金子道仁の発言 (本会議)
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○金子道仁君 日本維新の会の金子道仁です。
私は、ただいま議題となりました令和六年度一般会計補正予算、令和六年度特別会計補正予算、令和六年度政府関係機関補正予算の各案につきまして、会派を代表して、賛成の立場から討論いたします。
本補正予算の要点は、何をおいても能登の復興です。
我が党も、被災地の地方議員から甚大な液状化の被害をつぶさに報告を受けており、草の根の支援として、身を切る改革として被災地に寄附を届け、微力ながらも貢献してまいりました。
私自身も何度か現地を訪問し、特に、半壊した輪島塗工房から貴重な道具や材料を取り出し、なりわいを早期に回復するための丁寧な解体への公費支援について、現地ボランティアとともに自治体へ何度も足を運び、お願いをしました。しかし、これも道半ばです。
干上がった漁港、また燃え上がる町、沈む自動車。余りの被害に国民が立ちすくんだ能登半島地震から間もなく一年がたとうとしています。そして、九月、復興の途上にあった能登は再び豪雨災害に見舞われました。
この一年、人々はどんなに苦しくつらい立場であったことでしょうか。我々は国の責務として、能登で復興復旧に向けて立ち上がろうとしている全ての人々に寄り添い、耳を傾け、そして明るい展望を持って新年を迎えることができるよう、持てる力を総動員してサポートしていくことが求められます。
今般の補正予算には本格的な能登の復旧復興に向けた予算が計上され、また、与野党の協議により一千億円の上積みもなされています。政府には、引き続き、能登半島地域への格別の支援、配慮をお願いしたいと思います。
我々がかねてから求めてきた全世代への教育無償化の実現、特に高校の教育無償化について、政府・与党と合意し、実現に向けた協議の場が整ったことも大きな成果につながる大切な一歩であると評価します。
高校進学率が九九%である現在、家計の経済状況により子供の学びに、選択に制約が生じている現状、これは、全国どこでも、かつ早急に解消すべきです。同時に、無償化が単なるばらまきにならないように、目指すべき高校改革とリンクしつつ前進するような意義ある無償化を実現すべきです。
先日の予算委員会で石破総理から、高校生活は、試行錯誤をしながら、卒業後にどこで学ぶかを探求する三年間であるべきである、受かったところに行きますではなく、行きたいところに行けるようにすべきであるとの御答弁をいただきました。
中教審の審議まとめにあるように、高校生の段階で自らの将来を真剣に考え、それに必要な情報を取捨選択、集積、分析し、熟慮の上に責任を持った判断をする、こうした経験を重ねることが重要であり、そのためには、生徒が主体的に学びを選択できるように高校が変わる、学校間の連携、単位制の拡大等の高校改革が必要です。
こうした高校改革が無償化と同時に進むような議論、仕組みづくりが重要であると我が党は考えます。各会派の協議と御理解を得て、無償化と高校改革、そしてその先には、質が高く、多様な教育機会が日本中どこでも確保できる社会を実現する、そのような教育改革が前進することを期待しております。
調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費の問題についても、今国会で成立するめどが立ったことを評価します。
我が党が問題提起してからはや三年。私たちは、日割り支給、使途公開、残金の国庫返納を求めてきましたが、なかなか賛同の輪は広がりませんでした。さきの国会では、我が党と自民党との間で使途公開並びに残金の国庫返納を実現するとの合意がなされたにもかかわらず、結果的には実現に至りませんでした。
今般、使途公開や残金の国庫返納の義務付け、来年八月から施行することで与野党が大筋合意でき、歳費法改正案が今国会で成立するめどが立ったことは大きな成果であると考えています。
一方で、本補正予算に関しては以下の課題があると考えており、未来に向けて政府・与党には今後の政策立案の際に是非取り入れていただきたく、御提案いたします。
まず、規模に関しては、足下の財政状況に鑑み、圧縮すべきだと考えます。今般の補正予算は一般会計で十九兆円の規模になっていますが、足下のGDPギャップは年四兆円程度であり、コロナ禍の経験を踏まえると極端な需要不足とは言えません。
また、財務省資料によると、我が国の令和四年の債務残高の対GDP比は百七十八か国中最下位であり、二五七・二%にも上ります。更なる負担先送りはインフレを悪化させるのみならず、財政余力の面からも望ましくありません。国債償還費、利払い費の上昇による財政の硬直化が進めば、更なる災害等にしっかり対応する財政余力が損なわれてしまうことを危惧します。
本経済対策ではデフレに後戻りさせないことを目指していますが、そうであればなおさら、総理も著書で一部効果を認めておられるアベノミクスの在り方を参考にすることができます。
リーマン・ショック、東日本大震災、超円高と続く日本経済へのダメージと正面から向き合いつつ、デフレからの脱却を目指したアベノミクスの要点は、金融緩和と財政出動で市場の痛みを和らげている間に、第三の矢である構造改革を進めることでした。そうであれば、デフレに後戻りさせないための政策の中心は構造改革であるべきです。しかし、今回の経済対策では、大変残念ながら、構造改革を進めようとする強い決意は伝わりません。この点は率直に残念です。
総理は経済あっての財政としばしば述べられ、その考えには同意します。しかし、その経済を伸ばす方法は、単に財政支出を拡大することだけではありません。国民から徴収する税や社会保険料を減らし、過剰な規制や補助金を削除することで市場のゆがみを正すことも、同様に経済を伸ばすことにつながります。財政にも前向きな効果をもたらします。
結論として、私たちは、財政健全化への道筋も踏まえ、補正予算の規模をもっと圧縮することができるのではないか、そのように考えます。
そして、石破内閣の目玉政策である地方創生二・〇について、これをより有効に機能させるためには、地方が計画した総合計画を国が審査し、交付金を支給し事業を進めるこれまでの実施プロセスを修正する必要があると思います。というのは、交付金の権限を国が握っている限り、地方は国の考える創生の方針を踏まえざるを得ないからです。
総理も、過去十年の取組について、うまく機能していない点もあると認めておられますが、規模を二倍にするのであれば、慌てて実施するのではなく、まず、これまでの実績と効果を徹底的に検証し、その上で実施プロセスを修正し、修正内容と意図を国民に説明し、理解を求める、その上で予算を倍増するのはいかがでしょうか。
民間の調査によると、総合計画策定業務の大半が東京のコンサルティング会社に委託されたとの結果もあります。地方のための支出が地方創生につながらず、その支出すらも東京に戻ってしまう、これでは余りに不本意ではないですか。
総理がおっしゃる、日本の地方にはまだまだ潜在的可能性、ポテンシャルがあるという考えは大いに賛同します。我々日本維新の会は、地方への財政支援がばらまきにならないように注視しつつ、同時に、改革と規制緩和による地方創生を重視します。
日本の国土は地理的多様性に満ちています。産業、文化も様々です。全国一律でうまくいく都合の良い成功事例はなく、各地域のオーダーメードの地方創生プランを考える必要があります。
地方を活性化する最適の方法は、一言で言えば、地方分権の更なる促進です。全国各地の自治体の人材を強化しつつ、そこから生まれる地域に密着した創意工夫、改革プランを提言、実行できる環境を整えることです。そのために国が行うことは、地方が自主財源で新規事業ができるようにサポートすること、そして、地方が求める財源移譲、規制緩和に徹底的に応じることだと考えます。
以上、補正予算案に賛同する点と将来に向けた提言を申し述べ、賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)