山口和之の発言 (本会議)

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○山口和之君 日本維新の会、山口和之です。
 会派を代表して、令和五年度決算報告について石破総理に質問いたします。
 質問の前に、日本維新の会の基本方針、国民の皆様とのお約束を申し上げます。
 日本維新の会は、徹底的な改革を志向する政党ですが、そのゆえんは、次世代のための政党として、家庭環境によらない教育機会の創出、社会保障制度における世代間不公平の是正などを掲げ、我が国の将来を担う次世代への十分な投資を可能とする政治を実現することにあります。そのためには、無駄を省く改革が必要不可欠なのは言うまでもありません。
 十二月一日、吉村大阪府知事が我が党の代表に選出されました。新体制の下、この原点に立ち返り、次世代のためにできることを着実に実行することをお約束いたします。
 先日の衆議院予算委員会において、我が党の前原共同代表の質疑からも、総理は教育予算は増やすべきとのお考えであると認識しています。
 さきの総選挙において自民党は、家庭の経済状況にかかわらず、大学、高専などへの進学を希望する全ての若者が自らの夢を実現できる社会にするため、高等教育の無償化を大胆に進めることを公約としました。しかしながら、その前段に高校生等の授業料以外の教育費支援の拡充とあり、高校の授業料の無償化については留保しています。なぜこのような区別を設けるのでしょうか。
 日本維新の会は、補正予算繰越五年度予算現額の不用額が高校の授業料無償化に相当する約六千億円でもあれば、無償化は実現可能であるのではないかと指摘しております。なぜ政府は無償化を実現する気がないのか、総理の答弁を求めます。
 幕末の教育者でもあった吉田松陰先生は、夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、ゆえに夢なき者に成功なしと説きました。夢を持つことは成功への第一歩であり、未来を担う子供たちに夢を持たせることは私たち大人の責務であります。
 明年四月には大阪・関西万博が開催されます。「自然の叡智」をテーマとした平成十七年の愛知地球博以来、実に二十年ぶりの万博です。万博は、地球規模の課題に文明的な解決策を提示すると同時に、どの時代の子供たちにもわくわくする夢を与えてきました。
 今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。私は、世界各国の子供たちが夢や希望、普遍的価値観を共有できるならば、将来世代の相互理解又は我が国への好意的解釈にもつながるものと信じています。
 総理には、この万博を通じて、未来社会への力強いメッセージを世界の子供たちに発信していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、日本政府が今回の万博で第一義としていることについて、総理の見解を求めます。
 私は、理学療法士として、リハビリテーションの専門職として、長年、寝たきり期間を最小化するために活動を行ってまいりました。それが個人の尊厳ある生き方、生活の質の向上に直結するものだからであり、脳卒中の撲滅、介護予防、生活不活発による廃用症候群への対策など、高齢者の自立支援を通じて持続可能な社会保障の実現を目指してきました。
 総理は、全世代型社会保障を提唱し、高齢者が健康を維持しながら社会で活躍することが重要であると述べられました。避け難い肩車社会において、支える側と支えられる側のバランスが取れた社会を構築するためには、健康寿命の延伸を、自立支援が欠かせません、延伸と自立支援が欠かせません。自立期間をもう五年延ばすことで、高齢者が支える側に回れるような仕組みづくりが重要と考えます。
 平成二十八年十一月十日に開催された未来投資会議では、当時の安倍総理が次のように述べました。
 介護でもパラダイムシフトを起こします。これまでの介護はお世話型が中心でしたが、今後は高齢者が自分でできるようになることを達成できる自立支援に軸足を置きます。介護が必要なくなる状態までの回復をできる限り目指してまいります。また、介護現場に携わる方たちが自分たちの努力によって介護度が下がっていく達成感を味わうことができるということは、専門職としての働きがいにもつながっていくのではないかと思います。
 安倍元総理のこの力強いメッセージに、私を含め多くの介護関係者が心を震わせました。しかしながら、現時点に至るまで、介護のパラダイムシフトが我が国の介護政策の枢要となり得ていないのが残念でなりません。
 総理が全世代型社会保障の実現を図りたいのであれば、介護のパラダイムシフトが重要な柱となります。自立支援への転換こそ意識改革として求められます。超高齢化社会の課題解決先進国としてリーダーシップを発揮すべく、総理の決意を伺います。
 また、同時に関わらせていただいたアジア健康構想でも、高齢者関係市場の潜在的な規模が二〇三五年時点で約五百兆円もあることが指摘されました。このような需要を取りこぼすのは、我が国の利益や産業競争力を損なうことにもなります。日本が超高齢化社会の課題解決のモデルを示すことは、万博のテーマでもある「いのち輝く未来社会のデザイン」にも通じます。社会の保健医療、世界の保健医療、介護福祉事業にコミットできるような産業競争力強化のために何をするのか、総理の見解を求めます。
 さて、総理の最重要課題の一つである地方創生について考えてみたとき、私は、その大前提として、住民の命と健康の安心、安全が基盤にあるべきと考えます。しかし、令和四年度の一般病院の損益率は政府の調査でマイナス六・七%であり、病院経営は危機的状況にあります。病院団体の調査でも、赤字病院の割合が増加し、医業利益は減少傾向にあります。このままでは地方創生の基盤である地域医療の存続が危ぶまれ、関連の医療産業に悪影響を及ぼすことも懸念されます。
 令和五年度決算の社会保障関係費は、前年比七・六兆円に減少しました。この減少分の一部でも、地域からなくなってはコミュニティー機能を失いかねない中核病院など、医療機関の経営改善に振り向けるべき予算を編成すべきではなかったでしょうか。地域住民の健康と安心を守ることこそ、地方創生の根幹を支えるものであることは言うまでもありません。総理の見解を伺います。
 また、介護福祉士の養成校における入学者数の減少、それに伴う閉校、介護職のなり手不足が深刻な問題となっています。本年の介護事業者の倒産件数が二年ぶりに過去最高を更新する見通しであると日本経済新聞の記事にもありました。介護関連産業全体の衰退が危惧されます。介護人材の確保及び施設の経営改善に向けた具体的な支援策について、総理の答弁を求めます。
 歴代の総理が強調する福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしという言葉は、政府が福島県に、復興に賭ける強い決意を示されるものであり、私の故郷でもある福島県への御尽力に感謝申し上げます。
 復旧と復興、その意味は大きく異なり、復興は未来を描くことも、復興は未来を描くことでもあります。百一年前の関東大震災では、首都東京の復興がテーマとなり、未来の都市構想を描き、更なる発展の契機としました。
 今月十四日、総理は東京電力福島第一原発を視察し、次の五年間は復興に向けた課題解決を、課題を解決していく極めて重要な時期でも、期間でありますので、今までの五年間以上に力強く復興施策を推進していくための財源を確保したいと述べられました。
 廃炉に向けた長い取組と同時に、福島県は復興を迅速に進めなければなりません。財源の確保も大事ながら、令和五年度の東日本大震災復興特別会計の執行率は八一・七%でした。この執行率について総理は妥当なものとお考えでしょうか。着実な執行のために何が必要なのか、総理の見解を伺います。
 最後に、総理が国民に対し、御自身の言葉で、福島の未来をどのように描き、それが東北、日本全体の未来へどのようにつながっていくのか、その未来像をしっかりとお示しください。
 以上で令和五年度決算についての私の質問を終えます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 山口和之

speaker_id: 15717

日付: 2024-12-20

院: 参議院

会議名: 本会議