石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 浅田均議員の御質問にお答えを申し上げます。
 自民党におきます旧派閥の政治資金収支報告書への不記載に関し、参議院の政治倫理審査会への関係議員の出席等についてお尋ねを頂戴いたしました。
 不記載の事案について政府としてお答えをすることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、これらの事案につきましては、第三者である検察により厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたところであります。
 自民党といたしましても、可能な限りの調査を行い、その結果を国民の皆様に御説明いたしてまいりました。このため、個々の議員に対して私自身から改めて調査を行っておりませんが、各々が、政治倫理審査会の場を含め、あらゆる場を積極的に活用して説明責任を果たすよう党として促してきたところであります。
 なお、政治倫理審査会は、個々の議員の政治的、道義的責任の有無を審査する場であると承知しております。それ以外の目的によって審査や弁明が行われるものではなく、御指摘のようなセレモニーとして行われるものではないと認識をいたしております。
 また、政党の公認の方針について総裁としてあえて申し上げれば、さきの衆議院総選挙において、自民党党則における選挙における非公認よりも重い処分を受けた者などについて非公認としたところでございます。来年夏に予定されております参議院議員通常選挙における公認、非公認の判断につきましては、違う対応を行うということは現時点では考えておりません。
 企業・団体献金についてであります。
 政党助成制度は、政党が民主主義の重要な担い手であることに鑑み、その費用を国民全体で負担するために導入されたものと承知をいたしております。
 議員から、政党助成金制度は企業・団体献金の廃止とセットだったとの趣旨の御発言がありましたが、政治資金規正法の平成六年二月の改正附則第十条は、改正法の施行後五年を経過した場合に、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附の在り方について見直しを行うものとすると規定いたしております。このことから明らかなとおり、政党交付金の創設時に企業・団体献金の禁止が決まっていたという事実はございません。
 他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らしても重要であります。
 政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定いたしております。また、政治資金規正法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないと定めております。
 政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えをすることは控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党といたしましては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認ができるデータベースの構築に取り組んでまいる方針でございます。これによりまして、企業・団体献金を含む政治資金の透明性が飛躍的に高まり、国民の皆様方の御判断に資するとともに、政党などによる政治活動の公明と公正の確保、ひいては政治の信頼の確保にもつながるものと考えております。
 政策活動費の廃止のための政治資金規正法の改正、並びに調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納についての歳費法の改正についてお尋ねを頂戴いたしました。
 政治資金や調査研究広報滞在費に関するルールの在り方については、既に政治改革に関する各党協議会や衆参の調査研究広報滞在費に関する協議会において御議論をいただいておるところであります。
 政府としてお答えをすることは控えますが、総裁としてあえて申し上げれば、我が党といたしましても、政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費の使途公開及び残金返納など、政治資金に関する諸課題の改革のための議論を率先して進めてまいる決意であります。
 政党から各級議員に支出され、その先の最終的な使途が公開されていない現在の政策活動費は、全て廃止することといたします。
 その結果、政党における最終的な支出先などにつきましては基本的に全て公開することとなりますが、外交上の秘密や支出先のプライバシー、あるいは営業秘密を害するおそれに配慮すべき場合など一部の限定された支出につきましては、相手方の信頼関係などにも関わりますことから、公開を行いつつも、公開の方法には工夫が必要であると考えております。
 ただし、我が党といたしましては、これらの支出についても政治資金に関する第三者機関が中立的な立場から厳格に監査を行い、支出の適正を担保することを規定いたしており、不透明な支出を存置するというものでは全くなく、政策活動費の廃止に議員御指摘のような抜け道が生ずるとは全く考えておりません。
 国民に政治に対する信頼を取り戻すため、政治資金に関する諸課題について党派を超えた議論を進め、年内の政治資金規正法や歳費法の改正に誠心誠意尽力をいたしてまいります。
 政党法についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 総裁として申し上げますと、議員御指摘のとおり、政党が透明性を持ちながら社会に対する説明責任を果たし、国民の信頼を得ていくためには、ガバナンスの強化が極めて重要であります。
 自民党は、他党に先駆けてガバナンスコードを制定、運用いたしてまいりました。政党における意思決定の在り方などについて規定した政党法を制定すべきと、議員の御意見については私個人としては大いに賛同するところでございます。私自身、政治改革について取り組んでまいりました三十数年前からこの政党法の必要性については議論を提起をしてまいり、私なりに研究を続けてまいりました。
 他方、議会制民主制度の、民主主義の主要な担い手である政党がその期待される役割を十二分に果たしてまいりますためには、何よりもまず政治活動の自由が最大限尊重されなければならないという御意見も当然存在するところでございます。
 政党法の制定につきましては、政党の政治活動の自由と密接に関係する事柄でありますことから、各党各会派における十分な議論が必要であると考えております。
 我が党では、党内の政治改革本部におきましてガバナンス強化のためのワーキングチームを設置することを決定しておるところであり、党改革の議論も着実に推進をいたしてまいります。
 賃上げと投資が牽引する成長型経済についてであります。
 内閣といたしましては、安定的な物価上昇の下で、それを上回る賃金上昇が安定的に実現する経済を目指しております。すなわち、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇する、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業が次の成長段階に入り、また賃金が上がるという好循環が実現をいたします、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指してまいります。
 そのためには、まず家計を温めるためにも物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要がございます。最低賃金の引上げに取り組みますほか、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけますよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めますとともに、省力化・デジタル化投資の促進や経営基盤の強化、成長のための支援などに取り組んでまいります。
 国内投資の拡大に向けましては、DXやGXなどの今後成長が期待される分野を中心に、企業の予見可能性を高めつつ、戦略的かつ重点的な官民連携投資を進めてまいります。
 なお、目指すべき好循環はこのように安定的な物価上昇の下で実現されるものであり、いわゆるハイパーインフレーションが起こるとの御指摘は当たらないものと考えております。また、その際、実質的な資金調達コストの上昇は一定程度に抑えられますことから、投資抑制への影響は限定的であると考えております。
 ようやく約三十年ぶりの高い水準の賃上げと過去最大規模の投資が実現し、明るい兆しが現れております。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営、経済への転換を進め、我が国を世界をリードするイノベーションが常に生み出される豊かな国といたしてまいります。
 今後の国債の買手についてでありますが、今後の国債の消化につきましては、先般の日銀の国債買入れ減額の決定を受け、銀行を始めとした国内外の幅広い投資家に国債を購入、保有していただく努力が一層重要になってくる、このように認識をいたしております。
 政府といたしましては、金利の動向や投資家のニーズを見極めた上で、市場との対話を丁寧に行い、適切に国債管理政策を運営してまいりたいと考えております。
 我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあるというのは申し上げておるところでございます。
 今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指し、必要な予算を積み上げたものでございます。
 具体的には、現下の賃上げができるよう省力化・デジタル化投資を促進いたしますとともに、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化する施策を盛り込んでおります。さらに、能登地域の一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速するための対応を始め、国民の安心、安全の確保に万全を期するための施策も盛り込んでおります。こうした施策の積み上げの結果、昨年を上回る規模となったものでございます。
 いわゆる百三万円の壁についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、自民党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁については、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところでございます。
 経済や議員御指摘の財政への影響など、専門的な観点も含めて様々考えなければならない論点があるものと認識をいたしております。そうしたことも踏まえ、今後、各党の税制調査会長間などで更に議論を深めていただきたいと考えております。
 マイナンバーを活用したいわゆる年収の壁への対応についてでありますが、政府として、マイナンバー制度の利活用を推進していくことは重要であると考えております。これまでも、マイナンバーを活用した行政機関の間での情報連携により、所得情報等に基づいた各種給付の円滑な執行に貢献してまいりました。
 ただし、いわゆる年収の壁につきましては、マイナンバーの情報連携のみで直ちに対応できるものではございません。
 社会保険の適用に関するいわゆる年収の壁につきましては、当面の対応として取りまとめました年収の壁・支援強化パッケージの活用にまずは取り組んでまいります。
 その上で、労働者が就業調整をせずに希望に応じて働くことができますよう、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険の更なる適用拡大など、制度的な対応について関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
 こうした中で、社会保障制度における更なるマイナンバーの活用につきましても、情報連携の進展の状況と併せて検討を進めてまいります。
 在職老齢年金制度についてでございますが、公的年金制度につきましては、現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っております。働き方に中立的な制度を構築する観点から、在職老齢年金制度の見直しにつきましても、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
 また、年金積立金の運用収益につきましては、長期的な年金財政の見通しの中で、保険料を抑制しつつ、将来の受給者の給付に活用されることとなっております。
 次期年金制度改正の検討に当たりましては、改正事項が年金財政に与える影響も踏まえつつ、適切に検討いたしてまいります。
 不動産価格の上昇など、物価高の対応等についてのお尋ねでございます。
 国交省の不動産価格指数によりますと、御指摘のように、東京都のマンションの不動産価格はこの十年で約一・九倍に上昇いたしております。
 賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現が重要であり、今回の経済対策におきましては、賃上げ環境の整備に向けて、現下の賃上げができますよう価格転嫁や省力化・デジタル化投資の促進、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化するなどの具体策を盛り込んだところであります。
 金融政策の具体的手法につきましては、日銀に委ねられるべきものと考えておりますので、政府としてコメントをすることは差し控えます。
 日銀には、引き続き、政府と緊密に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向け、適切な金融政策が、適切な金融政策運営が行われることを期待をいたしております。
 地方創生の交付金についてでありますが、御指摘の新型コロナウイルス対応の臨時交付金は、コロナという未曽有の事態に対応するため、自治体がきめ細やかに必要な事業を実施できますよう措置されたものと承知をいたしております。
 私が十年前に初代地方創生担当大臣として創設いたしました地方創生の交付金は、この臨時交付金とは全く別の制度でございまして、事業ごとに定量的なKPIを自治体が設定しPDCAサイクルを回す仕組みとなっております。今般創設いたします新たな交付金につきましても、同様の考え方の下で執行いたし、ばらまきは排してまいります。
 その上で、地方の人口減少や若者、女性の流出は、地方創生二・〇において重点的に取り組むべき課題であります。その実現は交付金のみでできるとは考えておりません。規制・制度改革も含め、様々な対応を講ずる必要がございます。
 地方創生二・〇を進めます上では、各地域における、産官学金労言と申しますが、それぞれのステークホルダーが、いま一度、若者や女性の方々に選ばれる地域とするにはどうすべきか、これを真剣に考え、地域自らが行動を起こすことが必要であります。
 その取組の一環として、例えて申し上げれば、地域間、男女間の賃金格差の是正、非正規雇用の正規化の推進、女性雇用のL字カーブの解消、男性の育児休業の推進、このような取組も効果的だと考えております。
 地方におきましてこうした取組を具体化していく中で、国としても、交付金のみならず、規制・制度改革も含め、効果的な環境整備を進めてまいります。
 地方の自主財源による事業の実施についてでございますが、私どもが進めようとしております地方創生二・〇は、それぞれが持てるポテンシャルがまだまだ眠っている地方の産業や文化、これらを支える人材の力を最大限に引き出し、日本全体を創生していくものを目指すものでございます。
 これまでの地方創生の成果と反省から学び、産官学金労言で英知を集め、各地方でこうした取組を進める中で、特に優れた取組につきましては、その普遍化、横展開とも申しますが、それが全国に広がってまいりますよう努めてまいりたいと考えております。
 もちろん、地方が自主財源でこうした取組を進めていくことが最も望ましいと、このようには考えておりますが、それが難しい場合、新たな交付金による支援も有効な手だてだと考えております。
 各省庁の縦割りやばらまき、御指摘の無駄も排するため、今後策定いたします基本的考え方も踏まえ、持続可能となる取組に交付金や規制・制度改革などの統合された施策を重点的に講じてまいることといたしております。
 経済対策の正当性、予算の正常化についてであります。
 我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあるということは何度も申し上げておるとおりでございます。今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指して策定をいたしたものであります。
 政府はこれまで、度重なる自然災害、コロナ禍、物価高などに対して講じてまいりました経済対策では、必要な施策を積み上げ、早期執行に努めてまいりました。
 令和四年度補正予算に関して会計検査院から指摘を受けましたことについては、厳粛かつ真摯に受け止め、改善に努めなければなりません。
 今後の経済財政運営に当たりましても、経済あっての財政との考え方の下、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
 米の需要拡大と輸出促進、先物市場の活用についてであります。
 我が国の食料安全保障を確保いたします上で、自給可能な米の需要拡大は特に重要な課題と考えております。
 今後とも、地球温暖化に対応し、高温耐性品種の開発、普及を進めるとともに、品質低下防止のための適切な追肥、肥料を追加すると書きますが、追肥の実施等の対応策の普及を図るほか、米粉製品の開発、製造施設の整備、食の簡便化に対応したパック御飯工場の整備等への支援を行ってまいります。米粉製品の開発につきましては、これはグルテンフリーの観点からも極めて意義があるものと考えております。
 米の輸出につきましては、近年順調に伸び、昨年は二〇一九年の二倍となる九十四億円に達しております。例えば、冷めてもおいしい日本産米のおにぎりが海外で大いに人気を博すなど、米の輸出は大きな可能性を有しております。
 先日の習近平国家主席との日中首脳会談におきまして、精米の輸出拡大も習主席に求めたところであります。極めて有望な市場であります中国向けの米の輸出拡大に向け、政府として積極的に取り組んでまいります。
 今後も、私自身の米の輸出に対する強い思いを関係者に共有していただきながら、官民一体となったオールジャパンでの需要開拓等の取組を進めてまいります。
 本年八月から開始されました米の先物取引につきましては、生産者や流通業者などに対し米の将来価格の動向を示すことにより、計画的な生産や販売を促す効果を期待いたしております。また、こうした効果が広く認識されることにより、先物取引が生産者や流通業者の経営ツールとして活用され、取引参加者の拡大を通じ、先物市場が活性化していくものと、かように考えております。
 企業の農業参入についてでありますが、本年度の法令改正により、農地を所有できる法人の出資者として、御指摘の食品事業者のほか、地方銀行等が主導するファンドを加え、法人が農地を保有しやすくいたしたところでございます。
 地域経済の振興に重要な役割を有する地方銀行は、地域農業の発展に寄与し得る存在であり、その主導するファンドの資金が有効に活用され、出資先の法人、ひいては地域農業の発展が促されることを期待いたしております。
 なお、農地リース方式によります企業の農地参入については、既に四千を超える参入が見られております。今後も、企業の農業参入を後押しをいたしたいと考えております。
 大阪・関西万博中における移動手段についてでありますが、万博期間中における来場者等の移動需要の高まりに対応するため、大阪府からは、日本版ライドシェアの府域全体での運行の実現等の御要望をいただいているというふうに承知をいたしております。大阪府からこのような御要望をいただいておるところでございます。
 日本版ライドシェアは、時間帯や地域によって一時的に増加する需要に対しまして、自家用車と一般ドライバーを活用することで柔軟に対応できる有効な手段と認識をいたしております。大阪府及び大阪市とは、バス、鉄道や日本版ライドシェア等も含め、万博期間中の移動の足が円滑に確保されるよう検討を深めておるところでございます。
 大阪府以外につきましても、骨太の方針に従い、日本版ライドシェア等の施策の実施効果を検証しつつ、全国での交通空白の解消を含め、移動の足の確保の取組を強力に進めてまいります。
 患者の皆様に医療情報を活用したより良い医療を提供するためには、医療機関等で必要な電子カルテ情報を共有できるようにすることが重要であります。
 このため、国が、小規模な医療機関でも導入しやすい標準型電子カルテを開発し、普及させてまいります。その際には、導入に当たっての医療機関の負担にも十分に配慮をしながら、スピード感を持って普及を進めてまいります。
 ロ朝軍事協力を含む安全保障環境への認識、それに対する対応についてでありますが、国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、国際社会におきましては分断と対立が進んでおるということは皆様方御認識のとおりでございます。
 我が国の周辺国・地域におきましても、核・ミサイル能力の強化、急速な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層顕著になっており、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を認識しておるということも、皆様方共有をしていただいていることかと存じます。
 また、議員御指摘のとおり、北朝鮮兵士によりますウクライナに対する戦闘への参加や、ロシアによる北朝鮮からの武器、弾薬の調達といったロ朝軍事協力も進展しております。こうした動きは、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものであります。
 こうした点を含め、厳しい安全保障上の現実を直視し、国家安全保障戦略等に基づき我が国の防衛力の抜本的強化を着実に進めますとともに、同盟国、同志国との連携を更に深めることで、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜いてまいる決意でございます。
 防衛力の抜本的強化に当たりましては、機動展開能力の強化等を通じ、我が国全体として隙のない防衛体制を構築してまいります。
 防衛力整備計画の見直しについてでありますが、防衛費全体のうち、例年八割から九割を占めます人件費や国内生産、調達、基地対策費などは為替の影響を直接受けるわけではございません。為替変動の影響を直接受ける有償軍事援助、FMS、FMSや一般輸入などは一割から二割、この辺りにとどまっておるものと認識をいたしております。
 防衛力整備計画の四十三兆円程度という規模は、防衛力の抜本的強化に必要な水準として積み上げたものであり、円安を伴う為替レートの変動や国内外の全般的な物価上昇が生じておる状況にありましても、一層の効率化、合理化を徹底し、現行の防衛力整備計画に基づいて、防衛力の抜本的強化を達成すべく努めてまいります。
 以上でございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 121615254X00420241204_007

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-04

院: 参議院

会議名: 本会議