石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 竹谷とし子議員の御質問にお答えをいたします。
 政治資金に関する諸課題の改革についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 政治資金や調査研究広報滞在費に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会や衆参の調査研究広報滞在費に関する協議会において御議論をいただいております。
 このため、政府としてお答えすることは差し控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党としても、政策活動費の廃止、政治資金に関する必要な監査を行う第三者機関の設置、調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進めてまいる決意でございます。
 国民の政治に対する信頼を取り戻すため、これらの様々な課題について党派を超えて議論し、年内に必要な法整備も含めて結論をお示しする必要があると考えており、誠心誠意尽力をいたしてまいります。
 当選無効となった国会議員の歳費返納等の義務付けについても御指摘を頂戴をいたしました。
 この課題は、自公連立政権合意として私と御党の斉藤代表との間で確認している事柄でもあり、御党とも緊密に連携しながら、可能な限り早期の実現に向けて議論を加速させてまいります。
 物価高対策の給付金についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、特に物価高の影響を受ける低所得者の方々に迅速に支援をお届けすることといたしており、重点支援地方交付金により住民税非課税世帯を対象に給付を行います。
 さらに、重点支援地方交付金の推奨事業メニューにより、住民税非課税世帯以外の方々も含めて、地域の実情に応じた物価高対策を後押しするなど、総合的な対策を講ずることといたしております。
 御指摘のとおり、迅速な給付を行うためには地方公共団体の事務負担の軽減を図ることが重要であります。マイナンバーを活用することも一つの方法でありますが、公平な給付を実現いたしますためには、世帯ごとの所得、金融資産といったことを把握できるかどうか、課題があるものと考えております。
 まずは、特定給付に包括指定し、個々の地方公共団体による申請を不要とするとともに、マイナンバーを活用した公金受取口座制度によるプッシュ型の給付を積極的に活用いただくなど、デジタルの活用による迅速な給付がなされますよう、丁寧に地方公共団体をサポートいたしてまいります。
 重点支援地方交付金についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、物価高で困難な状況にある生活者や事業者の皆様に対し地方公共団体が地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行えるよう、重点支援地方交付金の推奨事業メニュー分を追加することといたしております。
 政府といたしましても、本交付金を地域において効果的に活用していただきますため、優良な活用事例を始め必要な情報を積極的に提供することといたしております。御指摘いただいたとおりでございます。早急かつ柔軟な活用が可能となりますよう、引き続き丁寧に地方公共団体をサポートいたしてまいります。
 クリエーター支援についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 我が国のコンテンツ産業の二〇二二年の輸出規模は四・七兆円でございます。御指摘をいただきましたように、鉄鋼業は五・一兆円、半導体産業は五・七兆円でありますが、これらに匹敵をする規模と相なっております。ちなみに、自動車は十七・三兆円ということでございます。
 国際文化交流にも資することから、魅力あるコンテンツの源泉であるクリエーターの皆さんがその才能を十分に発揮できるように支援することは極めて重要であると考えております。
 今般の経済対策におきましては、クリエイター支援基金、この機能を強化をし、クリエーターなどの育成から海外展開まで一体的に支援することといたしております。
 加えまして、クリエーター等の学校への派遣や部活動の外部指導員としての活用支援等を通じまして、子供たちがアニメ、映画などのコンテンツについて学び、体験する機会を提供してまいります。
 若者や女性の所得向上についてお尋ねを頂戴いたしました。
 若者につきましては、正社員への転換に取り組む事業者への支援やハローワークにおけるきめ細かな就職支援に加え、学び直し、資格取得支援などのリスキリング支援に取り組んでおります。
 また、女性の活躍を後押ししますため、女性活躍推進法に基づく企業などの取組の推進、女性のキャリア形成の障壁となっております性別役割分担意識や無意識の思い込み、アンコンシャスバイアス、この思い込みを変えていくための啓発など、男女間賃金格差の是正や、あらゆる分野の意思決定に女性の方々が参画されるための取組を行ってまいります。
 若者や女性が御自身の希望をかなえられる社会の実現に向けて、御指摘を踏まえ、引き続きこれらの取組を着実に進めてまいります。
 選択的夫婦別氏制度についてであります。
 選択的夫婦別氏制度につきましては、内閣府において行った令和三年の世論調査を見ても、国民の御意見が分かれておるところでございます。
 選択的夫婦別氏制度の導入を求める立場の中にも、制度の具体化に当たっては、例えば子供の氏をどのように定めるのかといった点を含め、様々なお考えがあるものと認識をいたしております。
 家族の在り方の根幹に関わる問題でもあり、平成二十七年の最高裁判決におきましても、夫婦同氏制度の採用については、嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないとの指摘がなされ、令和三年の最高裁決定でもこの判断が踏襲されておるところでございます。
 政府といたしましては、議員御指摘のような多様性の尊重を求めるお声を含めて、様々な御意見を真摯に受け止めながら、また、家族形態の変化や国民意識の動向のほか、家族の一体感や子供への影響を考える視点なども考慮の上、国会において建設的な御議論が行われ、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方について、より幅広い国民の御理解が形成されることが重要であると考えております。
 女性、若者の健康支援についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 女性の健康につきましては、人生の各段階において心身の状態が大きく変化する特性があり、継続的かつ包括的に支援する体制を構築していくとともに、若者の性や妊娠に関する相談体制を整備するほか、思春期及び若年成人世代であるAYA世代の、AYA世代というのは、失礼、若年成人世代というのは十五歳から三十九歳のことなのだそうでありますが、若年成人世代でありますAYA世代のがん患者の方々の在宅療養を支援していくことも重要であります。
 このため、本年十月の国立成育医療研究センター、これ世田谷区成城にあるんでございますが、国立成育医療研究センターへの女性の健康総合センターの設置や、各都道府県におきます性と健康の相談センターでの相談体制の整備、AYA世代の方の在宅療養を支援するための実態把握や課題整理など、議員の御指摘も踏まえ、女性、若者の健康支援に取り組んでまいります。
 避難所環境の抜本的な改善についてでありますが、我が国は世界有数の災害発生国であります。いかなる地域で災害が発生したとしても、被災者の方を苦難の中に置き続けるということがあってはなりません。
 発災後、不安にさいなまれておられる被災者の方々に対し、避難所で温かい食事、清潔なトイレ、安眠できるベッド、プライバシーを確保するためのパーテーションなどを速やかに提供することが大切であります。
 とりわけ、議員御指摘のトイレ環境の迅速な整備は切実な問題であります。このため、今般の経済対策におきましては、トイレカーの整備も含め、避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組を新地方創生交付金により支援する枠組みを創設いたしました。また、発災直後から被災地にトイレを迅速に提供できるよう、全国のトイレカーを登録するデータベースの整備も進めることといたしております。
 また、御指摘のとおり、避難所の運営には女性やお子さんの視点も必要であります。政府では、避難所で女性やお子さんに安心して過ごしていただくためのチェックポイントなどを取りまとめた男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインを公表しており、これを活用した訓練、物資の備蓄等を自治体に促してまいります。
 有事に迅速に対応できるか否かは平素からの不断の備えが鍵となります。内閣府防災の機能を予算、人員の両面から抜本的に強化いたしますとともに、令和八年度中に防災庁を設置するべく着実に準備を進め、事前防災を強力に推進いたしてまいります。
 教師の働き方改革についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 議員御指摘のように、自治体、地域、政府が一体となった教師が本当に担うべき業務の厳選や業務の仕分を行った学校・教師が担う業務に係る三分類に基づく業務の更なる厳選、見直し、標準を大きく上回る授業時数の見直し、校務DXの加速化を進めるとともに、学校の指導、運営体制の充実により、教師の時間外在校等時間を削減をいたします。
 こうした教師の働き方改革や教師の頑張りが評価されるめり張りのある給与へのアップデートを含む処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めてまいります。
 子供さんの看護休暇の有給化の推進についてのお尋ねがございました。子の看護休暇の有給化についてであります。
 本年五月に公布した改正育児・介護休業法では、子の看護休暇の対象となる子の年齢を小学校三年生まで引き上げますとともに、卒園式などの行事参加での利用も可能とするなどの見直しを行ったところでございます。来年四月一日の施行に向け、この内容の周知に取り組んでまいります。
 中小企業が子の看護休暇を有給化した場合、そのほかの柔軟な働き方を可能とする制度も導入するなどの要件を満たせば、これらを支援する両立支援等助成金の中から企業にお一人当たり二十万円から二十五万円が支払われる仕組みも設けました。あわせて、子の看護休暇を有給化している企業の好事例の収集、周知も進めております。
 引き続き、このような企業の柔軟な働き方についての積極的な取組を後押しいたしてまいります。
 こどもホスピスの全国普及に向けた支援等についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 こどもホスピスにつきましては、今般の経済対策において、各自治体が関係者とともに地域課題や地域のこどもホスピスへの支援策等を検討する協議会の開催を支援いたしますとともに、こどもホスピスの運営主体へ補助を行うモデル事業を盛り込んでおります。
 政府といたしましては、この事業を通じて、地域におけるこどもホスピスへの支援の状況や課題を把握し、全国普及等に向けた支援の在り方について引き続き検討を続けてまいります。
 医療、介護の提供体制についてであります。
 高齢化が進展する中、地域の実情に応じて持続可能な在宅医療、介護の体制を整備することは極めて重要であります。
 特に在宅医療につきましては、引き続き、日常の療養支援のみならず、退院支援や急変時の対応、みとり機能の確保や、在宅医療を行う医療機関でのICTの活用、在宅医療と介護の連携の推進などに取り組んでまいります。
 また、介護につきましては、訪問介護員を含む介護職の人材確保が課題であります。
 介護職員の賃金は、全産業平均とは差がありますものの、累次の処遇改善の措置により月額四・五万円程度改善をいたしております。その上で、令和六年度の報酬改定による対応に加え、今般の経済対策を通じて更なる賃上げ等の支援を進めてまいります。あわせて、ICT等を活用した介護現場の業務負担の軽減を推進いたしてまいります。
 いわゆる闇バイトによる強盗などへの対策についてであります。
 いわゆる闇バイトによる強盗などは、他者への慈しみや堅実な努力といった日本社会の中で大切にされてきた価値観や道徳観を揺るがしかねない悪質な犯罪であり、断じて許してはなりません。
 事件の主体となっているいわゆる匿名・流動型犯罪グループにつきましては、警察による徹底した捜査、取締りが行われているところでありますが、今後、検挙を徹底するため、警察官の増員や装備資機材の高度化を進めてまいります。
 また、犯罪の実行者を募集する投稿は、それ自体が犯罪に該当するものであります。投稿が速やかに、かつ確実に削除されますよう、AI技術も活用したサイバーパトロールなどの取組を強化いたしてまいります。
 犯罪に加担する可能性がある者に対して、警察に相談に来てくれれば必ず保護する、そのような呼びかけを始めて以降、十一月末までの約一か月半の間に、警察で百二十五件の相談について関係者を保護をいたしました。
 引き続き、警察、学校、地域の防犯団体などとの緊密な連携を維持しながら、様々な機会、媒体を活用して情報発信を行い、青少年などをアルバイト感覚で犯罪に加担させないための教育、啓発を徹底いたしてまいります。先般取りまとめました経済対策にも盛り込んでおるとおり、防犯カメラの設置、青パトの整備など、町ぐるみの防犯対策の支援も行います。
 国民を守る、全ての方々が安心して暮らせる世界一安全な日本を実現しますために、引き続き治安対策に力を尽くしてまいります。
 気候変動対策についてであります。
 気候変動問題は、世界全体で取り組むべき喫緊の課題であります。エネルギー起源CO2の排出量で見れば全世界の三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減いたしてきております。
 現在、次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めております。脱炭素とエネルギー安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
 世界全体での一・五度目標を踏まえた取組として、脱炭素先行地域等の推進や省エネ住宅の普及促進、産業の省エネ、脱炭素設備の導入促進、地熱、中小水力、洋上風力、原子力の開発などを進めてまいります。あわせて、水素製造やペロブスカイト太陽電池などの次世代技術について、開発、実証に加え、需要の創出も図り、早期の社会実装を進めてまいります。
 実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べて排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け対話を進めるとともに、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECの枠組みなども活用しながら、我が国の技術や資金を生かし、アジアを始め世界の排出削減に貢献をいたしてまいります。
 食品、食料へのアクセス確保のためのフードバンク等への支援強化、食品ロス削減の更なる推進についてであります。
 フードバンク等への支援強化につきましては、食料アクセス確保の観点を含め、昨年末、食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージを取りまとめました。フードバンクへの政府備蓄米の無償交付や企業等が抱える災害用備蓄食料の実態把握等も行ってまいります。これらを今年度改定する食品ロス削減基本方針に反映させ、政府一丸となって取り組んでまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-04

院: 参議院

会議名: 本会議