橋本幹彦の発言 (安全保障委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○橋本(幹)委員 ありがとうございます。
この委員会で何度か防衛大学校の話をさせていただきました。防大の改革、さきの卒業生も大変いろいろな思いがあって改革をなさったということを大臣はおっしゃいました。私もそれを踏まえて改めていろいろと話を聞くわけですけれども、確かに改革を頑張ったという努力はあったかもしれません。ただ、それが本当に、この今の複雑な安全保障環境で、存在ではなくて行動していく自衛隊を目指していくときに、果たして本質的な教育の改革だったのだろうかというと、私はそうではないのではないかと思います。
私が防大生のとき、学校長は国分良成学校長でございました。そのときに大変印象深い出来事がありまして、ビブリオバトルという書評合戦の競技会がございました。このときに、言ってしまえば乗りと勢いの発表をした学生がいまして、それに対して学校長が大変激怒されまして、知性と教養がないというようなことを述べられた。それが私が一学年のときです。それで、二学年以降、私はビブリオバトルの競技会に携わって、知性と教養とは何なのか、乗りと勢いではないそういった態度とはどういうものなのかということをいかに浸透していこうか、考えたわけでございます。
例えば、防衛大学校では、大臣のときはどうだったか分からないですけれども、学生に書棚が割り当てられて、そこに教科書ですとか参考書ですとかいろいろなものを載せるわけですけれども、書棚に並べるときに、背の順に並べろと指導されるんです。背の順にすると確かに見栄えがいいです。先日も、この安全保障委員会で信太山駐屯地の視察に行ったときに、隊員の隊舎を見たときも、プライベートのスペースにおいても背の順に本は並んでいました。そういう教育というのは自衛隊のどこでもあるんだろうなと思います。
ただ、防衛大学校、アカデミックを追求しようというときに、本をジャンル別に並べるのではなくて、背の順で必ず並べなさいと。私は民俗学者の柳田国男が好きで、柳田国男全集を防大の書棚に置いていたのですけれども、そのときも、一巻から十巻まであるわけです。それが、一巻から十巻で並べさせてくれればいいものを、太さでやっていく。
今例示したものは細かな話かもしれませんし、本質的かと言われるとそうではないかもしれないですけれども、こういうところに私は自衛隊の知性に対する態度が表れていると思います。
知的基盤の話をしますと、どうしても多くの国民ですとか内局の皆さんの理解もなかなか得難いところではあるんですけれども、仮に、最高の素材がそろっていて、設計図があって、大工さんがいて、それで建築物が建つわけですけれども、どんなにいい素材があっても、どんなにいい装備があっても、しっかりとした設計図といい大工さんがいなければ、それはしっかりとした建物にならないわけです。
是非、頭脳の面、知的基盤の面をしっかり整備していただきたいという思いですけれども、ただ、何度も確認させていただきました。私が提出を求めた資料によれば、博士号を持つ幹部は僅か十七名。そして、自由な議論の場であった「陸戦研究」ですとか、そういった平場での議論の冊子も廃刊になってしまった。こういったことも含めて、私は知的基盤が軽んじられているのではないかと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。