大空幸星の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)

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○参考人(大空幸星君) あなたのいばしょの大空と申します。
 本日は、こうした貴重な機会をいただきましたことを、会長始め理事、先生方皆様に感謝申し上げたいと思います。
 本日は、困難や生きづらさを抱える子供たちということで、子供や若者が今置かれている現状を、我々のその相談支援の現場から見えてきた声ということも御紹介をしながら、具体的な、最後、対策までお示しできればなと思っております。(資料映写)
 簡単に自己紹介させていただきますと、私、大学在学中にこのNPO法人あなたのいばしょというのを立ち上げまして、先日二十五歳になりましたので、NPOの中では比較的若手ということになろうかと思いますが、現場のNPOの活動と行政の活動と発信をしていくというようなこともやっております。
 私どものNPO法人あなたのいばしょが何をやっているのか。簡潔に申し上げると、これはチャット相談の窓口です。いのちの電話さんとか、皆さん、先生方はお聞きになったことあると思いますが、こうした伝統的な電話相談窓口に対して我々のようなチャット相談窓口というのは、これ、基本的には電話を余り使わない子供や若者たちに向けたセーフティーネットということになります。これは厚生労働省の自殺防止対策事業として実施をされておりますけれども、自殺に限らず、いじめや不登校、貧困、恋愛相談、ペットロス、もうありとあらゆる相談というのが日々寄せられています。
 二〇二〇年の三月、まさにパンデミックの一番初期に、当時大学に在学をしていて、私自身の過去のいろんな原体験からこの相談窓口をつくりましたが、もうすぐ四年たちます。四年間で相談件数は九十万件です。今、一日千から千五百件、多いときでは三千人以上の子供が一日相談来るわけですね。非常に大規模な相談窓口、これだけ需要があるということになりますけれども、それは当然、これだけ悩みや困難を抱えている若年層がたくさんいるんだということを示しているわけです。
 我々、今、心理士さんそれから看護師さんを含めた専門職の職員と合わせて約一千名の市民ボランティアの相談員を抱えています。もちろんしっかり研修をやっています。この市民ボランティアの相談員は、今世界三十二か国に住んでいます。世界中に何でいるか。今二十四時間やっている相談窓口、まだまだ少ないんです。チャット相談窓口でいうとほとんどありません。ただ、一番相談が増えるのは、これは夜から朝方にかけてなんです。自ら命を絶つ方が最も多い時間帯というのも、不詳を除くと午前零時から二時の時間帯と言われています。人は夜悩みを深めるんですね。例えば、昼夜逆転生活を送っていて生活リズムが乱れている方というのは、当然、夜間非常に孤独を感じやすいということも指摘をされています。でも、この時間帯、行政の窓口もやっていないし、民間の相談窓口もほとんどやっていない。これは、人手不足、高齢化といった慢性的な問題がこうしたセーフティーネットには存在しますから、開けたくても開けられないというのが現状です。
 ただ一方で、私たちはチャット相談窓口ですから、実際の相談員の活動、全てオンラインなんですね。これは、書類選考、面接、研修、そして実際の相談対応までパソコン一台あれば自宅からできるという体制を取りました。こうすることによって、私たちは、世界中にいる、これ在外邦人、今百三十万人いると言われていますけれども、海外に住む日本人、それから日本語話者の方、こうした人たちが相談に入ります。一番相談が増える夜間から早朝の時間帯、主に北米とかヨーロッパに住んでいる相談員、これは朝方とか昼間ですから相談対応できるんですね。要は、時差を使うことによって二十四時間対応が可能になったと、そういうアプローチを我々は取っています。
 これやることによって、良かった点があります。相談員不足とずうっと何十年も言われてきました。でも、これ相談員になりたいという人がいないのではなくて、なりたいけれどもなれないというのが現状だということが分かってきたわけですね。というのも、やはり既存の相談窓口のように、若しくはいろんな行政のボランティアもありますけれども、じゃ、事務所に月に何回か行って、夜勤までやってください、これはやっぱり時間的にも金銭的にも余裕のあるシニアの方しかできないということで、相談窓口、高齢化しているわけです。
 でも、今、例えば就職活動にしても、これはガクチカといいますけれども、学生時代に力を入れたこと絶対聞かれるわけですね。エントリーシートには必ず書くんです。AO入試、推薦入試、これだけメジャーになりました。高校時代から社会活動をやるということが、今の子供たち、若者たち、もう当たり前になっています。それは就職のため、進学のためという何か目的があるかもしれませんけれども、手は動かしているわけですね。ということは、やはり社会的に参加をしていくと、ボランティアに参加をしていくということに対しては物すごくこれポピュラーになってきたと言えるんだと思います。
 そうした状況の中でパンデミックが起きました。DVや虐待が増えたという報告がたくさん出ました。メディアでも自殺が増えましたというようなことが報道されました。何か自分もしたいという人たちがやっぱりこの社会にはたくさんいるんですね。
 そうした人に対して、我々のように、例えば、じゃ、月に四時間、パソコン一台あればボランティアできますよというような体制を整えると、物すごい数の応募があるんです。今、一年間に約四回、我々、相談員の採用をやりますけれども、四回それぞれごとに五百人から七百人ぐらいはこれやりたいという方々がいらっしゃるんです。そのうち我々採用するのは約百名程度ですから、かなり厳選はしますけれども、やりたい人というのは今も途切れることなく応募が続いているという状況です。
 ですから、ボランティアとか誰かの支え手になりたいという人たちはたくさんいるという前提の下で、体制をどうやって構築をしていくのかということが我々セーフティーネット側にも求められているということなんだろうと思います。
 どういう仕組みでやっているか簡単に御紹介しますと、ほとんどは相談者はスマホで相談に来ます。ほとんど、残りは何かというとゲーム機です。ゲーム機と、そして学校のパソコン室、あとはGIGAスクール構想の一人一台端末、こうした端末を使うことによって相談来れます。というのは、親がお子さんに携帯を買い与えていない御家庭、これまだまだたくさんあります。
 今、いろんな行政がSNS相談窓口ってつくるんですけれども、ほとんどこれSNSを使うわけです。例えばLINEとかですね。これは携帯の電話番号の登録が必要、すなわち親が子供に携帯を買い与えている家庭でしか基本的にこういった窓口は使えないんです。でも、今そこにどんどん予算が付いているという現状もあります。
 我々は、SNS相談窓口ではなくてチャット相談窓口、ウェブのページに埋め込んでいますので、電話番号の登録も必要ありませんし、メールアドレスの入力も必要ありません。必要なのはデジタル端末だけ。そして、日本は、これはほかの国とは違って間違いなくアドバンテージなのは、一人一台端末配ったわけですね。もう今年は更新の自治体もあるそうですけれども、これはほかの国と比較してもなかなか珍しい事例になるわけです。経済的な状況にかかわらずデジタル端末を有する今の日本の子供たち、若者たちにとって、チャット相談というのは実は最もアプローチしやすい、リーチしやすい相談手法だということが最近分かってきました。
 ただ一方で、リーチしやすいということは、それだけ相談が逼迫をするということです。今、物すごい数の相談が来る中で、我々、正直申し上げて、全ての相談に瞬時に対応することはできません。これは我々のみならず、世界中どの相談窓口も全ての相談返せるというところは前提としてないと思います。
 ない中でどうするか。我々はやっぱりリスクの高い方を最初に応じるということをやらなければいけないわけですね。例えば、一日の相談窓口の中で、今駅のホームに立っていて、これから飛び降りようと思いますというお子さんからの相談、こうした相談毎日あるわけですけれども、一方で、今日は学校の部活でちょっと嫌なことがあった、急いでいないけれども話を聞いてほしい、こういうお子さんもいらっしゃるわけです。同時に相談来ます。どちらを優先するかというと、当然前者を優先しなければこれはならないと、セーフティーネットとしての役割がありますから、我々はそれをやるわけですね。
 どうやるか。目視でやるわけにはいきません。もう何千件も相談来ます。我々は独自の自動化のシステムを持っていて、相談の一番最初はAIのチャットボットと会話をしてもらっているんですね。人間の相談員とつながるのはその後です。AIのチャットボットと会話をしてもらうことによって、我々百万件の膨大な相談データを持っていますから、リスクの高い人が使う言葉みたいなものを分かっているわけですね。それを自動的に判別をしていきます。リスクの判定を自動化していくことによって、リスクの高い人を専門職の相談員が、そうじゃないのを市民のボランティアが、こういうふうに振り分けをします。この振り分ける機能を持っていることで、より多くの市民ボランティアがこの相談窓口に参画できていけるような仕組みをそもそも持つことができると、そういうことで我々は構造としてやっています。
 今いろんな数字が出ます。例えば、不登校の子供の数は、令和四年度三十五万九千六百二十三人で過去最多。これは、虐待の相談対応件数、いじめの認知件数共に令和四年度、過去最多なんです。
 これは、やっぱり政治の現場では深刻に捉えていただく必要はあるんですが、ただ同時に、これまで、じゃ、無理やり学校に行かなきゃいけないと思っていたお子さんが、無理して学校へ行かなくてもいいよというようなことをいろんな大人たちが言うようになったことによって、不登校、要は学校へ行かないという選択をしたということもこの数字には含まれているんですね。ですから、必ずしも一〇〇%ネガティブな数字というふうに捉えるのではなくて、問題は顕在化したんだけれども、同時に、声を上げられるようになったからこそ、例えば一八九に電話できるようになったとか、不登校という選択をできるようになったとか、そういう少しポジティブな側面もやはり我々は同時に見ていかなきゃいけないんだろうと思いますね。
 これ、余り過剰に、不登校、虐待、いじめ、大変だ大変だと言ったときに、じゃ、支援者側は、学校は無理して行かなくてもいいよというようなことを言うわけです。無理して行かなくてもいいと言った結果として不登校の子供の数が増えて、それまた大変だと。これどんどんどんどん繰り返しているだけですから、やっぱりこの数字を扱うときには、声を上げられるようになってよかったねと、ただ、この数字の中で抱えている問題というのをしっかりと捉えていこうと、そういう議論の仕方をしなければいけないんだろうと思います。
 一方で、子供の自殺に関する数字は別です、これは特殊です。二〇二二年は五百十四人の子供が自ら命を絶ちました。これは過去最多。そして、先日出た最新の数字だと、二〇二三年は五百七人の子供が自ら命を絶っています。これは速報値ですから、恐らく確定値が出る三月にはもう少し積み上がるだろうということが言われています。少子化の中で出生数が激減しているにもかかわらず、子供の自殺というのはこれまで全く減らなかった、むしろ過去最多を記録し続けているというのはまさに異常事態なんですね。
 そして、先ほど申し上げた、不登校とか虐待とかいじめ、この数字と何が違うか。亡くなった子供は生き返らないということですね。今年五百十四人だったとしたら、その年、次の年にまたその子たちが生き返るわけではありませんから、これ積み上がっているんですね。それを考えると、この十年間で約四千人の子供たちが自ら命を絶っている。これ、亡くなった子供だけですから、未遂、これ少なく見積もっても倍以上あると言われています。こうした自殺未遂をしている子供たち、オーバードーズというのも最近増えているという報告もあります。こうした子供たちというのは今現状増えていると。これは深刻に捉えなきゃいけない問題です。
 一方で、行政も国も何もしていないかというと、それは全く間違いで、いろんな支援を講じてきたのが現状です。
 例えば、スクールカウンセラー、これ平成七年、約二十七、八年前ですけれども、百五十四か所しか全国に設置されていなかったんです。今は三万か所以上に配置されています。約三十年弱でスクールカウンセラーの数というのは実は二百倍に増えている、増やしてきたんですね。
 一方で、全国で百五十四か所しかスクールカウンセラーが設置されていなかったときの子供の自殺は百三十九人なんです。三万か所以上に配置をした令和四年の子供の自殺は五百十四人。この間、繰り返しになりますが、当然出生数は減っています。スクールカウンセラーの数二百倍に増やしながら、子供の自殺の数は実は三・七倍に増えているんですね。これが現状です。
 今どうしても、我々のような分野はどうやって支援者を増やそうかというような議論に終始してしまいがちです。相談窓口を拡充するとか支援者を増やすとか、それは絶対重要です。やらなくてはいけませんが、やってきたけれども残念ながら結果が出ていないということはやっぱり重く受け止めなければならないわけですね。何で結果が出ていないか。例えば、今スクールカウンセラーの予約を取るのに担任の先生経由じゃなきゃいけないような自治体がいっぱいあります。担任の先生との関係で悩んでいるのにみたいな、そういうことが起こっているわけですね。また、これやっぱり対面です。そして、いろんな掛け持ちをしているスクールカウンセラーさんもたくさん多いと。匿名で気軽に話せるような相談窓口というのが重要だったわけです。
 子供たちからの相談を聞いてみると、こういうことで悩んでいますというよりも、こういうことで相談してもいいんでしょうか、自分は悩んでいていいんだろうか、心配掛けて申し訳ないというような声が多く聞かれます。頼ることが恥ずかしいとか相談することは負けだといったような、これは英語でスティグマと呼ばれますけれども、いわゆるためらいのようなものがあるわけです。支援を増やすのであれば、同じぐらいのコストを、相談することは恥ずかしくないというような文化をつくることにお金を掛けなきゃいけないんですね。
 これは、例えば、相談窓口を広報するときに、相談してくださいとしか我々支援者や行政は言いません。でも、例えば、洗剤を売っている民間の企業は、洗剤買ってくださいとはCMで打たないんです。この洗剤を使ったらこれぐらい汚れが落ちますと言ってCMを打っているわけですね。
 要は、相談につながるとどういった効果が得られるのか、どういった変化が起きるのかというのを悩みや困難を抱えている人たちには見せていかなきゃいけない。相談することによってちょっと気持ちが軽くなるとか、支援につながったことによってこういう生活の変化がありましたよというような相談のその先を見せていくという、これは広報の仕方を今まるっと変えるということですね。今でもポスターでは相談窓口の表示に基本的には終始してしまいがちですけれども、そうしたコミュニケーション方法を変えるだけでもこのスティグマという文化を変革していくことにつながるんだろうと思います。
 今起きている現状というのは、若年層が支援にたどり着いていないということです。これは様々な要因がありますけれども、非常に子供たち、若者たちの問題が矮小化されているんだと思います。
 例えば、子供の自殺と聞いて、今でもいじめが大きな原因なんだろうと思っておられる方はたくさんいらっしゃると思います。ただ、いじめを原因とする子供の自殺というのは失恋の三分の一以下なんですね。これはやっぱり、いじめというのは、加害者の存在がありますから、メディアでもセンセーショナルに報道されますし、やはりこれは人間の感情として、許せない、こんなことはあってはならないと思うわけです。
 一方で、失恋で亡くなった子供、毎年三十人ちょっといますけれども、そうした報道を見たときに、何で恋愛なんかで亡くなるんだってきっと多くの方は思うと思うんですね。でも、子供の場合は自分の見えている世界が当然これ全ての世界ですから、大人がそれもいい経験だよなんと言っても、これは何の意味もないわけです。
 やはり、いじめだろうが失恋だろうが無気力だろうが、子供たちが抱えている問題というのを正面から深刻に捉えていくというのがまず最初のステップ。それを考えたときに、今の仕組みというのは明らかにおかしい。例えば、いじめを原因とする自殺については、これは調査していくわけですね。それでも不十分ですし暗数もありますが、でも調査されるんです。ただ、これは、いじめ防止対策推進法が議員立法によって成り立っているわけですから、当然これはやっていきます。ただ、先ほど申し上げた失恋とか部活動の悩みとか、こういうことを原因とする自殺というのはほとんど調査されていないのが現状です。いじめ以外の要因というのが残念ながら無視されてしまっていると言ってもいいんだと思います。子供たちの自殺は五百人ですよ。五百人、一件一件調べるのにそんなにコストは掛からないはずです。
 複合的ということなんですね、背景は。一つの自殺、これは平均して四つ以上の背景や要因があると言われています。一つだけで、限定的な要因で苦しんでいるということではないんです。学業不振があれば、そのことを誰にも相談できないということもこれまた一つの悩みなわけです。幾つも重なっていきます。例えば、私たちの相談窓口を見ていくと、将来に対する漠然とした不安とか、勉強意欲の低下とか、無気力、これは不登校の要因として一位ですけれども、こうしたものが挙げられてくるわけですね。今の仕組みは、いじめとか、この後御紹介あると思いますが、ヤングケアラーとか不登校、虐待とか、個別の問題に特化し過ぎているんですね。こういう漠然とした不安とか無気力に対しては全く今なすすべがないと、現状よく分からないというのが実態だと思います。そのためにも実態を把握しなければいけないということになります。
 これは、私たちの相談窓口で使われた言葉の大きさ、要は使われた回数が多ければ多いほど大きく表示している。これを緊急事態宣言ごと、これ東京の期間ですけれども、四回あります。一回目の緊急事態宣言の期間というのは、最も相談窓口で使われた言葉というのはコロナという言葉なんです。それが二回目、三回目、四回目の緊急事態宣言に移っていくにつれて、コロナという言葉は消えました。代わりに死という言葉、死にたいというような言葉が最も多く使われるようになりました。この背景には、学校のことで悩んでいる、親のこと、友達のこと、不安、いろんな要因というのが重層的になっていったということが読み取れるわけです。ですから、問題を限定的に捉えないということは非常に重要ということです。
 今の支援というのはほとんど、次のページにありますが、川のようになっているというふうに捉えると下流なんです。対症療法なんですね。虐待が起きた後どうするか、不登校になった後どうするか、引きこもりになった後どうするか。それは、もちろん個別の対症療法は重要なんですが、もっと上流へのアプローチがあるはずなんです。
 それは、悩みを抱えないという子供はいないということです。これは、孤独・孤立対策、我々も一生懸命やってきましたけれども、例えば不登校で悩んでいるお子さん、まあ学校ちょっと行きたくないなという段階が最初にあるはずなんです。学校に行きたくないなということを誰にも相談できないことによって、今度不登校になります。不登校というのがどんどん続いていくことによって、今度は引きこもり、これは約、引きこもりの二割ぐらいは不登校経験者です。そして、引きこもりの御家族もまた悩みを抱える。ちょっとしたもやもや、誰にも相談できないということが実は新たな社会問題を生んでしまっているんですね。ですから、源流へのアプローチというのが大事。この源流というのが、誰にも頼れない、頼りたくても頼れないんだというような、いわゆる望まない孤独に当たる部分です。
 悩まない子供がいないという中で、子供たち、何で支援しづらいか。客観的に見えません。孤立している子供というのはほとんどいないです。これ、何でかというと、子供たちには学校や家庭が基本的にはありますから、社会や地域で孤立しづらいんですね。むしろ、家族や友達がいるお子さんの方が、心配を掛けちゃいけない、迷惑を掛けてはいけないということで、相談できていないという現状が今あります。
 どちらかというと、こちらの方が問題です。やはり、センセーショナルに報道される非常に深刻なケースも大切なんですが、もう少し源流の段階で、もやもやするけれども心配掛けちゃいけないな、ここにどう対処できるか、アプローチできるかというのが新たな社会問題の発生を防ぐことにつながるんだろうと思います。
 じゃ、どうするのか。一つはやっぱり居場所なんです。居場所という概念は非常に曖昧です。もし何か立法措置とるのであれば、この居場所という概念を僕は整理しなければいけないと思っていますけれども。
 居場所、こどもの居場所づくりに関する指針、こども家庭庁で審議会の中で私たちも去年議論してきましたけれども、子供たちに限って言ってもなかなか難しいです。これは、子供の居場所をつくろうとすると、これ、今度は大人を排除するという性質も生まれます。でも一方で、悩みを抱えている親もまた悩みを抱えていたりするわけですね。だから、親の居場所をつくろうとすると、それ、今度は子供にとって居場所じゃなくなることもあるし、大人たちが想定していないオンラインゲームとかSNSがもう立派な居場所になっているということもあるわけです。ですから、こうしたことを解決をしていくためには、やはり居場所という概念をもう一度整理していく必要があります。
 そして、日本は、大変すばらしいのは既存のリソースがあるんです。一つは民生委員です。子供、若者民生委員という民生委員を若者たちがやるという仕組みを今我々はずっと提言をしてきました。今の民生委員さん、一生懸命頑張っておられますが、約九割が六十歳以上なんです。全国で九十歳代の方もいらっしゃるそうです。これはすばらしいんですけれども、例えば、SNSのネットいじめに悩んでいる中学生がスマホを持っていない高齢の民生委員さんには相談できないというのが現状なんですね。
 やはり、最初、冒頭申し上げたことと同じで、民生委員さんやりたい人がいないわけではありません。僕、地元の東京江東区に住んでいますが、江東区の民生委員やろうと思っても僕はなれないわけですね、やはり推薦されませんから。なりたい人はいます。でも、なれる仕組みがないということなんです。子供たち、若者たちがオンラインで同じ地域に住んでいる同世代とかちょっと年下の子供たち、若者たちを支援するという子供、若者民生委員の仕組みをつくって、やはりこれは同世代同士の支援ということを進めていく。この子供、若者民生委員、何の問題もなく務め上げた方を既存の民生委員、児童委員の仕組みに入れていくということができれば、民生委員の大幅な若返りもできるはずです。
 新しく何かを、ゼロから一をつくるんじゃなくて、既にある、この日本の百年続いているすばらしい民生委員制度の仕組みを百年後も持続化させていくためにアップデートをしていくというような取組も居場所づくりにとっては重要ですので、是非、今のものを見返しながら、検証しながらということで進めていただくというようなことも一つの案として御検討いただければと思います。
 以上になります。

発言情報

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発言者: 大空幸星

speaker_id: 27577

日付: 2024-02-14

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済及び地方に関する調査会