石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 舟山康江議員にお答えを申し上げます。
 政治のあるべき姿、私の総裁選での主張についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 衆議院選挙におきまして、自由民主党は国民の皆様方から厳しい審判を頂戴をいたしました。この結果は我が党の姿勢に対する国民の皆様方からの叱責であると、謙虚に厳粛に受け止めておるところでございます。私に対します叱責でもあるというふうによく承知をいたしております。
 先般の選挙で示されました国民の皆様方のお声を踏まえて、衆参両院におきまして、自由民主党と公明党との連立を基盤に、他党にも丁寧に御意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるように、真摯に、そして謙虚に、国民の皆様方の安心と安全、日本国の独立と平和、これを守るべく取り組んでおるところでございます。
 総裁選で掲げました新しい地方創生本部の創設、防災庁の設置に向けた取組、自衛官の処遇改善等につきましては、既に十月の所信表明演説で方向性を示させていただき、現在、具体的な取組、検討を進めておるところでございます。
 そのほかの政策案につきましては、総裁選において掲げたものでございますが、引き続き真摯に検討を進め、結論を得たものから速やかに実施をいたしてまいります。
 在日米軍の駐留に伴う諸問題の解決及び日米地位協定の改正についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠であり、政府といたしまして、在日米軍施設・区域の返還や米軍の運用に伴う騒音等の諸課題について、地元の負担軽減に引き続き取り組んでまいります。
 日米地位協定につきましては、総裁選の過程等において私としての考え方を累次述べてまいりました。これまでにお示ししてまいりました問題意識も踏まえ、先般、私は、自由民主党の中で検討するように指示をいたしました。これを受けまして、十一月二十八日には自由民主党でアジアにおける安全保障のあり方特命委員会、この初回会合が開催され、議論が開始されたところであります。
 引き続き自由民主党におきまして議論を重ねていくものと承知をいたしておりますが、党における議論も踏まえつつ、日米同盟の抑止力、対処力を強化いたしますとともに、在日米軍の信頼性、同盟の強靱性、持続性を高めていくという観点から検討し、適切に判断をいたしたいと思っております。
 私どもは自由民主党でございます。自由で、そして民主的な政党でございます。総裁選で言ったことがそのまま実現するというような仕組みには相なっておりません。世界で見られるような専制独裁国家でもございません。総裁選挙におきまして申し上げましたことは、自由民主党の中で真剣かつ真摯に議論をし、そして成案を得ていく、これが我が党の在り方であると承知をいたしておるところでございます。
 いわゆる百三万円の壁及びガソリン税の暫定税率についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 今般の経済対策におきましては、自民党、公明党、国民民主党の三党間での合意を踏まえ、いわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正の中で議論し引き上げる、いわゆる暫定税率の廃止を含むガソリン減税につきましては、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る、これらに伴う諸課題に関しては、今後、検討を進め、その解決策について結論を得るとの記述を盛り込んだところでございます。
 経済や税収への影響など専門的な観点も含めまして、様々考えなければならない論点があるものと認識をいたしております。そうしたことも含めまして、今後、各党の税制調査会長間で更に議論を深めていただきたいと、このように考えております。
 人への投資についてお尋ねを頂戴しました。
 人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現するとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
 その際、例えば、こども未来戦略の加速化プランでは前例のない規模で子ども・子育て支援を強化しており、それを支える安定財源につきましても、徹底した歳出改革等を通じて確保することといたしております。
 教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。
 公教育の再生についてでございますが、御指摘のように、日本の公財政教育支出、公の、公財政教育支出の対GDP比はOECDの中では低い水準にございます。一方で、教育は子供一人一人に対するものであるとの観点から、在学者一人当たりで見れば対GDP比二一・八%となっておりまして、OECD平均の二二・三%と比べましてほとんど遜色ない水準にあると考えております。支出額につきましては様々な見方で比較する必要がある、このように考えております。
 教師が授業以外に割かなければならない時間が多いという御指摘があることはよく承知をいたしております。
 教師の業務の仕分を行いました学校・教師が担う業務に係る三分類に基づきます業務の更なる厳選、見直しや、標準を大きく上回る授業時間の見直し、校務DXの加速化を進めますとともに、学校の指導、運営体制の充実により教師の時間外在校等時間を削減していく必要があると、このように考えております。
 こうした教師の働き方改革や給与面を含みます処遇改善などを通じて、公教育の再生を進めてまいります。
 災害からの復旧復興に向けた支援の方針についてお尋ねをいただきました。
 お尋ねの支援パッケージは、相当大規模な災害が発生し、政府の非常災害対策本部が設置された場合などに迅速かつ強力に被災者の生活支援に取り組むため、各府省横断の被災者生活・生業再建支援チームを設置して取りまとめているものでございます。
 もっとも、このような規模に至らない災害であっても、政府といたしましては、被災状況や地元のニーズを踏まえつつ、必要な支援に努めておるところでございます。
 御指摘がございました個々の議員の発言については、詳細は承知をいたしておりません。政府としてコメントすることは差し控えます。一般論として申し上げれば、被災地のお困り事などをお伝えいただきます場合には、的確な支援策を判断する上で政府として貴重なものであるというふうに考えております。
 私も何度か閣僚を務めてまいりましたが、野党の皆様方の御意見を聞かないとか御陳情を聞かないとか、そういうことをやったことはございません。それは、その地域を代表される皆様方のお声は政府として謙虚に真摯に承るべきは当然のことであると、このように考えて今までやってまいったところでございます。
 他方で、このようなお声が直接届かない被災地というもの、そういうものも中にはあるのかもしれません。そういう場合には、政府として積極的にこちらから情報収集を行い、必要な支援を行うということは当然でございまして、これからもそのように努めてまいりたいと考えております。
 引き続き、各種の災害対応に当たりましては、御地元の自治体ともよく連携をしながら、被災地の状況をよく把握をし、的確な支援が講じられますように、政府として更に努めてまいる所存でございます。
 鉄道の災害復旧について鉄道愛好者としてどう思うかという観点も踏まえてでございますが、それはともかくとして、総理大臣としてお答えを申し上げます。
 鉄道につきましては、鉄道事業者が運賃収入を得て事業を行っているものでございますので、運賃収入を基本として整備、運営することを原則といたしております。御案内のとおりでございます。
 一方で、運賃収入が十分に得られない赤字ローカル路線につきましては、被災規模等に応じて災害復旧の補助対象の拡大や補助率のかさ上げなど、支援の充実に努めてきたところでございます。
 被災した鉄道の復旧につきましては、鉄道事業者と地域の関係者での議論が重要であり、国としても、そのありようを見ながら、その状況をよく見ながら、必要な支援を適切に行ってまいりたいと、このように考えております。
 私は、当選四回のときに衆議院の、当時は運輸委員会というのがございました、そこの運輸委員長を務めておりましたが、そのときにモーダルシフトというものについて議論をいたしました。それは新しい法律になって結実をしておるものでございます。
 それぞれ、鉄道であり、あるいは道路輸送であり、船舶であり、航空機であり、その持てる最適のものをどうやって組み合わせていくかという考え方は非常に必要であるということはよく認識をしておるところでございます。そこにおいて、鉄道の在り方というのはこれまでも十分議論をいたしてまいりました。今後ともよく考えてまいりたいと思っているところでございます。
 地域交通についてでありますが、地域交通は人口減少等による長期的な需要減に直面をいたしております。これは地方創生の基盤でございまして、公的主体を含む地域の多様な関係者が連携、協働して再構築を図っていく必要があると、このように考えております。このため、昨年度、ローカル鉄道の再構築に向けた地域の関係者の合意形成に国が積極的に関与をする仕組みを設けたところでございます。
 あわせまして、地域交通の再構築事業を社会資本整備総合交付金のメニューに加え、公共事業予算を活用できるようにいたしたところでございます。この交付金を含め、令和六年度では、大幅拡充した昨年度に続きまして、今般の補正予算を合わせて六百億円近い地域交通の予算を確保しておるところでございます。
 今後とも、制度、予算など、あらゆる政策ツールを総動員して地域の移動の足を確保してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
 河川改修についてでございますが、本年も東北地方の子吉川や最上川を始めとする各地で甚大な浸水被害が発生いたしました。
 激甚化、頻発化する豪雨に対処するため、五か年加速化対策により、堤防整備やしゅんせつなどの河川改修を緊急的に進めることに加え、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を進めており、着実に減災効果が発揮されているところでございます。
 今後、気候変動の影響により更に降雨量の増大が見込まれますことから、全国の水系ごとに河川整備の目標とする流量などの見直しを順次進めてまいります。
 農地の役割及び食料・農業・農村基本法の基本理念についてお尋ねがございました。
 議員御指摘のように、農地は大雨のときの貯水により洪水を防止する機能を有し、日本全国の水田で貯留できる水量は約五十億立方メートル、東京ドームにして約四千杯と試算をされており、各地域の災害の軽減に大きく寄与しているものと認識をいたしております。
 こうした機能以外にも、土砂崩壊防止機能、地下水涵養機能などの多面的機能を有する農地を保全していくことは、食料安全保障のみならず、国土保全などの観点からも極めて重要であると考えております。
 食料・農業・農村基本法の基本理念に追加された食料の合理的な価格の形成に関する規定は、需給事情及び品質評価が適切に反映されることを前提に、持続的な食料供給に要する合理的な費用が取引において考慮されるように定めたものでございます。
 したがいまして、この規定につきましては御指摘のような矛盾はないと、このように考えておるところでございます。
 農業の直接支払制度、改正食料・農業・農村基本法についてでございます。
 食料安全保障を確保いたしますため、農地を維持し、農業経営の安定を図ることを通じ、食料自給率、そして食料自給力を高めることは極めて重要であります。
 農業者への直接支払の在り方につきましては、今後、新たな食料・農業・農村基本計画の策定や令和九年度に向けた水田政策の在り方の検討の中で、舟山議員御指摘の点も含め、議論を深めてまいりたいと考えております。
 食料・農業・農村基本法に関しましては、食料安全保障の確保を始め農政の喫緊の課題に対応し、着実に実行に移していくことが重要であり、先ほど申し上げました新たな食料・農業・農村基本計画におきまして施策を体系的に整理し、効果的な実行に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 ガザ情勢についてであります。
 政府といたしまして、現下の中東情勢の緊迫の高まりを深刻に懸念をいたしております。
 私自身、地域における人道状況の悪化というものに本当に心を痛めておるところでございまして、超党派人道外交議連のメンバーの一人として活動をいたしてまいりました。多くの方々が共にこれに御参加をいただいたというふうに承知をいたしておりますし、現在も活動中でございます。
 国連安全保障理事会におきまして、我が国の外交努力にもかかわらず、御指摘のガザ情勢に関する決議案が否決されましたことは誠に残念なことでございました。我が国といたしましては、引き続き、国連を始めとする国際場裏を活用しつつ、関係国、国際機関とも緊密に連携し、事態の早期鎮静化と人道状況の改善に向けた取組を粘り強く、力強く行ってまいりたいと考えておるところでございます。
 ICCがイスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状を発付した件につきましては、我が国としては、ICCの独立性を尊重してきており、また、本件がガザ情勢にいかなる影響を与えるかという観点も含め、引き続き関連の動向を重大な関心を持って注視をいたしてまいります。
 UNRWAはパレスチナ難民支援に不可欠な役割を果たしており、我が国として、今般イスラエル議会で可決されたUNRWAの活動を大幅に制限する法案を深刻に懸念をいたしておるところでございます。UNRWAがその他の国際機関による人道、失礼、UNRWAやその他の国際機関による人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されますよう、イスラエル政府への働きかけを含む外交努力を引き続き積極的に行ってまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣伊東良孝君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-04

院: 参議院

会議名: 本会議