石破茂の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(石破茂君) 井上哲士議員の御質問にお答えを申し上げます。
能登の現状についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
災害を防ぐことはできないが、その後に起こることは全て人災であるというのは、阪神・淡路大震災のときに後藤田正晴先生がおっしゃっておられたことでございます。私、よくそれを覚えております。早く元の生活に戻りたい、ふるさとに帰りたいと切に願っておられます被災者の思いを十分に受け止めなければなりません。政府といたしまして、活気ある能登を取り戻すための努力を続けてまいりたいと思いますし、この言葉、私自身よくかみしめて対応いたしてまいらねばならないと思っております。
これまで合計七千百五十億円の予備費を活用して、県と被災市町と緊密に連携をし、被災者の方々の避難支援、インフラ復旧、生活、なりわい再建支援、住まいの確保、公費解体の加速化など、切れ目なく取り組んでまいったところでございます。
今回の補正予算案では、豪雨により再び被災された方々も含め、状況に応じて切れ目ない対応を迅速に行うため、被災地の要望も伺いながら、例えば、災害公営住宅の整備への支援拡充、農地の復旧や、宅地、農地などにまたがって堆積した土砂、瓦れきの一括撤去、豪雨の被災者にも地震と同様の雇用調整助成金の特例の創設、住宅再建支援、なりわい再建支援、公費解体など、被災者ニーズが高い二千六百八十四億円の施策をきめ細かに講ずることといたしております。
引き続き、被災自治体のお声も伺いながら、一刻も早い復旧と創造的復興に向けた取組をいたしてまいります。
被災者の方々の医療、介護の窓口負担の免除についてでございます。
令和六年能登半島地震による被災者などの医療、介護につきましては、医療機関の窓口での一部負担金や介護利用料の支払を市町村などが免除した場合に、その免除分を国が財政支援をいたしており、令和六年十二月までの免除分を対象といたしております。その後の支援につきましては、被災状況や市町村などの意向も踏まえて検討を行っており、速やかにお示しをいたしてまいります。
住家、住みかの住被害認定についてのお尋ねがございました。
被害認定調査は、被災者生活再建支援金の支給を始めとする各種支援の根拠となりますことから、迅速に行う必要がございます。このため、大規模な災害が発生した場合には、被災自治体の職員だけで対応するのではなく、ほかの自治体や民間団体から職員の応援派遣を受け、被災された方々への迅速な支援に当たることといたしております。
今般の能登半島地震やその後の豪雨におきましても、被災地では、受援体制を構築し、全国の自治体から職員の応援派遣を受けたほか、行政書士が被災者による罹災証明書の申請手続をサポートし、不動産鑑定士が専門的立場から自治体職員と共同で被害認定調査を行うなど、官民連携による取組が進められました。
また、被害認定調査は、簡易な外観調査として一次調査を実施し、被災者から御依頼があればより詳細な二次調査を行うことといたしております。奥能登四市町では、二次調査に進んだのは、現時点で、御指摘のとおり、全体の調査件数の約三〇%であると承知をいたしております。
これは熊本地震の際の比率と同程度ではありますが、被災された方々に被害認定調査の結果に納得感をお持ちいただき、早期の生活再建を実現いたしますためにも、被害認定調査の在り方について不断の見直しを図ることは重要であると考えておりまして、このような観点から、現在、被害認定調査の手法、被害認定に係る基準の在り方などにつきまして、能登半島地震での事例を基に検証作業を進めております。得られました教訓を今後の取組に生かしてまいらねばならないと考えております。
被災者生活再建支援金及び地域福祉推進支援臨時特例交付金についてでございますが、能登半島地震の被災者の生活支援、生活再建支援といたしましては、御指摘の最大三百万円が受け取れる被災者生活再建支援金に加えまして、石川県とも調整の上、能登地域六市町を対象とした、最大で被災者再建支援、被災者生活再建支援金と同額が受け取れる地域福祉推進支援臨時特例交付金を創設いたしました。
この特例交付金は、六市町が極めて甚大な被害を受け、高齢化が著しく進み、半島という地理的制約から地域コミュニティーの再生が大きな課題であったことを踏まえたものでございまして、このようにして能登地域の実情、特徴を踏まえた支援を行っております。
御指摘がありました特例交付金の対象地域拡大などは困難でございますが、このほか、特例交付金の支給対象外の世帯につきましても、被災者の状況に応じまして、復興基金を活用した事業の活用が可能でございます。引き続き、生活再建が図られますよう、これら総合的な枠組みにより支援をいたしてまいります。
避難所の環境についてでございます。
スフィア基準は、避難所の質の向上を考える際に参考にするべき国際基準であり、確保をすべきトイレやお風呂の数、食事環境、一人当たりの居住スペースなどについて記載されているものでございます。
本年十一月、能登半島に所在する全ての避難所につきましてスフィア基準を満たしているかどうか確認をいたしましたところ、全ての避難所において避難生活の質が確保できていることが確認できました。また、最近でも、企業、業界団体の御協力の下、温かい食事を提供できるキッチンカーを派遣いたしておるところでございます。
引き続き、現地のニーズを把握しながら必要な支援を行ってまいる所存でございます。この点につきましては特に留意をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
災害時に必要な物資等の備蓄、調達に関する取組についてでございますが、今般の補正予算案においては、キッチンカー、トイレカーなどの整備も含め、避難所の生活環境の改善に資する自治体の先進的な取組を支援するための新地方創生交付金の予算を計上いたしました。
また、災害時に利用可能なキッチンカー、トレーラーハウス、トイレトレーラーなどを平時からデータベースに登録しておき、発災時の対応に活用する方針でございます。
加えまして、国による全国各地への迅速かつ確実な物資のプッシュ型支援を可能といたしますため、現在の立川防災合同庁舎に加えまして、新たに全国七か所におきまして分散備蓄をすることといたしております。
福祉支援の強化についてでございますが、議員御指摘のとおり、災害時における福祉サービスの充実は、被災者の生活環境の向上、災害関連死の防災のために、防止のために極めて重要なものでございます。
能登半島地震に際しましても、避難生活の長期化が見込まれましたことから、全国規模でのDWATの編成を初めて行い、避難所において、被災者の方々の健康状態の確認や各種相談への対応、食事、トイレなどの日常生活の支援などを行ったところでございます。
現在、政府におきましては、災害時における福祉的支援の充実、円滑化を図るため、DWATの活動範囲を見直しますとともに、災害救助法で想定される救助活動に福祉の観点を盛り込み、これを国庫負担の対象とすることを検討いたしております。
災害時におきましても、高齢者、障害者、乳幼児を始めとする要配慮者の方々への支援が着実に行われますよう早期に結論を得てまいりたいと、このように考えておるところでございます。
PFASについてでございます。
PFASのうち、PFOS、PFOAなどにつきましては、国際条約に基づきまして、我が国におきましても製造、輸入などを原則禁止するなど、予防的な取組方法に基づいて対策を講じてまいりました。
諸外国における耐容一日摂取量につきましては低いものから高いものまであります中で、我が国では本年六月には、内閣府食品安全委員会におきまして、諸外国が指標値の設定などのために用いました科学的知見も含めまして、専門家が一つ一つ丁寧に精査をいたしました上で、活用可能と判断される科学的根拠を基に耐容一日摂取量を設定をいたしたところでございます。
この耐容一日摂取量を踏まえまして、現在、水道水質の在り方について専門家会合で検討いたしており、今後、専門家の御意見も伺いながら、水道事業者などに遵守や検査及び公表を新たに義務付ける水道法に基づく水質基準への引上げを含め、来春を目途に対応の方向性を取りまとめてまいります。
在日米軍施設・区域や自衛隊基地周辺でのPFAS汚染についてのお尋ねでございます。
PFOSなどをめぐる問題につきまして、地域住民の皆様方が御不安を抱えておられることは承知をいたしております。
在日米軍との関係では、これまでも現にPFOSなどの漏出が起こりました際には、環境補足協定に従い、施設・区域内への立入りなどを実施しております。
防衛省・自衛隊では、これまでも、地元自治体などの要請を踏まえつつ、必要に応じ自衛隊基地内において水質調査などを実施しており、因果関係が明らかでないことを理由に基地内の調査を拒否したとの事実はございません。
政府といたしましては、引き続き、関係自治体、関係省庁と緊密に連携し、必要な対応を行ってまいります。また、日米地位協定、環境補足協定及び関連する諸合意の下、在日米軍施設・区域内外の環境対策が実効的なものとなりますよう、お尋ねの施設・区域への立入り申請も含め、取り組んでいく考えでございます。
PFASに関しまして、水道事業への財政支援及び血液検査についてのお尋ねを頂戴いたしました。
PFOS及びPFOAの濃度が暫定目標値を超過した水道事業者などについて、技術的支援とともに、浄水処理施設の強化などの財政的支援に取り組んでまいります。
血液検査の有効性につきましては、現時点ではどの程度の血中濃度で健康影響が個人に生ずるか明らかではなく、血液検査の結果のみをもって健康影響を把握することは困難であるとされているところでございます。
政府といたしましては、PFASと健康影響の関係性を明らかにするため、血中濃度の情報のみならず、個人の摂取情報や長期間にわたる健康調査の結果を対象とする科学的に評価可能な疫学調査、研究を更に推進をいたしてまいります。
現段階で地方公共団体が取り組む対応といたしましては、既存統計の活用による地域の傾向把握に取り組むとともに、既存の健康診査の定期受診を推進することが考えられるところでございます。
オスプレイの配備についてのお尋ねでございます。
国民の安心、安全の確保は、本日ずっと申し上げましたように、成長型経済へ移行するための礎となるものでございます。
安全保障環境が厳しさを増す中、オスプレイは、自衛隊が機動的に展開する能力を高め、島嶼防衛能力を強化するために不可欠の装備品であるとともに、災害救援や離島における急患輸送でも重要なものでございます。
そのため、令和六年度補正予算案では、佐賀駐屯地へのオスプレイ配備に伴う施設整備に要する経費として、本予算編成後に判明した地盤改良に必要な経費など、緊要性のある経費を計上いたしました。
政府といたしましては、引き続き、防衛力の抜本的強化に向け、佐賀駐屯地へのオスプレイの配備を含みます各事業を着実に進めていく考えでございます。
以上でございます。(拍手)