辻元清美の発言 (本会議)

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○辻元清美君 立憲民主党の辻元清美です。
 会派を代表し、石破総理大臣の所信表明演説に対し、質問をいたします。
 衆議院では、与党過半数割れになりました。与党多数で押し切る国会ではなく、与野党、国民の見えるところでオープンに、しっかり議論をして、合意形成をしてほしいという民意が示されました。
 そこで、総理、約束してください。与党多数の本院参議院、参議院は与党が多数ですけれども、この参議院でも、熟議と公開、よろしいですね。
 さて、やっと補正予算です。能登の被災者に届くのはいつでしょうか。震災関連死が二百四十七人に上り、直接死の二百二十七人を上回りました。地震では生き延びたのに、その後の困難の中で命を落とす。だから、一刻も早く補正予算で本格支援を開始しよう、そう私たちは言ってきたんじゃないですか。なのに、石破総理は、被災者支援より、裏金隠し・自己都合解散を選んだ。その間に救える命があったんじゃないですか。
 能登はこれから厳しい冬を迎えます。地震から元旦で一年。一年たっても本格支援の補正予算が届かない。これが石破政権の実態ではないですか。これ以上犠牲者を出さないためにどのような対策を行うのか、具体的にまず示してください。
 能登の被災者や物価高で生活が苦しい国民は増えています。なのに、自民党の裏金・脱税事件の決着はまだ付いておりません。
 そこで、来年夏の参議院選挙の公認問題。総理は、衆参で違う対応をすることはございませんと述べ、参院選でも同じ基準で非公認の判断をする考えを示しました。このお考えに変わりはないですか。参議院選の非公認の基準はどうするんですか。政倫審に出る出ないで決めるんですか。また、非公認の支部にも二千万円を配るんですか。お答えください。
 総理、政策活動費は廃止するんですよね。今まで自民党はこれだけは廃止できないと言い張ってきましたが、選挙後、廃止と言わざるを得なくなった。これは、一票の力で政治を動かしたあかしではないでしょうか。
 しかし、自民党はまだ抜け道を探しています。外交や営業の秘密、またプライバシーなどを理由に例外を設けるんですか。第二の政策活動費になりかねません。その抜け道の一つが地方組織。地方組織の政策活動費も廃止でよろしいですね。
 さて、次は、年収の壁問題です。
 総理は所信表明演説で、百三万円の壁の引上げに言及されました。総理、この引上げ額を決めるに当たって何の指標を使いますか。最低賃金ですか、それとも消費者物価指数ですか。お答えください。
 さらに、最低賃金、そして消費者物価指数の食料品、基礎的支出項目、総合、それぞれについての引上げ額と国、地方の税収減の試算を示してください。
 百三万円の壁を引き上げても、その先には百三十万円の崖が待ち受けています。現状では、百三十万円を超えると、国民年金、国民健康保険の保険料を支払うということになるものの、将来受け取る年金給付が増えるなどのメリットはありません。
 立憲民主党では、この百三十万円の崖を給付金で埋める就労支援給付制度の導入に関する法律案を提出いたしました。政府の二年間程度の臨時的な措置、昨日も答弁されていましたけれども、これでは不十分です。壁と崖、この際、合わせて解消することを提案しますが、いかがでしょうか。
 さて、連日、闇バイト事件が報道されています。
 まず、政府がやっと動き出した闇バイト対策について説明をしてください。
 まともに働き、安定した収入があれば、闇バイトとは関わらなかったと思う、これは闇バイトに手を染めてしまった若者の声です。闇バイトに至るまで、四人に三人は就労、就学をしていたという調査があります。そこからは、貧困家庭の問題や、仕事があっても不安定で低賃金、生活ができない若者の実態が浮かび上がっています。そして、被害を受ける高齢者の社会的孤立があると言われています。
 私は、根絶するためには、啓発や取締り強化はもちろん必要ですが、貧困対策や若者の低賃金の改善など、闇バイトがビジネスとして成立しない社会をつくる必要があると考えます。総理、いかがでしょうか。
 この闇バイトに悪用されていると言われているのがスポットワークです。近年、若者を中心にスポットワークや隙間バイトが広がっています。大手アプリ四社には延べ二千万人以上が登録。一方で、内容や労働条件が違っていたとか、けがをしたけれども労災認定されなかった、トラブルも増えているんです。
 禁止された日雇派遣と同じような問題がこのスポットワークでも発生している。総理、実態調査とルール整備を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 総理は、非正規雇用をなるべく減らさなければならないと主張されてきました。なぜ減らさなければならないと考えるのか、どのような施策で減らしていくのか。答弁を求めます。
 同一労働同一賃金の法整備後も、基本給を見直した企業は半数、ボーナスは二割、扶養手当や退職金に至っては一割未満にすぎません。若者が安定した仕事に就くためにも、私たちは同一労働同一賃金の法整備の不備を改める必要があると考えますが、総理、いかがでしょうか。
 また、総理は政労使会議で、二〇二〇年代中に最低賃金の全国平均を千五百円に引き上げる対策案を来年の春までにまとめるという方針を話されました。総理、二〇二〇年代中に千五百円でいいですね。どこで誰が議論をして、来年の春とは何月までに対策案をまとめるのでしょうか、お示しください。
 先日、衝撃的な将来推計が発表されました。二〇五〇年には全世帯に占める単身世帯の割合が四四・三%になると示されたのです。ほぼ二人に一人が単身世帯。総理の受け止めはいかがでしたか。
 私もシングルで、こうやって仕事をして、一見強そうに見えるかもしれませんが、親の介護や自分の老後を考えたら大きな不安に襲われるときがあるんです。ですから、もっと厳しい環境の人たちの不安はいかばかりかと心が痛みます。
 もちろん家族を持つ持たないは個人の自由ですが、希望しても家族を持てない人も増えています。単身世帯の増加、その原因の一つがやはり不安定な非正規雇用の問題。総理、この認識はありますか。
 さて、民主党政権から二回目の安倍政権に移ったとき、経済団体が自民党への企業献金の呼びかけを再開し、ほぼ同時に労働法制の規制緩和を要望いたしました。あれから十二年、非正規雇用が約四割に達し、少子化が加速され、単身世帯が増加。日本企業の国際競争力は低下し、日本は経済成長しない国に陥ってしまったのではないですか。
 総理も所信表明で、三十年前、日本のGDPは世界全体の一八%を占めていましたが、直近の二〇二三年では四%です、一位だった国際競争力は今三十八位に落ちていますと述べ、この現状を認めています。ほとんどの期間、自民党政権だったんじゃないですか。
 総理は、アベノミクスについて、トリクルダウンは結局起きなかったと、はっきり何回もおっしゃってきました。今も同じ認識ですか。
 企業献金をしてきた経済団体の要望を忠実に実行した結果、トリクルダウンは起きず、富が偏る不公正な政策決定がなされたと感じている国民がたくさんいるんじゃないですか。総理はそう思いませんか。
 国民が不公平感満載で政治が信用できない国に経済成長はありません。
 企業・団体献金について、総理は五十四年前の最高裁判決を錦の御旗のように答弁していますが、同じ判決には、大企業の巨額の寄附について、金権政治や政治腐敗の醸成といった弊害との表記もあり、法律での対処についても言及しています。
 日本の公平公正で健全な経済発展のためにも、総理、企業・団体献金禁止、ここで明言していただきたい。いかがでしょうか。
 昨日の本会議で総理は、この企業・団体献金のことを質問された答弁で、何かむっとして答弁されていたように見えるんですね。五千万円とか何千万円も企業が自民党に一社で寄附している、これに対して国民も不信を抱いているんですよ。そして、それを批判して、その答弁、むっとして答える。これこそふてほど、不適切にも程があるんじゃないですか、皆さん。今日は、総理、是非爽やかにお答えいただきたいと思います。
 次に、防衛増税。
 総理は、年末の税制改正で決着を付けるとの認識を示しました。今月中に決めるということでよろしいですね。
 総理、そもそも自民党内はまとまるんですか。茂木元幹事長は防衛増税は必要ないと主張。また、来年夏の参議院選挙を控え、参議院自民党からも増税反対ののろしが上がるんじゃないですか。まとまらないのなら、それまでの財源はどうするんですか。
 また、トランプ次期大統領に近い元政府高官は、GDP比三%程度への引上げに言及しました。そもそも総理は、NATOも二%に引き上げるから日本も二%というのは相当に乱暴なお話と発言してきました。ならば、三%なんて突っぱねるんですよね。はっきりお答えください。
 また、総理は、円が高いときに設定された計画だとし、物価や人件費の高騰、為替変動を考えると、四十三兆円を見直す必要があるとも述べています。一ドル百八円での計算が大半で、本年には一ドル百六十円すら記録しています。予算が三割消失した現状、積み上げた装備を買うのは不可能ではないですか。四十三兆円を超過するというようなことはないと断言できますか。
 また、総理は、積み上げた予算一つ一つ点検していくべきと、まともなこともおっしゃってきました。総理の言葉どおり、無駄がないか点検すべきと思いますが、いかがでしょうか。思い切って防衛費四十三兆円を見直して、軍事から人へ付け替えたらどうでしょうか。百三万円の壁引上げの財源も探しているじゃないですか。この防衛費四十三兆円が物すごい足かせになっているんですよ。点検した方がいいですよ。
 そして、軍事から人へ、給食費の無償化。
 所信表明で総理は、人づくりこそ国づくりとおっしゃいました。国を守るのも、新しい産業を生み出すのも人です。未来を担う子供たちが栄養バランスの取れた世界一おいしい給食が食べられる国にしましょうよ。
 立憲民主党では、ほかの野党の皆さんと協力して、学校給食無償化法案を提出予定です。総理、給食の無償化、実現しましょう。
 また、総理は、政界きっての鉄道ファン。そこで、鉄ちゃん総理にお聞きします。
 総理は、こうおっしゃっています。状況が厳しいから本数を減らす、サービスを落とす、路線を減らす。本当にそれでいいのだろうかと危機感を訴えてきました。交通崩壊を食い止めるために、どれぐらいの予算を掛けて、何をされますか。
 地域公共交通再編支援の予算は、たった三百六十三億円。一方、総理が五割高だと指摘しているイージスシステム搭載艦は、二隻で七千九百億円。一隻分の予算だけでも公共交通予算に回せば、どれだけの人や地域が守れるのか。現に、防衛予算は千三百億円使い残しをしています。四十三兆円見直して、交通崩壊を止める予算にしたらいかがでしょうか。
 次に、日米地位協定。
 十六年前、私は衆議院予算委員会で当時の石破防衛大臣に、沖縄での米海兵隊員による女子中学生への性暴力事件について質疑をいたしました。このとき、総理は地位協定に触れ、犯罪を減らすことにどのように資するかということをちゃんと議論しなければならないと答弁しています。
 あれから十六年、総理、どこでどのように地位協定について議論してきたんですか。性暴力被害は減ったんですか。
 昨年の報道ベースだけでも、沖縄では二か月に一回ぐらい女性への暴行や性暴力が発生しています。女子差別撤廃委員会でもこのことに勧告が出ました。そして、那覇市で総理は、見直しに着手すると表明。沖縄県民への約束は重いです。
 総理、これ全国知事会でも全会一致で抜本改定の提言が出されております。着手の一歩として、有識者や首長も入れた検討会の設置を提案いたします。いかがでしょうか。
 総理は、核政策についても、核シェアや核の持込みも具体的に検討せねばならないと主張をされてきました。理由を説明してください。
 これに対して、ノーベル平和賞受賞の被団協、田中代表理事は、怒り心頭とおっしゃっています。
 総理、核シェアや核の持込みの検討か、それとも非核三原則堅持か、ここではっきりしていただきたい。
 一方、核兵器禁止条約締約国のオブザーバー会議、あっ、締約国会合のオブザーバー参加については、真剣に検討するともおっしゃっています。来年三月に開催されます。総理、一緒に行きましょう。いかがでしょうか。
 また、総理は、憲法九条について、三項加憲案、つまり、九条に自衛隊を書き込む自民党の改憲案にはむしろ積極的に反対と主張されてきました。私にもおっしゃっていましたよ。同じ見解ですか。
 気候変動枠組条約について、国際的な懸念があります。それは、トランプ政権になったら、パリ協定からアメリカが離脱するのではないかということ。
 総理、トランプ次期大統領には、パリ協定から離脱せず、アメリカの責任をしっかり果たすように進言するおつもりはありますか。
 パリ協定一・五度目標達成のためには、日本は温室効果ガスの削減目標の更なる引上げが必要です。先進国の責任も加味したら七〇%以上の削減が必要との声もあります。日本の目標数値とその達成の道筋を示してください。
 また、水は命の問題です。PFASに関する現在の政府の調査、不十分だと思います。立憲民主党では、PFASの調査を国に義務付け、飲み水の安全を確保する法案を検討しています。
 政府による主体的な調査と公表、規制の強化が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 さて、外交姿勢について。
 先日のAPEC、自席で一人ぽつんとスマートフォンをいじっていらっしゃった姿を見て、私、ずっとそうしていたとは思いませんけれども、一抹の不安を覚えたんですね。というのは、総理は人付き合いが悪いという定評があるとよく聞くんですよ。総理、外交は人付き合い良くやっていただかなければ困ります。
 そこで、お聞きします。
 総理が、師である田中角栄元総理から大きな影響を受けたと言っていらっしゃる、角栄氏の非戦、戦争しない非戦、対米自立の構え、日中国交正常化の偉業について、どのように理解し、どのような影響を受けたのか、説明してください。
 私は、安倍、岸田路線の軍備偏重路線に非常に危機感を抱いています。過去の過ちを二度と繰り返さないためにも、戦争体験を持つ先輩議員から学ぶことは多い。しっかり答弁をしてください。
 さて、この度の衆議院選挙、史上最多の七十三人の女性衆議院議員が誕生いたしました。まだ二〇%に達成していないんです。七十三人のうち三十人が立憲民主党なんです。立憲民主党は、これからもジェンダー平等政策実現の牽引力になっていきたいと思います。
 そして、いよいよ選択的夫婦別姓実現のときじゃないですか。
 二十七年前から、参議院では十五回、衆議院では九回、改正案を提出してまいりました。しかし、自民党は、この三十年近く審議拒否を続けています。
 報道機関のアンケートでは、自民党議員も入れた今回の衆議院の全当選者、選択的夫婦別姓に賛成は六五%、反対はたった一五%でした。自民党も含めて採決したら、衆議院では今すぐにでも成立する数字なんです。
 では、自民党の誰が審議すら止めているんですか、総理。総理、旧統一教会関連団体の国際勝共連合が自民党議員たちに選択的夫婦別姓を反対、働きかけてきたからですか。
 歴代総理は、様々な意見があることからと同じ答弁を繰り返してきましたけど、今日はこの答弁やめてください。意見が様々だからこそ、各自が選べるようにすべきではないでしょうか。皆さん、いかがでしょうか。選択の幅が広がって一体誰が困るんですか。幸せになる人が増えるだけじゃないですか。
 自民党まとまらないんだったら、党議拘束を外したらどうですか。審議しましょうよ。いかがでしょうか。
 さて、先日の兵庫県知事選挙、名古屋市長選、そして衆議院選でも、SNS上の偽情報拡散による選挙妨害が指摘されました。私も、ネット上のデマを信じた人に、深夜、事務所の壁を破壊して不法侵入され、危害を加えられそうになったことがあります。
 総理、偽情報流されたことありますか。どのように対処してきましたか。
 所管の総務大臣にお聞きをいたします。
 公職選挙法では、候補者の偽情報を公表することを禁じ、罰則もあります。SNSへの偽情報の投稿も該当しますか。また、特定の候補者を応援する動画や書き込みの投稿を行う人を有償で募集する行為、これは公職選挙法違反に当たりますか。
 選挙においては、各候補者のビラやポスター、使えるスピーカーの数などに制限が掛かっています。これは公平性を担保するためです。このように量的に制限のある選挙運動について、ある候補者がほかの候補者の選挙運動を行うということはできるんでしょうか。仮にこれが許されれば、誰かを当選又は落選させるための狙いで複数人が立候補する選挙運動が可能になってしまいます。
 以上、総務大臣、見解をお示しください。
 欧州委員会はガイドラインを採択し、カリフォルニア州では選挙運動での虚偽コンテンツの拡散を規制する法律が制定されました。半年後には参議院選挙もあります。総理、公正な選挙にするため、現状の問題点を分析し、対策の検討が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、総理が所信表明で触れられた石橋湛山元総理について。
 湛山氏は、時の体制にあらがい、総理大臣になっても信念を曲げなかった。私には、総理大臣に就任してすぐにぶれまくっている今の石破総理と石橋湛山氏は正反対に見えてしまうんです。石橋湛山氏はこう言っています。政治家にはいろんなタイプがいるが、最もつまらぬタイプは自分の考えを持たない政治家だと言っています。総理、このままではあなたは、ぶれまくり、湛山氏の言うつまらない政治家になってしまうんじゃないですか。
 石破総理と私は、二十年以上にわたり建設的な議論をしてきたと思っています。だから、石破さんが苦労してやっと総理になられたとき、私ちょっとうれしかったんです。ところが、今、正論石破の精彩を欠き、まるで別人になったように見えるんです。残念です。
 石破総理は、果たしてただの評論家総理で終わってしまうんですか。石破総理は、ただ総理大臣になりたかっただけなんですか。国民も、石破さんならぶれずに自民党のうみを出し切って改革してくれると期待していたから、だから人気が高かった。その石破さんが総理大臣になっても自民党のしがらみにがんじがらめになって何も変わらないとなれば、もうどなたが総理大臣になっても自民党政権では真の改革は難しいということになります。そのときは、私たちが替わってやります。
 熟議と公開の国会のスタートです。私たち野党も今まで以上に大きな責任を負っている、そのことをしっかり自覚して、臨時国会に臨んでまいります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 辻元清美

speaker_id: 8731

日付: 2024-12-03

院: 参議院

会議名: 本会議