水野素子の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○水野素子君 立憲民主・社民、水野素子です。
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
近年、世界各地で大規模かつ人道上大変深刻な国際紛争が多く発生しています。今回の調査会、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」は時宜を捉えたテーマであり、最新の状況や法制側面の課題を学ぶことができる大変貴重な機会でした。
猪口邦子会長及び理事の皆様、各回で貴重な発表をしてくださった参考人の皆様、運営を御支援くださった皆様、心から感謝申し上げます。
さて、自律型致死兵器システム、LAWSについて、人間の判断を介さない完全自律型の武器に対する規制の現状報告と問題提起がありました。
近年、生成AIを始め、先端の技術で武器の性能が格段に向上しています。安全保障の戦略領域は、宇宙、サイバー、電磁波、無人機などと言われ、目的をピンポイントに攻撃する精度の向上や、敵方の人工衛星などの情報網機能の破壊、人命喪失を避けるための無人化などが重視されています。一方で、攻撃を受ける側にとっては、区別原則など、国際人道法の遵守がなされなければ、性能が上がった武器により多くの市民の命が失われてしまいます。
国際人道法については、武力紛争等と人道主義に関する発表において、榛澤祥子参考人は、戦争にもルールがあること、国際人道法に関する理解の増進と遵守を推進することについて、日本の国際社会におけるリーダーシップを求めました。また、国際法の専門家である松井芳郎参考人は、中東でのイスラエルの反応は、文民や民用物、病院等に対する広範な無差別攻撃、大方からジェノサイドであると批判されており、国際人道法上、合法と見る余地は全くないと断じました。
これらの意見を踏まえても、日本政府がイスラエルの行動について人道法違反かどうかの判断を避け、放置しているということは残念であり、国民の期待にもかなわず、問題だと改めて感じました。
気候変動、温暖化に関する参考人の詳細なデータに基づく政策提言により、温暖化による海面上昇の被害は、我が国を含む世界の多くの都市部の共通の大変深刻な問題であることを改めて学びました。また、データに基づく政策策定、EBPMの重要さも感じました。
CO2排出規制などの環境関連の条約、また戦争法における軍縮条約など、加盟すると一定の義務やコストを受容することになるため加盟しない方が得策だと、加盟インセンティブが働きづらいという問題があります。
地球環境問題や人道主義など、人類共通の普遍的価値の観点から行動を促す必要があり、その点でも国連の役割は本来重要です。しかし、FMCTに関する発表にあったように、コンセンサス方式を採用することが多い国連の現場では、交渉や議論が先に進まないことが散見されます。
私が長く働いていた宇宙の分野でも、例えば宇宙のごみを規制する国際ルールについて同様の問題があります。条約のようなハードローでの規制が難しいため、国連総会決議などで全世界を対象とした行動指針のようなソフトローを求めることが次善の策として行われています。
国際的にはソフトローとなっても、各国が国内法として受容してハードロー化していくというアプローチもあり得ます。しかし、国内法で規制を定めると国際競争力にマイナスの影響が出るため、やはり国際社会に影響力のある主要国が足並みをそろえて率先して対応することが重要であり、我が国もそのようなリーダーシップを発揮するべきであると感じます。
結びになりますが、私は、武力行使や軍拡による抑止力ではなく、外交や法の支配による平和の維持、構築が重要であると考えています。そのためには、安保理における拒否権の制限や国連総会の活性化など、機能不全に陥っている国連の改革や、国際司法裁判所の強制管轄権受諾宣言の促進など、ICJ、ICCを始めとする国際紛争の司法的解決手段の補強が不可欠です。この点において日本がリーダーシップを発揮していくよう、これからも提案を続けてまいります。
たくさんの学びを賜りまして、大変有意義な機会でありました。ありがとうございました。