岩田和親の発言 (資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会)

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○副大臣(岩田和親君) はい。
 国際情勢について御説明させていただきます。
 エネルギー政策においては、安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に環境への適合を図っていきます。
 三ページを御覧ください。
 安定供給の重要な指標である主要国のエネルギー自給率の推移をお示ししております。我が国のエネルギー自給率は二〇二二年度に約一三%となっており、主要国の中でも極めて低い状況です。エネルギー自給率の向上に資する脱炭素エネルギーへの転換を進めていく必要があります。
 四ページを御覧ください。
 世界におけるカーボンニュートラル宣言の状況をお示ししております。二〇二四年四月時点で確認できているカーボンニュートラル目標を表明する国・地域は百四十六か国であり、そのGDP総計は既に世界全体の約九〇%を占めております。
 五ページから七ページにつきましては、最近の原油、天然ガス、石炭の価格動向をお示ししております。
 二〇二二年のウクライナ危機を受け、いずれも一時期は歴史的最高値を記録しており、原油は依然として高止まりしておりますが、二〇二二年に比べれば相対的に落ち着きを見せております。
 八ページと九ページを御覧ください。
 G7各国における化石燃料のロシア依存度とウクライナ侵略以降の各国の取組についてです。ドイツ、イタリアなどは、ロシアに対するエネルギー依存度が相対的に高い状況にあります。ロシア産を中心とした化石燃料に過度に依存することによるリスクが顕在化したことを踏まえ、各国は、化石燃料への依存度低減など各国のエネルギー状況に応じた政策を展開しております。
 十ページと十一ページを御覧ください。
 日本の化石燃料の輸入先をお示ししております。ロシア産の輸入割合は、原油、石炭については着実に低下をしています。他方、LNGについては、マーケットがタイトである中、サハリン2は、LNG輸入量の約九%を供給し、総発電量では約三%に相当するなど、エネルギー安定供給の観点から重要なプロジェクトです。仮に供給途絶が起これば、電力、ガスの安定供給に影響を与えかねません。引き続き権益を維持するべく、官民一体となって万全の対応をしてまいります。
 続いて、エネルギー安全保障・脱炭素社会をめぐる内外情勢のうち、国内情勢について御説明いたします。
 十三ページを御覧ください。
 日本の化石燃料輸入金額・輸入量の推移をお示ししております。二〇二〇年と二〇二三年の化石燃料輸入額・輸入量を比較した場合、化石燃料の輸入量はほぼ変わりませんが、化石燃料輸入額は十六兆円増加するなど、引き続き多額の国富流出につながっております。
 十四ページを御覧ください。
 分野別の最終エネルギー消費の推移とその割合をお示ししております。二〇二二年度時点で、企業、事業所ほかが六一%、運輸が二四%、家庭が一五%を占めており、いずれも二〇一三年度比で減少傾向にあります。
 十五ページと十六ページを御覧ください。
 世界各国の電源構成、日本の電源構成の推移と二〇三〇年度の電源構成の見通しをお示ししております。二〇三〇年度の電源構成の見通しについては、再エネが三六から三八%、原子力が二〇から二二%、火力四一%、水素、アンモニア一%としています。脱炭素電源の普及等を通じて、エネルギー安定供給と脱炭素の両立に向けて取組を進めています。
 十七ページと十八ページを御覧ください。
 エネルギー需要サイドにおいては、徹底した省エネルギーと資源自律経済の確立への取組が重要です。我が国において、エネルギー消費効率は順調に改善しており、最終エネルギー消費量も減少傾向にあります。各部門で一層の取組を進めるため、令和五年度補正予算も活用し、企業向けの省エネ補助金や省エネ診断、家庭向けの住宅省エネ化支援を進めています。
 十九ページから二十一ページを御覧ください。
 資源自律経済の確立に向けて、経済産業省において、昨年三月に成長志向型の資源自律経済戦略を策定いたしました。規制、ルールの整備、GX投資支援も活用した政策支援の拡充、それから産官学連携による協力枠組みの立ち上げ、サーキュラーエコノミーの実現にスピード感を持って取り組んでおります。
 二十二ページを御覧ください。
 再エネ導入推移と二〇三〇年度の導入目標をお示ししております。FIT制度の導入後、再エネ比率は、震災前の約一〇%から二〇二一年度には約二〇%まで倍増しており、そのうち太陽光発電については急速に導入が拡大しております。
 二十三ページから二十五ページを御覧ください。
 国土面積当たりの日本の太陽光導入容量は主要国の中で最大級であり、平地面積で見るとドイツの約二倍です。他方、足下では大規模案件などが減少しつつある中、公共部門や工場、倉庫などの建築物に対する太陽光発電の導入を強化していきます。陸上風力発電についても開発しやすい平野部での適地が減少しつつある中、洋上風力発電の導入拡大が重要となります。
 二十六ページから二十八ページを御覧ください。
 再エネ政策の今後の進め方をお示ししております。地域と共生した再エネの最大限導入に向けて、次世代ネットワークの構築、調整力の確保、イノベーションの加速、国産再エネの最大限導入に向けて取り組んでまいります。具体的には、再エネ海域利用法に基づく着実な洋上風力発電の案件形成やマスタープランに基づく全国規模での系統整備の加速などを推進します。加えて、排他的経済水域での洋上風力発電についても、今後、国会で御審議いただきながら、必要な手続等の整備に取り組んでまいります。
 二十九ページを御覧ください。
 地熱の導入拡大についてお示しをしております。二〇二二年度の地熱比率は〇・三%ですが、二〇三〇年度に地熱一%という見通しの実現に向けて、国内の約八割の地熱資源が存在をする国立・国定公園を中心とした先導的資源量調査等を進めています。
 三十ページを御覧ください。
 原子力発電所の現状についてお示しをしております。原子力は脱炭素のベースロード電源として重要です。十二基が再稼働済みですが、関西、四国、九州と、いずれも西日本に集中しております。
 三十一ページを御覧ください。
 再稼働済み十二基に加えて、設置変更許可済みで再稼働を目指す原子力発電所が五基ございます。二〇三〇年度の電源構成に占める原子力比率二〇から二二%の実現に向けて、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら再稼働を着実に進めていく方針です。
 三十二ページを御覧ください。
 原子力政策については、昨年五月に成立したGX脱炭素電源法で、原子力基本法に原発事故への真摯な反省を明記した上で、安全最優先で原子力を活用していくべく、原子力発電所の運転期間の延長や、円滑な廃炉の実現に向けた制度などを措置しております。
 三十三ページを御覧ください。
 原子力の安全性向上を目指して新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、建設にも取り組む方針を明記しております。昨年度からは、GX経済移行債を活用して、高速炉や高温ガス炉の実証炉開発を開始しております。足下から円滑な再稼働に取り組むとともに、将来のカーボンニュートラルの実現と安定供給の確保に向けて、原子力の活用を進めてまいります。
 三十四ページと三十五ページを御覧ください。
 GXを通じた脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の三つを同時に実現するため、昨年七月に脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を閣議決定しております。本戦略では、化石燃料への過度な依存からの脱却を目指し、徹底した省エネルギーに加え、再生可能エネルギーの最大限活用や、安全性が確保された原子力の活用など、脱炭素効果の高い電源への転換を推進することなどの方針を明確にしました。
 あわせて、成長志向型カーボンプライシング構想に基づき、今後十年の間に官民一体で百五十兆円を超えるGX関連投資を実現するべく、GX経済移行債を活用した二十兆円規模の先行投資支援とともに、カーボンプライシングを段階的に導入することによりGX投資に前倒しで取り組むインセンティブを付与する仕組みを創設してまいります。
 三十六ページと三十七ページを御覧ください。
 レアアースやリチウムといった重要鉱物は、カーボンニュートラルの実現に向けて必要不可欠ですが、特定の国へ過度に依存している状況であり、重要鉱物の安定供給確保に向けた取組が重要です。そのため、供給源の多角化や資源国との更なる関係強化を図るため、多国間や二国間の双方で広く鉱物資源外交を展開しております。
 続いて、エネルギー安全保障・脱炭素社会をめぐる内外情勢のうち、電力システム等について御説明いたします。
 三十九ページから四十三ページを御覧ください。
 これまでの電力システム改革については、安定供給を確保する、電気料金を最大限抑制する、需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大するという三つの目的を掲げ、電力広域的運営推進機関の設立や小売全面自由化に取り組んできたところです。二〇一六年四月の全面自由化以降、小売電気事業者の登録数は七百者を超え、需要家の選択肢が拡大をし、家庭向け自由料金が規制料金と比較して安価な水準で推移してきた実績もあるなど、一定の成果が出ていると認識しております。
 一方で、二〇二二年には、ロシアのウクライナ侵略による世界的な燃料価格の高騰等により、電気料金や卸電力取引市場における市場価格は上昇傾向にありました。この影響により、足下では一部の新電力が小売電気事業から撤退する動きを見せております。
 他方、電力自由化以降、供給力不足を回避するための事業環境整備の遅れや自然災害の多発などの要因により、近年、電力需給逼迫が生じており、必要な対策を講じていく必要があります。
 四十四ページを御覧ください。
 足下、二〇二四年度夏季の電力需給見通しは、全エリアともに十年に一度の厳しい暑さを想定した場合の需要に対し、安定供給に最低限必要な予備率三%を確保できる見通しです。
 四十五ページを御覧ください。
 火力発電については、二〇三〇年に向けてその比率をできる限り引き下げていくことが基本です。ただし、火力は震災以降の電力の安定供給やレジリエンスを支えてきた重要な供給力であり、当面は再エネの変動性を補う調整力、供給力として必要であるため、安定供給を大前提に進めていきます。また、火力の脱炭素化の取組についても加速度的に促進していきます。
 四十六ページから四十九ページを御覧ください。
 エネルギー価格の激変緩和措置は、国際情勢の緊迫化等を背景として、エネルギーの国際価格が急騰する中で緊急対応として実施してまいりました。
 本措置については、令和五年十一月に閣議決定した総合経済対策において、燃料油価格の激変緩和措置については、緊迫化する国際情勢及び原油価格の動向など経済やエネルギーをめぐる情勢等を見極め、柔軟かつ機動的に運用しつつ、措置を二〇二四年四月末まで講ずる、電気・ガス料金の激変緩和措置については、二〇二四年春まで継続する、具体的には、国際的な燃料価格の動向を見極めつつ、現在の措置を二〇二四年四月末まで講じ、同年五月は激変緩和の幅を縮小することとしておりました。
 今回、ガソリン等の燃料油については、中東情勢の緊迫化等を背景とした今後の価格高騰リスク等や様々な経済情勢を見極めるため、二〇二四年四月末までの措置を一定期間延長することといたしました。他方、電気、ガスについては、料金への影響が大きいLNGや石炭の輸入価格がロシアのウクライナ侵略前と同程度に低下しています。こうした状況を踏まえ、電気・ガス料金の激変緩和措置については、五月末まで講じることとし、五月は、低圧で一キロワットアワー当たり一・八円の支援とするなど、幅を縮小することといたしました。その上で、予期せぬ国際情勢の変化等により価格急騰が生じ、国民生活への過大な影響を回避するための緊急対応が必要となった場合には、迅速かつ機動的に対応してまいります。
 五十ページを御覧ください。
 令和六年能登半島地震を踏まえた対応状況についてお示しをしております。発災時、石川県内において約四万戸の停電が発生いたしましたが、安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等を除き復旧しております。
 続いて、資源エネルギー分野のイノベーションのうち、脱炭素・エネルギー等研究開発及び社会実装並びに自給率向上に向けた取組について御説明いたします。
 五十二ページから五十四ページを御覧ください。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、鉄鋼、化学等の脱炭素化が難しい分野においてGXを推進していくことが不可欠です。そこで、低炭素水素等の供給、利用の促進を図るとともに、CCSに関する事業環境整備を行うため、今国会に水素社会推進法案とCCS事業法案を提出し、現在、国会で御審議いただいております。
 水素社会推進法案については、まだ黎明期である低炭素水素等の市場において、そのサプライチェーン構築に向けた投資の予見可能性を高めるため、価格差に着目した支援や拠点整備支援等の措置を通じて低炭素水素等の供給、利用を促進します。
 CCS事業法案については、CCS事業を規制する包括的なルールが整備されていない現状を踏まえ、事業に必要な許可制度や事業規制、保安規制等を措置することで、CO2の安定的な貯留やCCS事業の適切な運営を確保してまいります。
 五十五ページから五十七ページを御覧ください。
 水素やアンモニアのコスト低減や社会実装のため、水電解装置、輸送技術、混焼技術などについて技術開発や実証を進めております。
 五十八ページから六十ページを御覧ください。
 再エネ導入拡大に向けては、定置用蓄電池の導入拡大や次世代太陽電池や浮体式洋上風力の早期実用化を進めることも重要です。
 定置用蓄電池の導入拡大に向けては、蓄電池コストの低減等を通じたビジネスモデルの確立、円滑に系統接続できる環境整備、各種電力市場における収益機会の拡大等の取組を進めてまいります。また、グリーンイノベーション基金等を活用し、壁面など従来設置が困難な場所にも設置を可能とするペロブスカイト等の次世代太陽電池や浮体式洋上風力の技術開発や早期実用化を進めてまいります。
 以上が経済産業省からの説明でございます。

発言情報

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発言者: 岩田和親

speaker_id: 18890

日付: 2024-05-15

院: 参議院

会議名: 資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会