石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 古川俊治議員の御質問にお答えを申し上げます。
 経済対策と補正予算案により目指す経済効果についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 我が国経済は、コストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうか、まさしくその分岐点にあると考えておるものでございます。
 したがいまして、今回の経済対策、補正予算は、この移行を確実なものとすることを目指して必要な施策を積み上げたものと考えております。
 具体的には、現下の賃上げができますよう、価格転嫁、省力化・デジタル投資を促進するとともに、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化する施策を盛り込んでおります。
 さらには、能登地域の一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速するための対応を始め、国民の安心、安全の確保に万全を期すための施策も盛り込んでおります。
 今回の経済対策では、実質GDP換算額二十一兆円程度、年成長率換算一・二%程度のGDP押し上げ効果があるとの試算をお示しをいたしておるところでございます。
 政府といたしましては、今回の経済対策の裏付けとなる補正予算の早期成立をお願いし、図りますとともに、その成立後には、盛り込まれた施策をできるだけ速やかに実行し、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を実現してまいりたいと考えておるところでございます。
 日本経済の高い生産性の実現と持続的な賃上げを成し遂げるための投資戦略についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 内閣におきましては、安定的な物価上昇の下で、それを上回る賃金上昇が安定的に実現する経済を目指しております。すなわち、賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇し、それが企業の売上げ、業績につながり、新たな投資を呼び込み、企業の成長や更なる賃金上昇につながるという、このような好循環が実現をいたします賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指しておるところでございます。
 そのような投資戦略として、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけますよう、円滑かつ迅速な価格転嫁に加えまして、生産性向上のための省力化・デジタル化投資の促進や経営基盤の強化、成長のための支援、リスキリングを含みます人への投資などに取り組みます。
 将来も継続的に所得が増加する手だてを講じておくことも重要でありまして、DXを切り口として、日本の潜在的な強みでありますAI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン、GXなど、今後成長が期待される分野を中心に企業の予見可能性を高めつつ、戦略的かつ重点的な官民連携投資を進めてまいります。こうした取組を通じまして、御指摘のように全要素生産性の向上を図ってまいります。
 ようやく三十年ぶり、約三十年ぶりの高い水準の賃上げと過去最大規模の投資が実現をし、明るい兆しが現れております。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営、経済への転換を進め、我が国を、世界をリードするイノベーションが常に生み出される豊かな国としてまいりたいと考えております。
 これまでの地方創生に向けた取組についてであります。
 東京一極集中の流れが変わらなかった主な要因は、進学や就職を契機として、十代後半及び二十代、十八歳から二十二歳というのが一つの山と考えておりますが、十代後半及び二十代の若い方の転入超過、東京への転入超過が続いていることであると、このように考えております。
 このため、地方の人口減少や若者、女性の流出は、私どもが進めております地方創生二・〇におきまして重点的に取り組むべき課題であります。その実現は、交付金のみでできるとは考えておりません。規制・制度改革も含め、あらゆる対応を講ずる必要があると考えております。
 地方創生二・〇を進めます上では、各地域において、産業界、学校、役所、金融界、労働者、言論、産官学金労言と申しますが、そのステークホルダーが、いま一度若者や女性にも選ばれる地域となるにはどうすべきかなどを真剣に考え、地域自らが行動を起こしていただくことが必要であると考えておるところでございます。
 会議を一回開いておしまいとか、御意見を聞きました、それでおしまいとか、そういうお話にはなりませんで、それぞれの地域におきますステークホルダーの皆様方がそれぞれのいろいろなデータをきちんと分析をした上で、人、物、金がどこへ入り、どこへ出ていくか等々を詳細に分析をしていただくという以外に地域の解の見出し方はないと私は考えておるところでございます。
 今までの地方創生も本当に全力で取り組んでまいりましたが、私自身の反省といたしまして、そのような取組にもう少し力を入れる必要があるのではないかというふうな反省を私は持っておるところでございます。
 その取組の一環といたしまして、例えば、地域間、男女間の賃金格差の是正。それぞれの地域におきまして男女間の賃金格差、それはかなりのものがございます。あるいは、地域間におきましても賃金格差はございます。非正規雇用の正規化の推進も重要であります。今日の御議論にも随分ございましたが、女性雇用のL字カーブというものを解消しなければなりません。そして、男性の皆様方の育児休業の推進、かなり飛躍的に高まってまいりましたが、まだまだ十分であるとは考えておりません。男性の方々の育児休業の推進、このような取組も極めて効果的だというふうに考えておるところでございます。
 地方においてこのような取組を具体化していく中で、国といたしましても、交付金のみならず、規制・制度改革も含め、効果的な環境整備を進めてまいりたいと、このように考えております。
 委員御指摘のように、予算を倍にしましたというだけで十分だとは全く思っておりません。これをどのようにお使いいただくか、その地域において最もふさわしい政策はその地域に考えていただくことが必要だというふうに考えておりますので、是非ともまた御指導を賜りたいと思っております。
 この国の在り方、文化、教育、社会、こういうものを変革する大きな流れをつくり出してまいりたいと思っておりまして、時代を変え、歴史を変えるのは地方であると、もちろん東京も地方の一つだというふうな認識は持っておりますが、そういうような思いの下でやってまいりたいと考えております。
 避難所環境の抜本的な改善についてでございます。
 我が国は世界有数の災害発生国でございますが、いかなる地域で災害が発生したといたしましても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということがあってはなりません。それは、地理的に不利であるとか財政的に厳しいとか、そういうことによって左右されるべきだと私は全く思っておりません。
 発災後、不安にさいなまれておられます被災者の方々に対し、委員御指摘のように、避難所で温かい食事、清潔なトイレ、安眠できるベッド、プライバシーを確保するためのパーテーション、これらを速やかに提供することが大切であります。
 今般の補正予算におきましては、避難所の生活環境の改善に資する先進的な取組を支援するための新地方創生交付金の予算を計上し、自治体レベルでの備蓄の取組を強化することといたしております。
 また、被災地のニーズに応じた迅速な支援を実現すべく、全国のキッチンカー、トイレカー、これらを登録するデータベースの整備も進めることといたしております。
 さらに、国によります全国各地への迅速かつ確実な物資のプッシュ型支援を可能とするため、現在の立川防災合同庁舎に加えまして、新たに全国七か所において分散備蓄を進めることといたします。
 発災時は、備蓄拠点などにあります支援物資を被災地の最前線に速やかに送り届けることも極めて重要でございます。平時から自治体と物流事業者との間で災害時応援協定の締結を促進いたしますとともに、緊急時には国がプッシュ型で物流事業者による支援を行う、いわゆるロジスティックスの強化というものは極めて重要なのは委員御指摘のとおりでございます。
 被災地を支援する人材を迅速に、かつ持続的に確保することも重要であり、広域で被害をもたらす大規模災害も見据え、全国の自治体間での相互支援の枠組みの充実、災害ボランティアとして活動する支援団体の事前登録制度の創設、全国の自治体における受援計画の作成、訓練などにも取り組んでまいります。
 低所得世帯向けの給付金についてでございますが、昨年度の経済対策におきまして、特に物価高の影響を受ける低所得の方々に迅速に支援をお届けしますため、住民税非課税世帯を対象とした給付を措置いたしました。現在も物価高が継続しておることを踏まえまして、今般の経済対策におきましても、住民税非課税世帯を対象とした給付を引き続き措置することといたしております。
 一方、定額減税は、賃金上昇が物価高に追い付いていない初期の時点で、一時的措置として全ての世帯に可処分所得を直接的に下支えし、まず物価上昇を上回る所得の増加を確実に実現することで物価上昇を上回る賃金上昇の定着につなげる目的で講じたものでございます。
 賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を目指す段階に進む中、全ての世帯を対象とした一時的な措置よりも、賃上げの恩恵を受けにくい方々に絞って速やかに支援措置を講じることが賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものとするために効果的と判断いたしましたため、今般の経済対策に定額減税は盛り込んでおらないところでございます。
 今回の補正予算案におきます我が国のエネルギーコストへの耐性を、耐えるという字を書きますが、耐性を強化するための政策についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 今回の補正予算案では、特に緊急性が高い事業者の省エネ設備への更新を支援するとともに、中小企業に専門家が助言する省エネ診断を実施するための予算を約六百三十億円計上しておりますほか、高水準の省エネ性能を有する住宅の新築への支援を行いますとともに、高効率給湯器の導入、断熱窓への改修などを後押しするための予算を約四千二百億円計上いたしております。また、再生可能エネルギーの導入拡大にもつながる、御家庭や産業用の蓄電池の導入支援などに約百三十億円を計上しております。
 このような省エネルギーの徹底に加え、御指摘のペロブスカイト太陽電池や洋上風力、地熱発電、中小水力発電などの再生可能エネルギーの拡大を規制、支援、一体で進めてまいります。あわせまして、安全性の確保を大前提とした原子力発電の利活用も進めてまいります。
 AI時代の電力需要の増加が見込まれる中、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGXの取組を加速させ、日本経済をエネルギー制約から守り抜いてまいります。
 いわゆる闇バイトの対策についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 いわゆる闇バイトによる強盗などは、他者への慈しみや堅実な努力といった日本社会の中で大切にされてまいりました価値観、道徳観を揺るがしかねないものであり、断じて許すべからざるものであると考えております。
 警察による捜査を徹底いたしますとともに、自民党での議論も踏まえ、仮装身分捜査を含む新たな捜査手法などにつきましても検討を進めてまいります。また、AI技術も活用したサイバーパトロールと、犯罪実行役を勧誘する情報のインターネット上からの削除などにも取り組んでまいります。
 犯罪に加担する可能性がある者に対して、警察に相談に来てくれれば必ず保護するなどの呼びかけを始めて以来、十一月末までの約一か月半の間に、警察で百二十五件の相談について関係者を保護いたしました。
 私自身も、闇バイトは犯罪であると、ホワイト案件なんぞというものは極めて危ないと、このようなことを動画により周知をいたしましたが、引き続き、警察、学校、地域の防犯団体などの緊密な連携を維持しながら、青少年などをアルバイト感覚で犯罪に加担させないための教育、広報を徹底的に進めてまいります。
 このほか、先般取りまとめました経済対策にも盛り込んでおりますとおり、防犯カメラの設置、青パトの整備など、町ぐるみの防犯対策の支援も推進するなど、国民を守るための闇バイトへの対策に総合的に取り組んでまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-09

院: 参議院

会議名: 本会議