石破茂の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 松山政司自由民主党参議院幹事長の御質問にお答えを申し上げます。
国づくりの指針についてであります。
私はかねてから、国づくりの在り方というのは、独立した持続する日本でありたいということを申し上げてまいりました。何だそれはと言われますが、横文字にするとかえって分かりにくいのかもしれませんが、要は、インディペンデントでサステナブルな日本でありたいというふうに思っております。つまり、この国は本当にインディペンデントな国ですかと、本当にサステナブルな国ですかということであります。日本国はインディペンデントでサステナブルであるべきだと、私はこのように考えております。
全ての人に安全と安心をということを十月の所信表明で申し上げました。これを基盤として、国民お一人お一人が将来への希望を持ち、多様な幸せを実現していただける、そのような豊かな国づくりというものを進めたいと考えております。
国の在り方というのは、それはかつて強い日本であったかもしれない、あるいは豊かな日本であったかもしれない。しかし、今度はどうなのだろうと。強い日本、豊かな日本、それもまた大事なことでしょうが、日本国いかにあるべきかという松山幹事長の御指摘をよく踏まえて、今後取り組んでまいりたいと考えております。
この実現のためには、現在我が国を取り巻く三つの重要政策課題に立ち向かうことが重要であります。第一は、最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国の独立と平和、国民の命と暮らしを守ることであります。第二に、極めて深刻な人口減少の中にあっても、地域や経済全体の活力を取り戻すことであります。
御指摘の国際的な大きな流れを十分に踏まえつつ、地方創生二・〇を起動し、デジタルを活用した地域の課題解決やAIなどの戦略分野への投資に官民連携で取り組み、稼ぐ力を向上させてまいります。
激甚化する自然災害や頻発化する犯罪から国民を守り抜いていかねばなりません。こうした課題を乗り越えた先に、私どもが掲げております日本創生、この実現ができると考えております。
先般の選挙で示されました国民の皆様方のお声を踏まえ、自由民主党、公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を承り、可能な限り幅広い合意形成が図られますよう、真摯に、謙虚に、国民の皆様方の安全と安心を守るべく取り組みたいと考えております。
政治改革についてであります。
言うまでもなく、政治は国民のものであります。謙虚に、真摯に、誠実に国民の皆様方と向き合いながら、国民全般の利益と幸福のために奉仕をすることが政治のあるべき姿であり、国民政党としての自由民主党が目指すべき姿であります。
幹事長御指摘のとおり、政治改革に終わりはございません。政治資金規正法の第一条が、その目的として、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにすると規定していることを踏まえ、政治資金の高い透明性を確保する取組が必要であり、それが政治に対する国民の皆様方の御判断に資することになると考えております。
政党の在り方や政治資金の在り方など、議会政治の根幹に関わります問題につきましては、各党各会派で御議論いただくべきものではありますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党としても、国民政党としての責任を果たすべく、御指摘のありました政策活動費の廃止、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進め、政治資金規正法の再改正も含めた必要な法整備に尽力をいたしてまいります。
成長と分配の好循環についてお尋ねをいただきました。
我が国経済は、成長と分配の好循環が動き始めておりますが、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあります。こうした局面において、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現し、豊かさを実感できる成長型経済への移行を確実にするため、今般、経済対策を取りまとめたところであります。
全ての世代の現在及び将来にわたる賃金、所得を増やすため、まず、現下の賃上げに向けた価格転嫁や省力化・デジタル投資の促進等に取り組みます。
将来も継続的に所得が増加する手だてとして、資産運用立国及び投資立国を実現いたしますとともに、今後二〇三〇年度までにAI、半導体分野に十兆円以上の公的支援を行い、十年間で五十兆円を超える官民投資を引き出すことなどに取り組みます。こうしたことにより、日本経済、地方経済の成長力を強化いたしてまいります。
百三万円の壁についてであります。
今般の経済対策におきましては、自由民主党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところであります。経済や地方税等の税収への影響など、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識はいたしております。
そうしたことも踏まえまして、今後、各党の税制調査会長の間で更に議論を深めていただきたいと考えております。特に地方の首長の皆様方の御心配は十分理解できるところであり、丁寧にこれに応えてまいりたいと考えております。
防災・減災、国土強靱化についてであります。
令和六年度補正予算案につきましては、令和七年度までの五か年加速化対象分に、対策分に加えて、資材価格の高騰などを踏まえた別枠の緊急対応枠等や、防災・減災、国土強靱化以外の社会資本整備を含め、合計約二・四兆円の公共事業費を盛り込むことといたしております。
現場を支える事業者が安心して設備投資や人材育成を行えるよう、安定的、持続的な公共投資を推進することが重要であります。この観点から七年度予算編成に当たるとともに、五か年加速化対策後も切れ目なくこれまで以上に必要な事業が着実に進められますよう、実施中期計画の早急な策定に向けて検討を最大限加速いたしてまいります。
レアメタルや獲得競争が激化している銅などの確保のための戦略についてであります。
御指摘のとおり、レアメタルや銅などは我が国の産業活動に必要不可欠であり、その多くを国外に依存する中、経済安全保障の観点からも安定供給確保に向けた取組を進めていくことが重要であります。
政府といたしましては、厳しく複雑な国際情勢における資源外交を通じた同志国や資源国との関係強化、出資や助成金による日本企業の権益確保、鉱山開発、製錬事業の支援、資源量調査や技術開発を通じた国産海洋資源の開発など、政策を総動員しながら重要鉱物の安定供給確保に取り組んでまいります。
政府関係機関の地方移転、国際機関の地方誘致等についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
政府関係機関の地方移転につきましては、私が初代大臣を地方創生で務めておりました平成二十八年に決定いたしました政府関係機関移転基本方針に基づき、文化庁を始めとした中央省庁七機関、研究・研修機関二十三機関五十件を対象として進めてまいりました。
政府関係機関の地方移転につきましては、移転を求める地域の関係者も含めて、どこに置かれることが日本のためになるかを十分に議論することが重要であると考えております。この点、松山幹事長が御指摘になりました、文化庁を京都に移転をいたしました際の成果あるいは反省、この検証は極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
また、先般の全国知事会で申し上げたことでございますが、今申し上げましたことと重複したら恐縮ですが、北海道から九州、沖縄まで、それぞれの都道府県がといいますか、道府県がと申し上げた方がよろしいかもしれません、我が県に、我が府に、我が道に、この機関が来ることが、我が地域のためになるのみならず、日本全体のためにもなるということで御提案をいただきたいと思っております。そういう観点から、これから先、更に議論を深めてまいりたいと考えております。
国際機関の地方への誘致につきましても同様でありまして、どこに誘致することが外交課題へのより効果的な対応につながるのか、地方創生に資するのかを議論する必要がございます。地方の要請等も踏まえ、各機関や地域の個別具体の状況等に応じて検討いたしてまいります。
アジア新興・人獣共通感染症センターの九州設置に関しましては、来年四月に発足いたします国立健康危機管理研究機構が人獣共通感染症対策を進めていく中で、関係自治体などの御意見も十分に承ってまいることにいたしております。
自由貿易体制の重要性についてであります。
ルールに基づく自由で開かれた多角的貿易体制は我が国経済外交の柱であり、日本経済を含む世界経済の成長に貢献いたしてまいりました。
次期政権発足後の合衆国政府の貿易政策について政府として予断を持ってコメントすることは差し控えますが、先ほど申し上げた認識の下、次期政権とも緊密に意思疎通をいたしてまいります。
我が国による防衛力強化に関するトランプ次期大統領への説明についてであります。
我が国として、力による一方的な現状変更の試みの深刻化や、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力の抜本的強化に努めておるところでございます。
また、日米間では、指揮統制、防衛装備・技術協力、同志国との連携に加え、南西諸島におけるプレゼンス、領域横断作戦等、幅広い分野での協力を進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するための取組を着実に実施をいたしてまいります。
トランプ次期大統領に対しましても、こうした我が国自身の努力としての防衛力の強化、また、日米両国が共に協力していくことが相乗的に日本の国益にも合衆国の国益にもなり、インド太平洋地域の平和と安定にも資するものであると、このようなことを説明してまいりたいと考えております。トランプ次期大統領とも率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げてまいります。
気候変動問題は世界全体で取り組むべき喫緊の課題であり、エネルギー起源CO2の排出量で見れば全世界の約三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減してまいりました。
現在、次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めており、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
御指摘のとおり、実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べて排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け対話を進めるとともに、AZECの枠組みなども活用しながら、我が国の技術と資金を生かし、アジアを始め世界の排出削減に貢献をいたしてまいります。
SNSにおきます偽情報、誤情報の対策についてでありますが、幹事長御指摘のとおり、SNS等のインターネット上の偽・誤情報は短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識をいたしております。
公職の選挙につきましても、民主主義の根幹を成すものであり、正しい情報が流通し、有権者の自由な意思による公正な選挙が確保されることが重要であると考えております。
多様な関係者と連携協力を行いながら、ネット上の情報には偽情報、誤情報も含まれ得ることなどの認識を幅広い世代に広めていくとともに、大規模なプラットフォーム事業者に対して情報の削除を求められた場合に迅速に対応すること、こうした取組の状況の透明化を進めること等を求める法改正に取り組んできたところであります。
引き続き、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら総合的な対策を積極的に進めてまいります。
憲法改正について内閣総理大臣からその進め方について直接申し上げることは差し控えますが、自民党の取組についてあえて申し上げれば、憲法改正について議論を加速すべく、本年七月以降、衆参の実務担当者等から成るワーキングチームで議論を重ね、衆参所属議員双方における共通認識の確認や論点整理を進めてきたところであります。
議員御指摘の自由闊達な議論によってこれまで積み重ねた共通認識の下、引き続き自民党の憲法改正実現本部における党内の議論が加速されるというふうに承知をいたしております。その上で、国会による発議の実現に向け、憲法審査会において建設的な議論が行われ、国民的な議論を深めていただくことを期待いたしております。
残余の質問については、関係大臣が答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣浅尾慶一郎君登壇、拍手〕