本会議

2024-12-04 参議院 全25発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和六年十二月四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第四号
  令和六年十二月四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
この発言だけを見る →
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。竹谷とし子君。
   〔竹谷とし子君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
竹谷とし子#2
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 私は、公明党を代表して、総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 さきの衆議院総選挙で示された国民の皆様の声は、自公政権を維持しつつも、より幅広い意見を反映した政策実現が求められるものでありました。示された民意を真摯に受け止め、他党の良い意見を取り入れながら、国民の皆様のためのより良い政策を前に進められるよう、公明党は、合意形成の要役、生活者本位の政策実現の推進力として、その役割を果たしてまいります。
 まずは、政治の信頼を回復するために政治改革をやり遂げることは民意であります。公明党が引き続き政治改革の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます。
 その上で、直面する物価高の中で生活者の所得向上や家計への負担軽減をどう進めるのか、また、中小企業の持続的な賃上げや成長型経済への移行の実現、子供たちの幸せを最優先する社会の構築、若者、女性が活躍できる社会の実現、災害への備えの強化、安全、安心の地域づくり、高齢者を始めとする単身世帯の増加など、課題が山積しています。これらの解決は待ったなしです。こうした諸課題解決に向け、果敢に挑戦し、しっかりと結果に結び付けてまいります。
 以下、諸課題について質問をいたします。
 政治改革について質問いたします。
 公明党が既に綱領をお示ししている政治資金を厳しくチェックする第三者機関の設置や、政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費の使える範囲を明確にした上で、何に幾ら使ったか使途を公開し、未使用分を返納することについて、臨時国会で結論を得るべきです。さらに、当選無効となった国会議員の歳費等の返納義務付けも行うべきです。
 政治資金の動きを国民の皆様に見える化し、本来の目的とは異なる無駄な使い方ができないようにし、政治と金の問題に一日も早く明確に決着を付けるべきです。石破総理の答弁を求めます。
 日本経済は今、成長型経済への転換に向けた正念場を迎えています。今年の春闘で大企業は三十三年ぶりの五%超えの賃上げを達成し、来年に継続、そして更なる上昇の機運が出てきている中、中小企業にそれを波及させていくことが必要です。働く人の七割の受皿となっている中小企業が物価上昇を上回る賃上げを実現し、その流れを全国隅々にまで広げ、定着させていくことを現政権の至上命題と銘記して取り組んでいただきたいと思います。
 また、それが実現するまでの間、足下の暮らしに万全を期することも政治の責務であります。今般取りまとめた総合経済対策には、我が党が公約していたとおり、家計を圧迫している電気・ガス料金、ガソリン等の燃料費の負担軽減の継続、燃料費や原材料費の高騰で苦しむ福祉施設や中小事業者等への支援など、地域の実情に応じたきめ細かい支援を実施するための重点支援地方交付金の追加措置が盛り込まれました。また、物価高の影響が特に大きい低所得世帯向けの給付金の迅速な執行に全力を挙げていただきたいと思います。
 また、その上で、物価高で苦しんでいるのは住民税非課税世帯だけではありません。中間層も含め多くの方々が、所得が十分に上がらず、苦しい生活を余儀なくされています。
 公明党は、実質賃金が安定的にプラス水準に到達するまでの間、幅広い生活者の暮らしを支援するための施策が必要であると総理に提言し、今回の総合経済対策にも盛り込まれております。
 給付に当たっては、地方自治体に業務をお願いしていますが、繰り返しの作業で職員に多大な負荷が掛かっている状況もあります。
 幅広い生活者を迅速に支援するための方策について、例えばマイナンバーを活用し、所得等に応じたプッシュ型支援など迅速な手法の在り方も含め、早急に立案し、執行しなければならないと考えますが、総理の答弁を求めます。
 物価高騰対策の執行に当たって公明党は、各自治体で必要に応じた負担軽減策を講じることができるよう、重点支援地方交付金の拡充を訴えてきました。
 これまでも生活者と事業者向けの推奨メニューに沿った様々な施策に活用されています。例えば、学校給食費の支援や水道料金の減免、買物へのポイント付与など、生活者の消費を下支えする施策のほか、中小企業への特別高圧電気代や、医療、介護、保育、学校施設などのエネルギー価格の補助といった事業者への支援策などが挙げられます。これから厳冬を迎える寒冷地域においては灯油代支援も必須です。
 政府においては、推奨メニューの提示のほか、これまでの活用の好事例を紹介するなど、必要に応じた施策を各自治体が早急かつ柔軟に実行できるような取組をお願いいたします。
 引き続き、同交付金を追加措置し、必要な方に十分な支援策が届くようにすべきだと考えますが、石破総理の見解を伺います。
 今年十月までの訪日外国人旅行者数は約三千十九万人に上り、過去最速のペースで三千万人を超えました。二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円の政府目標達成に向けて、一人当たりの消費額の増加や長期の滞在につながる取組なども含め、着実に推進すべきです。
 観光客のニーズは、物の所有から体験活動にお金を使う事消費に移行しています。自然や文化、アクティビティーを複合的に楽しむアドベンチャーツーリズムなど、事消費への支援を更に政府が力強く後押しすべきと考えます。
 観光客の人数が少ない地方の魅力ある資源を磨き上げ、記憶に残る体験を提供し、リピーターを増やしていくことで、地方誘客が促進されるとともに、オーバーツーリズムの緩和につながることも期待できます。一方で、宿泊業の担い手を確保するために、従業員の賃金上昇を始め、DX化の設備投資などへの支援の強化も急務です。
 観光立国の推進について国土交通大臣に伺います。
 世界のアニメ、漫画、ゲーム、映画、音楽、舞台などのコンテンツの市場規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きく、日本のコンテンツの海外売上げは、鉄鋼産業、半導体産業の輸出額に匹敵する規模となりました。
 世界へ影響を与える一大文化となり得たのは、これまで完成度の高い作品を生み続けてきたクリエーターと、支えてきたファンの熱量のたまものです。
 韓国では年間九百億円を国家として支援し、世界市場の獲得に取り組んでいます。日本も基幹産業として、官民学、ファンが一丸となって日本らしい取組を進めるべきです。
 最大の課題である人材不足の解消と、日本のコンテンツが永続的に伸び続けるために、クリエイター支援基金を活用し、次世代を担うクリエーター、アーティストを複数年掛けて育成し、海外展開を後押しするとともに、収益がクリエーター等に還元される好循環の仕組みを確立しなければなりません。
 また、認識や意識改革も必要です。一昔前まで娯楽や遊びと思われていたこれらのコンテンツは、例えばゲームが好きな子供がIT人材やイノベーション人材に成長するなど、子供や若者にとっても可能性を開く扉になりました。
 クリエーター人材については、文化庁が主導して、大学、専門学校の学生、若者育成から海外展開までを強力に推進していただきたいと思います。また、中学や高校へクリエーターを派遣し、対面やオンラインを使った特別授業や部活動を実施し、不登校であっても地方に住んでいても、それらを賢く使うリテラシー教育と併せて、学び、体験するチャンスを提供していくことを提案いたします。
 日本経済を牽引し、世界で活躍する若者の未来を開き、平和外交ともなり得るクリエーター支援について、総理に伺います。
 近年、少子高齢化等の影響による税や社会保障の負担などにより、若い世代における低所得者の割合が拡大していると言われています。経済状況が厳しいこと等による将来不安から、自分のライフデザインが描きにくくなり、未来に結婚して子供を持つという選択も難しくなっています。
 こうした課題を克服し、若い世代の所得向上を図るため、労働生産性の向上や企業の高収益化など、賃上げしやすい経営や雇用の環境整備に加えて、若い労働者一人一人のやる気と実力を引き出すリスキリングや経済的支援が必要です。
 また、女性の活躍を後押しすることも重要です。男女間賃金格差是正を始め、様々な分野で、また、特に立ち遅れが指摘されている地方でのジェンダーギャップの解消が必要です。さらに、あらゆる分野の意思決定の場への女性の参画拡大を後押しすることや、企業等における意識改革の推進など、女性をエンパワーメントする強力な支援が求められます。
 自身のライフデザインや希望をかなえられる社会を実現するためにも、当事者の声を踏まえつつ、若者や女性の所得をどのように向上させていくのか。総理の答弁を求めます。
 我が国では、婚姻に伴う改姓により、多くの方が何らかの不便や不利益を感じています。中でも、働き盛りの二十代、三十代、二十代から四十代については、男女問わず約七割の方が何らかの弊害を感じている状況です。公明党は、自らのアイデンティティーを守る人権上の観点から、選択的夫婦別姓制度の早期導入を求めています。
 何より、結婚で姓の変更をしているのは約九五%が女性であり、女性活躍を阻害する象徴的な制度とも言えます。現行の旧姓の通称使用には限界があります。通称は法律上の姓ではないため、旧姓併記を拡大するだけでは解決できない課題が多数あります。
 研究者にとって研究成果や論文と研究者をひも付けるものは基本的には氏名であるため、結婚によって姓が変わった場合は同一人物であると示すことが難しくなります。論文が網羅的に検索されないことがあり、研究業績の評価に影響します。
 また、海外での業務では、たとえパスポートに通称名を記載しても、ICAO文書には記載されていない例外的な措置であるため、ICチップには搭載されず、通称名でビザを取得することは困難です。
 また、別姓を選べないことが結婚の足かせになっている場合もあります。双方がそれぞれの家名を大事にするからこそ別姓を望むこともあります。やむを得ず現行制度の下で結婚し、諦めて改姓したものの、望まぬ姓で呼ばれることがつらく、精神を病んでしまったという方や離婚を選択せざるを得なかった方もいます。改姓を避けるために事実婚を選択している方々もいます。
 名前はアイデンティティーそのものです。結婚で改姓を強いられてつらい思いをする人や不利益を受ける人がいなくなるように、今こそ実現しようではありませんか。選択的夫婦別姓制度は、別姓を希望する人に新たな選択肢を示すものであり、多様性の尊重を求める時代の要請にかなうものであります。
 選択的夫婦別姓制度の早期導入について、総理の決意を伺います。
 公明党が長年創設を求めてきた女性の健康総合センターが本年十月に開設しました。女性の人生の各段階で異なる健康課題について、研究、治療を推進し、最新の情報を発信、周知するとともに、地方自治体との連携を進めるための司令塔機能として成果を上げることができるよう、政府として継続的な支援をお願いいたします。
 あわせて、妊娠、出産、不妊、更年期障害など、女性の生涯にわたる健康、権利を確保することを意味するリプロダクティブヘルス・ライツの認知を広め、女性が望まない妊娠を回避したり、月経等に関係する様々な苦痛を緩和するための選択肢が日本では極端に狭められている現状を変えるため、海外で承認され、当たり前に使われている薬剤等の早期承認や普及など、女性が心身共に満たされ、健康で、生殖に関する自己決定権を行使できるウエルビーイングな生活ができる社会を構築していただきたいと思います。
 一方、スウェーデンには、妊娠や生理、メンタル面や性に関することなど、若者が正しい知識を得ながら様々な悩みや課題について相談や支援が受けられるユースクリニックという施設があります。ユースクリニックは、若者の健康を確保し、安心して生活できる社会の実現において大きな役割を果たしています。日本においても、ユースクリニックのような機関が民間の努力で少しずつ広がっていますが、若者の心身の悩みを受け止めてサポートできる場をつくるため、公的支援も含めて後押しをお願いいたします。
 また、スコットランドやニュージーランドを始め、世界各地で生理用品が無料で入手できる取組が広がっています。日本においても、各地方自治体で学校や公共施設での無償提供の取組が広がっているところですが、国としてしっかり支援をお願いいたします。
 さらに、こうした若者支援と併せて、男女にかかわらず、AYA世代のがん患者への支援に取り組むことも必要です。十八歳から三十九歳のAYA世代のがん患者は、医療費の公的助成も原則対象外で、介護保険制度も利用できず、谷間の世代となっているため、在宅療養をするには経済的負担が大きくなっています。独自の支援策を講じている自治体もありますが、こうした自治体への支援も含めて、国としてもAYA世代の患者の負担軽減につながる取組をお願いいたします。
 女性、若者の健康支援などについて、総理の答弁を求めます。
 能登半島地震では、断水や排水管の破損などの影響でトイレが使用できないことが深刻な問題となりました。
 このような教訓を踏まえ、携帯・簡易トイレの備蓄のほか、どこで災害が発生しても迅速かつ確実にトイレトレーラーやトイレカーを配備できるよう、不交付団体も含め、全国の市区町村への導入支援と備蓄の強化を急ぐべきです。
 これまでの大規模災害時に、被災者は、厳しい避難所環境によって不自由な生活を余儀なくされてきました。特に災害時に弱い立場となる女性、子供の視点に立った避難所運営が全国で標準化されることが重要です。
 女性がいる避難所には、必ず女性の役員を配置し、着替えや授乳、生理用品等の配布などニーズに配慮した女性専用スペースの設置、防犯の取組、また、自宅避難の女性も立ち寄れる居場所開設などの相談支援体制の確立は必須です。また、子供の視点に立ち、キッズスペースの設置や学習場所の確保を初動段階から整備すべきです。
 避難所環境の抜本的な改善に向けた総理の見解を伺います。
 教員の働き方改革については、教員加配や支援員の増員、校務DXなど、学校現場で様々な努力をしていただいていますが、子供の幸せに直結する教育改革を加速化するために、社会を挙げて、期間を決めて、集中的な教員の働き方緊急改革期間の取組を提案いたします。
 教員が本当にやるべき仕事を精選し、自治体ごとに教育委員会、学校、首長、地域、保護者、社会保険労務士等による教員業務削減会議の開催や、教員は子供たちの可能性を伸ばす仕事が第一であることへの理解促進を得る取組など、政府と自治体、地域等が一丸とならなければ教育の危機を脱することはできません。
 また、処遇改善に関しては、教員の頑張りが評価されるめり張りある給与を検討し、給特法も現代社会に合ったものにアップデートが必要です。
 公明党は、公教育の再生を目指し、例えば、午前中は集団学習、午後は個別学習といった一人一人に光を当てる子供が輝く教育を推進していますが、こうした令和の日本型教育の実践校では先生も生徒も生き生きしています。このような教育への移行は公立学校でも始まっており、全国拡大を加速化させるべきです。
 教職員の働き方改革について、総理にお伺いいたします。
 公明党は、仕事と子育ての両立支援について一貫して取り組んできました。
 現場の声を聞く中で、働きながら子供を育てる保護者から、子供が病気になった際の通院等で有給休暇が足りなくなってしまうとの声が寄せられています。
 本年五月、育児・介護休業法が改正され、これまで対象が小学校就学前までだった子の看護休暇について、来年四月からは対象が小学校三年生まで拡大されることになりました。これについては一定の評価ができますが、厚生労働省の調査によると、子の看護休暇の六五%は無給の休暇です。一方で、一部の企業においては、子の看護休暇の有給化や、育児を目的とした特別休暇を設ける等、法令以上の独自の取組を進めていると伺っています。子の看護休暇を有給化する取組も含め、男女共に働きながら子育てがしやすい環境を整備することを国が力強く後押しすべきではないでしょうか。
 子の看護休暇の有給化の推進について、総理の見解を伺います。
 小児がんや難病を抱える子供たちが家族や友人と安心して楽しく過ごすことのできるこどもホスピスは、我が国では認知度が低く、施設数や支援も不足しています。全国普及に向けた取組を加速するとともに、地域で家族全体を包括した伴走支援、ケアができるよう、都道府県等が核となり、NPOや医療機関等と連携した環境整備が求められます。
 こどもホスピスの全国普及と地域での支援について、総理の答弁を求めます。
 国立社会保障・人口問題研究所が先月発表した都道府県別世帯数の将来推計において、二〇五〇年に向けて単身世帯の割合が全ての都道府県で上昇することが示されました。単身高齢者の方を含めて、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会を構築することが急務です。
 このため、高齢者を始め、皆さんがお住まいの地域で必要な医療や介護を受けられるよう、医療、介護の提供体制の整備に一層取り組む必要があります。特に、医療、介護の在宅サービスを充実させることが極めて重要です。地域の医療機関の連携により、夜間、休日に対応できる在宅医療の提供体制を構築することや、オンライン診療の積極的な活用、介護との連携など、在宅医療の体制強化をお願いいたします。
 一方で、介護については、特に訪問介護サービスを提供する人材不足が深刻です。訪問介護を始めとした介護職員の更なる賃上げを実現するとともに、デジタル化などを強力に推進し、業務の負担軽減を図っていただきたいと思います。
 高齢単身世帯の増加を見据えた安心の医療、介護の提供体制の強化について、総理の答弁を求めます。
 昨今多発している闇バイト強盗は、バイトではなく無差別強盗です。国民の皆様の安全、安心の暮らしを根底から脅かす卑劣な行為であり、断じて許されません。
 全国の取締りを一層強化し、犯罪グループの首謀者を早期に検挙するとともに、自治体や防犯業界とも連携し、政府一丸となって社会全体の対策の強化に取り組んでいただきたいと思います。
 まずは、未然防止への監視体制の強化です。求人サイトやSNSの運営会社と協力し、不審な求人募集の即刻、即時削除や防止など、AI技術も活用し、サイバーパトロール体制を高度化すべきです。
 さらには、犯罪の背景となり得る貧困対策、犯罪に加担しようとする者に対する相談体制の充実を図ることも重要です。教育現場での対応を含めた取組も進めていただきたいと思います。
 地域の防犯活動や単身高齢者等への支援も必要です。青色防犯パトロールや防犯カメラの整備等への支援、単身高齢者向けの防犯用品や見守りサービス、住宅や福祉施設、中小企業の建物等の防犯改修などに対する支援の拡充も求められます。
 無差別強盗への対応など犯罪対策の強化について、総理の答弁を求めます。
 気候変動による自然災害の激甚化や生態系、食料生産への悪影響などが国内外で顕在化しつつあります。また、先般、世界気象機関が今年の世界の平均気温は観測史上最も高くなる見込みとの見解を示すなど、世界全体の気温上昇を一・五度に抑える努力を追求するとのパリ協定の目標を踏まえた取組がその重要度を増しています。
 先日、公明党は、若者の代表や産業界の皆様から政策提言をいただきましたが、気候変動による負担を将来世代に残さないためにも、気候変動対策を一層進めるべきだと強く感じました。
 世界全体で一・五度目標も踏まえつつ、日本国内の地域、暮らし、産業の脱炭素化を加速化させるとともに、水素エネルギー、ペロブスカイト太陽電池、洋上風力発電建設技術の開発など、我が国の優れた脱炭素技術の発展を政府が強力に後押しして、世界全体の温室効果ガス排出削減を日本がリードするよう取組を進めていくべきです。
 さらに、来年二月に国連提出が求められている二〇三〇年から先の次の削減目標については、一・五度目標に整合するよう高めることを強く求めます。
 気候変動対策について、総理の見解を伺います。
 身近な気候変動対策として世界的に注目されているのが、食品のロス、廃棄の削減です。国連食糧農業機関の推計では、世界の食料生産量の三分の一が廃棄され、それにより大量の二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが発生しています。我が国においては、二〇一九年に食品ロス削減推進法が議員立法により成立して取組が徐々に進み、企業から発生する食品ロスについては八年前倒しで半減目標を達成したところですが、気候変動対策の観点からも、食品ロスの更なる削減に向けて政府を挙げて強力に取り組んでいただきたいと思います。
 また、食料を必要とする家庭等への支援に取り組むフードバンクや子供食堂等のニーズが昨今の物価高の影響等により増えています。一方、企業や団体からの寄附は減少し、需給バランスが崩れて、支援の継続が厳しい状況があると現場で伺っています。
 そのような状況の中で、政府がこの度、政府備蓄米の無償提供について、子供食堂や宅食に加えてフードバンクにも拡大すると決定したことを評価いたします。輸配送や保管の機能を持つフードバンク等の食料支援インフラは、貧困や孤立で十分な食品を得ることができない方々が食品にアクセスできるセーフティーネットになってきています。関係省庁が連携し、食品寄附の促進や輸配送などの運営に必要な費用など、フードバンク等への強力な支援をお願いいたします。
 さらに、企業等が抱える国内の災害用備蓄食料のうち、備蓄の役割を終える状態の良い食料を必要とするフードバンクや子供食堂等に提供できるように、自治体等と民間事業者等が連携して行う輸配送や管理等への支援の新たな仕組みづくりも検討すべきです。
 これら、食料へのアクセス確保のためのフードバンク等への支援の強化と食品ロス削減の更なる推進について、総理の答弁を求めます。
 最後に一言申し上げます。
 さきの公明党の臨時党大会で代表代行の任を拝命し、公明党議員として改めて身の引き締まる思いです。斉藤鉄夫代表と心を合わせ、国民の皆様に安心と希望を届ける政治を実現し、真に国民の皆様から愛される清新で温かな公明党を築いていくことをお誓いし、代表質問を終わります。
 御清聴、誠にありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#3
○内閣総理大臣(石破茂君) 竹谷とし子議員の御質問にお答えをいたします。
 政治資金に関する諸課題の改革についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 政治資金や調査研究広報滞在費に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会や衆参の調査研究広報滞在費に関する協議会において御議論をいただいております。
 このため、政府としてお答えすることは差し控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党としても、政策活動費の廃止、政治資金に関する必要な監査を行う第三者機関の設置、調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進めてまいる決意でございます。
 国民の政治に対する信頼を取り戻すため、これらの様々な課題について党派を超えて議論し、年内に必要な法整備も含めて結論をお示しする必要があると考えており、誠心誠意尽力をいたしてまいります。
 当選無効となった国会議員の歳費返納等の義務付けについても御指摘を頂戴をいたしました。
 この課題は、自公連立政権合意として私と御党の斉藤代表との間で確認している事柄でもあり、御党とも緊密に連携しながら、可能な限り早期の実現に向けて議論を加速させてまいります。
 物価高対策の給付金についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、特に物価高の影響を受ける低所得者の方々に迅速に支援をお届けすることといたしており、重点支援地方交付金により住民税非課税世帯を対象に給付を行います。
 さらに、重点支援地方交付金の推奨事業メニューにより、住民税非課税世帯以外の方々も含めて、地域の実情に応じた物価高対策を後押しするなど、総合的な対策を講ずることといたしております。
 御指摘のとおり、迅速な給付を行うためには地方公共団体の事務負担の軽減を図ることが重要であります。マイナンバーを活用することも一つの方法でありますが、公平な給付を実現いたしますためには、世帯ごとの所得、金融資産といったことを把握できるかどうか、課題があるものと考えております。
 まずは、特定給付に包括指定し、個々の地方公共団体による申請を不要とするとともに、マイナンバーを活用した公金受取口座制度によるプッシュ型の給付を積極的に活用いただくなど、デジタルの活用による迅速な給付がなされますよう、丁寧に地方公共団体をサポートいたしてまいります。
 重点支援地方交付金についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、物価高で困難な状況にある生活者や事業者の皆様に対し地方公共団体が地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行えるよう、重点支援地方交付金の推奨事業メニュー分を追加することといたしております。
 政府といたしましても、本交付金を地域において効果的に活用していただきますため、優良な活用事例を始め必要な情報を積極的に提供することといたしております。御指摘いただいたとおりでございます。早急かつ柔軟な活用が可能となりますよう、引き続き丁寧に地方公共団体をサポートいたしてまいります。
 クリエーター支援についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 我が国のコンテンツ産業の二〇二二年の輸出規模は四・七兆円でございます。御指摘をいただきましたように、鉄鋼業は五・一兆円、半導体産業は五・七兆円でありますが、これらに匹敵をする規模と相なっております。ちなみに、自動車は十七・三兆円ということでございます。
 国際文化交流にも資することから、魅力あるコンテンツの源泉であるクリエーターの皆さんがその才能を十分に発揮できるように支援することは極めて重要であると考えております。
 今般の経済対策におきましては、クリエイター支援基金、この機能を強化をし、クリエーターなどの育成から海外展開まで一体的に支援することといたしております。
 加えまして、クリエーター等の学校への派遣や部活動の外部指導員としての活用支援等を通じまして、子供たちがアニメ、映画などのコンテンツについて学び、体験する機会を提供してまいります。
 若者や女性の所得向上についてお尋ねを頂戴いたしました。
 若者につきましては、正社員への転換に取り組む事業者への支援やハローワークにおけるきめ細かな就職支援に加え、学び直し、資格取得支援などのリスキリング支援に取り組んでおります。
 また、女性の活躍を後押ししますため、女性活躍推進法に基づく企業などの取組の推進、女性のキャリア形成の障壁となっております性別役割分担意識や無意識の思い込み、アンコンシャスバイアス、この思い込みを変えていくための啓発など、男女間賃金格差の是正や、あらゆる分野の意思決定に女性の方々が参画されるための取組を行ってまいります。
 若者や女性が御自身の希望をかなえられる社会の実現に向けて、御指摘を踏まえ、引き続きこれらの取組を着実に進めてまいります。
 選択的夫婦別氏制度についてであります。
 選択的夫婦別氏制度につきましては、内閣府において行った令和三年の世論調査を見ても、国民の御意見が分かれておるところでございます。
 選択的夫婦別氏制度の導入を求める立場の中にも、制度の具体化に当たっては、例えば子供の氏をどのように定めるのかといった点を含め、様々なお考えがあるものと認識をいたしております。
 家族の在り方の根幹に関わる問題でもあり、平成二十七年の最高裁判決におきましても、夫婦同氏制度の採用については、嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないとの指摘がなされ、令和三年の最高裁決定でもこの判断が踏襲されておるところでございます。
 政府といたしましては、議員御指摘のような多様性の尊重を求めるお声を含めて、様々な御意見を真摯に受け止めながら、また、家族形態の変化や国民意識の動向のほか、家族の一体感や子供への影響を考える視点なども考慮の上、国会において建設的な御議論が行われ、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方について、より幅広い国民の御理解が形成されることが重要であると考えております。
 女性、若者の健康支援についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 女性の健康につきましては、人生の各段階において心身の状態が大きく変化する特性があり、継続的かつ包括的に支援する体制を構築していくとともに、若者の性や妊娠に関する相談体制を整備するほか、思春期及び若年成人世代であるAYA世代の、AYA世代というのは、失礼、若年成人世代というのは十五歳から三十九歳のことなのだそうでありますが、若年成人世代でありますAYA世代のがん患者の方々の在宅療養を支援していくことも重要であります。
 このため、本年十月の国立成育医療研究センター、これ世田谷区成城にあるんでございますが、国立成育医療研究センターへの女性の健康総合センターの設置や、各都道府県におきます性と健康の相談センターでの相談体制の整備、AYA世代の方の在宅療養を支援するための実態把握や課題整理など、議員の御指摘も踏まえ、女性、若者の健康支援に取り組んでまいります。
 避難所環境の抜本的な改善についてでありますが、我が国は世界有数の災害発生国であります。いかなる地域で災害が発生したとしても、被災者の方を苦難の中に置き続けるということがあってはなりません。
 発災後、不安にさいなまれておられる被災者の方々に対し、避難所で温かい食事、清潔なトイレ、安眠できるベッド、プライバシーを確保するためのパーテーションなどを速やかに提供することが大切であります。
 とりわけ、議員御指摘のトイレ環境の迅速な整備は切実な問題であります。このため、今般の経済対策におきましては、トイレカーの整備も含め、避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組を新地方創生交付金により支援する枠組みを創設いたしました。また、発災直後から被災地にトイレを迅速に提供できるよう、全国のトイレカーを登録するデータベースの整備も進めることといたしております。
 また、御指摘のとおり、避難所の運営には女性やお子さんの視点も必要であります。政府では、避難所で女性やお子さんに安心して過ごしていただくためのチェックポイントなどを取りまとめた男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインを公表しており、これを活用した訓練、物資の備蓄等を自治体に促してまいります。
 有事に迅速に対応できるか否かは平素からの不断の備えが鍵となります。内閣府防災の機能を予算、人員の両面から抜本的に強化いたしますとともに、令和八年度中に防災庁を設置するべく着実に準備を進め、事前防災を強力に推進いたしてまいります。
 教師の働き方改革についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 議員御指摘のように、自治体、地域、政府が一体となった教師が本当に担うべき業務の厳選や業務の仕分を行った学校・教師が担う業務に係る三分類に基づく業務の更なる厳選、見直し、標準を大きく上回る授業時数の見直し、校務DXの加速化を進めるとともに、学校の指導、運営体制の充実により、教師の時間外在校等時間を削減をいたします。
 こうした教師の働き方改革や教師の頑張りが評価されるめり張りのある給与へのアップデートを含む処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めてまいります。
 子供さんの看護休暇の有給化の推進についてのお尋ねがございました。子の看護休暇の有給化についてであります。
 本年五月に公布した改正育児・介護休業法では、子の看護休暇の対象となる子の年齢を小学校三年生まで引き上げますとともに、卒園式などの行事参加での利用も可能とするなどの見直しを行ったところでございます。来年四月一日の施行に向け、この内容の周知に取り組んでまいります。
 中小企業が子の看護休暇を有給化した場合、そのほかの柔軟な働き方を可能とする制度も導入するなどの要件を満たせば、これらを支援する両立支援等助成金の中から企業にお一人当たり二十万円から二十五万円が支払われる仕組みも設けました。あわせて、子の看護休暇を有給化している企業の好事例の収集、周知も進めております。
 引き続き、このような企業の柔軟な働き方についての積極的な取組を後押しいたしてまいります。
 こどもホスピスの全国普及に向けた支援等についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 こどもホスピスにつきましては、今般の経済対策において、各自治体が関係者とともに地域課題や地域のこどもホスピスへの支援策等を検討する協議会の開催を支援いたしますとともに、こどもホスピスの運営主体へ補助を行うモデル事業を盛り込んでおります。
 政府といたしましては、この事業を通じて、地域におけるこどもホスピスへの支援の状況や課題を把握し、全国普及等に向けた支援の在り方について引き続き検討を続けてまいります。
 医療、介護の提供体制についてであります。
 高齢化が進展する中、地域の実情に応じて持続可能な在宅医療、介護の体制を整備することは極めて重要であります。
 特に在宅医療につきましては、引き続き、日常の療養支援のみならず、退院支援や急変時の対応、みとり機能の確保や、在宅医療を行う医療機関でのICTの活用、在宅医療と介護の連携の推進などに取り組んでまいります。
 また、介護につきましては、訪問介護員を含む介護職の人材確保が課題であります。
 介護職員の賃金は、全産業平均とは差がありますものの、累次の処遇改善の措置により月額四・五万円程度改善をいたしております。その上で、令和六年度の報酬改定による対応に加え、今般の経済対策を通じて更なる賃上げ等の支援を進めてまいります。あわせて、ICT等を活用した介護現場の業務負担の軽減を推進いたしてまいります。
 いわゆる闇バイトによる強盗などへの対策についてであります。
 いわゆる闇バイトによる強盗などは、他者への慈しみや堅実な努力といった日本社会の中で大切にされてきた価値観や道徳観を揺るがしかねない悪質な犯罪であり、断じて許してはなりません。
 事件の主体となっているいわゆる匿名・流動型犯罪グループにつきましては、警察による徹底した捜査、取締りが行われているところでありますが、今後、検挙を徹底するため、警察官の増員や装備資機材の高度化を進めてまいります。
 また、犯罪の実行者を募集する投稿は、それ自体が犯罪に該当するものであります。投稿が速やかに、かつ確実に削除されますよう、AI技術も活用したサイバーパトロールなどの取組を強化いたしてまいります。
 犯罪に加担する可能性がある者に対して、警察に相談に来てくれれば必ず保護する、そのような呼びかけを始めて以降、十一月末までの約一か月半の間に、警察で百二十五件の相談について関係者を保護をいたしました。
 引き続き、警察、学校、地域の防犯団体などとの緊密な連携を維持しながら、様々な機会、媒体を活用して情報発信を行い、青少年などをアルバイト感覚で犯罪に加担させないための教育、啓発を徹底いたしてまいります。先般取りまとめました経済対策にも盛り込んでおるとおり、防犯カメラの設置、青パトの整備など、町ぐるみの防犯対策の支援も行います。
 国民を守る、全ての方々が安心して暮らせる世界一安全な日本を実現しますために、引き続き治安対策に力を尽くしてまいります。
 気候変動対策についてであります。
 気候変動問題は、世界全体で取り組むべき喫緊の課題であります。エネルギー起源CO2の排出量で見れば全世界の三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減いたしてきております。
 現在、次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めております。脱炭素とエネルギー安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
 世界全体での一・五度目標を踏まえた取組として、脱炭素先行地域等の推進や省エネ住宅の普及促進、産業の省エネ、脱炭素設備の導入促進、地熱、中小水力、洋上風力、原子力の開発などを進めてまいります。あわせて、水素製造やペロブスカイト太陽電池などの次世代技術について、開発、実証に加え、需要の創出も図り、早期の社会実装を進めてまいります。
 実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べて排出量の多い国々の取組が必要であり、その取組強化に向け対話を進めるとともに、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECの枠組みなども活用しながら、我が国の技術や資金を生かし、アジアを始め世界の排出削減に貢献をいたしてまいります。
 食品、食料へのアクセス確保のためのフードバンク等への支援強化、食品ロス削減の更なる推進についてであります。
 フードバンク等への支援強化につきましては、食料アクセス確保の観点を含め、昨年末、食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージを取りまとめました。フードバンクへの政府備蓄米の無償交付や企業等が抱える災害用備蓄食料の実態把握等も行ってまいります。これらを今年度改定する食品ロス削減基本方針に反映させ、政府一丸となって取り組んでまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
   〔国務大臣中野洋昌君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
中野洋昌#4
○国務大臣(中野洋昌君) 竹谷とし子議員から、観光立国の推進についてお尋ねがありました。
 観光は、成長戦略の柱、地域活性化の切り札であり、国民生活の安定、向上や国際相互理解の増進にも寄与するなど、極めて重要なものであると考えております。二〇二四年のインバウンドは、旅行者数、消費額が共に過去最高ペースで推移しており、非常に好調です。
 国土交通省としては、二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円という目標に向け、インバウンドの好調な状況がしっかりと日本全体の成長へとつながるよう、アドベンチャーツーリズムの推進など、我が国の魅力的な自然環境、歴史文化を生かした事消費の拡大、地方部での滞在を促進するためのコンテンツの造成やオーバーツーリズムの未然防止、抑制に向けた取組の促進、外国人材も含めた人材の採用活動支援や生産性向上の、向上等のための観光DXの推進などに全力で取り組んでまいります。拍手
    ─────────────
この発言だけを見る →
関口昌一#5
○議長(関口昌一君) 浅田均君。
   〔浅田均君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
浅田均#6
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 私は、会派を代表して、総理に質問いたします。
 さきの衆院総選挙で示された民意は、衆議院において少数与党という政治状況を生み出しました。この政治状況が国会に問いかけるもの、それは、国会は今や政府の下請機関ではないかとやゆされていたこれまでの状況を真摯に受け止め、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関であるとうたう憲法第四十一条を体現する国会本来の姿に立ち戻れということではないでしょうか。
 日本維新の会は、さきの衆院選で、与党による事前審査制度の見直し、閣法質疑、一般質疑の順で行われる委員会審議の慣習を改め、議員立法の活性化を図る等の公約を掲げましたが、国会を国権の最高機関たらしめるため、これからの国会運営で他党の皆様方と協調、協力し、衆院総選挙で示された民意に応え、熟慮の、熟議の府としての参議院構築に尽力したいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 政治改革について質問します。
 いわゆる裏金疑惑の解明はいまだ道半ばです。これまで参議院の政治倫理審査会に三名が出席しましたが、疑問は何一つ解決、解消していません。
 春の政倫審以降に開かれた安倍派会計責任者の裁判で、一旦中止が決まった還流の復活は幹部会合で決まったとの証言があり、それまでの政倫審での発言と食い違いが生じたのに、再調査すらされていません。
 先月二十八日の報道によれば、二十七名の議員が政倫審への出席の意向を示しているとされています。これは偶然とは思われません。何らかの力が働いたと思わざるを得ないのです。仮に三月の政倫審同様、いわゆる裏金と言われるお金の発生の経緯に関する事実が解明されなければ、何人出席しても時間と労力の無駄です。
 疑惑発覚から一年が経過しました。総理は、政倫審に出席意向の二十七人の議員に対し、再調査を行い、新事実が存在するのか確認しましたか。していないのであれば、なぜですか。速やかに実施するべきではないですか。
 総理は、さきの総選挙で、衆議院の政倫審に出席していなかった議員を非公認とする処分を下しましたが、参議院の政倫審に出席しなかった議員についても来年の参議院で同様の扱いにするという認識でよろしいでしょうか。また、出席するだけで事実解明もされない、単なる来年の参院選の公認をもらうためのセレモニーにしてはいけないと思いませんか。
 政治改革の大きな柱の一つは、企業・団体献金の禁止です。
 企業、団体からの多額の献金が政策決定をゆがめ得る弊害については、かねてから指摘されてきました。自民党は、一九八九年の政治改革大綱の中で、政治家個人又はその政治団体に対する寄附は、情実や直接の利害が絡む場合があることを認めながら、自由主義経済において法人などの団体が重要な役割を担っていること等を理由に、企業・団体献金の廃止を見送りました。
 しかし、一九九五年に政党助成金制度が与野党合意で開始された際には、企業・団体献金の廃止とセットで行われることが前提となったはずです。にもかかわらず、企業・団体献金は、政党が受け取ることは例外的に認めるとする抜け穴によって、政党支部が雨後のタケノコのように設立され、実質的に議員本人が手にするという以前と変わらぬ運用がなされています。
 改めて伺います。
 政党交付金を受け取る一方、企業・団体献金や企業、団体のパーティー券購入を禁止しない理由は何ですか。情実や直接の利害が絡む場合はありませんか。お答えください。
 政策活動費の廃止や調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費の使途公開と残金返納については、もはや表向き反対している政党はありません。特に旧文通費の改革については、今国会で歳費法等の改正を目指す方向となっています。ゴールを定めて合意に至ったことは大きな前進ですが、なおも予断は許されません。
 総理には、一、政治資金規正法を再改正し、政策活動費の抜け穴なしに廃止すること、二、歳費法を改正し、旧文通費問題の決着を今国会で職を賭してでも実現させる覚悟を示してください。
 今般のいわゆる裏金問題では、自民党は党として派閥のパーティー券問題に対し何ら説明責任を果たせない実態が明白になりました。そもそもこの問題の根源には、政党の組織や運営に関して法で規律付けがなされていないことがあります。
 自民党の派閥が外形的に党内組織でありながら、党と別の組織であるという言い分がまかり通っているのも、政党の定義が明確でないことに起因すると考えますが、見解を伺います。
 民間企業では、会社法によって整備すべき内部体制が事細かに定められています。しかし、政党は、巨額の政党交付金を税金から受け取りながら、法で公的な組織と位置付けられておらず、従うべき組織や運営のルールも存在しないままであることは適切ではありません。
 政党の目的や必要な内部組織規程などを備えた政党法を策定し、公党にふさわしい政党ガバナンスを確立すべきではありませんか。
 次に、経済政策について質問します。
 所信表明演説では、経済の活力を取り戻す賃上げと投資が牽引する成長型経済へ移行するという考え方が示されました。この賃上げと投資が牽引する成長型経済という考え方に関し、以下四つの質問にお答えください。
 一、二〇二四年三月に日銀の異次元緩和は解除され、金利のある世界に戻りました。これから金利はプラス。プラス方向で、しかも値は大きくなります。つまり、投資抑制圧力が強くなる中で、どうして企業に投資してもらい、経済の成長につなげるのか、そのメカニズムをお示しください。
 二、物価上昇を上回る賃上げ。物価が上がり続けたら賃金も上がり続ける必要があります。これがずっと続けば、私の尊敬する同僚が唱えるハイパーインフレが起きます。どこでこの循環を止めますか。どのようにして止めますか。
 三、ハイパーインフレが起きないようにするには利子率を上げる必要があります。ところが、利子率が上がると投資が抑制される。すなわち、賃上げと投資は両立しないのであります。したがって、賃上げと投資が成長を牽引することはあり得ません。この点をどうお考えでしょうか。
 四番目、日銀の当座預金残高は約五百六十兆円まで膨らんでいます。これを平時の三十兆円に戻すには十年掛かるという試算もあります。日銀がこれから十年間、新たな国債買入れを止める場合、日銀に代わって誰が国債市場に資金供給するとお考えでしょうか。
 日銀によると、本年第二・四半期のGDPギャップはマイナス〇・六%で、金額にすると年四兆円程度。総務省が算出した本年十月のコアCPIは前年比二・三%であり、外形的には三十九兆円規模にもなる補正予算が必要な状況には思えません。政府は足下の経済状況をどう評価していますか。また、なぜ今般の補正予算がこの規模で必要なのか、合理的な理由を教えてください。
 政府は、経済対策の中で、いわゆる年収の壁対策として、基礎控除等を令和七年度税制改正の中で議論し引き上げることとしましたが、自治体からは、地方財源に大きな穴が空くとして強く反対する声が噴出しております。
 そもそも百三万円の壁は課税のスタートラインであり、壁ではありません。一方で、壁を引き上げることによる地方全体の減収は四兆円と言われています。全国の住民サービスのレベルを維持させるために、財源不足分を地方の臨時財政対策債で肩代わりしたり、国債で財源調達するならば、結局、負担の先送りにほかなりません。
 百三万円の壁を一気に百七十八万円まで引き上げることは、現役世代から将来世代への負担の先送りではありませんか。見解をお聞かせください。
 年収の壁の議論の入口に立ち戻り、手取りの減少を埋めることに着目すると、百三万円の壁は壁ではなく、問題の核心は百六万円や百三十万円の社会保険の壁であることは明白です。
 なぜ社会保険は、壁を越えたその時点から一挙に多額の保険料が課されるのでしょうか。マイナンバーを活用することで保険料と税、給付を組み合わせ、これら全体として年収の壁を生まない制度を実現することが考えられますが、見解をお聞かせください。
 次に、在職老齢年金制度について質問します。
 働いても年金が減らない、働く高齢者の厚生年金減額の基準額の引上げは、高齢者の働く意欲を高めるために必要な改正だと考えます。ただし、制度を見直すことにより、将来、年金を受け取る人の給付水準が下がれば公平ではありません。制度見直しにより不足する将来世代への給付分をGPIFの運用益で穴埋めすることを考えませんか。総理の見解を求めます。
 東京二十三区では、この十年でファミリー向け中古マンションの相場が約二倍に達しました。現行の消費者物価指数ではこの現象が捉え切れません。消費者物価指数に含まれるのは持家を自分で借り上げたと想定して算出した帰属家賃であり、不動産価格の実態を含めて考えると、QOL、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質の低下は実際の物価上昇二%どころではないと思われます。総理はどのようにお考えでしょうか。
 物価が上がるということは貨幣価値が下がるのと同義です。都内のマンション価格が十年前に五千万円だったものが今は一億円。十年前に五千万円持っていたら買えたマンションが今は買えません。十年間ほとんど利息も付かないので、現金五千万円は五千万円のまま。円価は半分の二千五百万円に下がったということです。
 いまだにデフレ脱却などと寝ぼけたことを言う人がいます。今起きているのはインフレです。インフレであり、クオリティー・オブ・ライフの低下です。過剰なインフレを収拾するためには金利を上げる必要があります。一方で、十年間にわたる異次元の金融緩和で日銀保有の国債残高は約五百八十五兆円まで膨れ上がっており、ばらまき続けた円を回収しないことには、金利を上げれば日銀が莫大な評価損を抱え、円の信認に影響を与える事態も想定されます。金利上昇は不動産購入の約七割を占める変動金利型住宅ローンに波及し、現役世代の可処分所得が減少します。
 金利を上げなければ日本経済がもたず、金利を上げても日銀と国民生活がもちません。政府として、この状況にどう対処するお考えですか。
 総理が力を入れておられる地方創生について伺います。
 会計検査院は令和三年度決算検査報告で、地方創生臨時交付金を活用した商品券の前払金が商工会などに滞留したりして十分に活用されなかった事例を明らかにしており、メディアでは本交付金を利用した公用車の購入や着ぐるみの作成などの事例も着目されました。この十年における地方の人口減や若者、女性の流出に鑑みて、今までどおり国から交付金を支給する方法で地方創生の目的が達成できるとお考えでしょうか。
 国が交付金をばらまけば、地方の側も不要不急の支出を取りやめるインセンティブは希薄になります。このような手法によって地方が中央の補助金に依存すれば、自治が骨抜きになります。
 地方は統治の仕組みを変えることによって成長の原資を生み出すことができます。大阪府と大阪市は共同で副首都推進局を設置し、大阪の成長や発展に取り組んできました。その結果、令和五年度の大阪市の市税収入は、固定資産税等の伸びにより八千四十四億円と、二年連続で過去最高を記録しています。
 地方創生の名の下に国が交付金を配るのはやめ、改革によって無駄を削減し、自主財源で地方が新規事業を実施できるよう国がサポートすべきではありませんか。
 国は、地方に範を垂れるべく率先して無駄を省き、歳出削減をすべきです。米国においても、トランプ次期政権で連邦政府の歳出三割削減が目指されています。
 会計検査院による令和四年度補正予算の調査では、歳出追加額が計上されている予算科目千二百八十五目のうち半数以上で、補正予算で追加した額若しくはそれを超える額が翌年度に繰り越されていました。補正予算の約四割以上が無駄だったとも取れる状況です。毎年の恒例行事と化している経済対策が正当性が疑われる状況にあることをどうお考えでしょうか。
 金利の上昇により財政余力が失われる中、一般会計全体で例外のない予算削減の数値目標を設定、実行し、コロナ禍で過剰に膨張した予算を正常化するべきではありませんか。
 地方再生に本気で取り組むのなら、農業、農村の課題は避けて通れません。税金からの補助金がないと生き残れないような農業のままでは、若者にとっては魅力がなく、地方での人口定着は望めません。
 農業を成長産業に転換することは急務です。その要となるのは、主食であり主要作物として自給率の高い米であることは間違いありません。
 しかし、その米は需要が減ったことを理由に生産が抑制され、事実上の減反も続いています。水田を畑地化あるいは他の用途に転換すれば、二度と米を作ることはできなくなります。食料安全保障の観点からも大問題です。
 米の商品価値を高め、需要拡大を図るために、気候変動に強く、おいしい米への品種改良の促進とともに、米粉、パック御飯、日本酒など、米を原料にした商品の開発と普及に政府が一層の支援をすべきと思いますが、いかがですか。米の海外輸出を促進するために総理が先頭に立ってトップセールスを展開すべきだと思いますが、お考えの具体的な輸出促進策をお示しください。
 米の商品としての魅力を高めるために、米の先物市場の活用が重要です。今年八月、大阪の堂島取引所が米の先物取引を開始しました。先物市場が活況となれば、米価格の指標ができ、価格が安定化することや、米の安定供給も期待できます。生産者にとっては、収穫前に利益が予測できることは魅力です。
 米の先物市場の活用について、どのような効果を期待していますか。先物市場はまだ参加者が少ない状況ですが、これからどのように発展していくとお考えですか。併せて見解を伺います。
 若者が意欲を持って農業の担い手となるようにするためには、これまでの常識にとらわれず、新しいことをどんどん取り入れていく必要があります。
 農業には農繁期と農閑期があり、工業や商業、サービス業でもシーズンによって忙しさが違います。農繁期には農作業、農閑期には別の仕事というような人材活用もできるようにすべきです。
 まさに地方創生のためにも、農家又は食品会社にだけ農地所有を認めるという現在の岩盤規制を取り払い、農業、食品以外の他産業の株式会社等も農地を所有し農業に参入できる改革が必要だと考えますが、所見を求めます。
 企業による農地取得しかり、日本経済を力強く成長させていくためには、大胆な規制改革を断行し、生産性を高めることが不可欠です。
 しかし、自民党政権がこれまで実施してきたのは、特定の産業や企業に多額の補助金を注ぐばらまき型の、極めて非生産的で長期的な視点を欠いた政策でした。
 ライドシェアの全面解禁は、規制改革の重要なテーマです。
 移動の足の確保という社会の要請に対し、政府は日本版ライドシェアなる制度を導入しました。その中身はタクシー業界に過剰に配慮した制約が多く、本来のライドシェアとは懸け離れた仕組みとなっています。
 大阪・関西万博まであと百五十日を切りました。開催期間中、国内外から約二千八百二十万人もの来場者が万博会場に訪れることが見込まれており、円滑な移動の実現と近隣地域の社会経済活動を支える人流や物流への影響を最小化することは喫緊の課題です。日本版ライドシェアなる小手先の対応ではなく、世界の英知が集まる万博の名にふさわしい真のライドシェアの実現に向けてかじを切るお考えはないでしょうか。
 国民の命を支える医療分野でも改革が求められています。
 マイナ保険証の導入は医療DXの入口です。しかし、マイナンバーカード保有者は七五・七%、マイナ保険証の登録はカード所有者の八二・〇%で、国民の六割にすぎず、医療DXの実現に向けて大きな課題となっております。
 政府は、医療情報を医療機関や薬局で共有することにより、切れ目なく、より質の高い医療の効率的な提供を図るとしていますが、肝腎の医療機関への電子カルテの導入は進んでおりません。
 医療DXを促進するために政府が予算を確保し、責任を持って全医療機関へ標準型電子カルテシステムの導入を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
 最後に、外交・安全保障問題について伺います。
 ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が急速に進んでいます。北朝鮮はロシアに一万人以上の兵士を派遣し、ウクライナへの第二の侵略国となりました。ロシアは見返りとして、防空システムや対空ミサイルなどの軍事兵器供与に踏み切りました。
 先月、ロシアは、核使用基準を緩和した上、極超音速で飛ぶ核弾頭搭載可能な新型中距離弾道ミサイルでウクライナ領内を攻撃し、全世界に向けての核による威嚇を強めています。両国の暴挙は断じて許せません。
 ロ朝両国は、六月、有事の際の相互軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約を締結し、先月、批准手続を終えました。日本を取り巻く安全保障環境は戦後最悪とされる中、共に日本の隣で核を持つ独裁専制国家が二十八年ぶりに軍事同盟を復活させたことは、更に日本を含む東アジアの安保環境に深刻な脅威を与えています。
 ロシア軍が朝鮮半島に駐留し、日本と対峙する事態も否定できません。ロシアからの技術支援によって北朝鮮のミサイル発射精度が飛躍的に進化している点も見過ごせません。
 このように、日本の安全保障環境は、岸田前政権が国家安全保障戦略など戦略三文書を決定した時点より明確に悪化し、局面が変わったと考えます。総理はどのように認識されていますか。
 増大するロ朝軍事同盟の脅威に日本は具体的にどのように対抗し、抑止力を強化していく考えですか。日本は中国を念頭に防衛態勢を北方から南西へシフトを進めていますが、いずれも核を持つ中国、ロシア、北朝鮮の三正面で対処すべく、改めて北方にも重点配備する必要性が出てきたのではないですか。
 防衛力整備計画で決定された九年度までの五年間の防衛費四十三兆円計画は、一ドル百八円の前提で策定されたもので、その後の急激な円安の影響で相当額が事実上消失しています。
 想定外に目減りした防衛費を埋め合わせることなく、現行の戦略三文書の内容を遅滞なく着実に履行することは可能なのでしょうか。戦略三文書、なかんずく防衛力整備計画を見直し、令和八年度から新たな五か年計画を策定することを検討すべきではないですか。
 以上、総理の率直な答弁を求めます。
 日本維新の会は、一昨日、吉村大阪知事を代表、前原衆議院議員を共同代表とする新体制を発足させました。これからも、これまでの政治になかった視点から我が国の閉塞状況に風穴を空け、未来を切り開いていくことをお約束し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#7
○内閣総理大臣(石破茂君) 浅田均議員の御質問にお答えを申し上げます。
 自民党におきます旧派閥の政治資金収支報告書への不記載に関し、参議院の政治倫理審査会への関係議員の出席等についてお尋ねを頂戴いたしました。
 不記載の事案について政府としてお答えをすることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、これらの事案につきましては、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたところであります。
 自民党といたしましても、可能な限りの調査を行い、その結果を国民の皆様に御説明いたしてまいりました。このため、個々の議員に対して私自身から改めて調査を行っておりませんが、各々が、政治倫理審査会の場を含め、あらゆる場を積極的に活用して説明責任を果たすよう党として促してきたところであります。
 なお、政治倫理審査会は、個々の議員の政治的、道義的責任の有無を審査する場であると承知しております。それ以外の目的によって審査や弁明が行われるものではなく、御指摘のようなセレモニーとして行われるものではないと認識をいたしております。
 また、政党の公認の方針について総裁としてあえて申し上げれば、さきの衆議院総選挙において、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などについて非公認としたところでございます。来年夏に予定されております参議院議員通常選挙における公認、非公認の判断につきましては、違う対応を行うということは現時点では考えておりません。
 企業・団体献金についてであります。
 政党助成制度は、政党が民主主義の重要な担い手であることに鑑み、その費用を国民全体で負担するために導入されたものと承知をいたしております。
 議員から、政党助成金制度は企業・団体献金の廃止とセットだったとの趣旨の御発言がありましたが、政治資金規正法の平成六年二月の改正附則第十条は、改正法の施行後五年を経過した場合に、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附の在り方について見直しを行うものとすると規定いたしております。このことから明らかなとおり、政党交付金の創設時に企業・団体献金の禁止が決まっていたという事実はございません。
 他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らしても重要であります。
 政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定いたしております。また、政治資金規正法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないと定めております。
 政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えをすることは控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党といたしましては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認ができるデータベースの構築に取り組んでまいる方針でございます。これによりまして、企業・団体献金を含む政治資金の透明性が飛躍的に高まり、国民の皆様方の御判断に資するとともに、政党などによる政治活動の公明と公正の確保、ひいては政治の信頼の確保にもつながるものと考えております。
 政策活動費の廃止のための政治資金規正法の改正、並びに調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納についての歳費法の改正についてお尋ねを頂戴いたしました。
 政治資金や調査研究広報滞在費に関するルールの在り方については、既に政治改革に関する各党協議会や衆参の調査研究広報滞在費に関する協議会において御議論をいただいておるところであります。
 政府としてお答えをすることは控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党といたしましても、政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進めてまいる決意であります。
 政党から各級議員に支出され、その先の最終的な使途が公開されていない現在の政策活動費は、全て廃止することといたします。
 その結果、政党における最終的な支出先などにつきましては基本的に全て公開することとなりますが、外交上の秘密や支出先のプライバシー、あるいは営業秘密を害するおそれに配慮すべき場合など一部の限定された支出につきましては、相手方の信頼関係などにも関わりますことから、公開を行いつつも、公開の方法には工夫が必要であると考えております。
 ただし、我が党といたしましては、これらの支出についても政治資金に関する第三者機関が中立的な立場から厳格に監査を行い、支出の適正を担保することを規定いたしており、不透明な支出を存置するというものでは全くなく、政策活動費の廃止に議員御指摘のような抜け道が生ずるとは全く考えておりません。
 国民に政治に対する信頼を取り戻すため、政治資金に関する諸課題について党派を超えた議論を進め、年内の政治資金規正法や歳費法の改正に誠心誠意尽力をいたしてまいります。
 政党法についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 総裁として申し上げますと、議員御指摘のとおり、政党が透明性を持ちながら社会に対する説明責任を果たし、国民の信頼を得ていくためには、ガバナンスの強化が極めて重要であります。
 自民党は、他党に先駆けてガバナンスコードを制定、運用いたしてまいりました。政党における意思決定の在り方などについて規定した政党法を制定すべきと、議員の御意見については私個人としては大いに賛同するところでございます。私自身、政治改革について取り組んでまいりました三十数年前からこの政党法の必要性については議論を提起をしてまいり、私なりに研究を続けてまいりました。
 他方、議会制民主制度の、民主主義の主要な担い手である政党がその期待される役割を十二分に果たしてまいりますためには、何よりもまず政治活動の自由が最大限尊重されなければならないという御意見も当然存在するところでございます。
 政党法の制定につきましては、政党の政治活動の自由と密接に関係する事柄でありますことから、各党各会派における十分な議論が必要であると考えております。
 我が党では、党内の政治改革本部におきましてガバナンス強化のためのワーキングチームを設置することを決定しておるところであり、党改革の議論も着実に推進をいたしてまいります。
 賃上げと投資が牽引する成長型経済についてであります。
 内閣といたしましては、安定的な物価上昇の下で、それを上回る賃金上昇が安定的に実現する経済を目指しております。すなわち、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇する、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業が次の成長段階に入り、また賃金が上がるという好循環が実現をいたします、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指してまいります。
 そのためには、まず家計を温めるためにも物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要がございます。最低賃金の引上げに取り組みますほか、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけますよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めますとともに、省力化・デジタル化投資の促進や経営基盤の強化、成長のための支援などに取り組んでまいります。
 国内投資の拡大に向けましては、DXやGXなどの今後成長が期待される分野を中心に、企業の予見可能性を高めつつ、戦略的かつ重点的な官民連携投資を進めてまいります。
 なお、目指すべき好循環はこのように安定的な物価上昇の下で実現されるものであり、いわゆるハイパーインフレーションが起こるとの御指摘は当たらないものと考えております。また、その際、実質的な資金調達コストの上昇は一定程度に抑えられますことから、投資抑制への影響は限定的であると考えております。
 ようやく約三十年ぶりの高い水準の賃上げと過去最大規模の投資が実現し、明るい兆しが現れております。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営、経済への転換を進め、我が国を世界をリードするイノベーションが常に生み出される豊かな国といたしてまいります。
 今後の国債の買手についてでありますが、今後の国債の消化につきましては、先般の日銀の国債買入れ減額の決定を受け、銀行を始めとした国内外の幅広い投資家に国債を購入、保有していただく努力が一層重要になってくる、このように認識をいたしております。
 政府といたしましては、金利の動向や投資家のニーズを見極めた上で、市場との対話を丁寧に行い、適切に国債管理政策を運営してまいりたいと考えております。
 我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあるというのは申し上げておるところでございます。
 今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指し、必要な予算を積み上げたものでございます。
 具体的には、現下の賃上げができるよう省力化・デジタル化投資を促進いたしますとともに、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化する施策を盛り込んでおります。さらに、能登地域の一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速するための対応を始め、国民の安心、安全の確保に万全を期するための施策も盛り込んでおります。こうした施策の積み上げの結果、昨年を上回る規模となったものでございます。
 いわゆる百三万円の壁についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、自民党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところでございます。
 経済や議員御指摘の財政への影響など、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識をいたしております。そうしたことも踏まえ、今後、各党の税制調査会長間などで更に議論を深めていただきたいと考えております。
 マイナンバーを活用したいわゆる年収の壁への対応についてでありますが、政府として、マイナンバー制度の利活用を推進していくことは重要であると考えております。これまでも、マイナンバーを活用した行政機関の間での情報連携により、所得情報等に基づいた各種給付の円滑な執行に貢献してまいりました。
 ただし、いわゆる年収の壁につきましては、マイナンバーの情報連携のみで直ちに対応できるものではございません。
 社会保険の適用に関するいわゆる年収の壁につきましては、当面の対応として取りまとめました年収の壁・支援強化パッケージの活用にまずは取り組んでまいります。
 その上で、労働者が就業調整をせずに希望に応じて働くことができますよう、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険の更なる適用拡大など、制度的な対応について関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
 こうした中で、社会保障制度における更なるマイナンバーの活用につきましても、情報連携の進展の状況と併せて検討を進めてまいります。
 在職老齢年金制度についてでございますが、公的年金制度につきましては、現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っております。働き方に中立的な制度を構築する観点から、在職老齢年金制度の見直しにつきましても、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
 また、年金積立金の運用収益につきましては、長期的な年金財政の見通しの中で、保険料を抑制しつつ、将来の受給者の給付に活用されることとなっております。
 次期年金制度改正の検討に当たりましては、改正事項が年金財政に与える影響も踏まえつつ、適切に検討いたしてまいります。
 不動産価格の上昇など、物価高の対応等についてのお尋ねでございます。
 国交省の不動産価格指数によりますと、御指摘のように、東京都のマンションの不動産価格はこの十年で約一・九倍に上昇いたしております。
 賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現が重要であり、今回の経済対策におきましては、賃上げ環境の整備に向けて、現下の賃上げができますよう価格転嫁や省力化・デジタル化投資の促進、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化するなどの具体策を盛り込んだところであります。
 金融政策の具体的手法につきましては、日銀に委ねられるべきものと考えておりますので、政府としてコメントをすることは差し控えます。
 日銀には、引き続き、政府と緊密に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向け、適切な金融政策が、適切な金融政策運営が行われることを期待をいたしております。
 地方創生の交付金についてでありますが、御指摘の新型コロナウイルス対応の臨時交付金は、コロナという未曽有の事態に対応するため、自治体がきめ細やかに必要な事業を実施できますよう措置されたものと承知をいたしております。
 私が十年前に初代地方創生担当大臣として創設いたしました地方創生の交付金は、この臨時交付金とは全く別の制度でございまして、事業ごとに定量的なKPIを自治体が設定しPDCAサイクルを回す仕組みとなっております。今般創設いたします新たな交付金につきましても、同様の考え方の下で執行いたし、ばらまきは排してまいります。
 その上で、地方の人口減少や若者、女性の流出は、地方創生二・〇において重点的に取り組むべき課題であります。その実現は交付金のみでできるとは考えておりません。規制・制度改革も含め、様々な対応を講ずる必要がございます。
 地方創生二・〇を進めます上では、各地域における、産官学金労言と申しますが、それぞれのステークホルダーが、いま一度、若者や女性の方々に選ばれる地域とするにはどうすべきか、これを真剣に考え、地域自らが行動を起こすことが必要であります。
 その取組の一環として、例えて申し上げれば、地域間、男女間の賃金格差の是正、非正規雇用の正規化の推進、女性雇用のL字カーブの解消、男性の育児休業の推進、このような取組も効果的だと考えております。
 地方におきましてこうした取組を具体化していく中で、国としても、交付金のみならず、規制・制度改革も含め、効果的な環境整備を進めてまいります。
 地方の自主財源による事業の実施についてでございますが、私どもが進めようとしております地方創生二・〇は、それぞれが持てるポテンシャルがまだまだ眠っている地方の産業や文化、これらを支える人材の力を最大限に引き出し、日本全体を創生していくものを目指すものでございます。
 これまでの地方創生の成果と反省から学び、産官学金労言で英知を集め、各地方でこうした取組を進める中で、特に優れた取組につきましては、その普遍化、横展開とも申しますが、それが全国に広がってまいりますよう努めてまいりたいと考えております。
 もちろん、地方が自主財源でこうした取組を進めていくことが最も望ましいと、このようには考えておりますが、それが難しい場合、新たな交付金による支援も有効な手だてだと考えております。
 各省庁の縦割りやばらまき、御指摘の無駄も排するため、今後策定いたします基本的考え方も踏まえ、持続可能となる取組に交付金や規制・制度改革などの統合された施策を重点的に講じてまいることといたしております。
 経済対策の正当性、予算の正常化についてであります。
 我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあるということは何度も申し上げておるとおりでございます。今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指して策定をいたしたものであります。
 政府はこれまで、度重なる自然災害、コロナ禍、物価高などに対して講じてまいりました経済対策では、必要な施策を積み上げ、早期執行に努めてまいりました。
 令和四年度補正予算に関して会計検査院から指摘を受けましたことについては、厳粛かつ真摯に受け止め、改善に努めなければなりません。
 今後の経済財政運営に当たりましても、経済あっての財政との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
 米の需要拡大と輸出促進、先物市場の活用についてであります。
 我が国の食料安全保障を確保いたします上で、自給可能な米の需要拡大は特に重要な課題と考えております。
 今後とも、地球温暖化に対応し、高温耐性品種の開発、普及を進めるとともに、品質低下防止のための適切な追肥、肥料を追加すると書きますが、追肥の実施等の対応策の普及を図るほか、米粉製品の開発、製造施設の整備、食の簡便化に対応したパック御飯工場の整備等への支援を行ってまいります。米粉製品の開発につきましては、これはグルテンフリーの観点からも極めて意義があるものと考えております。
 米の輸出につきましては、近年順調に伸び、昨年は二〇一九年の二倍となる九十四億円に達しております。例えば、冷めてもおいしい日本産米のおにぎりが海外で大いに人気を博すなど、米の輸出は大きな可能性を有しております。
 先日の習近平国家主席との日中首脳会談におきまして、精米の輸出拡大も習主席に求めたところであります。極めて有望な市場であります中国向けの米の輸出拡大に向け、政府として積極的に取り組んでまいります。
 今後も、私自身の米の輸出に対する強い思いを関係者に共有していただきながら、官民一体となったオールジャパンでの需要開拓等の取組を進めてまいります。
 本年八月から開始されました米の先物取引につきましては、生産者や流通業者などに対し米の将来価格の動向を示すことにより、計画的な生産や販売を促す効果を期待いたしております。また、こうした効果が広く認識されることにより、先物取引が生産者や流通業者の経営ツールとして活用され、取引参加者の拡大を通じ、先物市場が活性化していくものと、かように考えております。
 企業の農業参入についてでありますが、本年度の法令改正により、農地を所有できる法人の出資者として、御指摘の食品事業者のほか、地方銀行等が主導するファンドを加え、法人が農地を保有しやすくいたしたところでございます。
 地域経済の振興に重要な役割を有する地方銀行は、地域農業の発展に寄与し得る存在であり、その主導するファンドの資金が有効に活用され、出資先の法人、ひいては地域農業の発展が促されることを期待いたしております。
 なお、農地リース方式によります企業の農地参入については、既に四千を超える参入が見られております。今後も、企業の農業参入を後押しをいたしたいと考えております。
 大阪・関西万博中における移動手段についてでありますが、万博期間中における来場者等の移動需要の高まりに対応するため、大阪府からは、日本版ライドシェアの府域全体での運行の実現等の御要望をいただいているというふうに承知をいたしております。大阪府からこのような御要望をいただいておるところでございます。
 日本版ライドシェアは、時間帯や地域によって一時的に増加する需要に対しまして、自家用車と一般ドライバーを活用することで柔軟に対応できる有効な手段と認識をいたしております。大阪府及び大阪市とは、バス、鉄道や日本版ライドシェア等も含め、万博期間中の移動の足が円滑に確保されるよう検討を深めておるところでございます。
 大阪府以外につきましても、骨太の方針に従い、日本版ライドシェア等の施策の実施効果を検証しつつ、全国での交通空白の解消を含め、移動の足の確保の取組を強力に進めてまいります。
 患者の皆様に医療情報を活用したより良い医療を提供するためには、医療機関等で必要な電子カルテ情報を共有できるようにすることが重要であります。
 このため、国が、小規模な医療機関でも導入しやすい標準型電子カルテを開発し、普及させてまいります。その際には、導入に当たっての医療機関の負担にも十分に配慮をしながら、スピード感を持って普及を進めてまいります。
 ロ朝軍事協力を含む安全保障環境への認識、それに対する対応についてでありますが、国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、国際社会におきましては分断と対立が進んでおるということは皆様方御認識のとおりでございます。
 我が国の周辺国・地域におきましても、核・ミサイル能力の強化、急速な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層顕著になっており、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を認識しておるということも、皆様方共有をしていただいていることかと存じます。
 また、議員御指摘のとおり、北朝鮮兵士によりますウクライナに対する戦闘への参加や、ロシアによる北朝鮮からの武器、弾薬の調達といったロ朝軍事協力も進展しております。こうした動きは、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものであります。
 こうした点を含め、厳しい安全保障上の現実を直視し、国家安全保障戦略等に基づき我が国の防衛力の抜本的強化を着実に進めますとともに、同盟国、同志国との連携を更に深めることで、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜いてまいる決意でございます。
 防衛力の抜本的強化に当たりましては、機動展開能力の強化等を通じ、我が国全体として隙のない防衛体制を構築してまいります。
 防衛力整備計画の見直しについてでありますが、防衛費全体のうち、例年八割から九割を占めます人件費や国内生産、調達、基地対策費などは為替の影響を直接受けるわけではございません。為替変動の影響を直接受ける有償軍事援助、FMS、FMSや一般輸入などは一割から二割、この辺りにとどまっておるものと認識をいたしております。
 防衛力整備計画の四十三兆円程度という規模は、防衛力の抜本的強化に必要な水準として積み上げたものであり、円安を伴う為替レートの変動や国内外の全般的な物価上昇が生じておる状況にありましても、一層の効率化、合理化を徹底し、現行の防衛力整備計画に基づいて、防衛力の抜本的強化を達成すべく努めてまいります。
 以上でございます。拍手
この発言だけを見る →
関口昌一#8
○議長(関口昌一君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
この発言だけを見る →
長浜博行#9
○副議長(長浜博行君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。舟山康江君。
   〔舟山康江君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
舟山康江#10
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
 会派を代表して、石破総理の所信表明演説に対して質問を行います。
 さきの衆議院総選挙は、どの政党も過半数に届かない結果となり、表面的には自公政権が継続したものの、連立でもなお過半数に満たない少数与党政権に転じました。
 今後は、政府・与党の事前調整で決めたことを野党に追認させるという政策決定は通じません。与野党の熟議を通して、より広い民意を反映する政策決定への変更を国民が支持した結果です。まさに石破総理が所信表明にて石橋湛山元総理の演説を引用し強調したとおりですが、逆に言えば、これまでの政権は、他党の意見を丁寧に聞くこと、可能な限りの幅広い合意形成など、当たり前の過程を怠ってきたことを物語っています。従来の政権の反省点も含めて、今後の政治のあるべき姿に向けた総理の決意をまずお聞きします。
 与党過半数割れの原因の一つは、石破総理の政治姿勢が変節したとの疑念を多くの国民が抱いた点です。
 総裁選時、勝利目当てに心にもないことを語っていたとは思いません。むしろ本音を訴え、本気で実現しようと意気込んでおられたものと思います。しかし、自民党という組織はそう甘くありませんでした。総理といえども、自民党の中でかじ取りするには様々な意見に配慮せざるを得ず、あえて持論を封印し、そのチャンスをうかがっているんですよね。総裁選での主張を後退させていないことを明言してください。
 例えば、駐留に伴う諸問題の解決にも取り組むとは、日米地位協定の改定も視野に入れているのか、お答えください。
 総理、安心してください。まさに与党だけでは何も進まない状況の今、野党の力をうまく活用してください。多くの野党、そして国民民主党は、日米地位協定改定や金融所得課税強化、政策活動費廃止を含む政治改革、農業の直接支払拡充など、総理のかねてからの主張に大賛成です。是非一緒に前に進めましょう。
 私たち国民民主党は、手取りを増やす、この政策を前面に掲げて総選挙を戦いました。その具体策の一つが基礎控除の拡大、いわゆる百三万円の壁の引上げです。
 控除制度は、生活に必要な最低限の生きるためのコストは非課税という根本原則にのっとったもので、現在の課税最低限は、基礎控除四十八万円と給与所得控除五十五万円を合わせて百三万円です。一九九五年までは物価上昇等に合わせて引き上げていましたが、それ以降は放置。この三十年、物価のみならず税金や社会保険料引上げで生きるためのコストが上がる中、控除額が不変では明らかに不合理です。
 財務省の国際比較の資料では、今年一月現在の日本の単身者の課税最低限は、日米英独仏の中で最も低い金額です。
 総理がこれらを御理解いただき、所信表明でも引上げを明言されたことは率直に評価いたしますが、問題は引上げ額です。
 国民民主党は、最低賃金決定の際の考慮要素として、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようにと明確に示されていることからも、その上昇率に合わせるべきとの観点に立って百七十八万円への引上げを提案していますので、是非総理のリーダーシップで決断いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。税金を集めて使う立場ではなく、税金を納める国民の立場を考えた御答弁をお願いいたします。
 あわせて、暫定と言いながら半世紀も続いているガソリン等の暫定税率廃止については、所信の中で、自動車関係諸税全体の見直しの中でではなく、見直しに向けて検討と踏み込んでいますので、まずは先行して決断いただけるものと確信していますが、その決意をお聞かせください。
 人づくりこそ国づくり。我が党が結党以来一貫して主張してきたフレーズをまさに直球で総理が所信で使われたことに敬意を表します。
 国民民主党は、人への投資として、年五兆円程度の教育国債発行で子育て予算と教育、科学技術予算を倍増すべきと提案し続けてきました。安易な借金を推奨しているわけではありません。まさに教育や子育ては未来への投資であることから、未来からお金を先にお借りして投資をする、そして将来、大きく育った人材から投資分を回収するべき、こういった趣旨です。これこそ人づくりの一丁目一番地と考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 OECDが九月にまとめた報告書によれば、日本の公財政教育支出の対GDP比は二・九%と、三十五か国のうち二番目に低い水準です。また、大学や専門学校などの高等教育に対する家計負担割合は、比較できる三十か国の中で三番目の高水準です。改めて、総理が表明した公教育の再生とは具体的に何か、総理の問題意識と公的支出増額も含めた解決方向をお聞かせください。
 我が国の教育現場での深刻な問題は、授業以外に割かなければならない時間が余りに多い点です。同じくOECDの調査では、教員の労働時間中、授業に充てる時間は僅か三〇%で、平均を大幅に下回ります。実際、現場の先生からは、家庭の問題や心の悩みなど、本来カウンセラーなどの専門家が対応すべき相談も多く、残業を余儀なくされるほか、帰宅後もメールや電話での相談に応じることもあり、気が休まる暇がない、寄り添ってあげたいけどもう限界、こんな悲鳴が聞こえてきます。
 専門家の養成や配置、拡充も含めて学校現場の抜本的な改革が必要と考えますが、総理の問題意識をお聞かせください。
 総理は、重要政策課題の一つに防災を挙げています。
 気候変動の影響も相まって、近年、自然災害が多発する中、時宜を得たもので、私も問題意識を共有しますし、能登半島地震など様々な災害からの復旧復興に与野党の枠を超えて取り組む必要があります。
 そういう中で、まず確認したいのは、皆さんの陳情が政府を動かした、自分たちが政府に要望したから激甚指定を受けられたなどの一部の与党議員からの発言です。総理、災害復旧事業は要望の有無で扱いが変わるんでしょうか。
 その上で、激甚に指定されるほどの大規模災害でも、被災地の生活となりわい再建に向けた対策パッケージのような手厚い支援策が講じられる場合とそうでない場合に分かれ、被災地での不公平感につながっています。発動基準はあるんでしょうか。今回の総合経済対策でも、「これまでに策定した支援パッケージを踏まえながら、早急かつ柔軟に対応する。」との記載があり、是非前向きな対応をお願いします。
 災害時に利用可能な災害復旧事業は、通常の補助事業よりも高い補助率が適用されます。中でも、例えば、河川、道路、港湾、下水道、公園などの公共土木施設ほか、公立学校、公営住宅、児童福祉施設、老人福祉施設など、及び農地や農業用施設については、通常の災害復旧事業でも国庫補助と地方交付税措置により実質的な地元負担は一・五%から二%程度、激甚災害に指定されると〇・六%から〇・八%程度に軽減されます。その理由は公共性が高いからです。
 では、鉄道はどうでしょうか。鉄道は公共交通と呼ばれ、まさに公共性が高い施設です。にもかかわらず、災害時でも高率の補助が受けられません。なぜでしょうか。民間事業者だからというのがお決まりの答えですけれども、公共性が高い鉄道の復旧も公共土木施設等と同様の支援を行うべきではないでしょうか。政界きっての鉄道好きである石破総理の見解をお聞かせください。
 加えて、そもそも公共交通は採算だけで論ずるべきではありません。
 参議院の国民生活・経済及び地方に関する調査会は、本年、中間取りまとめの中で、社会資本としての地域公共交通を維持していくため、国が積極的に役割を果たしていくことが求められるとし、道路と比べ予算配分が極めて少ないことも併せて指摘しました。これは、与野党を超えた共通認識で問題提起したもので、公共交通は公共サービスであるから公共がしっかり責任を持ってサービスを提供していくものであり、目指すものは収益の最大化ではなく、社会全体の利益を最大化することとの参考人意見と併せて、総理にも重く受け止めていただきたいと思います。
 現在の公共交通施策は、国の役割をあくまで民間や地域の取組への支援にとどめています。支援ではなく、国が主体的に役割を果たす方向に転換するべきではないですか。
 通常の支援が極めて少ない中、平時の維持でさえ大変な過疎地における赤字路線は、一たび被災すればたちまち立ち行かなくなるのは当然です。改めて、鉄道を含む公共交通に関する予算を大胆に増額するべきではないでしょうか。
 昨日の御答弁では、法改正し、予算を大幅拡充したとありましたが、令和六年度を含めて当初予算はほぼ毎年減少、前年度補正を合わせても今年度は前年度より減っていること、そもそも交付金を除く令和六年度当初予算ベースで同じく公共事業に分類される道路整備予算の何と六十八分の一程度にとどまっているお寒い状況を付言し、総理にお伺いします。
 公共交通関係予算ほどでないにせよ、河川整備の予算も道路予算の四四%程度と極めて少ない現状です。
 「地球温暖化に伴う気候変動の影響により、今後さらに大雨や短時間強雨の発生頻度や降水量などが増大することが予測されており、大規模な水災害が発生する懸念が高まります。」、これは、国土交通省作成の河川事業概要にある記述です。
 豪雨災害の多くを河川の氾濫がもたらしている現状を鑑みると、河川改修は待ったなしです。令和三年四月改訂の気候変動を踏まえた治水計画のあり方でも、気候変動による将来の降雨量の増加などを考慮した基本高水の設定を提言しています。
 計画降雨継続時間での降雨量変化倍率が全国で増える中でも、とりわけ東北地方で高くなることが予想されています。実際、令和に入ってからはどこかで毎年のように甚大な被害が発生している現状を目の当たりにすると、特に東北での河川改修、基本高水の引上げは待ったなしです。今年の豪雨を振り返ると、九州では降水量九百ミリ超を記録いたしました。その一方で、東北では四百ミリ超で記録的大雨と呼ばれ、各地で氾濫が相次ぎ、甚大な被害が生じました。総理、早急に事業に取り組む必要があるんではないでしょうか。
 あわせて、多くの河川が土砂の堆積や支障木により氾濫が起こりやすい状況下にあり、改めてしゅんせつ等の緊急事業を拡充するべきと考えますが、総理の認識を伺います。
 豪雨災害に接する中で、私は、改めて農地の役割を再認識しています。
 少し古い調査ですが、日本学術会議が二〇〇一年に行った試算では、農地の持つ洪水防止、すなわち大雨時における貯水能力の貨幣価値は約三兆五千億円にも及びます。逆に言えば、もし農地がなかったら被害はもっと甚大だったはずです。総理は、このような役割をどのように認識し、どう評価すべきと考えますか。
 同じ試算では、ほかにも河川流況安定機能で約一兆五千億円、土砂崩壊防止機能で約五千億円、気候緩和機能や保健休養・やすらぎ機能など、合計八兆円超の効果があるとされています。食料生産の基盤であると同時に、防災・減災のほか、多面的機能を担う農業はまさに我が国安全保障の根幹の一つです。
 一方で、残念ながら現状は、農地も、それを利用する農業者も減少、国内生産の増大も実現できず、自給率は下がる一途で、生産基盤の弱体化と農村の疲弊に歯止めが掛かっていません。その理由は、農業では食べていけないからです。まさに手取りを増やす政策を農業でも進める必要があります。
 五月に改正された食料・農業・農村基本法では、合理的な価格の形成が規定されました。価格転嫁は業種を超えて必要ですが、法律で強制するものではなく、価格は市場で決まるものです。そもそも現行基本法では、価格形成は市場に任せ、所得の確保は政策に委ねるとの明確な柱があると認識していますが、総理、この基本理念と矛盾はないんでしょうか。
 また、前述の農業の多面的役割は、必ずしも価格に反映されるものではない中、各国ともその役割に注目し、直接支払の拡充により再生産可能な所得の確保に向けた施策を講じています。
 石破総理は、今年七月のインタビューで、直接所得補償という表現まで使うなど、農業に対する直接支払の必要性に言及されています。まさに決断のときです。改めて所得確保に向けた直接支払に対する総理の見解を伺います。
 国民民主党は、生産基盤である農地の維持に向けた食料安全保障基礎支払の導入を提案しています。あわせて、複雑化している現在のいわゆる水活、畑ゲタ、多面的機能支払、環境直払い、中山間直払いなどを再整理し、体系的な直接支払制度に再構築すべきと考えますが、その必要性について総理の見解をお伺いします。加えて、中途半端な見直しに終わった改正基本法を再改正するべきと考えますが、併せて総理の見解をお聞かせください。野党は既に修正案提出しています。
 私たち国民民主党は、先月二十日に提出した来年度税制改正に関する要望の一つとして、今年度末までの期限を五年間延長する方向で政府・与党が検討を進めている企業版ふるさと納税による地方創生事業について、企業による寄附によって公平性に疑義が抱かれないように透明性を確保することを求めました。
 折しも先月二十二日に、福島県国見町の地域再生計画の認定を国が取り消す事態に至りました。救急車開発事業の原資として企業版ふるさと納税を利用して集められた寄附が救急車の製造の受注を通じて寄附元の企業に還流されていた事案であり、入札を装いながら、実質は受注先企業以外の参入が困難な条件が付されていたことが問題視されました。
 寄附額の最大九割の減税を受けられるという手厚い制度ですが、地方創生が目的の制度を悪用して、一部の企業が不当に懐を潤すような事態を見過ごすべきではありません。
 内閣府令で禁止されている自治体から寄附法人への経済的見返りの有無について、これまでどのように調査し、把握してきたのか、類似の事案はほかにないのか、また、再発防止に向けて制度運用の見直しも含めてどのように取り組んでいくのか、伊東地方創生担当大臣に伺います。
 パレスチナのガザ地区でイスラエル軍とイスラム組織との戦闘が始まってから間もなく一年二か月。パレスチナ側の死者は既に四万人を超え、住民の九割が避難を余儀なくされています。ガザ地区の状況は極めて深刻で、一刻も早い停戦が必要です。
 日本は、十一月二十日に国連安保理で提出された停戦と人質解放を求める決議案の共同提案国として積極的な役割を果たしましたが、アメリカの拒否権により否決されました。
 総理、日本政府はこの結果をどのように受け止め、今後、国連や他の国際機関を通じてどのように行動していくお考えですか。
 ICC、国際刑事裁判所がイスラエルのネタニヤフ首相らに対し人道に対する罪などの容疑で逮捕状を発行しましたが、日本はICC締約国としてこれをどのように評価していますか。
 イスラエル議会によるUNRWA活動禁止法の可決は、人道支援活動に深刻な影響を及ぼします。政府はこれに対して深刻な懸念を直ちに表明しましたが、UNRWA活動継続のため、また、ガザ地区の人道危機を軽減するため、総理は具体的にどのような取組をお考えですか。
 これまで中東和平において中立的かつ建設的な立場を維持してきた日本の役割は重要です。中東和平に向けての総理のリーダーシップを期待しています。
 総理は、所信表明の冒頭と結びに石橋湛山元総理の演説を引用されました。石橋湛山氏を尊敬し、超党派石橋湛山研究会なる議員連盟に所属する私は、自由な言論を重んじ、平和外交を重視し、積極財政による減税を唱えた湛山の思想こそが、時代を超えて我が国の未来を切り開く大きな力になると信じています。
 石破総理には、先頭に立って、決してぶれずに湛山の思想を現代に体現いただくことを心から期待申し上げ、質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#11
○内閣総理大臣(石破茂君) 舟山康江議員にお答えを申し上げます。
 政治のあるべき姿、私の総裁選での主張についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 衆議院選挙におきまして、自由民主党は国民の皆様方から厳しい審判を頂戴をいたしました。この結果は我が党の姿勢に対する国民の皆様方からの叱責であると、謙虚に厳粛に受け止めておるところでございます。私に対します叱責でもあるというふうによく承知をいたしております。
 先般の選挙で示されました国民の皆様方のお声を踏まえて、衆参両院におきまして、自由民主党と公明党との連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるように、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様方の安心と安全、日本国の独立と平和、これを守るべく取り組んでおるところでございます。
 総裁選で掲げました新しい地方創生本部の創設、防災庁の設置に向けた取組、自衛官の処遇改善等につきましては、既に十月の所信表明演説で方向性を示させていただき、現在、具体的な取組、検討を進めておるところでございます。
 そのほかの政策案につきましては、総裁選において掲げたものでございますが、引き続き真摯に検討を進め、結論を得たものから速やかに実施をいたしてまいります。
 在日米軍の駐留に伴う諸問題の解決及び日米地位協定の改正についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠であり、政府といたしまして、在日米軍施設・区域の返還や米軍の運用に伴う騒音等の諸課題について、地元の負担軽減に引き続き取り組んでまいります。
 日米地位協定につきましては、総裁選の過程等において私としての考え方を累次述べてまいりました。これまでにお示ししてまいりました問題意識も踏まえ、先般、私は、自由民主党の中で検討するように指示をいたしました。これを受けまして、十一月二十八日には自由民主党でアジアにおける安全保障のあり方特命委員会、この初回会合が開催され、議論が開始されたところであります。
 引き続き自由民主党におきまして議論を重ねていくものと承知をいたしておりますが、党における議論も踏まえつつ、日米同盟の抑止力、対処力を強化いたしますとともに、在日米軍の信頼性、同盟の強靱性、持続性を高めていくという観点から検討し、適切に判断をいたしたいと思っております。
 私どもは自由民主党でございます。自由で、そして民主的な政党でございます。総裁選で言ったことがそのまま実現するというような仕組みには相なっておりません。世界で見られるような専制独裁国家でもございません。総裁選挙におきまして申し上げましたことは、自由民主党の中で真剣かつ真摯に議論をし、そして成案を得ていく、これが我が党の在り方であると承知をいたしておるところでございます。
 いわゆる百三万円の壁及びガソリン税の暫定税率についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、自民党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、いわゆる暫定税率の廃止を含むガソリン減税につきましては、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところでございます。
 経済や税収への影響など専門的な観点も含めまして、様々考えなければならない論点があるものと認識をいたしております。そうしたことも含めまして、今後、各党の税制調査会長間で更に議論を深めていただきたいと、このように考えております。
 人への投資についてお尋ねを頂戴しました。
 人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現するとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
 その際、例えば、こども未来戦略の加速化プランでは前例のない規模で子ども・子育て支援を強化しており、それを支える安定財源につきましても、徹底した歳出改革等を通じて確保することといたしております。
 教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
 公教育の再生についてでございますが、御指摘のように、日本の公財政教育支出、公の、公財政教育支出の対GDP比はOECDの中では低い水準にございます。一方で、教育は子供一人一人に対するものであるとの観点から、在学者一人当たりで見れば対GDP比二一・八%となっておりまして、OECD平均の二二・三%と比べましてほとんど遜色ない水準にあると考えております。支出額につきましては様々な見方で比較する必要がある、このように考えております。
 教師が授業以外に割かなければならない時間が多いという御指摘があることはよく承知をいたしております。
 教師の業務の仕分を行いました学校・教師が担う業務に係る三分類に基づきます業務の更なる厳選、見直しや、標準を大きく上回る授業時間の見直し、校務DXの加速化を進めますとともに、学校の指導、運営体制の充実により教師の時間外在校等時間を削減していく必要があると、このように考えております。
 こうした教師の働き方改革や給与面を含みます処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めてまいります。
 災害からの復旧復興に向けた支援の方針についてお尋ねをいただきました。
 お尋ねの支援パッケージは、相当大規模な災害が発生し、政府の非常災害対策本部が設置された場合などに迅速かつ強力に被災者の生活支援に取り組むため、各府省横断の被災者生活・生業再建支援チームを設置して取りまとめているものでございます。
 もっとも、このような規模に至らない災害であっても、政府といたしましては、被災状況や地元のニーズを踏まえつつ、必要な支援に努めておるところでございます。
 御指摘がございました個々の議員の発言については、詳細は承知をいたしておりません。政府としてコメントすることは差し控えます。一般論として申し上げれば、被災地のお困り事などをお伝えいただきます場合には、的確な支援策を判断する上で政府として貴重なものであるというふうに考えております。
 私も何度か閣僚を務めてまいりましたが、野党の皆様方の御意見を聞かないとか御陳情を聞かないとか、そういうことをやったことはございません。それは、その地域を代表される皆様方のお声は政府として謙虚に真摯に承るべきは当然のことであると、このように考えて今までやってまいったところでございます。
 他方で、このようなお声が直接届かない被災地というもの、そういうものも中にはあるのかもしれません。そういう場合には、政府として積極的にこちらから情報収集を行い、必要な支援を行うということは当然でございまして、これからもそのように努めてまいりたいと考えております。
 引き続き、各種の災害対応に当たりましては、御地元の自治体ともよく連携をしながら、被災地の状況をよく把握をし、的確な支援が講じられますように、政府として更に努めてまいる所存でございます。
 鉄道の災害復旧について鉄道愛好者としてどう思うかという観点も踏まえてでございますが、それはともかくとして、総理大臣としてお答えを申し上げます。
 鉄道につきましては、鉄道事業者が運賃収入を得て事業を行っているものでございますので、運賃収入を基本として整備、運営することを原則といたしております。御案内のとおりでございます。
 一方で、運賃収入が十分に得られない赤字ローカル路線につきましては、被災規模等に応じて災害復旧の補助対象の拡大や補助率のかさ上げなど、支援の充実に努めてきたところでございます。
 被災した鉄道の復旧につきましては、鉄道事業者と地域の関係者での議論が重要であり、国としても、そのありようを見ながら、その状況をよく見ながら、必要な支援を適切に行ってまいりたいと、このように考えております。
 私は、当選四回のときに衆議院の、当時は運輸委員会というのがございました、そこの運輸委員長を務めておりましたが、そのときにモーダルシフトというものについて議論をいたしました。それは新しい法律になって結実をしておるものでございます。
 それぞれ、鉄道であり、あるいは道路輸送であり、船舶であり、航空機であり、その持てる最適のものをどうやって組み合わせていくかという考え方は非常に必要であるということはよく認識をしておるところでございます。そこにおいて、鉄道の在り方というのはこれまでも十分議論をいたしてまいりました。今後ともよく考えてまいりたいと思っているところでございます。
 地域交通についてでありますが、地域交通は人口減少等による長期的な需要減に直面をいたしております。これは地方創生の基盤でございまして、公的主体を含む地域の多様な関係者が連携、協働して再構築を図っていく必要があると、このように考えております。このため、昨年度、ローカル鉄道の再構築に向けた地域の関係者の合意形成に国が積極的に関与をする仕組みを設けたところでございます。
 あわせまして、地域交通の再構築事業を社会資本整備総合交付金のメニューに加え、公共事業予算を活用できるようにいたしたところでございます。この交付金を含め、令和六年度では、大幅拡充した昨年度に続きまして、今般の補正予算を合わせて六百億円近い地域交通の予算を確保しておるところでございます。
 今後とも、制度、予算など、あらゆる政策ツールを総動員して地域の移動の足を確保してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
 河川改修についてでございますが、本年も東北地方の子吉川や最上川を始めとする各地で甚大な浸水被害が発生いたしました。
 激甚化、頻発化する豪雨に対処するため、五か年加速化対策により、堤防整備やしゅんせつなどの河川改修を緊急的に進めることに加え、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を進めており、着実に減災効果が発揮されているところでございます。
 今後、気候変動の影響により更に降雨量の増大が見込まれますことから、全国の水系ごとに河川整備の目標とする流量などの見直しを順次進めてまいります。
 農地の役割及び食料・農業・農村基本法の基本理念についてお尋ねがございました。
 議員御指摘のように、農地は大雨のときの貯水により洪水を防止する機能を有し、日本全国の水田で貯留できる水量は約五十億立方メートル、東京ドームにして約四千杯と試算をされており、各地域の災害の軽減に大きく寄与しているものと認識をいたしております。
 こうした機能以外にも、土砂崩壊防止機能、地下水涵養機能などの多面的機能を有する農地を保全していくことは、食料安全保障のみならず、国土保全などの観点からも極めて重要であると考えております。
 食料・農業・農村基本法の基本理念に追加された食料の合理的な価格の形成に関する規定は、需給事情及び品質評価が適切に反映されることを前提に、持続的な食料供給に要する合理的な費用が取引において考慮されるように定めたものでございます。
 したがいまして、この規定につきましては御指摘のような矛盾はないと、このように考えておるところでございます。
 農業の直接支払制度、改正食料・農業・農村基本法についてでございます。
 食料安全保障を確保いたしますため、農地を維持し、農業経営の安定を図ることを通じ、食料自給率、そして食料自給力を高めることは極めて重要であります。
 農業者への直接支払の在り方につきましては、今後、新たな食料・農業・農村基本計画の策定や令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で、舟山議員御指摘の点も含め、議論を深めてまいりたいと考えております。
 食料・農業・農村基本法に関しましては、食料安全保障の確保を始め農政の喫緊の課題に対応し、着実に実行に移していくことが重要であり、先ほど申し上げました新たな食料・農業・農村基本計画におきまして施策を体系的に整理し、効果的な実行に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 ガザ情勢についてであります。
 政府といたしまして、現下の中東情勢の緊迫の高まりを深刻に懸念をいたしております。
 私自身、地域における人道状況の悪化というものに本当に心を痛めておるところでございまして、超党派人道外交議連のメンバーの一人として活動をいたしてまいりました。多くの方々が共にこれに御参加をいただいたというふうに承知をいたしておりますし、現在も活動中でございます。
 国連安全保障理事会におきまして、我が国の外交努力にもかかわらず、御指摘のガザ情勢に関する決議案が否決されましたことは誠に残念なことでございました。我が国といたしましては、引き続き、国連を始めとする国際場裏を活用しつつ、関係国、国際機関とも緊密に連携し、事態の早期鎮静化と人道状況の改善に向けた取組を粘り強く、力強く行ってまいりたいと考えておるところでございます。
 ICCがイスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状を発付した件につきましては、我が国としては、ICCの独立性を尊重してきており、また、本件がガザ情勢にいかなる影響を与えるかという観点も含め、引き続き関連の動向を重大な関心を持って注視をいたしてまいります。
 UNRWAはパレスチナ難民支援に不可欠な役割を果たしており、我が国として、今般イスラエル議会で可決されたUNRWAの活動を大幅に制限する法案を深刻に懸念をいたしておるところでございます。UNRWAがその他の国際機関による人道、失礼、UNRWAやその他の国際機関による人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されますよう、イスラエル政府への働きかけを含む外交努力を引き続き積極的に行ってまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
 以上でございます。拍手
   〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
伊東良孝#12
○国務大臣(伊東良孝君) 舟山康江議員の御質問にお答えいたします。
 企業版ふるさと納税制度の経済的見返りの有無に係る調査、制度運用の見直し等についてお尋ねがありました。
 国におきましては、地方公共団体が契約等に関する法令等を遵守した上で寄附企業等を寄附活用事業の契約の相手方とすることは、寄附の受領を理由に寄附企業等とその他の企業とを別異に取り扱う場合を除き、内閣府が禁止する、寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与することに該当しないものとしているところであります。これ、ややこしい言い方をするようでありますけれども、利益を供与してはならないということでありまして、地域再生法に定められておるところであります。
 寄附活用事業の実態につきましては、令和五年度に寄附を受領した全ての地方公共団体に対して、現在、寄附を活用した事業の契約手続等の実態調査を行っているところであります。
 また、制度の運用の見直しにつきましては、内閣府におきまして、御例示ありました福島県国見町の地域再生計画の認定を取り消した事案なども踏まえながら、制度の健全な発展の観点から必要な改善策を検討してまいりたいと思う次第であります。
 以上でございます。拍手
    ─────────────
この発言だけを見る →
長浜博行#13
○副議長(長浜博行君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
小池晃#14
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 会派を代表して、石破総理に質問します。
 能登半島地震からもうすぐ一年、地震と九月の豪雨という二重災害によって、被災者は物理的にも精神的にも大きなダメージを受けています。しかも、災害関連死は、地震などによる直接死を上回る二百四十七人に上ります。
 こうした痛ましい事態に至った原因を政府はどう捉えていますか。災害関連死を防ぐためには何が必要ですか。
 災害公営住宅の建設、医療・介護基盤の再建、農地の復旧など、住まいとなりわいの再建が急務です。能登で生きていく希望が持てるように、国の支援を抜本的に強めるべきです。お答えください。
 総選挙で与党を過半数割れに追い込んだのは、裏金問題への国民の怒りでした。
 総理は、派閥ぐるみの裏金作りを組織的な犯罪行為だと認識していますか。なぜ、裏金問題で非公認とした候補者が代表を務める党支部に公認候補者と同額の二千万円もの政党交付金を支給したのですか。非公認としながら多額の資金を配るなど、国民を欺く行為ではありませんか。
 いつ誰が裏金作りを始めたのか、一体何に使ったのか、全容解明が必要です。
 具体的にお聞きします。
 この間の裁判で有罪が確定した安倍派の会計責任者は、パーティー収入の還流は幹部の協議で再開を決めたと証言しています。しかし、西村康稔議員、世耕弘成議員らは、協議に参加しながら真相を明らかにしていません。偽証罪が問われる証人喚問が必要です。自民党総裁として党に指示すべきです。明確にお答えください。
 参議院政治倫理審査会に二十七人の自民党議員が今になって出席を希望しているようです。しかし、政倫審は駆け込み寺ではありません。真相が明らかにされる場にしなければなりません。総理は自民党総裁として、政倫審に出席しようとする議員に対して、知っている事実を包み隠さず語ること、審査は全面公開とすることを強く求めるべきではありませんか。
 総理は、個人献金も企業・団体献金も違いはないと企業・団体献金禁止に背を向けています。しかし、企業には個人とは比べ物にならない資金力があります。国民が自分の支持する政党に寄附をするのは政治に参加する当然の権利ですが、参政権を持たない企業が多額の資金で政策をゆがめるのは国民の参政権を侵害するものであります。総理はそれでも、個人も企業・団体献金も違いはないと言うのですか。
 そもそも今回の裏金問題に至るまで、数多くの金権腐敗の原因となったのは企業・団体献金です。この根を絶たずに、再発防止と信頼回復ができると総理はお考えなのでしょうか。お答えください。
 日本共産党は、企業・団体献金、政党助成金を一切受け取らず、党員、国民からの個人献金や事業収入で党を運営してきました。主権者国民一人一人に依拠することこそ国民主権の政治のあるべき方向だと強く申し上げておきます。
 アベノミクスは日本経済に深刻なゆがみをもたらしました。
 第一に、異次元の金融緩和による異常円安は、輸出大企業に過去最高の利益をもたらす一方、物価高騰を招いて国民の実質所得を低下させ、原材料費の値上げで中小下請企業の倒産を急増させました。多額の国債買入れが続けられてきた結果、日銀の国債保有額は発行残高の半分を占めるに至り、日銀の財務を不健全にするとともに、国の借金を野方図に膨らませました。
 総理、異次元の金融緩和の誤りを認めるべきではありませんか。家計や中小企業への影響に十分配慮しつつ、金融を正常化するためにも、暮らしを支える経済政策に転換すべきであります。
 第二に、実質賃金の低下が続く一方で、内部留保が積み上がり、経済に還流していません。自社株買いも膨らんでいます。大企業の内部留保を賃上げや下請企業支援に還元させる施策が必要ではありませんか。
 競争力の弱い中小企業が賃上げに踏み出すためには、とりわけ労務費の価格転嫁とともに、直接支援が不可欠です。徳島県では、知事が主導して、国の目安を大きく上回る最低賃金の引上げとともに、中小・小規模事業者を対象に一時金を支給する直接支援を始めました。国としても、社会保険料負担の軽減などの直接支援に踏み切るべきではありませんか。
 総理は、雇用の正規化を進めると述べました。そこで、お聞きします。
 地方自治体では、会計年度任用職員など非正規職員が七十万人を超えています。専門性、継続性が求められ、住民生活に寄り添う大切な仕事でありながら、低賃金と年度末での雇い止めなど不安定な働き方を強いられていることを放置できません。雇い止めを禁止し、正規職員への転換を促進するなど、会計年度任用職員制度を抜本的に見直すべきではありませんか。
 医療、介護は政治の責任で賃上げができるし、切実に求められています。ところが、先週、日本医労連は、医療・介護職場での年末一時金について、昨年よりも平均で約十万円の減少という深刻な実態を告発しました。介護でも、関係九団体の調査では、平均の賃上げ率は二・五%と、全体の春闘相場より低くなっています。訪問介護は、国の報酬引下げによって事業所の倒産、撤退が相次ぐ事態となっています。
 全世代型社会保障だといって社会保障の予算を抑制してきたことが賃上げに逆行する事態を生み、人手不足に拍車を掛け、介護崩壊が進んでいます。
 総理、この深刻な実態をどう捉えますか。訪問介護の基本報酬を元に戻すことを始め、国の責任で医療・介護労働者の賃上げを緊急に促進すべきではありませんか。
 第三に、大企業や富裕層を優遇してきた税制全体のゆがみを正すことです。
 この二十九年間、所得税の課税最低限が据え置かれた一方で、消費税は三回も引き上げられました。生計費非課税というならば、課税最低限以下の低所得者からも容赦なく取り立てる消費税の減税とインボイスの撤廃が必要ではありませんか。
 所得税、住民税の最高税率も法人税率も連続して引き下げられてきました。さらに、研究開発減税や連結納税制度などの大企業優遇税制も拡大の一途をたどりました。政府税制調査会は、法人税率が連続して引き下げられたにもかかわらず、国内の設備投資や賃金は増えていないと指摘しています。結局、内部留保としてため込まれただけではありませんか。
 国民の前に立ち塞がる壁は百三万だけではありません。富裕層を優遇してきた一億円の壁を始め、税制全体のゆがみを正すために、生計費非課税、応能負担の原則に立った税制の抜本的な改革が必要ではありませんか。以上、答弁を求めます。
 社会保障制度に関わって、二つの緊急課題について聞きます。
 健康保険証の新規発行が一昨日停止しました。しかし、マイナ保険証の利用はいまだ一五%にとどまり、医療機関でのトラブルも止まりません。
 総理は九月に、期限が来ても納得しない人がいっぱいいれば併用も選択肢として当然だと語っていましたが、保険証の廃止に納得していない人はいっぱいおられます。中医協の小塩隆士会長も、新しい制度に移って何か混乱が起こり、メリットを受けられない人たちがいれば直ちに制度を改めることも必要だと述べました。
 総理の以前の言明どおり、従来の保険証も併用できるようにすべきです。現行の保険証が使用できるうちに制度を見直すべきではありませんか。答弁を求めます。
 いま一つは生活保護の問題です。
 物価高騰は低所得世帯や生活保護世帯に深刻な打撃を与えているのに、財務省は生活保護基準の引下げを要求しています。経済や生活の実態を無視した、血も涙もないものではありませんか。
 そもそも賃上げと可処分所得の引上げが政治の大きな課題となっているとき、なぜ生活保護世帯の手取り収入を削減するのですか。保護基準の引下げなど言語道断であり、抜本的な引上げこそ必要ではありませんか。お答えください。
 総理は総裁選で、原発をゼロに近づける努力を最大限していくと述べたにもかかわらず、最大限の利活用、手のひらを返しました。原発依存度の低減という方針を完全に投げ捨てるつもりですか。
 気候危機の進行は人類の生存さえ脅かしています。ところが、日本はG7で唯一石炭火力の撤退期限を示していません。パリ協定に基づく二〇三五年の温室効果ガス削減についても、政府の一三年度比で六〇%削減するという案は全く不十分です。英国は九〇年比で八一%削減という高い目標を設定し、宣言し、九月には全ての石炭火力発電所が停止いたしました。日本も石炭火力から早急に脱却し、温室効果ガスを三五年までに一三年度比で七五から八〇%削減する目標を掲げるべきではありませんか。答弁を求めます。
 十月には東京高裁が、同性同士の結婚を認めないことは差別的であり憲法に違反すると断じました。昨年三月の札幌高裁に続いて二度目の高裁での違憲判決です。
 性的指向は、本人の意思で選択、変更できるものではありません。性的指向が同性だからと、パートナーと家族になれず、相続権や配偶者控除なども認められない、そういう例も後を絶ちません。コロナ禍の病院で家族と認められず、愛する人の最期にさえ立ち会えなかった同性パートナーもいます。こんな不合理とこんな悲しみが同性カップルに重くのしかかっているのは、個人の尊厳、婚姻の自由の侵害であり、法の下の平等に反するのではありませんか。
 日本共産党は、選択的夫婦別姓の実現や同性婚の法制化を始め、日本社会をジェンダー平等につくり変えようとしている全ての人々と力を合わせる決意を表明するものであります。
 総理は二〇一三年十一月、自民党幹事長として、沖縄県選出の党国会議員五人を党本部に呼び付け、辺野古容認へと屈服させました。記者会見を行う総理の脇でうなだれる五人の姿に、平成の琉球処分だと県民は怒りの声を上げました。
 先日、総理は、当時を振り返って、十分に沖縄の皆様の理解を得て決めたかというと必ずしもそうではなかった、わびました。ところが、所信表明演説では辺野古新基地建設を推進する考えを重ねて示しました。総理のあのおわびは言葉だけだったんでしょうか。
 辺野古の新基地建設計画は、政治的にも技術的にも完全に破綻しています。政府は、代執行後の今年一月を起点に十二年で新基地は完成するとしていますが、水深が浅く地盤改良が必要ない辺野古の側でも当初の計画の十倍の期間を要しています。超軟弱地盤により難工事が予想される大浦湾側で計画どおりに進む保証が一体どこにあるのですか。辺野古への固執が普天間基地を固定化させているのではありませんか。お答えください。
 日本に配備された米軍のオスプレイは、既に三機が墜落し、民間空港への緊急着陸も日常茶飯事です。昨年十一月の屋久島沖への墜落も、根本的な事故原因が特定できないまま政府は飛行を容認しました。
 陸上自衛隊のオスプレイも与那国島で、エンジンの出力を上げるスイッチを押し忘れて地面と接触する事故を起こしました。ところが、ボーイング社や米海兵隊はこのスイッチの使用を推奨しないとのことです。スイッチを押しても押さなくても事故を起こす、まさに欠陥機と言うほかないではありませんか。
 オスプレイを全面撤去し、辺野古新基地建設を中止、撤回すべきではありませんか。国際法に違反をして県民の土地を奪って構築した普天間基地は、直ちに無条件で撤去すべきです。総理の明確な答弁を求めます。
 沖縄を始め全国各地での基地の強化や長射程ミサイル配備などのための五年間で四十三兆円もの大軍拡は、アジアに新たな緊張をもたらし、国民の暮らしも財政も押し潰します。大軍拡も、そのための軍拡増税も撤回すべきではありませんか。
 日米同盟絶対、アメリカ言いなりの政治を根本から転換し、ASEANと力を合わせて米中を含む全ての関係諸国を包摂し、憲法九条を生かした平和の枠組みを発展させることに力を尽くすべきであります。
 以上、答弁を求めます。
 一九四二年二月三日に山口県宇部市の旧長生炭鉱で起きた水没事故では、百八十三名が犠牲となりました。そのうち百三十六名が朝鮮半島から強制動員された人々でした。
 二〇〇四年の日韓首脳会談では、戦時中の民間徴用者の遺骨返還について、当時の小泉純一郎首相は、何ができるか真剣に検討すると答えています。しかし、これまで政府は、長生炭鉱の遺骨の埋没位置は不明のため、発掘は困難だと答弁してきました。
 しかし、市民団体が募金を集め、炭鉱の入口を掘り出し、十月にはダイバーが坑道内の潜水調査を行い、遺骨は収集できると手応えを語っています。国として発掘調査を始めるべきであります。八十二年もの間、冷たい海底に眠る御遺骨を可能な限り速やかに御遺族の元にお届けし、尊厳の回復を図るべきであります。真摯な答弁を求めます。
 最後に、パレスチナのガザの問題を取り上げます。
 パレスチナのガザでの即時停戦は待ったなしです。ハマスによるイスラエルへの襲撃は許されませんが、イスラエルによるガザでのジェノサイドは全く正当化できません。
 国際刑事裁判所、ICCは、イスラエルのネタニヤフ首相に対し、戦争犯罪、人道への罪の容疑で逮捕状を出しました。日本は国際刑事裁判所に加盟をしています。所長は日本人です。日本も逮捕義務を果たすと宣言すべきではありませんか。
 九月の国連総会決議は、各国に対し、市民や企業、団体にイスラエルの無法を支援させない措置、武器や関連機器の提供、移転の禁止などを求めました。
 日本はこの決議に賛成しています。賛成したのですから、決議が求める措置を具体化すべきであります。防衛省は、イスラエル製ドローンの導入検討を中止すべきではありませんか。イスラエルに軍事支援を続ける米国に対し、ジェノサイドへの加担をやめるよう迫るべきではありませんか。
 以上、答弁を求めます。
 日本共産党は暮らしと平和を守り抜く、その決意をここで強く表明して、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#15
○内閣総理大臣(石破茂君) 小池晃議員の御質問にお答え申し上げます。
 災害関連死に関する受け止め、防止策についてでございます。
 まずは、震災でお亡くなりになられた方々に心よりその御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。
 熊本地震での関連死を上回り、改めてその被害の甚大さを痛感をいたしております。元旦の発災以来、能登のことを忘れたことは一度もございません。
 大規模災害では高齢者や基礎疾患を抱えられる方々が震災による避難環境やストレスなどにより亡くなられるケースが多いことから、今回も、発災直後より医師や保健師等による避難者支援、安全で快適な場所への大規模な二次避難などにより、災害関連死の防止に力を注いでまいりました。
 災害のフェーズは変わっていきますが、自治体等と連携をし、仮設住宅での入居者の見守り、健康観察、デイサービスを提供するサポート拠点の整備などにより、災害関連死を防止していかなければならないと考えております。
 能登地域への国の支援強化についてお尋ねがありました。
 これまで合計七千百五十億円の予備費での対応に続き、今回の経済対策において、状況に応じて切れ目のない対応を迅速に行うため、例えば、災害公営住宅の整備への支援拡充、農地の復旧や、宅地、農地等にまたがって堆積した土砂、瓦れきの一括撤去、豪雨の被災者にも地震と同等のなりわい再建支援など、被災者ニーズが高い二千六百八十四億円の施策をきめ細やかに講じることといたしております。
 活気ある能登を取り戻すため、引き続き、被災自治体のお声も伺いながら、復旧と創造的復興に向けた取組を講じてまいります。
 これ、昨日も申し上げたことでございますが、阪神・淡路大震災のときに後藤田正晴先生が、災害を防ぐことはできないと、しかし、その後に起こることは全て人災なのであるという言葉、私は常に胸に刻んでおります。そのことを忘れずに、今後とも政府として取り組んでまいる所存でございます。
 自民党の旧派閥の政治資金収支報告書の不記載の問題に関する認識及び自民党の支部政党交付金についてでございます。
 政治資金が政治資金規正法にのっとって取り扱われるべきことは当然であります。不記載については、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたところでございます。二度と今回のような事態を繰り返さぬよう、政治と金の問題には厳しい姿勢で臨んでまいります。
 自民党の支部政党交付金の取扱いにつきましては、政党の内部運営に関わることであり、政府としてお答えをすることは差し控えますが、その上であえて申し上げますれば、お尋ねの支部政党交付金は、党の政策を国民の皆様方に御理解いただくための広報活動など、党勢拡大のために使用してもらうべく、政党支部に対して党として支給をしたものでございます。
 非公認の候補者となる見通しの方が支部長を務めております政党支部に対しましては、支給通知書に党勢拡大のための活動費であることを明記いたしており、これが非公認候補者の選挙運動に使われることはございません。また、選挙区支部自体が存在しない場合には、当然、支部政党交付金は支給をいたしておりません。このため、国民を欺く行為という御指摘は全く当たりません。
 証人喚問及び参議院の政治倫理審査会についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 証人喚問につきましては、国会において御議論、御判断をいただくべきものでございます。また、政治倫理審査会の開催方法につきましても、政治倫理審査会規程にのっとり、審査の申出をされた議員などの意向を尊重しつつ決定されるものと、このように承知をいたしておりますが、どのような方法であったといたしましても、各委員からの御質問に対し、丁寧に説明を尽くしていただくことを期待をいたしております。
 企業・団体献金についてでございます。
 このことにつきましても昨日お答えをいたしまして、繰り返しになりまして恐縮でございますが、御容赦ください。
 昭和四十五年六月二十四日の最高裁判決は、その判決理由において、企業・団体献金と自然人である国民の参政権との関係につきまして、憲法上の選挙権その他のいわゆる参政権が自然人たる国民にのみ認められたものであることは所論のとおりだが、会社が、納税の義務を有し自然人たる国民とひとしく国税等の負担に任ずるものである以上、納税者たる立場において、国や地方公共団体の施策に対し、意見の表明その他の行動に出たとしても、これを禁圧すべき理由はない。憲法第三章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り、内国の、内の国と書きますが、内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから、会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。政治資金の寄附もまさにその自由の一環であり、会社によってそれがなされた場合、政治の動向に影響を与えることがあったとしても、これを自然人たる国民による寄附と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではない。会社による政党への寄附は、事の性質上、国民個々の選挙権その他の参政権の行使そのものに直接影響を及ぼすものではないなどと述べております。
 他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らしても極めて重要であります。
 同法第一条、第二条がそれを定めておるのでございまして、政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定いたしております。また、同法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないとしております。これが政治資金規正法の第一条、第二条に明定をされておる条文でございます。
 政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えをすることは差し控えますが、あえて申し上げれば、我が党といたしましては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築に取り組む方針でございます。これにより、企業・団体献金を含む政治資金の透明性は飛躍的に高まり、国民の皆様方の御判断に資するとともに、政党などによる政治活動の公明と公正の確保、ひいては政治の信頼の回復にもつながるものと考えております。
 異次元の金融緩和についてでございます。
 大胆な金融緩和を含むアベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。他方、一人当たり平均の実質賃金が伸び悩むとともに、個人消費も力強さを欠いていたと、このように認識をいたしておるところでございます。
 岸田内閣が進めてきた取組を着実に引き継ぎ、更に加速、発展させ、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現してまいりたいと、かように考えております。
 物価上昇を上回る賃金上昇の実現のためには、企業が過度に内部留保を現預金として保有するのではなく、賃上げ、人への投資、設備投資などに効果的に活用することは重要でございます。
 政府といたしましては、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇する、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業が次の成長段階に入り、また賃金が上がるという好循環の実現が重要だと考えております。
 先般の政労使の意見交換におきまして、約三十年ぶりの高い水準となりました今年の勢いで、来年の春季労使交渉におきましても大幅な賃上げを行うことへの協力を私から要請し、また、最低賃金を引き上げていくための対応策の策定を関係閣僚に指示いたしたところでございます。
 加えて、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけますよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めるとともに、生産性向上のための省力化・デジタル化投資の促進や経営基盤の強化、成長のための支援も充実してまいります。
 中小企業に対して社会保険料の事業主負担を助成すべきとの御提案につきましては、社会保険料が医療や年金の給付を通じて労働者を支えるための事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するものであることから、慎重な検討が必要であると考えております。
 会計年度任用職員制度についてでございます。
 様々な行政需要が発生し、個々人の働き方も多様化する中、常勤職員に加え、非常勤の会計年度任用職員も地方行政の重要な担い手となっております。
 このため、昨年五月には、政府から自治体に対し、会計年度任用職員についても常勤職員に準じた給与改定を行うよう促すとともに、今年度からは、地方自治法の改正により会計年度任用職員にも勤勉手当を支給できるようにするなど、処遇の改善に取り組んできたところでございます。
 引き続き、各自治体の実態や御要望を把握し、会計年度任用職員を含む自治体職員にその持てる力を発揮していただける環境、制度の整備に取り組んでまいる所存でございます。
 訪問介護と医療・介護労働者の賃上げについてお尋ねをいただきました。
 訪問介護につきましては、今年度の介護報酬改定で、基本報酬は見直しつつ、介護職員の処遇改善に充てる加算措置はほかの介護サービスと比べて高い加算率とし、職員の処遇改善が図られるようにしたものでございます。
 介護報酬改定の影響につきましては、引き続き丁寧な把握に努めてまいります。
 その上で、訪問介護につきましては、人材確保に特に課題があるものと認識をいたしております。今般の経済対策において、ヘルパーの同行支援を強化するなど、地域の特性や事業者規模などに応じたきめ細かい対策を講ずることといたしており、こうした対策も併せて活用いたしてまいります。
 訪問介護を含め医療・介護職員の人手不足は喫緊の課題であると認識をいたしております。例えば、介護職員の方々の賃金は、全産業平均とは差があるものの、累次の処遇改善の措置により月額四・五万円程度改善をいたしております。
 その上で、今年度の報酬改定による対応に加え、今般の経済対策を通じて、賃上げで先行する他産業と人材の引き合いとなっております医療・介護分野での更なる賃上げを進めてまいります。
 今後の税制の在り方についてでございますが、中長期的視点に立ち持続可能な経済財政運営を行う観点から、経済社会の構造変化を踏まえて、応能負担を通じた再分配機能の向上や、格差の固定化防止を図りつつ、あるべき税制の具体化に向け、累次の見直しを進めてきております。
 法人税につきましては、大企業を中心とした高水準の企業収益の一方で、賃金や投資が伸び悩んだ結果、内部留保は増加しているものと認識をいたしております。賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現していくために何が効果的なのかという観点を踏まえまして、議論される必要があるものと考えております。
 所得税につきましては、令和五年度税制改正において、金融所得を含め、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置を導入しており、一定の対応をいたしております。
 なお、所得税の課税最低限につきましては、生計費の観点とともに、公的サービスを賄うための費用を国民が広く分かち合う必要性なども踏まえて総合的に検討されてきたものと承知をいたしております。
 消費税につきましては、急速な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中において、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられておりますことから、政府としてその引下げを行うことは適当ではないと考えております。
 インボイス制度につきましても、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することは考えておりません。
 インボイス制度に対する御不安、御懸念を抱かれておられる方が多くいらっしゃると思います。そのような不安等に対しましては、税負担や事務負担を軽減する二割特例などを周知いたしますとともに、事業者からの御相談に引き続き丁寧に対応いたしてまいります。
 マイナ保険証は、御本人の健康医療情報を活用した適切な医療の提供に大きく寄与するものでございます。健康保険証の新規発行は終了いたしましたが、マイナ保険証の利用を促進しつつ、マイナ保険証が利用できない方も確実に保険診療が受けられますよう、最大一年間発行済みの保険証が使用可能であるほか、マイナ保険証をお持ちでない方には、保険証が使用できなくなる前に、資格確認書を申請によらずして発行することといたしております。
 このように、これまでどおりの保険診療が受けられるようにしておりますことも丁寧に周知することといたしており、引き続き、国民の皆様方の御不安に迅速かつ丁寧に対応いたしてまいります。
 現行の生活扶助基準につきましては、令和四年の審議会での検証結果を反映することを基本としつつ、社会経済情勢などを総合的に勘案し、今年度までの臨時特例的な対応として、お一人当たり月額千円を加算するとともに、従前の額から減額しないようにいたしております。
 令和七年度以降の生活扶助基準につきましては、社会経済情勢等の動向を踏まえ、必要な対応を行えるよう、引き続き来年度予算の編成過程におきまして関係省庁において検討し、結論を得るものといたします。
 AI時代の電力需要の激増が見込まれる中、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を高めることが重要であります。そのため、風力、太陽光、地熱、小水力等々の省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを拡大するとともに、安全性の確保を大前提とした原子力発電を利活用することも必要であります。
 省エネや再エネの最大限の追求により、将来、結果として起こり得るとしても、原発のウエートをゼロに減らすこと自体が目的ではなく、使える技術は全て使い、その可能性を最大限に引き出しながら、日本経済をエネルギー制約から守り抜くという私の考えは一貫しておるものでございます。
 利用可能な脱炭素電源は適切に活用していくという考えで、次期エネルギー基本計画について国の審議会で検討いたしてまいります。
 気候変動問題は世界全体で取り組むべき喫緊の課題であり、エネルギー起源CO2の排出量で見れば、全世界の約三%を排出しております我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減してまいりました。
 現在、次期削減目標の策定とその実現策について国の審議会で検討を深めております。脱炭素とエネルギー安定供給、経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績などを踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。実効ある地球温暖化対策のためには、我が国に比べても排出量の多い国々の取組が重要であり、その取組強化に向けて対話を進めてまいります。
 石炭火力につきましては、安定供給を大前提に、できる限り発電比率を引き下げていく方針であり、二〇三〇年に向けて非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めますとともに、二〇五〇年に向けて、水素、アンモニアやCCUSなどを活用し、脱炭素型の火力発電に置き換える取組を引き続き推進をいたしてまいります。
 御指摘の東京高裁及び札幌高裁の同性婚制度に対します判決は、同性婚を認めていない国の立法不作為を理由に国家賠償を求めた訴訟において、原告らの控訴を棄却したものの、その理由の中で、民法及び戸籍法の規定が憲法に違反する旨を述べたものと承知をいたしております。
 従来からの政府見解は、憲法が、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると規定しておりますことから、同性婚は憲法上想定されていないというものでございます。
 政府といたしましては、少なくとも同性婚に関する規定を設けないことが憲法に違反するものではないと考えておりますが、その上で、いずれも現段階では確定前の判決であり、また、ほかの裁判所に同種訴訟が係属しておることから、引き続きその判断も注視してまいりたいと考えております。
 普天間飛行場の危険性の除去についてでございます。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると、このように考えております。
 政府といたしましては、辺野古移設が普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去するための唯一の解決策であると考えております。
 普天間飛行場代替施設建設事業の地盤改良工事につきましては、沖縄防衛局において有識者の助言を得つつ検討を行った結果、十分に安定した護岸などの施工が可能であるということが確認されていると、このように承知をいたしております。
 今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様方への丁寧な説明を行いながら、辺野古への移設工事を進めてまいります。
 我が国における米軍オスプレイの配備は、災害救援や離島防衛を含む我が国の安全保障にとって重要な意義を有し、抑止力、対処力の向上に資するものでございます。これまでもオスプレイの安全性を確認いたしており、確認してきており、米軍オスプレイの配備撤回を求める考えはありませんが、引き続き、安全確保には万全を期してまいります。
 防衛力の強化及び外交姿勢についてでございます。
 我が国は、憲法九条及び前文に示されておる平和主義の理念の下、平和国家として戦後一貫して国際社会の平和や繁栄に努めてまいりました。
 現在の厳しく複雑な国際環境におきましても、こうした姿勢を貫き、日米同盟を基軸として友好国、同志国の輪を広げますとともに、中国を含む各国との対話を重ね、地域及び国際社会の平和と安定に貢献すべく、外交努力を重ねておるところでございます。
 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、防衛力の抜本的強化は、抑止力を向上させ、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させる上で不可欠でございます。我が国の独立と平和、国民の生命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力の抜本的強化は着実に進めてまいります。
 なお、防衛力の抜本的強化に必要な財源確保のための税制措置につきましては、現在、まさに税制調査会等の場で議論が行われておるものと承知しており、与党における議論の途中の段階で政府として何らかの仮定を置いて答弁をすることは差し控えます。
 長生炭鉱の旧朝鮮半島出身労働者などの御遺骨の発掘調査についてでございます。
 一九四二年に長生炭鉱において発生した事故については、痛ましい事故であったと認識をいたしており、犠牲になられた方々には心よりお悔やみを申し上げます。
 旧朝鮮半島出身労働者などの御遺骨に対しましては、日韓双方は、人道主義、現実主義及び未来志向の三つの原則に基づいて取り組んでいくことで合意をいたしております。
 御指摘の長生炭鉱の御遺骨は海底に水没している状態であると認識をいたしており、その御遺骨の埋没位置、深度等が明らかではないため、現時点では遺骨発掘を実施することは困難であると考えております。
 他方、国内に存在する旧朝鮮半島出身労働者などの御遺骨について、御遺族がその返還を希望するものにつきましては、可能な限り御遺族に対して返還することが望ましいものと考えており、韓国政府との合意及びこれまでの協議の状況などを踏まえ、引き続き人道的観点から対応を検討いたしてまいります。
 ICCがイスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状を発付した件につきまして、現時点でネタニヤフ首相の訪日は想定されておらず、仮定の質問にお答えすることは差し控えます。
 我が国としては、ICCの独立性を尊重してきており、また、本件がガザ情勢にいかなる影響を与えるかという観点も含め、引き続き関連の動向を重大な関心を持って注視をいたしてまいります。
 九月に国連総会が採択した御指摘の決議につきましては、国際司法裁判所の勧告的意見を踏まえ、パレスチナ占領地に関して講ぜられるべき措置を具体的に述べるものであり、我が国もこれに賛成票を投じました。我が国として、同決議も踏まえ、中東和平プロセスの進展に向け、関係国、国際機関とも連携しながら、引き続き全ての当事者が適切に行動することを求めてまいります。
 防衛省が導入する無人機につきましては、特定の国の装備品を予断することなく、我が国の安全保障環境を踏まえ、性能、経費等を総合的に検討し、今後、具体的な機種を決定してまいります。
 合衆国との関係につきましては、我が国として、合衆国がエジプトやカタールとともに人質解放と停戦をめぐる交渉の実現に向け尽力している中、かかる仲介努力を強く支持しております。引き続き、関係国とも密接に緊密に連携しながら、人質の解放や人道状況の改善、事態の早期鎮静化に向け、積極的に外交努力を重ねてまいります。
 以上でございます。拍手
    ─────────────
この発言だけを見る →
長浜博行#16
○副議長(長浜博行君) 打越さく良君。
   〔打越さく良君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
打越さく良#17
○打越さく良君 立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。
 会派を代表して、石破総理に質問いたします。
 まず、総理、昨晩、韓国の尹大統領が非常戒厳令を発令しました。しかし、国会では与野党による戒厳令解除決議が百九十対ゼロで可決され、僅か六時間で尹大統領も戒厳令を解除し、軍の撤退を発表しました。
 軍を動員した戒厳令発動という深刻な事態に対する政府の受け止めと、邦人の安全確保など今後の対応及び日韓関係の在り方について総理に伺います。
 それでは、私がなぜここに立っているかについて申し述べます。
 私は、選択的夫婦別姓の実現に弁護士として取り組んできました。この国は、世界で唯一、夫婦同姓を強制する不寛容な法制度を持っています。婚姻改姓をして自分が自分でなくなったように悩み、苦しむ方々、多くは女性たちに私は出会ってきました。私は、国会が民法を改正し、女性たちの苦しみを解消してくれると期待して待っていました。
 しかし、いつまでたっても実現しない国会にしびれを切らした女性たちの思いを受け、二〇一一年、弁護団事務局長として第一次夫婦別姓訴訟を提起しました。ところが、二〇一五年最高裁大法廷で敗訴しました。この判決は、選択的夫婦別氏制度に合理性がないと断ずるものではないとした上で、議論を立法府に委ねたのです。いつまでたっても女性たちの苦しみに耳を傾けない国会だから司法判断を求めたのに、ボールを立法府にはね返す判断に、多くの女性たちが落胆し、涙しました。
 最高裁で敗訴したという挫折の中、私は、この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であるとの判決文を胸に刻みました。それならば国会で選択的夫婦別姓を実現しようと再び立ち上がり、この壇上に立っていることをまず申し上げます。
 私が選択的夫婦別姓を求めて国会議員に働きかけていた際、ある議員から言われた言葉が忘れられません。そんなわがままは駄目だという言葉です。
 わがままではありません。私が私でいたい、自分の名前でいたいという願いは切実です。私たちが負けた最高裁判決でも、人の氏名は、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴であり、人格権の一内容を構成するものと認められているのに、わがままと退けることこそ、日本国憲法の下、家族に関する法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚していなければならないことをまるで認めず、明治民法の家制度か何かが続いていると勘違いした態度です。
 総理も選択的夫婦別姓をわがままと感じるお一人なのでしょうか。そんなことはないはずです。率直にお答えください。
 政府は以前、国民意識の動向、すなわち世論を、選択的夫婦別姓を先送りにする口実にしていました。しかし、世論が賛成に傾くや、不思議なことに、国民各層の意見も口実に加えました。「虎に翼」の主人公風に言えば、はて。世論に加えて付加された国民各層の意見とは一体何ですか。自民党を支持する一部の反対派を国民各層の意見として殊更に重視するということですか。家制度はとうに廃止されているのに、それを認めない見解を重視するということですか。それは、総理が引用された石橋湛山内閣の施政方針演説の、国民の一部の思惑に偏することなく論議を尽くすとの立場とは相入れないのではないですか。
 重ねてお聞きします。総理、総裁選のときには、姓が選べず、つらい思い、不利益を受けることは解消しないといけない、実現は早いにこしたことはないとおっしゃっていた。全くもって正しい。この考えにお変わりはありませんか。
   〔副議長退席、議長着席〕
 自分がアイデンティティーを築いてきた自分の名前でいたい。愛する人と結婚したい。その切実な願いを両方かなえることを、夫婦同姓を強制する民法第七百五十条は許さない。こんな不寛容な制度は改めるべきではないですか。
 選択的夫婦別姓については、約三十年前の法制審議会から要綱が答申されたのに、極めて異例なことに閣法として提出されないままです。立憲民主党として議員立法案を再提出する準備をしていますが、公明党の斉藤代表も自民党を説得するとのことでしたので、閣法として提出してはいかがでしょうか。
 衆議院において与野党は逆転し、法務委員長は立憲民主党の西村智奈美議員です。世界でたった一国だけになった夫婦同姓の強制を改めるときが来たのです。自らの信念に従って、選択的夫婦別姓を導入すると明言してください。
 次に、婚姻平等、同性婚の実現について伺います。
 同性婚訴訟の原告であった佐藤郁夫さんは、法廷でこう語りました。死ぬまでの間にパートナーと法律的にきちんと結婚し、本当の意味での夫夫になれれば、これに過ぎる喜びはありません。しかし、佐藤さんは二〇二一年一月に亡くなり、この願いはかないませんでした。
 同性カップルは、婚姻できないことによって、医療、福祉、相続、親権など、様々な法的効果を受けられません。かけがえのないパートナーを真に人生の伴侶としたいという切実な思いがかなわないのです。石破総理は、同性婚が認められないことで不利益を受けているとすれば、救済する道を考えるべきだと発言されています。総理、このお考えについても変わりはないですよね。
 各地の裁判所から、同性婚を認めていない現行制度は日本国憲法に違反するとの判決が次々に出されています。今年三月には札幌高裁、十月には東京高裁と、二つの高等裁判所が違憲判決を出しました。
 また、多くの世論調査において、国民の過半数が同性婚に賛成しています。二〇二三年二月に産経新聞とFNNが行った調査では、自民党支持層でも六〇・三%は賛成と回答しています。総理、各種世論調査に示された民意について、無視できるとお考えなのですか。お答えください。
 同性婚の実現は、基本的人権の問題、命の問題です。立憲民主党は、同性婚を法制化するための婚姻平等法案も再提出するべく準備を進めます。
 総理、御自身の著書において、基本的人権の保障という観点から、権利を阻害されている国民が存在する以上は、最高裁判決を待つまでもなく早急な法制化が必要と述べていらっしゃいます。そのお考えに変わりがないのなら、同性婚の法制化を行うべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 ジェンダー平等についてお尋ねします。
 先月、女子差別撤廃委員会は、選択的夫婦別姓や同性婚を認める法改正をするよう勧告を行いました。選択的夫婦別姓は実に四回目であり、それ以外にも過去の審査から繰り返し勧告されている事項があります。勧告に法的拘束力がないので従う義務がないという態度は、締約国としていかがなものでしょうか。総理の御所見をお聞かせください。
 言うまでもなく、条約は法的拘束力のある国際文書です。条約実現の実効性を高めるため、人権救済等の権限を有する国内人権機関を設置すべきと考えますが、いかがですか。総理の見解を伺います。
 女子差別撤廃委員会から、選択議定書の批准の検討に時間を掛け過ぎていると勧告を受けました。条約の締約国百八十九か国のうち百十五か国が批准しているにもかかわらず、日本が何度勧告を受けてもいまだ批准しないのは余りに不合理です。国際的に確立した解釈に背を向けたガラパゴスの司法判断が改善されることは、個人にとっても国益にとっても望ましいはずです。個人通報制度を定めた条約に附帯する選択議定書の批准についての御決断を総理に求めます。
 訪問介護の基本報酬引下げについて伺います。
 政府が行った訪問介護の基本報酬の引下げ等により、事業者の倒産が相次いでいます。今後、訪問介護を受けられなくなる要介護者や介護離職が増えることが懸念されます。
 九月の厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会で示された試算によると、これまで最も高い加算を取得していた事業所のうち、新たな加算に移行して基本報酬の減少を補い、増収が見込まれるのは僅か三%にすぎませんでした。今回新たに取得した事業者でも、増収は僅か一七%にとどまります。事業者は、人件費だけではなく物価や燃料費高騰による減収にも直面していますが、人件費に限定された加算ではその分の減収には充てられません。
 立憲民主党は、訪問介護の基本報酬引下げによる影響について調査し、それに基づき、事業者に支援金を支給すること、その上で訪問介護の基本報酬の引下げの見直しを含めた介護報酬の期中改定を行うことを厚生労働省に強く求めてきました。また、これを実現する議員立法、訪問介護緊急支援法案を再提出する準備を進めています。
 厚生労働省による介護報酬改定の影響によるサービス提供の実態調査は来年三月頃の公表予定だと聞いておりますが、その間にも事業所の倒産が増えていきかねないと私たちは危惧しております。事業所の倒産による、事業所の倒産により、ビジネスケアラーが仕事を諦めたり、ヤングケアラーが学業を諦めたり、お年寄りが必要な介護を受けられないという事態になりかねません。こうした事態が起きないよう、私たち立憲民主党の提案に速やかに応じてください。総理の答弁を求めます。
 次に、冤罪防止とそのための再審法改正、取調べの抜本的改革についてお聞きします。
 二〇二四年九月二十六日、静岡地裁は、一九六六年に逮捕され、一九八〇年に最高裁で死刑判決が確定した袴田巖さんに再審無罪判決を言い渡し、十月九日、同判決が確定しました。
 袴田さんの事件では、検察がないとしていた証拠写真や取調べ録音テープなどが開示され、再審開始につながりましたが、もっと早く証拠が開示されていれば、袴田さんが再審無罪となる日は今より早かったはずです。
 再審制度の目的である冤罪被害者の救済のため、全面的な証拠開示制度を創設すべきです。総理の御所見を求めます。
 また、袴田さんは二〇一四年に再審請求が認められましたが、検察官の不服申立てにより、再審公判開始は二〇二三年まで引き延ばされました。審理を長期化させ、冤罪被害者の救済を遅らせる検察官の不服申立ては禁止すべきです。総理、いかがでしょう。
 冤罪の原因の一つとして、違法、不当な取調べによる虚偽の自白が挙げられます。虚偽の自白をなくすためには、取調べの録音、録画による可視化や取調べの弁護人立会いの法制化が必要です。総理、いかがですか。
 無罪を主張し、あるいは自白しないと長期間身柄拘束をする人質司法も見直しが必要です。大川原化工機事件で容疑を否認する社長ら三人を一年近く勾留、長期の身体拘束をしたことは、人質司法の典型です。
 冤罪を防ぐため、取調べの抜本的改革に取り組むとともに、人質司法を解消する方策を検討すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 農業者の所得向上、米政策について伺います。
 生産資材の高騰が続く中、価格転嫁による米価の上昇は、極端な円安の影響で国産米の需要を減少させるおそれがあります。価格転嫁を必要とする生産者の適正価格と、家計の厳しい中で安価な食料品を求める消費者のニーズを市場原理だけで解決することは困難です。だからこそ、価格は市場で、所得は政策でと、切り分けて考えるべきです。総理、いかがですか。
 そのため、持続可能な農業経営の確立に向け、価格形成の新たな仕組みのほかに、食料安全保障の確保と多面的機能の発揮に貢献する農業者の所得向上等に資する農地に着目した直接支払を実施するなど、抜本的な農業者支援策を併せて講ずるべきです。総理の見解を求めます。
 原子力発電所と防災問題についてお聞きします。
 自治体は、地域防災計画を策定するに当たり、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力規制委員会が定める指針に従って、地域防災計画と避難計画を策定することになっています。
 内閣府は柏崎刈羽地域など十三の立地地域ごとに地域原子力防災協議会を設置し、そこで原子力災害に関わる緊急時対応が具体的で合理的であるかを確認、チェックするという建前です。しかし、避難計画の実効性は確認、チェックされません。
 能登半島地震の際はたまたま停止中であった志賀原子力発電所ですが、変圧器の油漏れなど大きな損害が出ています。多くの道路が寸断され、交通が麻痺しました。例えば、志賀町が定める原子力災害避難計画では、「避難にあたっては、災害の状況に応じ、自家用車をはじめ、自衛隊車両や国、県、町の保有する車両、民間車両、海上交通手段などあらゆる手段を活用する。」とされています。ほかの自治体もほぼ同様の規定となっています。能登半島地震で万が一、志賀原子力発電所で事故が発生した場合、自治体の避難計画では避難が可能ではなかったと危惧されています。
 各自治体が策定する地域防災計画の実効性を検証する必要があるのではないでしょうか。
 避難計画の実効性を確認、チェックする主体はどこですか。国ですか、自治体ですか、原子力規制委員会でしょうか。実のところ、どこも実効性を確認、チェックしないのではないですか。避難計画の策定を国は支援するだけで、実効性が伴わなくても知ったことではない、形式的に策定さえされていれば再稼働に支障はないのですか。それでは余りに国として無責任ではないでしょうか。避難計画の実効性を原子力規制委員会の審査対象に含めるべきと考えます。総理、いかがでしょうか。
 私の地元柏崎では、大雪の際に大渋滞が発生します。原発事故と津波、道路の寸断など複合災害となった場合、総合的に対処する計画がなければなりません。地元の同意、そして実効性が担保された避難計画がないのであれば、原子力発電所は再稼働できないはずです。総理の見解を求めます。
 総理は、地方創生は多様性の時代の国民の多様な幸せを実現するための社会政策であると所信表明演説で述べられました。また、地方の皆様方が希望と幸せを感じていただくことも重要ですと表明されました。そのためには、まず国が多様性を阻害する古い制度の壁を取り払っていくことから始めなければなりません。
 私は、本日、我が国の古い制度、現状に即していない法制度等について質問しました。総理は、全ての国民の幸せを実現するため課題への対応を進めると明言されました。その言葉に偽りがないのであれば、多様な幸せの形をかたくなに妨げるのではなく、尊重すべきです。もしその決意がないのであれば、衆議院で示された民意に従い、直ちに下野すべきであることを強く申し上げ、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#18
○内閣総理大臣(石破茂君) 打越さく良議員の御質問にお答えをいたします。
 この地域の平和と安定のために、良好な日韓関係というのは極めて重要だと私は認識をいたしております。
 就任以来二か月余りになりますが、対面、あるいはバイデン米国大統領も合わせまして三名で何度か会談は行ってまいりました。もちろん、日韓の間に多くの相違はございます、国益も違います、認識も違ってまいりますが、安定かつ良好な日韓関係というのはこの地域の平和と安定のために極めて重要だというようなことは強く認識をいたしておるところでございます。
 他国への内政へのコメントは差し控えますが、日本政府として、今般の韓国国内の動きにつきましては、特段及び重大な関心を持って事態を注視しておるところでございます。今後もそうあらねばなりません。
 御指摘の在留邦人の安全確保につきましては、在韓国大使館などから、随時、領事メールを発出して注意喚起を行うなど、対応を取っておるところでございます。現時点で邦人被害の報には接しておりませんが、この点につきましては引き続き本当に万全を期していかねばならないと、邦人保護にも全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
 日韓は国際社会の様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国同士でありまして、日韓関係全体の取組につきましては、先ほど来申し述べておりますとおり、情勢を注視しつつ適切に判断をしていかねばならないと、このように思っておるところでございます。
 選択的夫婦別氏制度についてでございますが、この導入の是非について私の立場から個人的な見解を申し上げることは差し控えます。
 ただ、婚姻時に元々の姓を維持したいというお気持ちを持つことに対して、それをわがままであるなどと思ったことは私は一度もございません。むしろ、女性の方々、多くは、九五%が女性の方でございまして、その悲しみや苦しみをよく認識をしていかねばならないということは痛感をいたしておるところでございます。
 令和三年に内閣府が行いました世論調査を見ましても、選択的夫婦別氏制度につきましては国民の意見は分かれております。こうした状況に鑑みますと、より幅広い国民の御理解を得る必要はあると認識をしております。
 政府として法案を提出いたしますことの是非につきましては、性別や年代を問わず、幅広い層の国民の皆様方の御意見、国会における御議論の動向を注視しながら、総合的に検討する必要があると考えております。私自身、繰り返しになりますが、わがままであると考えたことは一度もございません。
 同性婚制度の導入につきましては、国民一人一人の家族観と密接に関わるものでございまして、政府といたしましては、国民各層の御意見、国会における御議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況について注視していく必要があると考えております。
 女子差別撤廃委員会からの勧告に対しまして、我が国としては、関係省庁において委員会の最終見解の内容を十分検討した上で、適切に対応してまいりたいと考えております。
 国内人権機関の設置に関しましては、人権救済制度の在り方につきまして、これまでなされてまいりました議論の状況も踏まえ、法務省において不断に検討しておると承知をいたしております。
 女性の人権問題に関しましては、いわゆる配偶者暴力防止法や女性支援新法などの個別法に基づき、きめ細やかな人権救済を推進いたしてまいります。
 女子差別撤廃条約選択議定書で規定されております個人通報制度は、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度であると、このように考えております。他方で、同制度の受入れに当たりましては、我が国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無、制度を受け入れる場合の実施体制などの検討課題があると、このように認識をいたしております。
 引き続き、早期締結につきまして、政府として真剣に検討いたしてまいります。
 先般の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬は見直しつつも、介護職員の処遇改善に充てる加算措置はほかの介護サービスと比べて高い加算率とし、職員の処遇改善が図られるようにしたものでございます。こうした介護報酬改定の影響につきましては、引き続き丁寧な把握に努めてまいります。
 その上で、訪問介護につきましては、人材確保は特に課題があるものと認識をいたしております。政府といたしましては、今般の経済対策において、ヘルパーの同行支援を強化するなど、地域の特性や事業者規模等に応じたきめ細かい対策を講ずることといたしており、こうした対策も併せて活用いたしてまいります。
 再審請求審におきます証拠開示や検察官の不服申立て、取調べの録音、録画や弁護人の立会い、被疑者、被告人の身柄拘束の在り方についてでございます。
 再審制度の在り方につきましては、確定判決による法的安定性の要請と個々の事件における是正の必要性の双方を考慮しつつ、様々な角度から慎重かつ丁寧に検討する必要があるものと考えております。
 また、現行の録音、録画制度を超える取調べに関する規制につきましては、取調べの適正確保の観点のほか、捜査への影響なども考慮をしつつ、慎重かつ丁寧に検討すべき問題であると、このように考えております。
 被疑者、被告人の身柄拘束につきましては、法律上厳格な要件及び手続が定められている上、一般論として、不必要な身柄拘束がなされないよう適切に運用がされているものと承知をしており、人質司法との御指摘は当たらないものと認識をいたしておりますが、お尋ねの点について様々な議論があるということは十分承知をいたしております。
 法務省において、現在開催中の改正刑訴法、刑事訴訟法に関する刑事手続の在り方協議会での議論などを踏まえ、適切に対応するものと、このように考えております。
 食料・農業・農村に対する基本法につきましては、今回の改正におきましても、価格は需給事情及び品質評価が適切に反映されて形成され、所得の確保は政策支援により対応するとの基本的な考え方に変更はございません。
 基本法の基本理念に追加された合理的な価格の形成に関します規定は、需給事情及び品質評価が適切に反映されることを前提に、持続的な食料供給に要する合理的な費用が取引において考慮されるように定められたものでございます。
 このため、持続的な食料供給が可能となりますよう、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、資材費、人件費などのコストが考慮される価格形成の仕組みを検討しておるところでございます。
 その上で、直接支払を含む農業者への支援の在り方につきましては、今後、新たな食料・農業・農村基本法計画の策定や、令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で、議員御指摘の点も含めまして議論を深めてまいります。
 原発事故等の避難計画の実効性についてでありますが、原子力災害時の避難につきましては、地域ごとの実情をきめ細かく熟知する自治体が災害対策基本法などに基づき地域防災計画、避難計画を作成するものと、作成することとしております。
 その上で、内閣府が各地域に設置した地域原子力防災協議会におきまして、原子力規制庁を含めた関係府省庁が関係自治体と一体となって地域防災計画、避難計画の具体化、充実化に取り組んでいるところと承知をいたしております。
 そして、各地域ごとの避難計画を含む緊急時対応が原子力規制委員会が策定する原子力災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的なものであることを協議会で厳密に確認し、さらに、私が議長を務め、原子力規制委員長も参画する原子力防災会議において了承することといたしております。
 原子力発電所の立地地域においては、地域の実情を踏まえ、大規模な自然災害と原子力災害との複合災害を想定して、道路が寸断した場合の避難経路や家屋が倒壊した場合の防護措置を含め、緊急時対応を取りまとめ、あるいは取りまとめに向けた検討を進めておるところでございます。
 原子力発電所の再稼働に当たりましては、高い独立性を有する原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地元の御理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針でございます。原子力防災会議に至るプロセスで了承された各地域ごとの避難計画を含みます緊急時対応がない中で、原子力発電所の再稼働が実態として進むことはないと、このように考えておるところでございます。
 同性婚については、先ほど答弁をさせていただきました。答弁は先ほど申し上げたとおりで、政府の立場はそのようなものでございます。
 それに苦しむ方、悲しい思いでおられる方、そういう方々のお気持ちは十分理解をしておるつもりでございます。御指摘も踏まえ、政府として先ほどの答弁のとおり対応させていただきたいと、このように考えておるところでございます。
 以上であります。拍手
    ─────────────
この発言だけを見る →
関口昌一#19
○議長(関口昌一君) 本田顕子君。
   〔本田顕子君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
本田顕子#20
○本田顕子君 自由民主党の本田顕子です。
 会派を代表して、石破総理大臣の所信表明演説に対して質問いたします。
 デフレ経済からの完全脱却が視野に入ってまいりましたが、それとともにエネルギーや食品等の価格が上昇し、賃上げが追い付いていない状況が続いています。エンゲル係数が高まるようになると、低所得世帯にとっては厳しさが増してきます。
 今回、石破内閣が掲げた経済対策にある誰一人取り残されない成長経済を実現するには、目先の厳しさを和らげる措置と併せて、事業者規模や正規、非正規を問わず、物価高を吸収できるだけの賃上げが広がる施策が不可欠です。
 そのためには、産業界全体を一くくりにして賃上げ状況を捉えるのではなく、事業規模や産業ごとにもきめ細やかに目を配り、国民一人一人が確かに手取りが増えたと実感できる誰も取り残さない賃上げを主導すべきではないかと考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 物価高に負けない賃上げの実現にとって極めて重要なのは、報酬や賃金が公定価格に基づく医療、介護、保育、福祉の現場で働く方々の賃上げです。
 令和六年度の報酬改定では、医療分野は賃上げ対応分を含めて〇・八八%の引上げがなされ、医療現場も一定の評価をしているところでありますが、現下の長引く物価高騰に追い付く十分なものとはなっていないというのが現実です。
 これらの分野で働く方々には、国民の皆様の命と暮らしを守る大切な職場を支えていただいています。しかし、公定価格の下で働くがゆえに処遇がままならず、エッセンシャルワーカーとして医療機関や薬局、施設などで働く国家資格を有する人材が他分野に流出しています。国民の皆様に寄り添い、安心な暮らしを提供している現場が機能しなくなるのではないかという不安を覚えます。
 過日、三原担当大臣は、給与の低さから人材の確保に悩まされている保育士等の処遇改善について、人件費を過去最大となる一〇・七%引き上げると打ち出しました。医療、介護等については、どのように取り組んでいく方針でしょうか。また、保育の処遇改善も、現場の保育士に確実に行き届くような仕掛けが必要だと思いますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。
 我が国の健康長寿社会を支える大切な医療、介護、保育、福祉の現場を守るために、直ちに、大胆で、かつ十分な賃上げを実現する手だてを講ずるべきと考えますが、総理の決意と御所見をお聞かせください。
 医療分野の人材同様、国民の命と健康を守る医薬品についても、安定的な供給ができるように持続可能性を高めていかなければなりません。
 ここ数年、医薬品について懸念すべきことが複数生じており、多くの県議会や市議会などから医薬品の安定供給確保を求める意見書が、参議院のほか、政府にも提出されています。
 その一つは、医薬品の供給不足が長引いていることです。ジェネリック医薬品企業の品質問題などに端を発していると言われておりますが、その後、薬業界各社は増産や在庫調整などに努力を重ね、医療現場に迷惑を掛けぬように、そして、患者への必要な医療提供に支障を来さないように取り組んでいただいております。
 しかし、薬価の度重なる引下げにより、製造すればするほど、あるいは、ニーズに応じて迅速に届けようと努力すればするほど赤字になるような状況となれば、医薬品製造業者や医薬品卸売販売業者の持続性は維持できません。
 もう一つは、医薬品の開発競争への対応の遅れです。がんや免疫性疾患などで国際的に開発競争が激化している中、市場に投じた製品で研究開発費を回収できなければ、次なる研究開発に回す資金を確保できなくなり、結果として国際競争に敗れ、我が国の医薬品製造分野の稼ぐ力は著しく低下することとなります。
 既に我が国の医薬品開発力が諸外国から後れを取っているのではないかという指摘は、コロナ禍でのワクチンや治療薬での開発競争の際にありました。その理由の一つは、日本の製薬企業の創薬に対する研究費が海外の企業と比べると一桁低いというところにあるとも言われます。
 二年に一度の診療報酬等の改定と同時に行われる薬価改定の間に、消費税引上げに伴う薬価改定時の実質マイナス改定、そして、その後の二度の中間年改定が行われた結果、七年連続で薬価が改定されたことが医薬品産業の持続可能性に影響をもたらしたと考えます。
 本日午前に薬価調査の速報値が示され、平均乖離率は前回より更に縮まり約五・二%となり、これ以上は困難なレベルに達しました。
 そもそも平成二十八年十二月に決定された薬価制度の抜本改革に向けた基本方針、いわゆる四大臣合意には、革新的かつ非常に高額な医薬品に対して薬価制度が柔軟に対応できておらず、国民負担や医療保険財政に与える影響を懸念すると書き出してはおりますが、加えて、薬価制度の抜本改革に向けてPDCAを重視とはっきりと記されています。
 そのことからすれば、中間年改定が医薬品産業の持続可能性や成長、さらには安定供給や研究開発などに与えてきた影響評価を行うべきだと考えます。その上で、薬価の在り方については、国民の命と健康を守ることに最も重きを置いて、イノベーションの推進や安定供給の確保、物価上昇など、取り巻く環境の変化を踏まえつつ、医薬品開発及び製薬産業自体の持続可能性と予見性、そして成長、発展に最大限の配慮を払うことが極めて重要だと考えます。四大臣合意の時期と今とでは経済情勢や薬の供給状況などが全く異なる現状において、中間年改定は廃止を含め見直す時期にあり、産業界に与える影響を検証する間は見合わせるべきです。石破総理には、これらについての御所見をお伺いします。
 災害時の対応を含め、都市部、過疎地、離島など、全国津々浦々、毛細血管のように、医薬品流通の要となり、医療機関、薬局を支えておられるのは、医薬品卸売販売業者の皆様です。この卸の皆様の存在なしに薬を必要とする患者さんに薬を届けることはできません。
 能登半島地震や熊本地震でも、そして全国で多発する自然災害の発災直後から、現地の医薬品卸の社員が、自身も被災しているにもかかわらず、各自治体や関係団体などと連携して医薬品の流通体制確保に努め、被災地の医療機関や薬局に速やかに医薬品の供給を行い、被災エリアにおける医療体制をしっかりと支えていただいております。
 被災地では高齢者が多く、常備薬を欠かせない方々が多い中、災害関連死の防止に大きく貢献したものと思います。
 かつて地下鉄サリン事件が起きたときは、解毒のための薬の備蓄状況を調べ、在庫を確認し、新幹線でリレーつなぎに運び、現場に届けていただきました。
 まさに、平時、有事を問わず、人々の命と健康を支える医薬品を安定供給する重要な役割を果たしていると言っても過言ではありません。
 そこで、総理に、医薬品卸売販売業者の役割である安定供給機能の確保についてどのような見解をお持ちなのか、お伺いいたします。
 いまだに十分な治療薬や治療技術が開発されておらず、有効な治療法を待ち望んでいる患者さんとその家族の方々がおられます。
 本年七月、総理官邸で創薬エコシステムサミットが開催され、私も当時、文部科学大臣政務官として出席いたしましたが、岸田総理から、今回のサミットは我が国の創薬力を向上させて最新の医薬品を国民に迅速に届けるための出発点であり、医薬品産業を我が国の基幹産業とし、日本を創薬の地とするとの御発言がありました。治療法を待っている方々に希望の光を届ける力強い発言だったと思います。
 革新的な新薬や医療機器などを創出することは、高水準の医療等の提供につながり、国民の皆様に大きな恩恵をもたらすことになります。さらに、特許期間が切れた後もジェネリック医薬品として安定的に供給されることにより、医療や医療保険制度の持続性の確保にもつながります。
 この好循環を持続させるための鍵を握るのは、常にイノベーションをもたらすための環境整備であり、独創的かつ先端的な技術やアイデアを挑戦的に実用化に近づけるスタートアップの存在とイノベーションに対する最大限の評価です。
 既に我が国では、官房長官直轄の健康・医療戦略推進本部を司令塔として、日本医療研究開発機構、AMEDと関係府省とが連携する研究開発体制が整っています。
 そこで、極めて激しい新薬開発競争に向けて、できるだけ早期に創薬エコシステムを機能させていくための官民による具体的な議論を開始する必要があり、さらに、創出されたイノベーションの実臨床で使用する際の安全性や有効性を科学的に評価するPMDA、医薬品医療機器総合機構の体制の不断の強化充実が必要と考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 新型コロナウイルスが世界中に広がり深刻さを増していた頃、ワクチンを外交上の手段として影響力を及ぼそうとする動きが見られました。
 令和四年に成立した経済安全保障推進法では、特定重要物資として抗菌性物質製剤が指定され、その安定供給確保に取り組む民間事業者等を支援することを通じて、特定重要物資のサプライチェーンの強靱化を図ることとなっており、対策が進められています。
 しかしながら、このほかにも、輸液、小児にも使える解熱薬やせき止め薬など、国民の生存に必要不可欠な、又は広く国民生活、経済活動が依拠している医薬品は存在していますし、治療上必要な重要薬剤の供給不安が現場に影響を与えていることが判明しています。
 国内で医薬品を供給する企業の多くが、製品の原料となる基本的な物質、いわゆる原薬の調達を海外企業に依存、あるいは自社であっても海外の工場で生産し、輸入している実態があります。そのため、海外メーカーの生産中止や自然災害、さらには各国の対日政策により、国内で必要な医療提供体制に支障が生じるリスクをはらんでいます。
 そこで、政府においては、関係企業との協議を重ねて、現実的な重要薬剤の安定確保に向けた戦略を作り上げていくべきではないでしょうか。総理の御所見をお聞かせください。
 近年、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬の意図的な過量使用、いわゆるオーバードーズによって健康被害が生じた事故や事件が報告されています。SNSなどを通じて知り得た情報による乱用と思われますが、その背景には生きづらさがあると言われており、それも含めて社会全体で対策を講じ、オーバードーズに陥る実態を止めなければなりません。
 現在、過量に使わせないための取組として、厚生労働省で薬機法改正も視野に入れた検討が進められていますが、同時に、過量使用してはいけないことへの理解を促すための教育と啓発の充実のためには、薬教育の必要性への理解促進や、オーバードーズの低年齢化を踏まえた小学生向けの学習指導要領の追加などの対策も含め、求められるのではないでしょうか。薬を正しく使うことの理解が深まることで、自らの健康づくり、セルフメディケーションの推進にもつながります。
 あわせて、つらい気持ちや生きづらさを感じている若者に寄り添うような相談体制も必要です。
 未来ある子供たちを守るために、関係する府省や団体が連携しながら市販薬の過量使用対策を講じていくことが必要だと考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 医療分野のサービスの効率化や質を向上させ、国民の皆様に最適な医療を提供する医療DXは、我が国の医療の将来を大きく切り開いていく可能性を持っており、政府は全国医療情報プラットフォームの創設や電子カルテ情報の標準化などの推進を打ち上げていますが、その実現には、医療機関を始めとする医療情報を保有、使用する関係施設においてシステム環境が互換性を有していることが不可欠です。
 同時に、入院、外来又は在宅それぞれで医療が提供されていることから、特に外来の約八割の薬物治療が院外処方に基づいて行われている現状に即したDX化を切れ目なく進めていかなければなりません。そのためには、医療機関の電子カルテの標準化とともに、薬局の調剤録や薬歴情報の標準化がひとしく求められることとなります。
 そこで、医療のDX化を効果的なものにする上で不可欠な薬局DXをどのように進めていくお考えでしょうか。福岡厚生労働大臣にお伺いします。
 私の居住区、熊本県では、女性の社会参画の加速化に関する要望を受けて、地域の取組を幅広く継続的に支援する制度が充実されました。国においても、女性による新たな発想から生まれるイノベーションが地域経済を活性化するとの期待から、新たな基金の創設など、継続的、安定的に女性の社会参画を加速していくための積極的な取組が求められています。
 そこで、子ども・子育て政策、そして女性活躍政策の双方について更なる連携を図り、少子化の克服、周囲のサポート体制、そして女性の社会参画の三つを強力に進めていってはどうかと考えますが、三原担当大臣の御見解をお伺いします。
 間もなく令和六年が過ぎ、新しい年を迎えることとなります。家族で新年を祝う穏やかな元日を突然襲った能登半島地震から一年を迎えます。さらに、本年九月には、被災の傷痕の癒えない奥能登を記録的な豪雨が襲いました。これらの災害によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の誠をささげます。
 輪島市や珠洲市では今なお避難所生活が続いています。重ねて政府には能登半島の復旧復興に引き続き全力で当たっていただきますようお願い申し上げます。
 石破総理は、能登半島地震や豪雨から得た教訓を踏まえるとともに、被災者の方々の声を生かした政策を、施策を実行していくために、防災庁設置準備室において防災庁設置に向けた着実な準備を進めていかれると述べられました。
 気候変動に伴う自然災害の激甚化、頻発化が顕著となっております。これらを念頭に置いた防災・減災、国土強靱化対策がますます重要となりますので、設置に向けた準備を急ぐようお願いいたします。
 同時に、平成二十八年の熊本地震のときに感じましたが、早急に進めるべきは、一刻を争う救命救急活動や避難用物資の搬入、緊急復旧、早期復興のために不可欠な緊急時の情報伝達手段の確保、そして被災時を想定した道路ネットワークの整備です。
 その一つとして、九州の東西軸の強化につながり、災害時に安定的な輸送を確保する命の道となる九州中央自動車道の計画的かつ着実な整備の促進を強くお願いしたいと思います。
 その一方、かつての公共工事の削減で体力を消耗した地方の建設業は、そこからの回復に至る前に、最近の資材価格の高騰や建設技能労働者の賃金上昇、高齢化や働き方改革に伴う人手不足などにより、厳しい環境の中に置かれています。
 しかし、建設業関係の皆様の存在なしに、災害時の復旧復興も、防災・減災、国土強靱化の加速化もありません。これらのための予算の更なる確保とともに、命を守り、地域と国土を守る地場の建設事業者の振興にどのように取り組んでいかれるのか、石破総理の御所見をお伺いします。
 地球温暖化がもたらす災いは、自然災害の激甚化、頻発化だけではありません。農作物の成長への影響や、それに伴う需給の逼迫と価格の上昇などのほか、過去に例がないほどの猛暑による熱中症の多発、そして蚊などの媒介生物の増加などによる感染症蔓延リスクの増大なども懸念されます。
 特にグローバル化が進む現代においては、衛生インフラが整っている我が国では発生しなくとも、温暖化による干ばつや洪水、あるいは水温上昇が不衛生な地域での感染症の発生頻度の増加をもたらし、それが世界中に広がるおそれもあります。
 そこで、国連の持続可能な開発目標、SDGsの目標三にうたわれている、あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活の確保と福祉の促進に向けて、地球温暖化がもたらす人の健康への影響、とりわけ感染症蔓延リスクにどう対処していくお考えでしょうか。総理にお伺いします。
 感染症の世界的な流行リスクが増していることから、我が国だけでなく、国際的に連携しながら、将来のパンデミックの予防、備え及び対応を強化していくことが必要となります。
 国際的な人の移動、物の移動がより活発になる中、一国だけで感染症を抑えたとしても、完全に食い止めることは困難です。先進国と途上国との間で対策に格差が生じることは避けなければなりません。
 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した際、我が国は、WHOなどによるワクチンの共同購入、分配の仕組み、COVAXファシリティーに貢献し、ワクチンナショナリズムを抑制する方向で努力しましたが、一方では、ワクチンを外交上の手段として他国に影響を及ぼそうとする動きもありました。
 そこで、感染症による世界的な健康危機の際、医薬品をめぐり世界で分裂と分断が進み、結果として大勢の人の命が失われたり、安全保障上の脅威が高まったりすることがないように、現在、WHOで交渉されているパンデミックの予防、備え及び対応の強化のための国際的規範作り、いわゆるパンデミック条約について、我が国としては、国際的な感染症対策の強化に向けて、国益を守りつつ、建設的に参加し、貢献していくことが望ましいと考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 私の質問の最後として、これからの日本の発展を担う人材と教育についてお伺いしたいと思います。
 人工知能、AIやビッグデータ、IoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化している今日では、デジタルなどの優れた専門人材がその国の成長力を左右するとも言われており、従来の文系、理系といった枠にとらわれない学び方が求められるようになっています。
 しかし、我が国ではこれまで、男性は理系、女性は文系といった固定的な考え方が存在してきたことで、科学、技術、工学、数学の領域を指すSTEM分野の卒業・修了生に占める女性の割合がOECD加盟国三十八か国で最下位となっています。
 理数系科目の成績については、国際的に、男女差での傾向の違いは見られず、生物学的要因や生まれつきの能力の差によるものではないことも分かっています。固定概念にとらわれず、女性自らが進みたい、活躍したいと思う分野で学べるようにすることは大切です。
 そのためには、民間企業と連携し、理工農分野における女子学生の修学、卒業後の継続的な学習と活躍機会の確保に関する支援、さらにはロールモデルによる理系の魅力の発信などの取組はもちろんのこと、そもそも周りの人々の根強い思い込みや身近にいる人生の先輩からの固定的な助言など、周囲のマインドを変えていくことが必要ではないでしょうか。
 そこで、我が国の成長力、国際競争力は女性のSTEM分野への進出が左右するという思いで、石破総理にはその後押しに全力で取り組んでいただきたいと考えます。
 この点について総理の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
石破茂#21
○内閣総理大臣(石破茂君) 本田顕子議員の御質問にお答えいたします。
 賃上げについてでございます。
 家計を温めるためにも、物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要がございます。そのためには、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけるよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進め、省力化・デジタル化投資などを促進することが極めて重要であります。
 その際、本田議員御指摘のとおり、業種ごとの賃上げ率は様々でございます。業種別にきめ細やかに対応していくことが必要であります。例えば、医療、介護、障害福祉分野につきましては、令和六年度報酬改定において講じた職員の処遇を改善するための措置を確実にお届けし、賃上げを実現をいたしてまいります。
 労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針に基づく取組を徹底いたしますため、本年末までに、所管官庁が業界団体と連携し、指針の遵守状況についての実態調査及びその結果に基づく改善措置を完了いたさせます。
 さらに、事業者の生産性向上を図りますため、事業者それぞれの業務に応じたオーダーメード型の省力化投資を支援いたしますとともに、人手不足感の強い業種ごとに事業者の省力化投資を促進するための具体的プランを早急に策定をいたしてまいります。
 医療、介護、福祉分野につきましては、本年度の報酬改定において賃上げのための措置を講じており、これが最大限に活用されますよう、提出書類の簡素化や幅広い周知に取り組んでおるところでございます。加えて、今般の経済対策におきましても、生産性の向上や職場環境の改善など、更なる賃上げを目的とする支援策を盛り込んでおります。
 保育分野につきましては、御指摘のとおり、今般の経済対策に大幅な処遇改善を盛り込んだところでございます。今後、この措置が迅速かつ確実に事業主から保育士に行き渡るように、実績報告を求めますとともに、保育所などの給与状況を明らかにするなど、経営情報の可視化、見える化についても進めてまいります。
 薬価制度につきましては、イノベーションの推進と国民皆保険の持続性確保の両立を図る観点が重要であり、令和七年度の薬価改定につきましても、こうした考え方に基づく骨太方針二〇二四を踏まえ、適切に対応をいたしてまいります。
 なお、中央社会保険医療協議会の附帯意見にもありますとおり、令和六年度薬価改定が医薬品の安定供給や研究開発に与える影響を把握することは重要であり、その把握に向けて製薬業界とも意見交換を行ってまいります。
 医薬品卸、失礼、医薬品卸売販売業者の安定供給機能についてでございます。
 医薬品卸売販売事業は、全国の医療機関や薬局に対しまして必要な医薬品を迅速かつ確実に供給する役割を担っており、我が国の医療を支える重要なインフラであるというふうに考えておるところでございます。
 平時のみならず、災害などの緊急時におきましても、自治体などからの要請を受け、必要な医薬品を迅速に配送いただいており、国民の命と健康を守る上で重要な役割を果たしていただいていると認識をいたしております。引き続き、医薬品卸売販売業者の皆様方と連携をいたしながら、必要な医薬品の安定的な供給に取り組んでまいります。
 よくこの認識の下で取り組んでまいりますが、実際にそのような災害のときに医薬品卸の皆様方が果たしておられる役割、私、現場で体験をしたことがございます。また、私自身、民間企業で働いておりましたときに、このような業者さんがおられるところで働いておりました。日本橋本町というところでございますが、引き続き理解に努めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
 創薬の支援体制強化についてでございますが、我が国の創薬力の強化を図ることは極めて重要な課題であると認識をいたしております。そのためには、大学や製薬企業等が相互に協力していくこと、これが極めて重要でございます。令和六年度補正予算案におきましても、こうした創薬エコシステムの発展に向けたスタートアップ支援等に必要な予算を計上したところでございます。来年度には官民協議会を設置し、更なる具体的な施策の方針や進捗状況について関係者と議論を行うことを検討しております。
 また、革新的医薬品などの研究開発に対し、積極的に相談、支援を行うため、医薬品などの承認審査を行う御指摘のPMDAの体制強化に努めてまいりたいと考えております。
 重要な医薬品の安定確保に向けた戦略についてでございますが、医薬品の供給が滞りますことは国民生活に重大な影響を及ぼし得るものであり、経済安全保障の観点から、国外からの供給が滞るリスクも踏まえた戦略的な医薬品製造を進めることが必要でございます。
 このため、関係業界とも協議を行いつつ、国内の生産基盤の整備や医薬品の供給源の多様化に取り組む企業への支援などの取組を進めてまいります。
 若者による市販薬の過量使用対策について、過ぎた量と書きます過量使用対策についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 市販薬を定められた用量以上に使用するいわゆる過量使用につきましては、若い世代の健やかな育成などの観点から大きな問題であると承知をいたしております。
 政府といたしましては、過量使用のおそれがあります市販薬の販売制度の見直しについて検討を進めますとともに、学校教育において、小学校段階も含めて薬物乱用防止に関する指導を充実してまいります。
 また、過量使用の背景にあるつらい気持ちや悩みを抱える若者などを対象とした相談体制についても整備を進めていくなど、引き続き、関係省庁と団体との連携も図る中で、委員の御指摘を踏まえ、市販薬の過量使用対策を講じてまいることといたします。
 公共事業予算の確保と地場の建設事業者の振興についてでございますが、令和六年度補正予算案におきまして、令和七年度までの五か年加速化対策分に加え、資材価格の高騰などを踏まえた別枠の緊急対応枠などや道路ネットワークなどの社会資本整備を含め、合計約二・四兆円の公共事業費を盛り込むことといたしております。
 建設業はインフラ整備や災害時の応急対策などを担う地域の守り手であり、今後もその役割を果たしていただかなければなりません。このため、安定的、持続的な公共投資を推進いたしますとともに、適正な労務費の確保や価格転嫁、働き方改革、生産性向上を促進することなどにより、担い手の確保に取り組んでまいります。
 地球温暖化が人の健康に及ぼします影響といたしましては、熱中症の増加のほか、熱帯地域で流行している蚊を媒介とする感染症が地域を拡大して蔓延するリスクなど、国民生活に影響を及ぼす重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、気候変動による健康への影響に関する科学的知見の更なる集積に取り組みますほか、国内外の感染症の発生動向の把握、感染症危機への備えをより万全にするための体制強化及び感染症の専門人材の育成など、必要な取組を行ってまいります。
 パンデミック条約についてでございますが、新型コロナウイルス感染症のような世界に甚大な影響を与える感染症に対しましては、国際社会が一致して対応する必要がございます。
 いわゆるパンデミック条約につきましては、政府として、感染症危機への対応を構築、強化するというその目的に賛同いたしております。日本の国益を確保する上でも、パンデミックの予防、備え及び対応に資する国際的な規範を整備し、強化することは重要であると考えております。
 引き続き、交渉におきまして、我が国を含む各国の主権の尊重を大前提としつつ、我が国の経験や知見を踏まえ、建設的に議論に関与していく考えでございます。
 女性のSTEM分野、いわゆる理数系の分野での活躍についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 御指摘のとおり、日本経済の活力を高めますためには、多様な視点や発想を取り入れた科学技術、イノベーションの推進が重要であり、それに向けて女性の理工系分野における活躍の機会を拡大していくことは重要でございます。
 一方で、女性にとって理工系分野に進学後の将来に関する情報が不足しておりますことや、理科と数学が好きではない女子児童生徒が男子に比べて多いことなどが、女性が理工系分野に進まない要因と指摘されております。
 このため、理工系分野への学部転換や情報系分野の増員を行う大学を支援する場合には、女子学生の確保に向けた取組を行うことを求めております。
 今般の経済対策において、大学が民間企業などと連携して、理工系分野における女子学生の修学支援や卒業後の活躍機会の確保を行っている好事例の発信、中高生に理工系の魅力を理解していただくための研究者との交流機会の提供などに取り組むことといたしております。こうした取組を進めますことにより、理工系分野で女性が活躍できる環境の実現に鋭意取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
   〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
福岡資麿#22
○国務大臣(福岡資麿君) 本田顕子議員から、薬局DXについてお尋ねがありました。
 薬局DXにつきましては、骨太の方針二〇二四におきまして、調剤録等の薬局情報のDX、標準化等の検討を進めるとされているところでございます。現在、厚生労働省の検討会におきまして、患者さんの服薬状況などの薬局が有する情報の医療機関等への共有範囲や共有方法等の検討を行っているところでございます。
 医療DXを真に有効なものとして推進していくためには、薬局情報のDX、標準化が不可欠であるというふうに考えておりまして、医療DX全体の進捗も踏まえ、検討を進めてまいります。拍手
   〔国務大臣三原じゅん子君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →
三原じゅん子#23
○国務大臣(三原じゅん子君) 本田顕子議員より、御質問をお答えいたします。
 子ども・子育て政策、女性活躍政策の更なる連携についてお尋ねがありました。
 お尋ねの少子化の克服に向け、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を実現するため、若い世代の所得を増やす、社会全体の意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するといったことが求められています。
 こうした取組については、家庭や職場における固定的な性別役割分担意識を解消する、仕事と育児、介護、健康課題の両立を支援する、女性登用に向けて人材育成を加速するなど、働きながら子供を育てる方々への周囲のサポートの充実と、これによる女性の社会参画の推進が重要な役割を果たすものと考えています。
 当事者の意見を聞くことを大切にする現場主義に基づき、子供や若者、女性の視点に立ち、子ども・子育て政策と女性活躍政策を車の両輪として進めるとともに、地域の取組を支援してまいります。拍手
この発言だけを見る →
関口昌一#24
○議長(関口昌一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会
この発言だけを見る →
すべての発言を表示しました
← 戻る