というのは原因と結果の因果関係を示すものではありませんが、一方が変化をすると他方も変化をするという関係であることは、これは間違いがありません。
 以上のエビデンスを踏まえた上で、パネル六、政府の少子化対策に具体的な評価指標、KPIを導入することを御提案をいたします。
 まず、パネル御覧いただくと、ゴール、これ短期のゴール、長期のゴール、これを決めなければいけません。ターゲットも明確に決めなければなりません。本来であれば、これ、人口減少をめぐる問題を多角的かつ継続的に調査をし、戦略を議論する総理直下の組織、それからこういった参議院にも常設の会議体を設置して決めるのが本来だとは思いますけれども、今日は人口戦略会議の御提案を仮で置かせていただきました。
 KPIは、先ほどのOECD基準による四つの指標に加え、出生数との相関が高い、見ていただきました三つの指標、さらには、若い世代の結婚意向、それから子育て意向、さらには自分の国は子供を産み育てやすい国だと思うかの意識に係る三つの指標を加えた計十指標です。
 加えて、青いバルーンの中に書いてある社会政策にも取り組む必要があります。ここに書きました孤独・孤立対策やケアラー支援、それから格差の問題、インクルージョン、幸福度、こういったものを政治が、その課題解決を政治が放置してきた結果、若い世代の不安や、子育てをネガティブに感じる社会に直結していると思うからです。
 総理、こういった少子化対策に評価指標、KPIを導入することを検討いただけませんでしょうか。

発言情報

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発言者: 伊藤孝恵

speaker_id: 17711

日付: 2024-03-13

院: 参議院

会議名: 予算委員会