上田勇の発言 (本会議)
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○上田勇君 公明党の上田勇です。
会派を代表して、令和六年度補正予算について質問します。
この補正予算は、十一月二十二日に閣議決定された国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策のうち、早急に実行すべき施策について必要な経費を計上したものです。総合経済対策の策定に当たっては、与党から広く協議を呼びかけ、御意見を真摯に傾聴し、合意を形成することに努めてまいりました。今後、来年度予算始め重要法案が審議されますが、可能な限り幅広い合意形成に努めていくべきであり、公明党としても積極的な役割を果たしていきたいと考えています。
今後の政策決定のプロセスにおける合意形成の在り方について、石破総理に基本姿勢をお伺いいたします。
本補正予算には、能登地域等の災害からの復旧復興に要する経費が六千六百七十七億円計上されています。一月に発生した能登半島地域地震では、甚大な被害が発生をいたしました。犠牲となられた方々の御冥福を御祈念申し上げるとともに、今なお極めて厳しい状況に置かれている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
公明党では、発災直後から、石川県本部を中心に、県・市町議会議員が被災自治体や住民の皆様からきめ細かく様々な課題や御要望を伺い、国会議員とも連携しながら支援に取り組んでまいりました。私も数回にわたり被災地に赴き、現地調査を行ってきました。インフラ等の復旧復興は着実に進んではいるものの、住宅やなりわいの復興が遅れている事実は否めません。政府として復旧復興の一層の加速化に全力を挙げていかなければなりません。
令和六年度当初予算では、発災後、緊急に一般予備費五千億円を積み増ししました。それを活用することによって、被災者の支援、復旧復興事業に必要な費用は手当てできてきたと理解しています。
今回、本補正予算に復旧復興費を計上したことによって予備費は十分残っており、今後もし大規模な災害が発生したとしても、それに対応することに支障はないものと考えています。総理の御所見をお伺いいたします。
石川県、富山県などの広範な地域で地盤の液状化による甚大な被害が発生をしました。現地に行くと、至る所で地盤に亀裂が入り、道路がたわみ、家屋が倒壊をしていて、その光景に衝撃を受けざるを得ません。被災地の液状化被害の早期復旧が必要であります。
また、全国の広い地域でも、もし大地震が発生した場合には、液状化被害のリスクが高いのではないかと危惧しています。早急にリスクの高い地域の実態把握と防止対策に取り組んでいく必要があると考えますが、国土交通大臣に御所見をお伺いいたします。
我が国の経済の現状を見ると、賃金、所得は着実に伸びてはいるものの、物価の上昇にまだ追い付いておりません。総合経済対策には、賃金、所得が力強く増加していく状況が定着していくまでの間、家計を温め、生活者が豊かさを実感できるよう、幅広い方策を検討することも必要と書かれております。これは、十一月七日に公明党から石破総理に申し出た提言に盛り込んだ内容と趣旨を同じくするものであります。
本補正予算では、低所得世帯に対する給付のための経費が計上されており、食品やエネルギー価格が大幅に上昇している中で必要な措置であり、これは緊急に実施すべきものであります。
しかしながら、それよりは所得が多い中間所得層でも物価上昇によって家計が苦しくなっている、そういう強い声を耳にいたします。賃金、所得の伸びが物価上昇を安定的に上回るまでの間、中間所得世帯を含む家計を支援し、それによって消費を喚起させていく様々な政策について今後検討することを提案いたしますが、石破総理のお考えをお伺いいたします。
総合経済対策には、いわゆる百三万円の壁について引き上げる方針が明記されています。これまでも政府・与党でも、税制や社会保障制度における収入の壁が仕事を控える原因になっている、そういう認識を持ってきました。所得税の控除制度の見直しなど、弊害を取り除き、緩和する施策を順次実施し、税制という面ではもはや壁はなくなっているものと理解をしています。
しかしながら、まだそうした取組が不十分であるという多くの意見があることも事実であります。また、社会保障制度については、昨年、年収の壁・支援強化パッケージを決定しましたが、十分には活用されていないのが実情であります。こうした諸課題について速やかに検討を行い、できるところから制度の見直しを実施すべきであります。
さらに、税制や社会保障制度で就労抑制の要因となっているものについて継続的に検討を行い、改善していくべきであると考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
現在、動き始めました賃上げの流れを広げていくためには、中小企業・小規模事業者が賃上げできる環境を整えていくことが不可欠であります。そのためには、中小企業等の生産性向上などの経営を支援していくほか、資材費、燃料費、労務費によるコスト増加分を適正に価格に転嫁していく必要があります。公正取引委員会や中小企業庁ではこれまで取引実態の調査、価格転嫁を進めるための要請等を行ってきたところであります。
先日公表されました価格交渉促進月間フォローアップ調査結果を見てみますと、着実に前進はしているものの、依然として課題は多く残されているというふうに受け止めています。現状についてどのように御評価されているのでしょうか。
また、価格転嫁を始め適正な取引条件を実現していくためには、政府と民間が協力して粘り強く取り組んでいく必要があると考えます。今後の方針について総理にお伺いをいたします。
本補正予算には、鉱物サプライチェーン多角化、安定化のための事業費が計上されています。デジタルトランスフォーメーションを推進していく上で不可欠な銅に対する世界的な需要が増加をしており、価格や供給の安定について先行き不安が高まっています。また、そのほかにも、重要なレアメタル、レアアースの供給国が著しく偏っている、そうしたものも多く、日本の産業にとって致命的なリスクになりかねません。
将来にわたる経済成長に必要な鉱物等の安定供給についての基本方針を総理に質問いたします。
医療、介護、障害者福祉の現場では、多くの方々が低い賃金と人手不足といった厳しい労働環境の中で懸命に仕事に取り組んでいます。賃上げを始めとする処遇改善は待ったなしであります。
本補正予算では、生産性向上、職場環境改善等支援のための予算が計上されています。現場の従事者の賃上げや処遇改善に最優先で充てるべきだというふうに考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
物価高によって家計が圧迫されている生活者を支援するため、本補正予算には、ガソリン等燃料油価格の激変緩和対策事業に必要な経費が計上されています。また、一月から三月の冬の間、電気代、ガス代に対する助成を継続するための予算も計上されています。エネルギー価格が依然として高い現在、重要な施策であると考えています。そのほかにも、これまでは、LPガスを利用している家庭、特別高圧電気を利用している事業者、燃料高に苦しんでいる農林漁業者等への助成を実施してきましたが、こうした負担軽減策を継続も必要だと考えます。どのように対応されるのか、総理のお考えをお伺いいたします。
現在、日本は、長く続いてきた経済の停滞を克服をし、新たな成長型経済に移行していくチャンスであり、その重大な局面に立っています。その成否の鍵は、何といっても賃金、所得の安定的な上昇にほかなりません。人材や産業への積極的な投資を促進し、成長と分配の好循環を実現していくときであります。
本補正予算を早期に成立させ、この中に盛り込まれている施策を迅速、確実に実行していく必要性をお訴えし、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕