古川俊治の発言 (本会議)
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○古川俊治君 自由民主党の古川俊治です。
会派を代表して、令和六年度補正予算に係る財政演説に対して質問いたします。
安倍、菅、岸田政権の下、名目GDPは、二〇〇九年の四百九十五兆円から、今年は六百十兆円を超えるところまでになりました。成長の基盤となる設備投資額も昨年百兆円に達し、賃上げも今年の春闘では五%を超え、三十三年ぶりの高水準の賃上げとなりました。雇用の状況も、二〇〇九年には〇・五に届かなかった有効求人倍率は二〇二三年には一・三に、失業率も五・一%から二・六%と、大きく改善されています。
こうした数字を見れば、コストカット型経済から高付加価値創出型経済への移行は実現間近とも思えます。
ただ、本年七月から九月までの四半期を見ると、実質GDPは、前期比の年率換算値でプラスにはなりましたが、一・二%増にとどまっており、その前の四半期の二・二%からは低下しています。また、七月から九月期は、一人当たり四万円の定額減税の効果により、可処分所得が増加し、個人消費にはプラスの方向に働いていることを考慮すれば、この先の経済状況は楽観できません。
この点から、今回、石破総理が一日も早い経済対策の策定と補正予算案の編成を打ち出したことは時機を得たものだと考えます。
ただ、今回の補正予算が、規模から見てデフレ経済からの脱却を下支えするレベルのものなのか、あるいは成長型経済への移行へのスピードを加速させることを目的としているのか、そして、そのために十分なものとなっているのか、国民の皆様に説明し、政権の覚悟を示すことが必要だと考えます。
そこで、石破総理には、今回の経済対策と補正予算案により目指す経済効果を国民の皆様に分かりやすく述べていただきたくお願い申し上げます。
賃金と消費が持続的に増えていく経済の好循環を成し遂げるためには、物価上昇により消費が冷え込まないように、適宜、機動的に減税や給付を講じていくことは重要です。しかし、より大切なことは、賃金上昇の原資となる経済成長の果実が育ち続ける環境を整えていくことです。
そのためには、半導体や創薬など成長分野となる産業への集中的な投資や、我が国の経済成長を土台となって支えている中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた設備投資、あるいは労働者の技術、技能等の向上につながるリスキリング等により我が国の産業の稼ぐ力を強化していかなければなりません。
そこで、総理には、日本経済の高い全要素生産性の実現と、物価高に負けない持続的な賃上げを成し遂げるための投資戦略についてお伺いいたします。
石破総理が初代地方創生大臣に就任し、東京圏への転入超過の解消などの目標を掲げた総合戦略が策定されたのが二〇一四年でありましたが、残念ながら、人口集中の流れは止まっていません。
新型コロナウイルス感染症の蔓延期には東京圏の転入超過数が減少したものの、コロナ禍が収まり、社会経済活動が回復すると、再び人口の流入傾向が強まっています。東京圏の出生率が全国最小となっていることから、この傾向が続くと、もはや国難ともいうべき少子化がますます深刻化する懸念もあります。
また、地方の衰退が進めば、東京圏の経済も危うくなりかねません。大都市圏に食料を供給し続けてきた農業では、基幹的農業従事者は、二〇〇〇年には二百四十万人でしたが、二〇二〇年は百三十六万人と、半分近くにまで減っています。
既に、我が国を未来に残すためにどのように地方創生を成し遂げていかなければならないのか、政府が総力を結集し、国を挙げて取り組まなければならない時期に来ていると考えます。
総理が初代担当大臣を務めた後も様々な政策を講じたものの、東京一極集中の流れが変わらなかった要因はどこにあるとお考えでしょうか。その上で、地方創生のための交付金の倍増で解決できるとお考えでしょうか。石破総理のお考えをお聞かせください。
石破総理は、自民党総裁選でも、自然災害への備えに万全を期すために、発災時に、快適なトイレ、プライバシーを守るパーティション、簡易ベッド、温かい食事の速やかな提供や暖冷房等の避難所環境の抜本的改善に取り組むと訴えてきたところですが、今回の経済対策や補正予算案では、その実現のために必要な資機材の備蓄の推進やキッチンカー、トレーラーハウス、トイレカー等の登録制度の創設を盛り込みました。
被災し、前途を悲観しがちな被災地の皆様方に必ず支援をしていくという強い意志を示す上でも、避難所環境の抜本的な改善は極めて大切であり、是非とも実現しなければならないと考えます。
ただ、資機材の備蓄等を行うにしても、最も大切で難しいのは、被災地への迅速な搬入とそれを行う人材の確保ではないかと思います。自然災害の発生により混乱している被災地において、関係機関と協力しながら避難所の環境改善のための資機材等のロジスティクスを展開していく体制の整備を総理はどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
持続的な賃上げの実現に向けた政策と並んで大切なのは、成長型経済に移行していく中で取り残され、足下の物価高に苦しむ人がいないようにすることです。
そのために、政府は、今回の経済対策と補正予算案の中に低所得者向けの給付金を盛り込んでいますが、最近の調査によると、日本ではエンゲル係数が上昇傾向にある中で、世帯人数が増えると特に高くなっています。
そこで、今回、政府においては、子供の数に応じて一人当たり二万円を追加していますが、給付を受けない低所得者以外の子育て世帯からはその給付対象範囲に疑問の声も聞こえます。
石破総理から、今年度に行われた定額減税と今回の非課税世帯への給付金とが異なる対応となっている理由について、分かりやすく御教示いただきたいと存じます。
今回の経済対策と補正予算案では、燃料油補助金の継続に加え、本年十一月に期限が来た電力・ガス価格の激変緩和措置を来年一月に再開し、三月まで実施することとしました。さらに、今回も重点支援地方交付金が追加されていますが、物価高で困難のある事業者や生活者の実情に応じた対応が可能なことから、地方からの需要が非常に高くなっています。
そこで、今回の重点支援地方交付金の計上額について、その背景と理由を加藤財務大臣にお伺いいたします。
今回の物価上昇局面で明らかになったことは、原子力発電所の再稼働が進まない中で、我が国は海外へのエネルギー依存度が高く、安全保障環境の急変等によりエネルギー価格が高騰した場合、経済や生活への影響が大きくなりがちになっていることです。
このため、原子力発電については、安全性を最優先に、再稼働や次世代革新炉の開発、建築に向けた取組、再処理や最終処分を含むバックエンド事業の加速化等を推進することが欠かせません。また、主要原料のヨウ素が千葉県で産出されるなど、経済安全保障上の利点を有するペロブスカイト太陽電池に加え、海上風力発電や地熱発電、中小水力発電などの事業化の促進、あわせて、建物の断熱性向上や工場、事業所、住宅、建築物における設備の省エネ化の加速も大切です。
そこで、今回の補正予算では、我が国のエネルギーコストへの耐性を強化するためにどのように政策を講じていくのでしょうか。総理にお伺いいたします。
最近、闇バイトと称され、SNSなどで募集され、それに応じて集められた若者が複数で住宅に不法に押し入り、住人に暴行、傷害を与えて金品等を奪うという強盗事件が相次いで発生しています。実行役は捕まっても、秘匿性の高い通信アプリを駆使していることから指示役はなかなか捕まらず、全容が分かっておりません。
治安の悪化はもちろん、安易に犯罪行為に加担した人の人生を台なしにしかねない悪質な行為であることから、徹底的な捜査とともに、闇バイトに応じることは犯罪だという広報や教育も必要だと考えます。
デジタル化の進展とともに発生する新たな犯罪への法的な対策に関する検討、そして犯罪に対応できる捜査方法や防犯体制の強化、さらには闇バイトの加害者になりやすい層への教育や広報等についてどのように進めていくつもりでしょうか。総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕