本会議

2024-12-20 参議院 全44発言

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会議録情報#0
令和六年十二月二十日(金曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第七号
  令和六年十二月二十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(令和五年度
  決算の概要について)
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、会期延長の件
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関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和五年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。加藤勝信財務大臣。
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#2
○国務大臣(加藤勝信君) 令和五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額を会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計の決算につきましては、歳入は百四十兆二千十六億円余、歳出は百二十七兆五千七百八十八億円余であり、差引き十二兆六千二百二十七億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和六年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、財政法第六条の純剰余金は八千五百十七億円余となります。
 次に、令和五年度における十三の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は百兆七千二百三十二億円余であり、支払命令済額及び歳入組入額は九十九兆四百十三億円余でありまして、差引き一兆六千八百十九億円余が年度末の資金残額となります。
 次に、政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、年度末における国の債権の総額は二百四十三兆六千九百七十九億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、年度中における純増加額は三千九百十一億円余であり、この結果、年度末における物品の総額は十五兆二千三百十一億円余となります。
 最後に、令和五年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところではありますが、会計検査院から三百四十五件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 以上、令和五年度の一般会計歳入歳出決算等について御説明申し上げました。
 何ほど御審議のほどお願いを申し上げます。拍手
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関口昌一#3
○議長(関口昌一君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。清水真人君。
   〔清水真人君登壇、拍手〕
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清水真人#4
○清水真人君 自由民主党の清水真人です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について質問をいたします。
 参議院では、平成十五年に、当時の青木幹雄参議院改革協議会座長の下で決算の早期審査のための具体策を取りまとめ、それ以来、決算審議に力を入れてまいりました。
 予算を先議する衆議院、決算にも重点を置いてきた参議院、この入りと出をしっかりと見ることで我が国の財政への統制が初めて完結するという、二院制のあるべき姿の一面でもあると考えております。
 令和五年度決算に対するPDCAサイクルがスタートする本日の参議院本会議での決算代表質問は、石破内閣にとって初めてのものとなりますが、参議院での決算審議の意義をどのようにお考えなのか、まずは石破総理にお伺いをいたします。
 また、国会に提出された令和五年度決算及び決算検査報告は、どのように次年度予算案に生かされるのでしょうか。加藤財務大臣にお伺いをいたします。
 令和五年度の一般会計歳入決算額は百四十兆二千億円、そのうち租税及び印紙収入は過去最大の七十二兆八百億円と、九千億円増となっています。
 一方、歳出決算額は百二十七兆五千億円と対前年度から四・八兆円減となっております。新規国債の発行は三十四兆九千億円となり、税収や不用額の発生状況等に鑑み、九・五兆円の特例国債の発行を取りやめております。
 経済対策とそれを裏付ける補正予算が発動されましたが、プライマリーバランスは当初予算と比べて二・四兆円、赤字幅が縮小をされております。
 こうして見れば、経済成長なくして財政健全化なしという方向での政策は正しく、石破内閣においても引き続き経済成長というスタンスで政策を進めていくべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 建設業や製造業等では、作業が何重にも協力会社に出される、いわゆる多重下請が散見をされます。下請法の下、政府は下請取引の公正化、下請業者の利益保護のための取組を進めておりますが、三次、四次下請といった形で発注される中で、中小企業等が赤字覚悟で受注する事例もいまだに見られます。
 中小企業庁では全国の様々な業種の中小企業三十万社を対象に価格交渉促進月間フォローアップ調査を行い、五万社超から回答を得ましたが、その結果によると、コスト上昇分の価格転嫁率は、一次下請の企業は五割超であるのに対して、やしゃご請けと言われる四次請け以上の企業は三五%ほどです。特に四次請け以上の階層においては、全額価格転嫁できた企業の割合は一割程度にとどまっている上に、全く転嫁できなかった、あるいは減額されたという企業は全体の四割近くあります。受注側企業の取引段階が深くなるにつれて、価格転嫁割合が低くなる傾向が明らかとなっております。
 一方、価格転嫁ができている割合が高いほど受注者である中小企業の賃上げ率も高い傾向にあることから、物価高を克服する賃上げを実現するためには、協力企業における人件費や資材価格等、コスト上昇分の価格転嫁が絶対に必要であります。
 そのために、直近の資材価格や調達状況、協力会社の労働者も含めた賃上げを適切に反映した契約の締結、既に締結された契約における資材高騰、賃金上昇に伴う請負価格の変更や設計の変更等に係る個別協議が当たり前にならなければなりません。
 多重下請構造下にある中小企業・小規模事業者での実質賃金の引上げをどのように実現していくお考えでしょうか。総理にお尋ねいたします。
 地方創生や防災・減災、国土強靱化、そして経済安全保障、あるいは激化する国際競争に対応をしていくためには、社会インフラの整備、生産性向上に応じた工場、事務所等の新設や維持更新を着実に進めていかなければなりません。
 にもかかわらず、働き方改革に伴う残業規制の強化や人材獲得競争の激化等を背景に建設技術者の不足が深刻となっており、工事現場に置く技術者を確保できずに仕事に取りかかれない、公共、民間を問わず各種工事が計画どおりにできなくなる、最悪、事業自体が中止となる事態も発生をしております。
 建設投資額は、ピークとなった平成四年度の八十四兆円から平成二十二年度に約四十二兆円まで落ち込み、その後は増加に転じまして、令和五年度は約七十兆円となる見通しと、回復基調にありますが、片や、建設技術者数は平成二十二年の三十一万人から令和五年でも三十八万人と、投資額に見合った回復とはなっておりません。
 しかも、ここ数年でいわゆる団塊の世代約八百万人が七十五歳以上の後期高齢者となり、二〇四〇年になると八十五歳以上の人口を中心とした高齢化と生産年齢人口の更なる減少が進む中、建設技術者の数はますます厳しくなるものと思われます。
 ICT化による生産性の向上や、他産業よりも低いと言われてきた賃金水準の改善など、取り組むべきことは多々ございますけれども、我が国の安全と生活と生産の基盤をつくり、そして守る建設業に必要不可欠な技術者の育成、確保等にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。石破総理にお伺いをいたします。
 コロナ禍により訪日外国人旅行者数は、過去最高を記録した令和元年の三千百八十八万人から令和三年には僅か二十五万人と、百二十八分の一まで減少をいたしました。今や、令和五年は二千五百七万人、さらに今年は十一月時点で三千三百万人超と、令和元年を上回るペースで伸びております。本年七月の観光立国推進閣僚会議において当時の岸田総理が言及をした令和十二年六千万人は射程内にあると考えております。
 片や、昨今、一部の地域に訪日客が集中をし、過度な混雑が住民生活に影響を与えていることから、六千万人達成には外国人観光客への、外国人観光客の地方への分散が不可欠です。既に近年は何度も日本を訪問する外国人観光客が増加しており、日本各地、津々浦々にまで足を伸ばす方々も増えていく傾向があります。
 ルールを守らない外国人観光客への対応は必須でありますが、地方創生の推進力として、国内旅行者だけでなくインバウンドを活用しない手はなく、各地方は大きな期待を持ってその誘致に力を注いでおります。
 私の住む群馬県におきましても、延べ外国人宿泊者数を令和元年の二十九万人から令和九年には六十万人とすることを目標として、地域を挙げて取り組んでおります。
 ただ、地方の観光地には中山間地域に位置するところも数多くございます。特に昨今ではSNSで、言わば埋もれていた地域の魅力が発掘をされ、拡散されることで、外国人観光客が訪れるようになったところも多くありますが、そのようなところは公共交通機関がなく、長時間歩かざるを得ないこともあります。交通サービスの充実を図ろうにも、バスやタクシーの運転手不足等もあり、簡単なことではありません。また、県境をまたぐ広域観光圏を形成しようとしても、道路整備等が遅れていることがネックとなっております。
 そこで、インバウンド六千万人と地方創生の実現のために外国人観光客の地方への分散を進めるべきと考えますが、地方の優れた潜在的な観光資源の活用や受入れ体制の整備、中山間地域等での地域交通の確保、さらには県境をまたぐ道路ネットワークの面的な整備なども含めて、どのような手だてを講じていくお考えでしょうか。この点を石破総理にお伺いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#5
○内閣総理大臣(石破茂君) 清水真人議員の御質問にお答えをいたします。
 参議院での決算審議の意義についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 参議院において決算を御議論いただき、その内容を予算編成に適切に反映し、予算の効率的かつ適切な執行につなげていくことは、財政民主主義の観点から極めて重要であると考えております。これまでの参議院における決算審議に対する改革を踏まえ、政府といたしましては、決算の早期提出や審議内容の予算への反映などについて取り組んでまいりました。
 参議院における警告決議に対しましては、その指摘事項の一つ一つについて次年度以降の予算に反映させるなど適切に対応した上で、政府として講じた措置を国会に御報告いたしております。
 政府といたしましては、これらの国会議決を重く受け止めますとともに、今後とも、事務事業の是正改善を行い、予算執行や次年度以降の予算に適切に反映をさせてまいります。
 経済政策のスタンスについてお尋ねを頂戴いたしました。
 我が国経済は、長きにわたったデフレマインドを払拭し、成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にございます。デフレを脱却し、新たな経済ステージに移行することを目指して、経済あっての財政との考え方に立ち、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済、財政をつくってまいります。
 多重下請構造下にある中小企業・小規模事業者の実質賃金の引上げについてでございます。
 中小企業・小規模事業者の実質賃金を引き上げていくためには、サプライチェーン全体で価格転嫁を進めていくことが極めて重要であります。更なる価格転嫁、取引適正化の促進に向け、価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況の公表や、事業所管大臣名での指導、助言に加えて、下請法の改正につきましても具体化をいたしてまいります。
 中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけますよう、省力化・デジタル化投資の促進や経営基盤の強化、成長のための支援といった生産性を向上させるための支援策などを充実してまいります。
 建設技術者についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 建設工事では、適正な施工を確保するため、現場ごとに施工管理技士等の技術者を配置することとされ、一定の規模以上の工事では原則として専任での配置は必要でございます。
 必要な建設需要に的確に対応し、技術者の確保を図ることは重要であり、これまで、施工管理技士の受検資格の緩和や実習への助成により受検者の増加を図りますとともに、情報通信機器の活用により複数の現場での技術者の兼任を可能とするなどの配置の合理化を行ってきたところでございます。
 今後とも、講習の充実や建設業の魅力発信を行いながら、技術者の確保、育成を図ってまいります。
 訪日外国人観光客の地方への分散についてのお尋ねでございました。
 インバウンドは過去最高ペースで推移し、本年は史上最高の訪日客数三千五百万人、消費額八兆円を達成する勢いとなっております。一方、三大都市圏に七割超が集中しており、今後は、清水議員御指摘のように、地方の優れた観光資源の付加価値を高め、全国津々浦々にその恩恵を行き渡らせることが重要であると考えております。
 そのため、地方のモデル観光地への重点的支援や、地域の歴史文化、自然、食、伝統産業などを生かした体験コンテンツの造成支援、宿泊、交通、体験などの一貫した予約決済サイトの構築や、データに基づく経営等の観光DX、公共ライドシェア、日本版ライドシェアなどの普及や、観光周遊等のストック効果が高い広域的な道路ネットワークの整備に重点的に取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#6
○国務大臣(加藤勝信君) 清水議員より、令和五年度決算と決算検査報告の次年度予算への反映についてお尋ねがありました。
 会計検査院の決算検査報告については厳粛かつ真摯に受け止めており、本年十一月八日の閣僚懇において私から各大臣に対し、本報告を踏まえて、令和七年度予算編成などに的確に反映するよう要請を行ったところであります。
 この点、例えば令和六年度補正予算の事例でありますが、決算検査報告において、給付金、補助金などの支給事務等のための経費が過大であったとの指摘も踏まえ、低所得者世帯向け給付金、電気・ガス料金負担軽減支援事業などの計上に当たり、事務費等が過大にならないように配慮したところであります。
 また、現在編成中の令和七年度予算案においても本報告を活用できるよう、関係省庁との間で議論を深めた上で適切に対応してまいります。拍手
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関口昌一#7
○議長(関口昌一君) 青木愛君。
   〔青木愛君登壇、拍手〕
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青木愛#8
○青木愛君 立憲民主党の青木愛です。
 私は、立憲民主・社民・無所属を代表して質問をいたします。
 現在、マスコミでは百三万円の壁問題が大きくクローズアップされています。国民の可処分所得を増やすということは、極めて重要かつ必要なことだと考えます。しかし、税と社会保障の仕組みは複雑ですから、正しく理解していない国民が多いのではと危惧します。
 税制面では、配偶者の壁問題はほぼ解決していると認識しています。百三万円を超えると所得税が掛かりますが、それは僅かであり、課税前と比べて手取りが逆転するという崖はありません。世帯主の配偶者控除額は、給与年収百五十万円までは配偶者特別控除として百三万円までと同額の三十八万円を受けられます。百五十万円を超えた場合でも、控除額は段階的に引き下げられ、収入と手取りの逆転現象は起こらない仕組みになっています。
 問題は、百六万円と百三十万円の社会保険料に関わる年収の壁です。
 百六万円の壁は、従業員五十一人以上の企業などで働く人が対象で、年収百六万円を超えると配偶者の扶養から外れ、厚生年金や健康保険の保険料の支払が発生します。しかし、メリットとして、将来受け取れる年金が増え、また、傷病手当金や出産手当金を受け取れるなど、病気や将来への補償と安心が増します。
 しかし、従業員が五十人以下の企業などで働く人の場合、年収が百三十万円を超えると扶養が外れ、国民年金や国民健康保険の保険料の支払が発生します。百三十万円を境に、手取りが約三十万円減少します。しかも、国民年金のままですから、厚生年金と比較して上乗せ額のメリットはありません。この百三十万円の壁こそが問題になるのです。
 立憲民主党は、社会保険料の支払による減収分を給付で補うための就労支援給付制度の創設を柱とする対策法案を提出しています。この百三十万円の壁について政府の御見解を石破総理にお伺いいたします。
 また、課税最低限の引上げによって国と地方は税収減となります。特に、地方の税収減は住民サービスの低下を引き起こすのではないかと心配いたします。国の責任において地方サービスの低下を防ぐよう、政府に要請します。総理の御見解をお伺いします。
 さらに、社会保険料の支払において、特に中小零細企業に過度な負担を掛けないよう配慮が必要と考えています。政府の御対応を総理にお伺いいたします。
 高度経済成長期においては専業主婦世帯が多くを占めており、社会保障を考える際、夫が働き、妻は専業主婦、子供は二人の四人世帯を標準モデルとしてきました。しかし、現在では、家族の形やライフスタイルの多様化などにより、単身世帯、共働き世帯が増加する一方で、専業主婦世帯は大きく減少しており、かつての標準モデルは五%にも満たない状況です。時代に合った多様なモデルを採用すべきです。総理の御見解を伺います。
 しかも、今議論されている様々な年収の壁は、サラリーマンの世帯主に扶養されているパートタイムの労働者の方々に関する壁の議論であって、元々扶養されていない単身者やシングルマザー、自営業の方の配偶者などに影響するものではありません。今後は、このような様々な立場の方々も対象として税と社会保障の在り方について議論が必要になるものと考えます。
 有識者の中には、配偶者控除そのものを廃止すべきとの主張もあります。長期的な視野においては、扶養という考え方を改め、男性も女性も自立した個人として社会に参画し、それに伴い税や社会保障の在り方を抜本的に見直すための議論の必要性を感じています。石破総理の御見解をお伺いします。
 その上で、希望する人が皆安心して子供を産み育てられる環境の整備には、十分な予算を確保し手当てすべきと考えます。高等教育の無償化を目指し、授業料などの家計負担を大胆に軽減し、学生が過度なアルバイトをせずとも学業に専念できるよう、国は対策を講ずるべきです。こうした教育費に係る大胆な家計負担の軽減は、日々の生活におけるゆとりと活力を生み、ひいては社会全体の経済活力を高める原動力にもなるはずです。石破総理の御所見をお伺いいたします。
 今議論が始まっている可処分所得の向上も、ガソリンの旧暫定税率の廃止も、高等教育の無償化も、各党が目指してきた重要政策です。さきの衆議院選挙での民意を受け止め、足並みをそろえたら、もっと大胆に、もっと確実に国民の生活に資する政策を実行できるはずです。今後に期待し、本日の本題である令和五年度決算について、会計検査院提出の令和五年度決算検査報告について質問をいたします。
 まず、令和五年度一般会計歳出決算では、翌年度への繰越額は十一・一兆円、不用額は六・九兆円となりました。正常な予算執行とは言えない水準です。また、会計検査院より、予算執行に係る不適切な支出や改善を求めたものなどについて三百四十五件、金額にして約六百四十八億円が指摘されました。これらの現状と指摘について、石破総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、今後の補正予算の執行について伺います。
 会計検査院は、一般会計の補正予算の執行状況等について、令和四年度補正予算のうち全額が補正予算によって追加された予算科目の十兆九千百二十三億円のうち、その半分以上の五兆九千三百十八億円が五年度に繰り越されて、四年度内に支出されていなかったことを明らかにしました。補正予算は緊要となった支出の追加を目的とするものですが、その年度内に執行されず繰り越されたという事実は、緊要性を有していなかったことの証左です。
 平成二十七年度決算検査報告においても、今般と同様に、多額の歳出追加とその高い繰越率から、適正かつ効率的、効果的な執行に努める必要があるとの指摘を受けており、政府はこの間、会計検査院の指摘を軽視し、額ありき、繰越しありきの補正予算を続けています。二度も同じ指摘を受けた事態についての受け止めと、今般成立した令和六年度補正予算の執行に当たり会計検査院の指摘をどのように反映していくのか、総理に伺います。
 また、会計検査院の指摘を踏まえれば、補正予算における各事業の積算根拠や、想定している年度内の執行スケジュールを事前に公表すべきではないでしょうか。財務大臣の御見解を伺います。
 予備費については、国会からの検査要請に基づく会計検査院の指摘を踏まえ、政府は特定使途予備費の執行状況を公表しています。補正予算についても、将来的な事業効果の検証に資するべく、予備費と同様に歳出追加額を特定して執行状況を公表すべきと考えますが、財務大臣の御見解を伺います。
 次に、防衛費についてです。
 政府は、令和四年十二月に防衛力整備計画を策定し、防衛力整備に必要な水準額を、中期防衛力整備計画、いわゆる前中期防における二十七・四兆円から四十三兆円へ大幅に増額させました。
 他方、会計検査院が令和元年度から五年度までの防衛予算及び決算について検査したところ、防衛費に関する情報公開が不十分であることが明らかとなりました。
 例えば、前中期防において整備予定の数量が示されていた主要装備品のうち、装甲車、哨戒艦及び艦載型無人機は計画期間内に契約が締結されておらず、その公表もされていませんでした。また、防衛費における人件・糧食費、一般物件費及び歳出化経費のいわゆる三分類、並びに予算の積み上げをよりきめ細かく行うために整理した十五の分野についても、決算段階における執行実績の把握が行われていなかったことが判明しています。
 今回の検査結果により、政府は国民に多額の防衛費の増額を求めながら、情報公開には極めて消極的であることが分かります。今回、会計検査院が指摘した主要装備品の契約状況、三分類別や十五の分野別の決算額などについてはすぐにでも公開すべきです。これらの情報公開に向けた対応方針について、総理に伺います。
 さらに、地方防衛局による不適切な契約変更についても指摘されています。建設工事に係る契約において、一般競争入札に付すべき別の工事を契約変更によって追加していた事態が明らかとなりました。防衛省の不適切な契約や調達については毎年のように会計検査院から指摘されており、参議院決算委員会も、防衛省における不適切な事態をただし、再発防止を求める決議を三年連続で議決しています。
 今回の事態の発生原因及び今後同様の事態を繰り返すことがないよう、防衛省職員に改めて会計法令遵守を徹底させるための具体的な取組方針について、防衛大臣にしっかりとした御答弁を求めます。
 次に、マイナンバーの活用について伺います。
 政府は、個人情報を行政機関がシステムでやり取りするマイナンバー情報照会が行われることで行政手続における添付書類や煩雑な入力作業が不要となり、国民の利便性向上や行政運営の効率化が図られるとしています。そして、このシステム整備等のために令和四年度までに国費として計二千百四十九億円が投じられてきました。
 しかし、一千二百五十八の事務手続を対象として令和四年度の実施状況を検査したところ、地方自治体の半数以上が利用していたのは僅か三十三手続にとどまり、全体の約四割に当たる四百八十五手続は全く利用されていませんでした。各事務手続の所管府省庁は地方自治体の状況を十分に把握しておらず、把握していたデジタル庁も所管府省庁に情報提供していませんでした。
 このような実態は、まさに国が現場の声を聞くことなく、マイナンバー制度導入ありきで多額の費用を投じ、拙速に事業を進めてきたことの結果です。マイナンバー制度を推進する国と実務の担い手である地方自治体との認識と実態に乖離が生じた原因と責任の所在、実態の改善について、事態の改善について、総理にお伺いをいたします。
 最後に、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施するサービス等生産性向上IT導入支援事業についてお伺いします。
 この事業は、生産性向上に資するITツールを導入する中小企業に対して、その経費の一部を補助するものです。
 会計検査院が令和二年度から四年度までに交付された補助金を検査したところ、補助金を受けた中小企業がIT導入支援事業者等からキックバックを受けたり、補助対象外のITツールを導入したにもかかわらず、虚偽申請を行うなどの不正が判明しました。その多くは、悪質なIT導入支援事業者、いわゆる不適正ベンダーからの不当な働きかけを契機に行われたと指摘しています。
 会計検査院の抽出検査で発覚したキックバックによる不当な補助金交付額は四十一事業の一億八百十二万円ですが、これは氷山の一角にすぎず、不適正ベンダー十五者は実に一千九百七十八事業に関わっているとされ、不正の全容はいまだ明らかとなっていません。
 また、機構や当時補助金の事務局を担っていた一般社団法人サービスデザイン推進協議会、サ推協は、警察からの照会等により相当数の不正の疑いを把握していたにもかかわらず、IT導入支援事業者や中小企業に対して一度も立入調査を実施していなかったことも明らかになっています。
 このサ推協は、令和四年に本院決算委員会が措置要求決議を行った持続化給付金事業における不透明な委託契約等の当事者でもあります。さらに、中小企業庁及び機構も不正の有無を確認するよう指導を行っていませんでした。不正を行った者の非はもちろんでありますが、制度設計のみならず、事後対応にも問題があったことが明らかです。
 今回の事態に至った原因、国が責任を持って不正の全容を解明する決意と再発防止策について、経済産業大臣の見解を求めます。
 決算審査は参議院の重要な役割です。会計検査院の報告から明らかなように、額ありきでの補正予算を編成し、会計検査院の指摘を軽視し、情報公開も消極的、不正の疑いもそのままにする、これまでの政府の姿勢は看過できるものではありません。次期常会に続く決算審査においても厳しく精査していく決意を申し上げ、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#9
○内閣総理大臣(石破茂君) 青木愛議員の御質問にお答えを申し上げます。
 いわゆる百三十万円の壁への対応についてでございます。
 社会保険の適用に関するいわゆる百三十万円の壁につきましては、当面の対応として、被扶養者認定を円滑化するなどの年収の壁・支援強化パッケージの活用に取り組んでおるところでございます。その上で、就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができますよう、制度的な対応を図ることも重要であると考えております。
 政府におきましては、現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っているところであり、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険の更なる適用拡大など、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得てまいりたいと考えております。
 課税最低限の引上げに伴います地方の税収減についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 いわゆる百三万円の壁につきましては、先週、自由民主党、公明党、国民民主党の幹事長間で一定の合意がなされたものと承知をいたしております。議員御指摘の地方税収への影響などの論点も踏まえ、現在、与党の税制改正プロセスで最終的な取りまとめが行われております。特に地方の首長の皆様の御心配は十分に理解できるところであり、これらに丁寧にお答えしてまいりたいと考えております。
 中小企業の社会保険料負担についてのお尋ねをいただきました。
 まず大切なことは、中小企業を始めとした事業者の皆様方の稼ぐ力を向上させるための生産性の向上や価格転嫁の促進などであり、これらを強力に進めてまいります。
 社会保障につきましては、現役世代の負担を軽減しつつ、全ての世代がその能力に応じて支え合う全世代型社会保障の構築が必要であり、これを通じ、事業主の負担への配慮を着実に実施をいたしてまいります。
 なお、社会保険料を減免することにつきましては、医療や年金の給付を通じて労働者を支えることが事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の増進を通じ事業主の利益にも資するものであることから、慎重な検討が必要であると、そのように考えております。
 社会保障制度における世帯のモデルについてのお尋ねでございました。
 ライフコースが多様化する中、世帯構成は大きく変化をしております。こうした中、社会保障制度において給付と負担などを計算する際に、御指摘の妻は専業主婦、子供は二人という標準モデルを典型的な世帯構成として画一的に使用してはおりません。
 例えば、公的年金制度におきましては、従来の財政検証で公表しているサラリーマンと専業主婦の世帯に加え、夫婦共働き世帯や単身世帯につきましても将来の給付水準をお示しをいたしました。
 今後も引き続き、世帯の実情に応じ、国民の皆様方に分かりやすい社会保障制度の制度設計に努めてまいります。
 男女の社会参画と税と社会保障の在り方についての御質問を頂戴いたしました。
 社会における活動や個人の生き方が多様化する中で、男女が自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されますためには、男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響が中立的な制度、慣行を構築することが不可欠であります。
 このため、男女共同参画社会の実現に向けて、御指摘いただきました配偶者控除も含め、税制や社会保障制度を始めとする社会制度の全般につきまして、経済社会情勢を踏まえて不断に見直す必要があると考えております。
 高等教育費の負担軽減についてでございます。
 大学の授業料など高等教育費につきましては、本年度から、授業料などの減額等の対象を多子世帯の中間層などに拡充し、令和七年度から、無償化の対象となります多子世帯の所得制限をなくすことといたしており、まずはこうした拡充を着実に実施に移し、その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ取り組んでまいります。
 令和五年度決算に関する会計検査院の決算検査報告についてでございます。
 令和五年度決算につきましては、物価高騰やウクライナ情勢などの見通しが困難な中、予期せぬ事態に対して万全を期すために十分な予備費を措置したことや、工事実施に当たっての地元調整など、やむを得ない要因が発生したことなどの事情により、結果として、御指摘のように不用や繰越しが生じたものと認識をいたしております。
 会計検査院の決算検査報告につきましては、厳粛かつ真摯に受け止めております。
 検査報告事項につきましては、令和六年度補正予算で計上している低所得世帯向け給付金や電気・ガス料金負担軽減支援事業について事務費などが過大にならないよう配慮するなど、事務事業の在り方の見直しに努めております。また、各種の会議や研修における適正な会計処理の周知徹底などを進めることで確実な改善に努めてまいります。
 令和四年度補正予算に関する会計検査院の指摘事項についてお尋ねを頂戴いたしました。
 令和四年度補正予算につきまして繰越額が大きかったとの御指摘がありましたが、これは、新型コロナの感染拡大や物価高騰の見通しが困難な事情等がある中で、予期せぬ事態に対して万全を期すために十分な予算を措置した上に、地方公共団体や事業者からの申請を受けて支出する事業が多かったことが要因であると、このように考えております。
 令和六年度補正予算の執行に当たりましては、検査報告事項なども踏まえ、効率的かつ適切な執行に努めますとともに、経済対策のフォローアップも通じた施策の進捗把握にも努めてまいります。
 防衛予算の執行状況についてのお尋ねをいただきました。
 防衛費が増加する中で、その執行を適切に管理し、予算及び決算について必要な情報を開示いたしますことは、防衛力の抜本的強化を着実に実現するとともに、その必要性などについて国民の皆様方の御理解を得る上で極めて重要であると考えております。
 そのため、会計検査院から所見をいただいております点につきましても、例えば、令和五年度決算における人件・糧食費、歳出化経費、一般物件費という三分類や、スタンドオフ防衛能力を始めとする十五の分野ごとの執行実績につきましても今後速やかに公表すること、防衛力整備計画で示された主要装備品の契約状況について前年度までの実績を毎年度当初に公表いたしますとともに、計画期間の終了後五年間の取得状況をお示しすることなどの取組を防衛省において実施することといたしております。
 政府といたしましては、国民の皆様方の御理解を得ながら、防衛力の抜本的強化を着実に進めていくことができますよう、これまで以上に丁寧な説明に心掛けてまいります。
 マイナンバーについてのお尋ねを頂戴いたしました。
 自治体の情報照会件数は毎年増加いたしておりますものの、会計検査院の報告にもあるとおり、一部の自治体や事務手続で情報照会が低調となっております。
 自治体の事務の効率化につながりますよう、情報照会の活用に当たって、各自治体が抱える課題の把握を目的とした調査を政府として実施いたしておるところであり、一月末を目途に調査結果を取りまとめ、適切に対応いたしてまいります。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#10
○国務大臣(加藤勝信君) 青木議員より、まず補正予算における各事業の積算や執行スケジュールの公表についてお尋ねがありました。
 補正予算に計上した各事業の積算については、法令に基づき、歳出予算の基礎資料として各省庁が作成している各目明細書において項目ごとの積算内訳をお示ししており、補正予算と併せて国会に提出したところであります。
 また、補正予算に計上した事業の執行スケジュールの公表についてでありますが、補正予算が成立するよりも前の時点で執行団体とスケジュールを議論することは難しく、事前に公表することは困難ではありますが、補正予算が成立した後には、例えば内閣府において、経済対策のフォローアップとして、経済対策に盛り込まれた個々の施策についての執行状況を把握、公表する取組を実施してきております。
 政府としては、こうした取組に加えて、各事業を所管する各省庁において事業内容や執行状況などの説明を行っていくことが重要であると考えており、引き続き説明責任をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
 補正予算の執行状況についてお尋ねがありました。
 補正予算の執行状況については、御指摘の会計検査院の検査報告において、補正予算により追加された予算に係る額を特定してその執行状況を把握することは原則としてできない状況となっていることを指摘した上で、各府省庁等に対し、経済対策等のうち予算額が多額となっている事業や国民の関心が高い事業などについて、引き続き、事業の特性などを踏まえながら、その執行状況などについて国民に分かりやすく情報を提供していくことが望まれると指摘されていると承知をしております。
 補正予算について繰越額や執行残額をお示しすることは実務上の課題があるものの、今回の会計検査院の指摘や、特定目的予備費で支出済額や繰越額を把握した対応も踏まえ、各省の業務負担や適切な抽出範囲を考慮しつつ、国民に分かりやすく情報を提供していくためにどのようなことができるか検討してまいります。拍手
   〔国務大臣中谷元君登壇、拍手〕
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中谷元#11
○国務大臣(中谷元君) 青木愛議員にお答えをいたします。
 会計法令遵守を徹底をさせるために、そのための具体的な取組方針についてお尋ねがありました。
 防衛省におきましては、本年十一月の会計検査院による令和五年度の決算検査報告におきまして、議員の御指摘の不適切な契約変更の指摘を含む五件の指摘を受けたところです。
 議員御指摘の事案につきましては、早期に施設を整備する必要があるとして行われたものの、会計法令等に関する周知が十分でなかったということが要因だと考えております。
 また、これまでの会計検査院の指摘に対しては、従来より、改善事項の周知徹底、これを図ることで再発防止を図ってきたところでありますが、本年六月の参議院決算委員会の措置要求決議、これを受けまして、私の方から、令和六年度契約に関する臨時監査の実施と教育の徹底、これを指示したところであります。
 防衛省としましては、今後とも、厳正な会計経理に努めるとともに、会計検査院の指摘を繰り返し受けることがないよう、再発防止に万全を期してまいります。拍手
   〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
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武藤容治#12
○国務大臣(武藤容治君) 青木愛議員の御質問に答えます、お答えさせていただきます。
 サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金についてのお尋ねがありました。
 会計検査院からは、中小機構及び補助金事務局において補助事業の不適切な実施に係る事態の是正及び改善を図るための措置が講じられていなかったこと、また、経済産業省及び中小企業庁においてそうした措置を講じるための指導、助言が十分でないことが原因である、この指摘を受けたところであります。
 会計検査院からの指摘を受けて、経済産業省として、本事業を執行する中小機構及び事務局に対して指導を行い、既に不正受給が認められた補助事業に対して補助金を返還させるなど、厳正に対処をしてまいりました。また、全容解明のために同様の不正受給が行われていないか調査を行っており、不正受給が発覚した場合には厳正に対処してまいります。
 加えて、同機構等に対して、不正事案に更に厳格に対応していくとともに、IT導入支援事業者やITツールの審査の厳格化、立入調査の強化等の必要な再発防止策を確実に履行するよう、指導、助言してまいります。拍手
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関口昌一#13
○議長(関口昌一君) 杉久武君。
   〔杉久武君登壇、拍手〕
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杉久武#14
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました令和五年度決算について、石破総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 先月、十一月六日、会計検査院は内閣に対し、令和五年度決算検査報告を送付しました。この検査報告に記載された総件数は三百四十五件、指摘金額は約六百四十八億円となっております。
 検査報告での指摘事項は様々でありますが、税金が不適切に使われることのないよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきと考えます。再発防止に向けた総理の見解を求めます。
 次に、特定検査対象に関する検査状況で取り上げられた防衛予算の執行状況について伺います。
 我が国が取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、必要な防衛力の抜本的強化を実現する必要があるとして、令和四年十二月に策定された新防衛三文書に基づき防衛力整備のために必要な金額が大幅に増加されることから、防衛予算の執行状況については、政府にはより丁寧な説明が求められます。
 しかしながら、多額の装備品等を複数年度契約で調達し、その支払が契約締結の翌年以降に発生する防衛予算の特殊性から、その全体像を把握するためには非常な困難が伴います。
 そのため、検査院からは、防衛省の毎年度の歳出予算におけるいわゆる三分類の区分や、スタンドオフ防衛能力を始めとする十五の分野について、予算上の管理のみならず決算段階の状況についても分かりやすく開示することが求められておりますが、国民に対する説明責任を十分に果たすためにも、防衛予算の執行状況についてどのように見える化を進めていくのか、総理の見解を求めます。
 次に、IT導入支援事業について伺います。
 IT導入支援事業は、ITツールの導入を希望する中小企業や小規模事業者が登録済みのIT導入支援事業者からITツールを導入した際、その経費の一部の補助が受けられる事業ですが、検査院によると、この支援事業において不適正ベンダー十五者による大規模な不正などが指摘され、検査院による意見表示や処置要求は九億五千六百四十八万円、不当事項は一億四千七百五十五万円となっておりますが、これら不正に伴う影響額が実に五十八億三千万円近くに及び、不正の全容が検査院の指摘にとどまらないおそれがあることから、更なる調査等を行わせ、不正が判明した場合には速やかに補助金を返還させるとともに、不正に関与したIT導入支援事業者の登録取消しや公表を行うように要求をしております。
 このような不正は断じて許されるものではなく、厳格な対処が必要と考えますが、検査院の指摘に対する現在までの取組状況について確認するとともに、不正の全容解明と再発防止をどのように進めていくのか、経産大臣の見解を求めます。
 次に、政府機関等における資金管理の効率化について伺います。
 財務省が公表した令和五年三月末の国の連結財務書類では現預金残高は約九十一兆円で、資産合計の九・四%を占めます。一方、国の借金である公債は約一千百三十三兆円に上り、公債に係る利払いの負担は少なくありません。
 そこで、将来を見据えた持続可能な財政運営を行うためにも、例えば民間で行われている、企業全体の資金を集約して資金融通を効率的に行い、利息負担を削減するキャッシュプーリング等の手段を国の行政機関や独立行政法人などが保有する現預金等にも導入して、利払いの抑制を行うべきと考えます。仮にキャッシュプーリング等によって国の現預金残高を半分にできれば、平均的な利率で計算しても年間二千六百億円の利払いを削減することが可能です。キャッシュプーリング等の導入検討について、財務大臣の見解を求めます。
 次に、行政コストの見える化について伺います。
 公明党は財政の見える化を一貫して主張してまいりましたが、公明党の主張を受け、財務省では平成二十六年度決算分から試行的に個別事業のフルコスト情報の開示を進めてまいりました。これは、ある事業を行うに当たり、事業の直接的な経費である事業費だけではなく、事業に付随する人件費や物品購入費といった様々な費用を含めて事業全体のフルコストを把握し、その上で、人口一人当たり、利用者一人当たり、あるいは業務一日当たりといった単位当たりの金額を算出して開示するものです。
 そして、これまで積み重ねてきた試行的開示の成果を踏まえて、令和二年度決算分から事業別フルコスト情報として本格的な取組を開始しましたが、これら本格的な取組によって行政コストの見直しにどのような成果が得られているのか、財務大臣の見解を求めます。
 最後に、教育に関して伺います。
 公明党は重点政策において、二〇三〇年代の大学等の無償化を目指し、大学等の修学支援新制度の対象者の拡大や給付額の拡充を明記し、その実現に向け鋭意取り組むとともに、高等学校等の授業料は所得制限を撤廃して、国公私立を問わず実質無償化することを掲げております。
 一方、道半ばの現状では、段階的な所得制限があり、その制限の中で不利益を受けている方への対応もしっかりと進めていかなければなりません。その一つが、早生まれ生徒が就学支援を受ける際に生じる問題です。
 五年ほど前、私の地元大阪で、高校生のお子さんを持つ親御さんから相談を受けました。私立高校に通うお子さんのために高等学校就学支援金を受けようとしたところ、所得制限にぎりぎり引っかかってしまい、受給対象外となってしまいました。その原因を調べると、お子さんが早生まれであったということだけの理由で扶養控除が適用されず、想定よりも住民税が大きくなったためであったということが判明したのです。
 この問題を何としても解決しなければならないと決意した私は、以来、何度となく予算委員会で取り上げるとともに、文科省とも調整を重ねた結果、これら不利益を解消するための早生まれの生徒等に関する判定基準の見直しについて、高等学校の就学支援金については令和四年七月分から、そして同じような問題が生じる高等教育の修学支援新制度については令和四年十月から見直されることとなりました。
 しかし、これらの対応策はいまだ生徒本人が早生まれの場合に限られているため、本人以外の、例えば早生まれの双子や、あるいは年子の兄弟がいる場合はこうした見直しが反映されていないという課題が残っております。
 これら残された課題についても、高等学校の就学支援金や高等教育の修学支援新制度の所得判定で不利益を受けることがないよう早急に検討し、見直しを実施すべきと考えますが、議論の状況及び検討の方向性について、文科大臣の見解を求めます。
 最後に一言申し上げます。
 国会の決算審査は、予算の執行状況をつぶさに検証し、その結果を次の予算編成に生かしていく、言わばPDCAサイクルのチェック機能を担っております。私も決算の参議院の一員として、令和五年度決算の審査をできる限り速やかに行い、かつ充実した質疑となるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#15
○内閣総理大臣(石破茂君) 杉久武議員の御質問にお答えをいたします。
 決算検査報告の指摘事項の再発防止についてお尋ねをいただきました。
 会計検査院の決算検査報告につきましては、厳粛かつ真摯に受け止めておるところでございます。
 検査報告事項につきましては、令和六年度補正予算で計上している低所得世帯向け給付金や電気・ガス料金負担軽減支援事業について事務費などが過大にならないよう配慮するなど、事務事業の在り方の見直しに努めております。また、各種の会議や研修における適正な会計処理の周知徹底などを進めることで確実な改善に努めてまいります。
 防衛予算の執行状況についてお尋ねを頂戴いたしました。
 防衛費が増加する中で、その執行を適切に管理し、予算及び決算について必要な情報を開示することは、防衛力の抜本的強化を着実に実現するとともに、その必要性などについて国民の皆様方の御理解を得る上で極めて重要であるとよく心得ておるところでございます。
 そのため、会計検査院から所見をいただいております点につきましても、例えて申し上げますれば、令和五年度決算における人件・糧食費、歳出化経費、一般物件費という三分類や、スタンドオフ防衛能力を始めとする十五の分野ごとの執行実績につきまして今後速やかに公表すること、防衛力整備計画で示された主要装備品の契約状況について前年度までの実績を毎年度当初に公表するとともに、計画期間の終了後五年間の取得状況をお示しすることなどの取組を防衛省におきまして実施することといたしております。
 政府といたしましては、国民の皆様方の御理解を得ながら、防衛力の抜本的強化を着実に進めていくことができますよう、これまで以上に丁寧な説明を心掛けてまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁を申し上げます。拍手
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
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加藤勝信#16
○国務大臣(加藤勝信君) 杉議員より、政府機関などにおける資金管理の効率化についてお尋ねがありました。
 委員御指摘のとおり、国等の資金管理の効率化は重要であると考えております。国の資金管理については、一般会計、特別会計を含む国庫全体で日々の財政活動に必要な資金を管理しており、租税等の歳入を受け入れる日と支払を行う日を極力合わせるほか、一部の会計間で余裕金を融通するなど、現金、預金をできる限り保有しないことで利息負担を極力抑制する取組を行っており、既に議員御指摘のキャッシュプーリングと同趣旨の取組を実施するよう努めているところでございます。
 さらに、こうした取組を拡大していくことは効率的な資金管理に資するものであると認識をしておりますが、他方、独立行政法人などは国とは異なる主体であり、それぞれの設置法などで定められた設置趣旨などを踏まえて個々の業務内容などに即した資金調達と管理が行われているものと承知しており、資金管理を共通化するには難しい一面があるものと考えております。
 いずれにしても、引き続き、効率的な国の資金管理の実施に取り組んでまいります。
 行政コストの見える化についてお尋ねがありました。
 御指摘の事業別フルコスト情報は、各省庁の部局ごとに代表的な事業を選定し、事業費のみならず、人件費や物件費なども含めた費用の全体像をお示しする取組であります。令和二年度に取組を開始し、本年三月に公表した令和四年度事業版では、各事業のコストの構成割合や関連指標について過去からの推移を一覧できるように追加するなど、一層のコストの見える化を図りました。
 現在、コスト分析をより有意義なものとすべく、事業間の比較分析を充実させるために、対象事業者数を増加させること、行政事業レビューとの間で情報共有が可能となる仕組みとすることなどの改善に取り組んでおります。
 こうした取組の改善により、関係各省の事業担当者に対して、例えば、補助金給付額に対して人件費、物件費等の割合が特に高い事業について事業が効率的に執行できているかの再確認を促すなど、気付きの機会を提供することにより、具体の成果につなげていきたいと考えております。拍手
   〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
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武藤容治#17
○国務大臣(武藤容治君) 杉久武議員の御質問にお答えをします。
 サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金についてお尋ねがありました。
 会計検査院からの指摘を受け、経済産業省として、本事業を執行する中小機構及び事務局に対して指導を行い、既に不正受給が認められた補助事業者に対して補助金を返還させるなど、厳正に対処をしました。また、全容解明のため、同様の不正受給が行われていないか調査を行っており、不正受給が発覚した場合には厳正に対処してまいります。
 加えて、同機構等に対し、不正事案に更に厳格に対応していくとともに、IT導入支援事業者やITツールの審査の厳格化、立入調査の強化等の必要な再発防止策を確実に履行するよう、引き続き指導、助言してまいります。拍手
   〔国務大臣あべ俊子君登壇、拍手〕
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あべ俊子#18
○国務大臣(あべ俊子君) 杉議員にお答えいたします。
 高校や大学の修学支援制度における早生まれの生徒等の所得判定についてお尋ねがありました。
 高等学校等就学支援金制度や高等教育の修学支援新制度では、対象者の認定に当たって、市町村民税を基に対象者の所得要件を判定しております。
 令和四年度に、議員から御指摘も踏まえ、早生まれの生徒等本人が不利益を被ることがないよう、所得判定の際に、市町村民税の課税標準額から扶養控除に相当する金額を差し引く旨の特例を設ける制度改正を行いました。
 早生まれの双子や年子の兄弟がいる場合も不利益を受けることがないようにすべきとの御指摘については、昨日開催されました総務省の行政改善推進会議において、今後、早生まれの双子や年子の兄弟分の扶養控除相当額についても、対象者の所得判定の際に、扶養控除を相当する額を考慮する旨の検討を開始することをお伝えさせていただきました。
 今後、法制的な検討や関係機関との調整を行った上で、令和七年冬頃までに見直しの方針を決定してまいりたいと考えております。拍手
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関口昌一#19
○議長(関口昌一君) 山口和之君。
   〔山口和之君登壇、拍手〕
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山口和之#20
○山口和之君 日本維新の会、山口和之です。
 会派を代表して、令和五年度決算報告について石破総理に質問いたします。
 質問の前に、日本維新の会の基本方針、国民の皆様とのお約束を申し上げます。
 日本維新の会は、徹底的な改革を志向する政党ですが、そのゆえんは、次世代のための政党として、家庭環境によらない教育機会の創出、社会保障制度における世代間不公平の是正などを掲げ、我が国の将来を担う次世代への十分な投資を可能とする政治を実現することにあります。そのためには、無駄を省く改革が必要不可欠なのは言うまでもありません。
 十二月一日、吉村大阪府知事が我が党の代表に選出されました。新体制の下、この原点に立ち返り、次世代のためにできることを着実に実行することをお約束いたします。
 先日の衆議院予算委員会において、我が党の前原共同代表の質疑からも、総理は教育予算は増やすべきとのお考えであると認識しています。
 さきの総選挙において自民党は、家庭の経済状況にかかわらず、大学、高専などへの進学を希望する全ての若者が自らの夢を実現できる社会にするため、高等教育の無償化を大胆に進めることを公約としました。しかしながら、その前段に高校生等の授業料以外の教育費支援の拡充とあり、高校の授業料の無償化については留保しています。なぜこのような区別を設けるのでしょうか。
 日本維新の会は、補正予算繰越五年度予算現額の不用額が高校の授業料無償化に相当する約六千億円でもあれば、無償化は実現可能であるのではないかと指摘しております。なぜ政府は無償化を実現する気がないのか、総理の答弁を求めます。
 幕末の教育者でもあった吉田松陰先生は、夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、ゆえに夢なき者に成功なしと説きました。夢を持つことは成功への第一歩であり、未来を担う子供たちに夢を持たせることは私たち大人の責務であります。
 明年四月には大阪・関西万博が開催されます。「自然の叡智」をテーマとした平成十七年の愛知地球博以来、実に二十年ぶりの万博です。万博は、地球規模の課題に文明的な解決策を提示すると同時に、どの時代の子供たちにもわくわくする夢を与えてきました。
 今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。私は、世界各国の子供たちが夢や希望、普遍的価値観を共有できるならば、将来世代の相互理解又は我が国への好意的解釈にもつながるものと信じています。
 総理には、この万博を通じて、未来社会への力強いメッセージを世界の子供たちに発信していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、日本政府が今回の万博で第一義としていることについて、総理の見解を求めます。
 私は、理学療法士として、リハビリテーションの専門職として、長年、寝たきり期間を最小化するために活動を行ってまいりました。それが個人の尊厳ある生き方、生活の質の向上に直結するものだからであり、脳卒中の撲滅、介護予防、生活不活発による廃用症候群への対策など、高齢者の自立支援を通じて持続可能な社会保障の実現を目指してきました。
 総理は、全世代型社会保障を提唱し、高齢者が健康を維持しながら社会で活躍することが重要であると述べられました。避け難い肩車社会において、支える側と支えられる側のバランスが取れた社会を構築するためには、健康寿命の延伸を、自立支援が欠かせません、延伸と自立支援が欠かせません。自立期間をもう五年延ばすことで、高齢者が支える側に回れるような仕組みづくりが重要と考えます。
 平成二十八年十一月十日に開催された未来投資会議では、当時の安倍総理が次のように述べました。
 介護でもパラダイムシフトを起こします。これまでの介護はお世話型が中心でしたが、今後は高齢者が自分でできるようになることを達成できる自立支援に軸足を置きます。介護が必要なくなる状態までの回復をできる限り目指してまいります。また、介護現場に携わる方たちが自分たちの努力によって介護度が下がっていく達成感を味わうことができるということは、専門職としての働きがいにもつながっていくのではないかと思います。
 安倍元総理のこの力強いメッセージに、私を含め多くの介護関係者が心を震わせました。しかしながら、現時点に至るまで、介護のパラダイムシフトが我が国の介護政策の枢要となり得ていないのが残念でなりません。
 総理が全世代型社会保障の実現を図りたいのであれば、介護のパラダイムシフトが重要な柱となります。自立支援への転換こそ意識改革として求められます。超高齢化社会の課題解決先進国としてリーダーシップを発揮すべく、総理の決意を伺います。
 また、同時に関わらせていただいたアジア健康構想でも、高齢者関係市場の潜在的な規模が二〇三五年時点で約五百兆円もあることが指摘されました。このような需要を取りこぼすのは、我が国の利益や産業競争力を損なうことにもなります。日本が超高齢化社会の課題解決のモデルを示すことは、万博のテーマでもある「いのち輝く未来社会のデザイン」にも通じます。社会の保健医療、世界の保健医療、介護福祉事業にコミットできるような産業競争力強化のために何をするのか、総理の見解を求めます。
 さて、総理の最重要課題の一つである地方創生について考えてみたとき、私は、その大前提として、住民の命と健康の安心、安全が基盤にあるべきと考えます。しかし、令和四年度の一般病院の損益率は政府の調査でマイナス六・七%であり、病院経営は危機的状況にあります。病院団体の調査でも、赤字病院の割合が増加し、医業利益は減少傾向にあります。このままでは地方創生の基盤である地域医療の存続が危ぶまれ、関連の医療産業に悪影響を及ぼすことも懸念されます。
 令和五年度決算の社会保障関係費は、前年比七・六兆円に減少しました。この減少分の一部でも、地域からなくなってはコミュニティー機能を失いかねない中核病院など、医療機関の経営改善に振り向けるべき予算を編成すべきではなかったでしょうか。地域住民の健康と安心を守ることこそ、地方創生の根幹を支えるものであることは言うまでもありません。総理の見解を伺います。
 また、介護福祉士の養成校における入学者数の減少、それに伴う閉校、介護職のなり手不足が深刻な問題となっています。本年の介護事業者の倒産件数が二年ぶりに過去最高を更新する見通しであると日本経済新聞の記事にもありました。介護関連産業全体の衰退が危惧されます。介護人材の確保及び施設の経営改善に向けた具体的な支援策について、総理の答弁を求めます。
 歴代の総理が強調する福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしという言葉は、政府が福島県に、復興に賭ける強い決意を示されるものであり、私の故郷でもある福島県への御尽力に感謝申し上げます。
 復旧と復興、その意味は大きく異なり、復興は未来を描くことも、復興は未来を描くことでもあります。百一年前の関東大震災では、首都東京の復興がテーマとなり、未来の都市構想を描き、更なる発展の契機としました。
 今月十四日、総理は東京電力福島第一原発を視察し、次の五年間は復興に向けた課題解決を、課題を解決していく極めて重要な時期でも、期間でありますので、今までの五年間以上に力強く復興施策を推進していくための財源を確保したいと述べられました。
 廃炉に向けた長い取組と同時に、福島県は復興を迅速に進めなければなりません。財源の確保も大事ながら、令和五年度の東日本大震災復興特別会計の執行率は八一・七%でした。この執行率について総理は妥当なものとお考えでしょうか。着実な執行のために何が必要なのか、総理の見解を伺います。
 最後に、総理が国民に対し、御自身の言葉で、福島の未来をどのように描き、それが東北、日本全体の未来へどのようにつながっていくのか、その未来像をしっかりとお示しください。
 以上で令和五年度決算についての私の質問を終えます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#21
○内閣総理大臣(石破茂君) 山口和之議員の御質問にお答えを申し上げます。
 高校の授業料無償化についてお尋ねを頂戴をいたしました。
 御指摘の不用額は、年によって変動するものであるとともに、国債の発行に依存したものでございます。
 一方、高校段階への修学支援は、毎年度所要の予算が必要となるものでございまして、不用額で対応すべき性格のものとは考えておりません。
 高校段階の修学支援につきましては、所得制限を設けることで捻出した財源により低所得世帯への支援を拡充してきたところであり、このような基盤となる国の制度と、地域の実情を踏まえて地方自治体が上乗せして実施する支援が一体となって行われることが適切であると考えております。
 教育の機会均等という要請の中で高校進学率が九九%に達する現状におきまして、どこまで家計の御負担の軽減を図るべきかということにつきましては、引き続き考えるべき課題と考えております。
 その際、こども・子育て加速化プランにおきまして児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要があると、このように考えておるところでございます。
 大阪・関西万博についてお尋ねをいただきました。
 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博は、コロナ後初の万博でございます。
 ロシアによるウクライナ侵略、緊迫する中東情勢など、世界が対立、分断し、内向きになってしまいそうなときに、世界から日本に人々が集まり、人類の未来を考えていただくこと、これが大きな意義であると考えております。
 日本の魅力を世界に発信する機会ともなり、万博を契機に、開催地である夢洲だけではなく、全国各地に多くの方々が訪れる流れを生み出すことも万博の重要な意義であると考えております。
 今回の万博は、そのコンセプトとして、未来社会の実験場ということにいたしております。未来社会の実験場をコンセプトといたしておるものでございます。来場者、特に明日を担う子供たちに対しましては、未来社会を実感し、将来を考え、夢と希望を持って明日へと踏み出していただきたいというメッセージを送りたいと考えております。
 石黒浩プロデューサーが手掛けますパビリオンでは、たくさんの人間そっくりなロボットに囲まれた未来の暮らしを体感でき、人とロボットが共生する未来社会の可能性を感じていただきたいと、このように考えております。
 是非、世界中の多くの子供たち、もちろん大人もそうなのでありますが、多くのお子さん方に会場に足を運んでいただきたいと考えております。
 自立支援を始めとする今後の介護施策についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 介護保険制度は、自立支援や介護予防、重度化防止を理念といたしております。この理念の下で、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けていくことができる地域包括ケアの実現に向けまして、切れ目のないリハビリテーションの提供、地域の実情に応じた在宅医療・介護連携の推進、住民主体の通いの場を始めとする介護予防などの取組を進めてまいりました。
 こうした中、高齢者の体力は向上しているほか、年齢階級別の要介護認定率を見ますと、二〇一四年から二〇二二年にかけて改善傾向にございます。山口委員始め皆様方の御協力に、御活躍に心から敬意を表し、感謝を申し上げる次第でございます。
 さらに、近年は、データの利活用やICTなどのテクノロジーを活用し、介護の質の向上を図っており、地域における高齢者の活躍の場の促進と併せまして、高齢者の自立支援などに向けた取組を進めてまいります。
 保健医療、介護福祉事業における産業競争力強化についてでございます。
 今後、我が国のみならず、アジア諸国を中心に高齢化社会に直面してまいります。保健医療分野、介護福祉分野のニーズが伸びていくと、このように見込まれます中、高齢化において先行する我が国といたしまして、国内はもとより、海外においてこれらの分野を展開していくことが重要であると、このように考えております。
 政府といたしまして、保健医療分野におきましては、官民協力による創薬基盤の強化や医療機器の産業振興拠点の強化を行いますとともに、介護分野におきましては、介護機器の開発支援や介護の国際規格の策定への関与などを行っております。
 こうした取組を着実に進め、国内外で競争力のある産業を育成し、我が国の産業競争力の強化に取り組んでまいります。
 医療機関への経営支援、介護人材の確保等についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 御指摘の令和五年度の社会保障関係費の減少につきましては、例えば、新型コロナ感染症の感染症法上の位置付けが変更されたことに伴う各種措置の見直しによるものでございます。
 他方、令和五年度の予算の中では、救急医療や小児・周産期医療などを提供するために必要な予算を計上いたしております。また、令和六年度診療報酬改定では本体部分をプラス改定するなど、必要な措置を講じておるところでございます。その上で、今般の補正予算では、更なる賃上げや経営状況の急変などに向けた支援策を盛り込みました。
 また、介護人材の確保に向けまして、累次の処遇改善を始め、ICTなどを活用した現場の負担軽減、補正予算に盛り込んだ介護福祉士養成校の学生向けの修学資金貸付けなど、総合的な対策を推進いたしますとともに、医療・介護施設に対しまして、今般の補正予算で積み増しをいたしました重点支援地方交付金により物価高騰への支援を行っておるところでございます。
 こうした支援を通じまして、地域の医療、介護が確保されますように取り組んでまいります。
 福島の復興についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 東日本大震災復興特別会計の令和五年度の執行率八一・七%は、過去二番目に高い割合となっております。これを今後とも向上させていかねばなりません。御指摘もよく踏まえまして、今後も執行率の向上に向けまして、予算の適切な計上、効率的な執行に取り組んでまいります。
 先週末の十四日に福島を訪問させていただきました。福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、これはずっと言われ続けておることでございます。これはスローガンだけ唱えておっても仕方がないのでございまして、実際に福島の方々が実感をしていただけるように、そして日本の新しいモデルとして福島が更に発展していきますように、国の社会的責任を踏まえまして、安全、着実な廃炉、除去土壌などの県外最終処分、帰還困難区域の全域の避難指示解除などの課題を乗り越え、確実に復興を実現することが何よりも必要であると、このように考えております。
 今後とも誠心誠意取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。拍手
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関口昌一#22
○議長(関口昌一君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
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関口昌一#23
○議長(関口昌一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の報告に対する質疑を続けます。浜口誠君。
   〔浜口誠君登壇、拍手〕
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浜口誠#24
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 会派を代表して、令和五年度決算に関して総理に質問します。
 国の税収は、昨年度七十二兆円を超え、過去最高、今年度も更に増える見込みです。政治の役割は、国の懐を豊かにするのではなく、国民の懐を豊かにすることであると考えますが、総理の見解を伺います。
 十二月十一日、年収の壁とガソリン減税について、国民民主党、自民党、公明党三党の幹事長合意が行われました。合意内容は、いわゆる百三万円の壁は国民民主党の主張する百七十八万円を目指し来年から引き上げる、いわゆるガソリンの暫定税率は廃止するとなっています。三党の幹事長合意は極めて重いと考えます。幹事長合意の重要性について総理の所見を伺います。
 百七十八万円を目指すと合意されている中で、与党からは百二十三万円の案が提示されました。総理は、百二十三万円の水準が国民の期待や民意に応えるものだとお考えですか。見解を求めます。総理の権限とリーダーシップで、幹事長合意を早期に実現していくと明言してください。
 日本のGDP、国内総生産は、二〇二三年、ドイツに抜かれ、世界四位に転落、再来年にはインドに抜かれ、五位になる見通しです。また、日本の競争力は、一九八九年から一九九二年まで世界一位を維持していましたが、今年は三十八位に後退しました。総理は日本の競争力が低下した要因をどのように考えていますか。
 また、日本の復活に向け、成長分野である半導体、AI、ウェブ3、蓄電池等に投資していくべきと考えます。日本の競争力強化に向けた対応を具体的にお答えください。
 今年は、一九九一年以来三十三年ぶりの五%を上回る賃上げとなりました。他方、九月の実質賃金は前年同月比マイナス〇・四%となり、本年六月、七月の一時的なプラスを除いて、二〇二二年四月以降マイナスが続いています。賃上げを起点とする経済の好循環を生み出していくためには、中小企業で働く労働者を含め、全ての労働者の来年以降の賃上げが極めて重要です。今後の持続的な賃上げに向けた政府の支援策、価格転嫁の徹底、実質賃金をプラスにするための施策を具体的にお答えください。
 また、賃上げと同時に、国民の皆さんの手取りを増やしていくことが重要です。今年六月から国民一人当たり四万円の所得税、住民税の定額減税を実施しましたが、一回限りの減税で消費の底上げにどの程度効果があったのか、政府の評価を伺います。
 手取りを増やすためには、現役世代の社会保険料の軽減も極めて重要です。とりわけ医療保険制度については、後期高齢者医療への拠出金が年々増加する中で、現役世代の負担軽減への対応は待ったなしの状況です。
 健保連の集計では、令和六年度予算で約八七%の健保組合が赤字となり、一人の後期高齢者を支える現役世代の人数は、二〇一五年の五・四人でしたが、十年後となる来年には三・七人に減ります。医療保険制度における現役世代の負担軽減は今すぐ対応すべき課題です。所見を伺います。
 国民民主党は、医療保険制度の現役世代の負担軽減に向けた具体的な改革を提案しています。年齢ではなく能力に応じた窓口負担とし、後期高齢者医療における三割負担、二割負担の対象拡大、保険適用の範囲の見直し、後期高齢者医療への公費投入拡大による拠出金減額等により取り組むべきと考えます。こうした施策に対する見解を伺います。
 日本の食料自給率が、政府目標の四五%に対して、現状は三八%にとどまっています。日本の食料自給率の現状に対する所見を伺います。
 今年の夏の米不足は、食料が極めて重要だということを改めて実感する出来事でした。国は、今後二十年で基幹的農業従事者数は現在の四分の一の三十万人になるとの衝撃的な試算を示しています。農業の担い手を増やしていくために、農業をもうかる仕事にする、農業の所得で生活できるようにしていくことが極めて重要と考えます。農業の担い手を増やしていくためにどのように取り組んでいくのか、お答えください。
 大学の研究開発費を国際比較すると、二〇〇〇年から約二十年間で、日本はほぼ横ばいにもかかわらず、中国は二十八・四倍、韓国は六・六倍、米国は三・一倍と大幅に増やしています。
 国民民主党は、毎年五兆円の規模の教育国債を発行し、子育て支援、教育、研究開発予算を倍増し、未来への投資を強化していくべきと考えます。教育国債に対する見解を伺います。
 国民民主党は、三歳からの義務教育、高校までの授業料、給食費、修学旅行費など教育費を無償化すること、子供、子育て、教育、奨学金制度、障害児福祉に対する所得制限を撤廃することを提案しています。こうした提案内容への見解を伺います。
 また、子育て世帯への支援策として、年少扶養控除の復活、高校生の扶養控除は維持すべきです。見解を伺います。
 日本学生支援機構による有利子の貸与型奨学金の平均貸与額は三百三十七万円、毎月の返済額は平均約一万八千円、返済期間は平均十七年です。奨学金の返済負担は若者たちの大きな負担となり、結婚などの人生設計にも大きな影響を与えています。
 国民民主党は、奨学金債務について最大百五十万円免除するとともに、人材確保が求められている教員や自衛官など公的な職種に就く場合は全額免除することを提案しています。政府も大胆な奨学金債務軽減策を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 政府は、就職氷河期世代への対策を、令和四年度までの集中取組期間に加え、令和五年度からの二年間を第二ステージとして取り組んでいます。国民民主党の実施したアンケートでは、当事者の約八八%が政府の就職氷河期世代支援プログラムを利用しておらず、利用したことがある約一二%の当事者でも、課題解決につながったのは僅か二・六%という回答でした。こうした当事者の声を踏まえ、政府には、全国的な就職氷河期世代の実態調査とこれまでの政府施策の検証を行うべきと考えます。見解を求めます。
 また、六月二十一日に閣議決定された骨太の方針では、来年度以降は他世代を含めた支援に収れんしていく方針となっています。就職氷河期世代の対策はまだまだ道半ばであり、今後も取り組んでいくべきと考えます。見解を伺います。
 自分の国は自分で守ることの重要性、必要性はますます高まっています。サイバー攻撃は、諸外国においても政府や軍事面だけではなく民間企業や学術機関なども標的となっており、日本でもサイバー攻撃の被害が急増しています。サイバー攻撃等へのリスクに対する見解を伺います。
 国民民主党は、能動的サイバー防御によってサイバー攻撃を未然に防ぐため、サイバー安全保障基本法案を国会に提出をいたしました。政府も法整備を急ぐべきです。今後の対応を伺います。
 また、日本は、世界デジタル競争力ランキングで、過去五年間で四ランク低下し、六十七か国・地域中三十一位となっています。安全保障の観点から、サイバー攻撃への対処力の強化、官民協力によるデジタル人材の育成強化は喫緊の課題です。人材育成に対する対応を伺います。
 自動車関係諸税に関して伺います。
 過去に議論があった走行距離課税やモーター出力課税等については、自動車が生活必需品となっている地方の自動車ユーザーへの大幅な負担増や、国全体で取り組むカーボンニュートラル推進に向けた電動車シフトへの足かせとなることから、走行距離課税や出力課税の導入は行うべきではないと考えます。見解を伺います。
 また、自動車の取得時に課税される税金は、消費税と環境性能割があります。そもそも環境性能割は、自動車取得税の廃止に伴い、看板を付け替えた税金です。取得時に消費税と環境性能割が課税され、二重課税となっています。二重課税の解消と取得時の負担軽減により、国内の自動車販売の活性化につなげていくべきです。環境性能割の廃止に関して総理の見解を伺います。
 最後に、国民の期待に応える石破総理の答弁をお願いするとともに、百三万の壁は国民民主党が主張する百七十八万円を目指して来年から引き上げる、ガソリンの暫定税率を廃止する、これは国民の民意であります。国民の民意を踏まえ、早期に実現することを石破総理に重ねて強く求め、質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#25
○内閣総理大臣(石破茂君) 浜口誠議員の御質問にお答えを申し上げます。
 政治の役割は国民の皆様の懐を豊かにすることではないかとお尋ねを頂戴をいたしました。
 議員御指摘のように、国民の皆様の暮らしが豊かになったと感じていただくため、現在や将来の賃金、所得が増えていくことを最重要課題として、今般、経済対策を策定いたしたところでございます。
 最低賃金引上げの支援や生産性向上のための投資促進など、物価上昇を上回る賃上げを実現し、家計を温めるための施策に加え、人への投資など、将来も継続的に所得が増加する手だてを講じてまいります。こうした一つ一つの施策を国民の皆様にお届けし、その効果を実感していただけるよう、各施策を迅速かつ適切に執行をいたしてまいります。
 いわゆる年収百三万円の壁、そしてまた幹事長合意についてのお尋ねをいただきました。
 本日、自民党、公明党の税制調査会におきまして、所得税の基礎控除の額が定額であることにより、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対応するため、物価動向を踏まえ、基礎控除の額を二〇%、十万円引き上げるとともに、給与所得控除の最低保障額についても十万円引き上げるという方針が了承されたものと承知をいたしております。
 これから与党としての正式な決定に向けた手続が進められるところであり、コメントすることは差し控えたいと存じますが、幹事長合意を踏まえ、自由民主党、公明党といたしましては、引き続き真摯に協議を行っていく方針と承知をいたしており、誠実に協議が進められることを期待をいたしておるところでございます。
 日本の競争力低下についてお尋ねをいただきました。
 一九九〇年代のバブル崩壊以降、我が国は金融システム問題やリーマン・ショックなど様々な困難に見舞われました。この間、企業は短期的な収益確保のため、賃金や成長の源泉である投資を抑制し、我が国経済はいわゆるコストカット型経済に陥りました。その結果、消費の停滞や物価の低迷、さらには成長の抑制がもたらされました。雇用は安定していたものの給料は上がらず、安い商品はあるが、革新的な商品、サービスは生まれてこないという状況の中で競争力を失っていったのではないかと考えております。
 しかし、ようやく約三十年ぶりの高い水準の賃上げや過去最大規模の設備投資などの明るい兆しが現れております。コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営、経済への転換を進め、我が国を、世界をリードするイノベーションが常に生み出されるような競争力ある国といたしてまいります。
 そのため、DXを切り口として、半導体、AI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン、GXなど、今後成長が期待される分野を中心に、企業の予見可能性を高めつつ、戦略的かつ重点的な官民連携投資を進めてまいります。
 持続的な賃上げに向けた支援策などについてでございます。
 家計を温めるためにも物価上昇を上回る賃金上昇を実現していく必要があります。当然のことであります。そのためには、中小企業を始めとした事業者の皆様方が確かにもうかり、物価上昇に負けない賃上げをしていただけるよう、円滑かつ迅速な価格転嫁を進めるとともに、生産性向上のための省力化・デジタル化投資などを促進することが極めて重要であると考えております。
 新たな商慣習として、サプライチェーン全体で価格転嫁、適正取引を定着させるよう、下請法の改正につきましても具体化をいたしてまいります。
 定額減税の経済効果についてでありますが、定額減税については、デフレ脱却のための一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えするために実施をいたしておるものでありまして、その実績と効果の分析をしていくことは極めて重要であると考えております。
 実際、定額減税の実施以降、家計の可処分所得は増加をいたしておりますが、家計の可処分所得増加は、三十三年ぶりの高水準となった春闘賃上げの効果や堅調であった夏のボーナスにも下支えされており、定額減税もまだ実施中でありますため、現段階で定額減税の効果のみを取り出して確定的なことを申し上げることは困難であります。データがそろい次第、その分析を開始し、その結果を公表したいと考えておるところでございます。
 医療保険制度についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
 本格的な人口減少の中にあって、医療保険制度を今の時代に合った持続可能なものにしていくことは重要な課題であり、現役世代の負担を軽減し、誰もが年齢にかかわらず能力や個性を生かして支え合う全世代型の社会保障を構築する必要がございます。
 政府といたしましては、昨年末に閣議決定いたしました改革工程に掲げられている事項を具体化していくことが必要であり、御指摘をいただきました医療における現役並み所得の判断基準や、市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直しなどを含めまして、患者に対する必要な保障が欠けることのないよう、見直しによって生じる影響を考慮しながら、丁寧な検討を進めてまいります。
 食料自給率の現状と農業の担い手についてでございますが、我が国の食料自給率はカロリーベースで三八%と低迷しております。農地などを健全に維持し、農業従事者を確保し、また、農業の基本的技術を維持向上させていくことにより、食料自給力を向上させていく必要があると考えております。
 特に農業従事者につきましては、その人数の確保のためのみならず、人口構成を持続可能、サステナブルなものとするため、農業の生産性と付加価値を高める取組を後押しし、就農後の早い時点で所得が確保でき、努力に応じて経営発展につなげていけるなど、農業の魅力を高めてまいりたいと考えております。
 教育国債についてでございますが、人的資源への最大限の投資を行い、あらゆる人が最適な教育を受けられる社会を実現いたしますとともに、科学技術、イノベーションを推進し、日本経済の活性化と成長を加速させるため、必要な教育、科学技術予算を措置してまいります。
 その際、例えば、こども未来戦略の加速化プランでは、前例のない規模で子ども・子育て支援を強化いたしており、それを支える安定財源につきましても、徹底した歳出改革などを通じて確保することといたしております。
 一方で、教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があるものと考えております。
 教育、子育ての経済的負担の軽減及び扶養控除についてお尋ねをいただきました。
 教育費につきましては、例えば、高校段階の支援について、所得制限を設けることで捻出した財源により低所得世帯への支援を拡充いたしてきたところであり、このような基盤となる国の制度と、地域の実情を踏まえて地方自治体が上乗せして実施する支援が一体となって行われることが適切であると、このように考えております。
 教育の機会均等という要請の中でどこまで家計の負担軽減を図るべきかということにつきましては、引き続き考えるべき課題と考えております。
 十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除につきましては、所得控除から手当へという考えの下、子ども手当の創設に伴い廃止されたものでございます。
 十六歳から十八歳の扶養控除の見直しは、令和六年度政府税制改正大綱におきまして、高校生年代に支給される児童手当と併せ、全ての子育て世代に対する実質的な支援を拡充しつつ、所得階層間の支援の平準化を図ることとされております。これらも踏まえる必要があると考えておるところでございます。
 奨学金の債務負担軽減についてでございます。
 奨学金の返還につきましては、政府といたしまして、これまでも返済の猶予や毎月の返還額を減額する制度などにより負担軽減を図ってきたところでございます。さらに、こども未来戦略に基づき、奨学金の返還が負担となって、結婚、出産、子育てをためらうことのないよう、令和六年度から減額返還制度の収入要件を緩和し拡充したところでございます。
 なお、奨学金の返還免除につきましては、教職の高度化等を図る観点から、教師について令和七年度より教職大学院修了者などに限り免除することとしておりますが、そのほかの分野の免除や返還者全員を対象とした債務の免除につきましては、返還を完了された方との公平性や職業間の公平性等の観点から慎重な検討が必要であると、このように考えておるところでございます。
 就職氷河期世代への支援についてでございます。
 就職氷河期世代に対しては、支援ニーズを把握した上で、ハローワークの専門窓口における就職支援、非正規雇用労働者を正社員化した企業に対する助成、引きこもり状態の方々への相談対応など、きめ細かい支援を実施しております。その実施に当たりましては、取組の進捗、実績を毎年点検の上、随時運用の改善を図っており、着実に成果が得られてきておると、このように考えております。
 就職氷河期世代の実態につきましては、これまでも関係団体からのヒアリングに基づき把握に努めてまいりましたが、さらに、昨年度より実施しておりました就職氷河期世代の支援施策に関するニーズなどの調査結果を近日中に公表する予定でございます。
 来年度以降は、就職氷河期世代を含め、幅広い中高年層を対象に更に効果的な支援が行われるよう施策を講じることといたしており、引き続き、相談、リスキリングから就職、定着までの切れ目のない支援に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 サイバー攻撃への対処についてでございます。
 近年、機微情報の窃取、重要インフラの機能停止などを目的とする高度なサイバー攻撃に対する懸念が急速に高まっております。国家を背景とした形での重大なサイバー攻撃も日常的に行われるなど、安全保障上の大きな懸念にもなっておるのは御指摘のとおりでございます。こうした厳しい情勢の下、我が国のサイバー対応能力の向上はますます急を要する課題であると、これも御指摘のとおりでございます。
 能動的サイバー防御の実現に向けた法制度の整備につきましては、十一月二十九日に有識者会議から提言をいただいたところでありまして、これを踏まえまして、可能な限り早期に法案を提出できますよう、引き続き準備を加速いたしてまいります。
 サイバーセキュリティー人材の育成につきましては、有識者会議からも、魅力的なキャリアパスの提示、若年層からの教育、産学官の人材交流の推進などの提言をいただいておるところであり、これを踏まえて、サイバー攻撃への対処に当たる優れたデジタル人材の育成、確保に一層努めてまいりたいと考えております。
 自動車関係諸税についてお尋ねを頂戴いたしました。
 御党から、自動車関係諸税の負担軽減などの御要望をいただいておりますことはよく承知をいたしておるところでございます。
 これまでの与党税制改正大綱におきましても、日本の自動車戦略、インフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標の実現への貢献などを踏まえつつ、公平、中立、簡素な課税の在り方につきまして、国、地方を通じた財源の安定的な確保を前提に、中長期的な視点に立って検討を行うこととされておるところでございます。
 御指摘の環境性能割を含みます自動車関係諸税につきましては、今年の与党税制調査会におきましても議論が行われ、大綱の取りまとめに向けて詰めの調整が行われているものと承知をいたしておるところでございます。
 御指摘のいわゆる走行距離課税や出力課税につきましては、政府として具体的に検討を行っているわけではございません。
 以上でございます。拍手
    ─────────────
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関口昌一#26
○議長(関口昌一君) 吉良よし子君。
   〔吉良よし子君登壇、拍手〕
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吉良よし子#27
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私は、会派を代表し、二〇二三年度決算について総理に質問いたします。
 二〇二三年度決算を審議するに当たり政治が決着を付けなくてはならないのは、裏金事件の真相解明と金権腐敗の一掃です。
 今国会では、年内に幕引きとばかりに裏金議員の政倫審への出席と弁明が始まっていますが、全く反省がありません。総理も予算委員会で、企業献金の何が悪いのかとまで開き直っていますが、これでは金権腐敗は一掃できません。
 日本共産党は、企業・団体献金全面禁止法案、政党助成法廃止法案を参議院に提出しました。裏金政治、金権腐敗を政界から一掃するには、国民の求める企業・団体献金の禁止こそ実現すべきではありませんか。お答えください。
 二〇二三年度決算の税収は七十二兆円で、過去最大となりました。そのうち、庶民に重い負担となる逆進性の強い消費税が二十三兆円と、一番多いという税制のゆがみがあらわになっています。まず、何よりも生計費非課税の原則に立って、最悪の生計費課税である消費税を緊急に減税し、インボイスは撤廃すべきではありませんか。
 二〇二三年度、学校給食費の無償化が各自治体で大きく広がりました。文部科学省が行った調査では、小中学校で完全に給食を無償にした自治体は五百四十七自治体に大きく広がっており、学校給食の無償化が求められていることは明らかです。
 課題は財源です。多くの自治体が国からの地方創生臨時交付金を活用していたため、一旦無償化を実現した自治体でも、次年度以降実施しない、検討中などとする自治体も少なくありません。今回の補正予算では重点支援地方交付金が追加されましたが、国の責任で全国どこでも給食を無償にすべきではありませんか。
 総理は、この間、学校給食の支援対象の妥当性や公平性などを強調し、これらの課題を整理すると繰り返しています。これは、できない理由を挙げて、いつまでたってもやらないと言っているのに等しいのではないですか。直ちに実施すべきではありませんか。
 あわせて、緊急に行うべきは大学の学費値上げを止めることです。
 先日の予算委員会で総理は、国立でも私立でも相次いでいる学費の値上げを止めるとは言わず、従来の修学支援新制度の拡充を述べるにとどまりました。学費値上げは御自由に、学生はアルバイトで稼げ、政府は予算を出しませんという姿勢では、若者は夢も希望も持てません。大学の学費値上げを止めるため、緊急に予算措置をすべきではありませんか。改めてお答えください。
 二〇二三年度決算は、安保三文書に基づく大軍拡が始まった年の決算にもなります。防衛関係費は、二〇二三年度だけで防衛力強化資金への四兆円超えの繰入れも含めて十一兆五千四百七十三億円、前年度から六兆百八十七億円の大幅増となりました。金額が増え続けている上、敵基地攻撃能力を持ち、日米同盟強化へとひた走っていることも大問題です。
 昨年十一月には、横田米軍基地所属の垂直離着陸機CV22オスプレイが屋久島沖で墜落し、搭乗員八人全員が死亡した事故が発生しました。その後も、この事故と同じ不具合を示す警告が出た事故も発生しています。しかも、事故調査報告書では、正確な根本原因を特定することができなかったとし、今後の再発防止策も示していません。
 根本的な事故原因が特定できないまま、同じような墜落事故が起きる危険も残された状態でオスプレイの飛行を容認するのですか。国民の命と安全を守るために、オスプレイ全機の飛行停止、全面撤去をすべきです。答弁を求めます。
 世界では、軍事対軍事などの抑止力の強化などではなく、対話と外交、国連憲章と国際法に基づき平和を築こうという流れが力強く前へと進んでいます。
 今年十二月十日、日本被団協へのノーベル平和賞授賞式が行われました。核兵器は地獄の兵器だ、絶対に使ってはならない兵器だという核タブーを国際社会に確立し、核兵器禁止条約を誕生させた被爆者の皆さんの歴史的な闘いに心から敬意を表します。授賞式でスピーチした日本被団協の田中熙巳代表委員は、原爆で亡くなった死者に対する償いは日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたいと繰り返し強調し、強い憤りを表しました。
 日本政府の姿勢に世界の厳しい目が向けられています。総理、直ちに国家補償を実現し、援護施策を抜本的に拡充すべきではありませんか。そして、被爆者の長年の思いに応え、来年三月の核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加、核兵器禁止条約の批准へと進むべきではありませんか。
 元日の能登半島地震からもうすぐ一年がたちます。これも二〇二三年度の出来事です。まずは、震災、豪雨、二重の災害で深刻な被害を受けている皆さんが能登で生きていく希望が持てるよう、これまでの延長線上でない支援の抜本強化を求めます。
 あわせて、能登半島地震では志賀原発も被害を受けました。地震直後の複数のトラブルや周辺道路の寸断で避難経路も確保できないという事態を前に、改めて、地震の国日本に原発は共存できないことが明らかになりました。
 先日、政府が公表した第七次エネルギー基本計画の原案では、これまでの可能な限り低減するとしていた原発について最大限活用としていますが、速やかに原発ゼロへと踏み出すべきではありませんか。
 また、温室効果ガスの排出削減目標についても、二〇一三年度比六〇%などではなく、二〇一三年度比七五から八〇%という、一・五度目標の達成へ、CO2排出大国としての責任にふさわしい野心的な目標を設定すべきではありませんか。
 二〇二三年、忘れられないのは、旧ジャニーズ事務所の元社長、故ジャニー喜多川氏による長期にわたる子供たちへの性虐待が明らかになったことです。古くは一九五〇年代から二〇一〇年代半ばまでの長期にわたり、被害申告が一千名を超える多数の当時十代前後だった子供たちが性虐待の犠牲になった驚くべき事実が明らかになり、社会に衝撃を与えました。
 このジャニーズ性加害問題は、世界に類を見ない世紀の性犯罪事件であり、深刻な人権侵害です。総理にその認識はありますか。
 今年十月九日、被害を訴えた当事者の皆さんが、このまま終わらせてはならない、風化させないでと会見を行いました。この声に政治も真剣に向き合うべきです。
 特に子供の性被害は、被害に遭った子供がその行為の意味がすぐには分からず、すぐ告発できないという場合が多くあります。被害に遭ってから数十年たって、大人になってから被害を告発しようとしても、公訴時効があり、訴訟に至らない場合も少なくありません。事件を風化させない、子供たちを性犯罪から守るため、公訴時効の撤廃に踏み出すべきではありませんか。
 今年は、子どもの権利条約を日本が批准して三十年という節目の年でした。子供たち一人一人が、自分は大切にされている、この社会に愛されていると実感できる、子供の権利が社会のあらゆる場所で尊重される政治、社会を目指す決意を申し上げ、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#28
○内閣総理大臣(石破茂君) 吉良よし子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 企業・団体献金についてでございます。
 自民党の旧派閥における政治資金収支報告書の不記載の問題は、政治資金パーティーによる会費収入額を正しく記載しなかったというものであり、企業・団体献金とは関係がございません。その上で、政治活動の公明と公正を確保するため、企業・団体献金も含め政治資金の透明性を高める取組は重要であると認識をいたしております。
 政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できる、誰でも容易に確認できるデータベースの構築に取り組んでまいります。
 企業・団体献金に関する規制の強化につきましては、憲法で保障された企業などの政治活動の自由にも関わる問題であることから、その必要性や相当性をよく議論する必要があるというのが我が党の基本的な考え方でございます。
 他方、企業・団体献金に対する考え方は各党各会派によって様々であるということもよく承知をいたしておりまして、引き続き、その在り方について真摯な議論を行ってまいります。
 消費税率引下げ、そしてインボイス制度の廃止についてのお尋ねを頂戴いたしております。
 消費税につきましては、急速な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中におきまして、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられておりますことから、政府としてその引下げを行うことは適当ではないと考えております。
 インボイス制度につきましても、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することは考えておりません。
 インボイス制度に対する御不安、御懸念を抱かれておられる方々もいらっしゃいます。そのような不安などに対しましては、税負担や事務負担を軽減する二割特例などを周知いたしますとともに、事業者からの御相談に引き続き丁寧に対応いたしてまいります。
 学校給食費についてでございます。
 学校給食費につきましては、低所得世帯では既に無償となっておりまして、その割合は児童生徒の約一四%となっておるところでございます。
 今回の補正予算におきまして、現在の物価高などの状況を踏まえ、地域の実情に応じた保護者負担の軽減の観点から学校給食費の支援も行えるよう、重点支援地方交付金を追加しておるところでございます。
 学校給食費の無償化につきましては、今年六月に公表いたしました学校給食の実態調査の結果を踏まえ、考えられる課題を整理をいたしてまいります。その際、こども・子育て加速化プランにおきまして児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要もあるものと、このように考えておるところでございます。
 現在、既に独自の給食無償化を実施している自治体の傾向や、成果の検証状況などについて更なる分析を実施しておるところでございますが、このような分析も踏まえつつ、年末をめどに課題を整理いたしてまいります。
 大学の学費値上げを止めるための予算措置についてのお尋ねを頂戴いたしております。
 大学の授業料につきましては、関係法令等に基づき各大学の設置者においてこれまでも適切に設定いただいてきたと、かように認識をいたしております。
 本年度から授業料等の減額などの対象を拡充するに当たり、支援拡充の趣旨に反するような学費値上げが行われることのないよう、各大学に通知したと、このように承知をいたしておるところでございます。
 政府として、ベースとなる授業料減免は講じているところでございますが、仮に各大学が授業料の引上げを行う場合には、併せて大学独自で授業料減免の対象を拡大するなど、低所得世帯の学生への配慮、支援も併せて講じていただきたいと、このように考えております。
 オスプレイの配備についてでございます。
 昨年十一月に屋久島沖で発生した米軍オスプレイの墜落事故につきまして、事故の状況や原因は明らかとなっており、原因に対応した各種の安全対策の措置を講じることにより、同様の事故の予防や対処が可能であるということでございます。
 我が国におきますオスプレイの配備は、災害救援や離島防衛を含みます我が国の安全保障にとって重要な意義を有しており、抑止力、対処力の向上に資するものであります。米軍オスプレイの配備撤回を求める考えや、自衛隊のオスプレイの配備を撤回する考えはございません。
 オスプレイの安全性はこれまでも累次の機会に確認をしてきておりますが、引き続き安全確保には万全を期してまいります。
 被爆者援護施策及び核兵器禁止条約についてでございます。
 原爆被爆者への援護施策につきましては、これまで原爆被爆者援護法に基づき、国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害がほかの戦争被害とは異なる特殊の被害であることに鑑み、高齢化の進行しております被爆者の方々に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じておるところでございます。
 具体的には、被爆者の皆様に対しまして、健康診断の実施、医療費の助成、被爆者の状況に応じた各種手当の支給などの援護対策を実施しており、こうした対策を着実に今後も実施をいたしてまいります。
 核兵器禁止条約への対応につきましては、米国との間で拡大抑止の信頼性を確保しつつ安全保障上の脅威に適切に対処していくとの大前提に立ちつつ、唯一の戦争被爆国としてその歴史的責務をどのように果たしていくべきかという難しい課題の一環と認識をいたしております。核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組としていかなる対応が適当かを予断を持つことなく検証しておるところでございます。
 原子力発電と温室効果ガスの排出削減目標についてでございます。
 AI時代の電力需要増加が見込まれる中、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を同時に実現し、エネルギー自給率を高めることが重要であり、Sプラス3Eの原則の下、あらゆる選択肢を確保していく必要がございます。そのため、徹底した省エネルギーとともに、再エネ、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源の最大限活用を進めます。
 現在、次期削減目標の策定とその実現策につきまして、国の審議会で検討を深めております。エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績などを踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
 子供たちへの性加害問題への認識及び子供に対する性犯罪の公訴時効についてのお尋ねでございました。
 子供への性犯罪、性暴力は、子供の心身に有害な影響を及ぼし、かつその人権を著しく侵害する極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではないと認識をいたしております。
 令和五年の刑法等の改正により、性犯罪の公訴時効期間は五年延長され、被害者が十八歳未満である場合につきましては若年者の特性を踏まえて更に延長されたところであり、まずは改正後の規定が適切に運用されることが重要であると考えておるところでございます。
 その上で、改正法では、政府は施行後五年を経過した場合に速やかに施策の在り方について検討することとされておるところでございまして、公訴時効の在り方につきましても検討の対象になり得る、このように考えておるところでございます。
 以上であります。拍手
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関口昌一#29
○議長(関口昌一君) 木村英子君。
   〔木村英子君登壇、拍手〕
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