藤巻健史の発言 (本会議)

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○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。会派を代表して質問いたします。
 財政法二十九条では、補正予算は「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」に限り認めるとなっています。日本維新の会は、毎年、国の歳出は本予算策定時に十分熟議した上で決定するべきものであり、補正予算は緊要の支出に限るとの財政法どおりの指摘をしています。
 しかしながら、毎年、十分な熟議がなされず安易に大きな補正予算が組まれ、それは当然との風潮さえ感じます。ただでさえ心もとない財政規律がないがしろにされているとの危惧も覚えます。
 以下、全て総理に対して質問いたします。
 総理は、総理就任時の十月四日の所信表明演説で、デフレ脱却を最優先に実現すると演説されました。その舌の根も乾かないうちに、補正予算に真逆の物価高対策を組み入れました。短期間に緊要の対策が必要になるほどに物価情勢が激変したのでしょうか、お答えください。
 日銀も、三月に方向転換をしたとはいうものの、大恐慌時かと思われるほどの金融緩和を継続しています。インフレ対策が政府が考えるほどに緊要ならば金融政策の急転換が必要なはずなのに、その気配は感じられません。
 今はインフレなのかデフレなのか、明確なお答えをお願いいたします。
 物価対策は緊要な支出に相当するとは言えず、国民への単なる人気取り政策とも思えてしまうのですが、いかがでしょうか。
 さらには、十一月二十九日の日本経済新聞によると、経済学者四十七人のうち七七%もが電気・ガス補助は不適切と答えたそうです。
 補助金支出を行うと、現状の財政状況では国債を増発せざるを得ません。民間が発行国債を吸収できれば問題ありませんが、現状のように日銀が購入を余儀なくされるのであればお金のばらまきにつながり、お金の価値の希薄化、すなわちインフレを加速してしまいます。それでも電気・ガス補助やガソリン補助金の継続が今緊要に必要と考える事由をお答えください。
 十一月二十九日の総理の所信表明にありましたように、日本のGDPは、三十年前は世界全体の一八%だったのに対し、二〇二三年では四%にまで落ち込んでいます。他国に比べてGDPが伸びていないからです。
 日本を含むG7の国々、並びに中国のGDPがこの四十年間でそれぞれ何倍になったのか、名目、自国通貨ベースでお答え願います。日本はG20の国の中でこの四十年間で何番目の成長をしたのでしょうか。
 この優秀で、勤勉で、頭の良い国民から成る日本の経済成長が世界のびりに近い成長、低成長だとしたら、それは枝葉の問題ではなく、抜本的な問題があるに違いありません。本補正予算の日本経済、地方経済の成長に対する五・八兆円もの支出が緊要であり、かつ世界断トツのびり成長に対する抜本的な解決策であるとの確信がおありでしょうか。お答えください。
 政府が前面に出て経済を主導していくとの社会主義的な経済運営ではなく、日本維新の会の主張である、小さな行政機構で規制を緩和し、民間ができることは民間に任せる政策こそが、減税にもつながり、かつ日本再生の道ではないでしょうか。お答えを、お考えをお願いいたします。
 他国では平時に向かって財政健全化にかじを切っているにもかかわらず、日本だけは十三兆九千四百三十三億円もの大型補正予算で累積赤字を増やそうとしています。
 財務省の今年十月の資料によりますと、二〇二二年の債務残高の対GDP比は百七十八か国中百七十八位、断トツで世界最悪であり、二五七・二%の数字が出ています。日本に次ぐ百七十七位の最悪国は、しばしば財政破綻危機が話題になるギリシャの一七九・五%です。
 昭和二十一年には、悪性インフレ対策として預金封鎖と新券発行が行われました。当時の債務残高の対GDP比は現在の二五七・二%より高いのですか、それとも低いのですか。お答えください。
 これらの事実があっても、財政健全化に逆行する本大型補正予算が、今、日本に絶対に、そして緊要に必要だとお考えなのでしょうか。御意見をお聞かせください。
 次に、今後検討される百三万円の壁についてお聞きします。
 働き止めをなくす制度改革はとても重要です。また、国民の手取りをあまねく増やし、消費を喚起するため、税負担を減らすことも同様に重要です。
 一方で、壁を引き上げる際には、財源の議論が付きまといます。私は、足下の国の財政状況を考えると、減税により、結果として税収が増えるべきだと考えます。日本の財政に体力がない中、減税を行うことで、後に国民が強烈なしっぺ返しを食わないようにしなければなりません。
 二〇一八年、日本有数の財政学者で一橋大学学長、政府税調会長をお務めになられた故石弘光先生がお亡くなりになる直前のインタビューで以下のように述べられています。日本の政治家は歳出カットでは選挙に立ち向かえないけれど、ドイツではできるんですよね、くだらない歳出は財政赤字が増えてインフレになると思うからね。このコメントに関しての総理の御感想をお聞かせ願います。
 なお、日本維新の会は、減税を主張するときは、いつも財源を明示しています。
 百三万円の壁を百七十八万円まで引き上げると、年間の所得税収と地方税収はどのくらいに減るのかをお答え願います。
 一方、この減税政策の結果、個人消費等で最終的に税収増が期待できるのか。できるのならばどのくらいなのかもお答えください。
 補正予算では、六兆六千九百億もの国債発行が予想されています。さらには、今後、百三万円の壁が移行すれば、更なる国債発行が予想されます。
 日銀が国債買いオペ減額を公言しており、国債の需要が減少するときに国債の供給が増えても、長期金利は急騰しませんか。総理のお考えをお聞かせ願います。
 また、公言している国債買いオペ減額ではなく、逆に国債買いオペ増額を日銀が余儀なくされれば、円暴落の危機の可能性もあると思われますが、石破総理はその種の懸念はお持ちではないのでしょうか。お聞かせ願います。
 安倍首相、岸田首相、そして石破首相も、経済あっての財政と常套句のごとく使われています。第一次安倍内閣が発足した二〇〇六年から現在、GDPはどのくらい伸びましたか。また、二〇〇六年からの対GDP比の財政赤字は何%で、今は何%なのでしょうか。
 もし、GDPが伸びているにもかかわらず、GDP比の財政赤字が改善されていないのなら、経済再生しても、再建しても財政再建なしであり、この常套句は財政再建をないがしろにするためのカモフラージュになったことになります。財政再建を経済再生のみに委ねることなく、もっと積極的に財政再建に取り組まなければならないのではないでしょうか。御意見をお聞かせください。
 十一月三十日の日本経済新聞は次のような文章を掲載しています。十月の衆議院選では、消費税や所得税の大幅減税を掲げた少数野党が大きく議席を伸ばした、勇ましい掛け声で有権者を鼓舞する政治スタイルがもてはやされ、財政危機や資本逃避のようなテールリスク、これは確率は低いけれども起これば甚大なることが起こるリスクなんですけれども、これは極端に軽視される傾向がある、テールリスクは極端に軽視される傾向があると書かれているわけです。
 石破首相は、財政危機や資本逃避等のテールリスク、ブラックスワンとも言われていいと思いますが、は、これは現状考える必要がないとお考えでしょうか。また、現在では財政危機や資本逃避は単なるテールリスクにすぎないとお考えでしょうか。お答えください。
 二年前の二〇二二年十月のトラス首相が在任一か月半という異例のスピードで辞任に追い込まれました。看板政策として掲げた大型減税や光熱費の高騰に対する大規模な支援策が金融市場の反乱を引き起こしたからです。英国通貨ポンド、英国株、英国長期国債のトリプル安が起こりました。
 財政事情は英国よりも非常に格段に悪い日本、日銀が英国中央銀行より通貨を格段にばらまいている日本で同じことが起こらないと総理は断言できますか。もし起これば、悪性インフレになり、国民が塗炭の苦しみを味わうことになる可能性があると思うからこそ、質問いたします。
 日本は、四十年間で世界断トツのびり成長、財政赤字も対GDP比で世界断トツで最悪状態、中央銀行も対GDP比で世界最大規模でお金をばらまいている現状、危機感を持って当然と思う惨状ですが、それらを踏まえてもこの補正予算が必要なのでしょうか。明確にお答えください。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 藤巻健史

speaker_id: 32307

日付: 2024-12-09

院: 参議院

会議名: 本会議