西園勝秀の発言 (外務委員会)

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○西園委員 岩屋大臣、御丁寧な御説明ありがとうございます。
 NPT体制の下で、核軍縮、核不拡散を成し遂げていくことは極めて重要であると思います。
 その上で、私が感じていることは、核抑止論の是非についてです。せめて自国の安全だけは守りたいという思いから、核抑止論が幅を利かせ、さらには、核武装すら容認するような空気が世界を覆っている気がいたします。しかし、恐るべき破壊力と殺傷力を持つ核兵器に依存する核抑止論は、突き詰めれば、人間への不信感に根差したものであり、それを助長し、人間性のきずなを断ち切る思想と言えるのではないでしょうか。
 核時代に終止符を打つために私たちが本当に立ち向かうべき相手は、核兵器でも、保有国でも、核開発国でもありません。真に克服すべきは、自国の安全や利益のためには、核という脅威をもって相手を支配することを正当化しようとする、核兵器を容認する思想そのものではないでしょうか。
 核兵器による脅しに駆られ、不安に揺れ動く心から、平和がもたらされるわけは絶対にありません。その意味で、核のない世界を目指す第一歩として、核兵器の先制不使用という核保有国の合意は大変意義があることだと思います。是非とも、唯一の戦争被爆国である日本から、核兵器の先制不使用に向けたアプローチをしていただくことを切にお願い申し上げます。
 次に、アメリカのUSAID解体の影響についてお伺いいたします。
 トランプ大統領が、長年にわたり世界各地で開発や公衆衛生を支えてきたアメリカ国際開発局、USAIDを解体し、業務の八三%を廃止すると発表したことで、世界に衝撃が走っています。この動きは、アメリカ一国の政策転換にとどまらず、イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパ諸国にも影響を及ぼし、世界全体として、途上国への支援を縮小し、自国の防衛費へと予算が振り替えられる傾向が強まっています。
 対外援助が後退すれば、教育、保健、インフラ、気候変動対策など、途上国の未来に直結する分野への資金が減少し、地域の安定が損なわれます。その結果、貧困や紛争による移民、難民が流出し、さらにはテロリズムの拡大など、より深刻な問題の火種となるおそれがあります。
 また、中国やロシアが途上国で権益を拡大し、民主主義や法の支配という理念が軽視され、力による現状変更を容認する国が続出するなど、そのことによる各地での紛争も多発するおそれがあります。
 国際社会における対外援助の在り方が大きく変化している現在の状況は、目先の自国の利益のみにとらわれ、視野が内向きへと狭くなり、結果的に世界を混乱へと導く大変危機的なものであると私は危惧します。
 ロシアや中国、北朝鮮の動向など、軍事的に緊張が高まっている時代ではありますが、だからこそ、世界の人々の暮らしを守り、支える支援が、中長期的に考えれば、世界の安定と平和の基盤になっていくと確信いたします。
 以上の観点から、三点御提案を申し上げたいと思います。
 まず第一に、日本のODAの戦略的活用です。民間資金の呼び込みや、デジタル、気候、保健といった分野に重点を置いた援助を通じて、日本らしい価値観を世界に発信すべきであると考えます。
 第二に、同志国との連携強化です。欧米諸国が援助を後退させる中だからこそ、日本がリーダーシップを発揮し、グローバルサウスと信頼関係を築くべきです。
 第三に、援助に対する国民理解の促進です。物価高で日本の国民自身も厳しい生活環境の中、なぜ今、外国にお金を出すのかという疑問に対して、援助が日本自身の安全保障や経済的利益にもつながるという正確な説明を、分かりやすい方法で周知させていくことが必要であると考えます。
 世界が分断に向かおうとしている今、こうした流れを防ぐためにも、日本における国際援助の役割がこれまで以上に重要になってきていると思いますが、政府の御見解をお聞かせいただければと存じます。

発言情報

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発言者: 西園勝秀

speaker_id: 2786

日付: 2025-05-21

院: 衆議院

会議名: 外務委員会