田中邦裕の発言 (経済産業委員会)

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○田中参考人 さくらインターネットの田中と申します。
 本日は、このような機会をいただきまして、また、日頃から弊社、業界をサポートいただいておりますことを改めて感謝いたします。ありがとうございます。
 私の方から約十分間、皆様の方にお話をさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 二ページ目、自己紹介というページがございますけれども、私、二十九年前に、舞鶴の高専に在学中にさくらインターネットを創業いたしました創業者でございます。
 先ほどからも高専人材の話が出ておりますけれども、下にございますように、高専の運営を担わせていただいたりだとか、最近徳島でできたまるごと高専、新しい高専の設立、サポート、また理事をさせていただいたりだとか、人材育成にも尽力させていただいております。
 ちなみに、私、九三年に高専に入りまして、九八年に卒業いたしましたけれども、その頃は、高専生ですら就職できないというぐらいに非常に厳しい時代でございました。しかしながら、インターネットの波が来る中で、趣味が高じましてこの会社を設立したということでございます。ただ、その後、個人向けにひっそりとやっていた会社だったんですが、今では、一昨年にガバメントクラウドにも仮認定いただきまして、目下、正式認定をいただくために開発を進めているという会社でもございます。
 一言で特徴を申し上げますと、社長が好きでやっている会社だということなんですけれども、やはり、自分で技術を持ち、そして好きでやっていく、スタートアップの基本でございますけれども、私ども、今年で上場から二十年になりますが、そういった老舗のネットベンチャーでございます。
 次のページに行っていただきまして、ここからは本題の方に入らせていただきたいんですけれども、私、一言で申し上げると、いかに成長産業に投資をして、その果実を五年、十年、三十年、五十年、百年とこの国が、そして国民が得続けられるかということが重要だと思っています。そういった意味で、やはり成長産業に投資をするということが非常に重要であります。
 AIを動かすためにはソフトウェアが必要であり、ソフトウェアを動かすためにはクラウドが必要であり、クラウドを成立させるためにはサーバーが、サーバーを動かすためにはデータセンターが、それを稼働させるためには半導体と電気が必要だということは皆様も御存じのとおりかと思います。それぐらい産業の米が電気や鉄から今は半導体そして計算資源へと移っているというのが現在でございます。
 ただ、本日申し上げたいのは、これだけの成長産業になぜか日本が投資をしない、その投資主体がほとんど海外であるということ、これは非常にゆゆしき事態だというふうに思っております。
 ちなみに、そこに走っている丸ノ内線、建設及び車両購入、二百両買ったそうですけれども、その建設費、購入費は二百億円だったそうです。ちなみに、関西人なら興味深い阪神甲子園球場、あれは百年前に三百万円で造ったそうです。
 長期のデフレで物の値段が上がるということに慣れていない時代になっていますけれども、長期でアセットを持つことによりそれが価値を高めていく、そういった中で、いかに早く自分たちで投資をしてそのオーナーシップを持つかというのは非常に重要なわけですけれども、この三十年間、どうしても、デフレで、投資をしちゃうと損をするという時代が続きましたから、そういった投資をしないわけなんですけれども、改めてインフレ時代になって、早く投資した人の方が有利になってきている、しかしながら、その早く投資している人が外国だったらどうだろうかということは本当に重く受け止めないといけないと思っております。
 次のページ、四ページ目を見ていただきたいんですけれども、そんな中、私、日本データセンター協会の理事長をさせていただいておりまして、今、ワット・ビット連携の委員もさせていただいておりますが、ほとんどのデータセンター投資が外資である、そこで動いているサーバーもほとんど外資である、またその半導体もほとんど外資である、作っているのも外資である。
 ちなみに、AIの利活用でこの国はよくなるというふうに私は思っていますけれども、AIを利活用すればするほど国民が貧乏になるということも同時に申し上げなければなりません。デジタル貿易赤字は既に六・三兆円。要は、デジタルは便利であるわけですけれども、産業の米と言われるということは、その一番のキーを海外に握られることによって、それを利活用すると国民が豊かになると思いきや、その裏で確実に国富が流出するということを意味しています。
 実は、グローバルで見ると、日本のデータセンター事業者は比較的頭角を現しています。海外には日本は投資をいたします、足下のNISAでも海外の株ばかり買っているわけですけれども、日本には金があります、しかし日本には投資されていない、そして、その投資が将来複利的に増大したときに日本人を豊かにしない、これが今の状況であります。
 五ページ目を見ていただきたいんですけれども、これをニセコ化と私は呼んでおりまして、アセットは海外が持っている、運営、事業も海外の人がやっている、顧客も海外の人である、しかしながら働いている人だけ日本人、これがニセコ化でありますけれども、データセンターもそのような状況になりつつあります。
 加えて、日本は比較的海外よりも電気がまだ余っているというふうに言われています。カーボンフリーの電源も比較的獲得できるとも言われています。そうしたらどうなるか。日本にデータセンターを造って、海外の人たちが日本の電気を奪っていく、そうなると、ただでさえ今高くなっている電気代がもっともっと上がってしまうということを意味しています。
 ただ、その分、日本がデジタルでどんどんどんどん黒字をつくって国民が豊かになっているのであれば、電気代が上がってもそれを受け入れられるだろうというふうに思いますが、ニセコ化をしてしまうと、残念ながら日本が豊かにならず、しかし日本のアセットでグローバルの人たちが大もうけをするということを引き起こすわけです。
 その次のページの六ページでございますけれども、その結果がデジタル貿易赤字でございます。六・三兆円の貿易赤字といいますけれども、日本はこれまでエネルギーの輸入のために相当な苦労をしながらエネルギー確保を行ってまいりました。今、このデジタル貿易赤字をインバウンドで取り戻しているというふうに言われますけれども、付加価値の高いデジタル産業を取られて労働集約型の日本人が働くことに対して、国富を取り戻していく。
 私、沖縄に住んでいる沖縄県民でございますけれども、沖縄県民のつくった富、付加価値の実に二割は域外に流出している。そのほとんどは東京に来るわけですけれども、実際に、ホテルを予約するにも東京の会社、運営しているのも東京の会社。しかしながら、東京の会社ならまだ国富が残りますけれども、海外のブランドであったりだとか、VISAタッチなんか、すればするほど、どんどんどんどん数%がカリフォルニアに取られるという状況を起こしています。
 ですので、足下でいうと、やはり、便利になればなるほど日本人がもうかるためには、便利にしているもの自体、半導体、デジタル産業に投資をすべきだというのが私が今日一番申し上げたいことです。
 その中で、七ページ目、先ほど小池社長からもお話をいただきましたけれども、我々、国産クラウドというのを作っております。要は、我々のクラウドを使うことによって国富が国内にとどまるということをしています。単なるサーバー好きで始めた会社でございますけれども、このような国のアジェンダを担ぐことになるとは思ってもみませんでしたが、しかしながら、やはり、私、田中邦裕という、邦裕というのは国を裕福にということで親が名づけたそうなんですけれども、四十七歳にしてようやくその意味を知ったのかなというふうに僭越ながら思っております。
 そのような中で、今、我々はエヌビディアさんの半導体を基にAIインフラをつくっておりますけれども、小池社長からもございましたように、先日、ラピダスさんでプリファードネットワークスさんの半導体を生産し、我々がクラウドを提供するという基本提携をいたしました。これによって、本当に下から上まで、要は電気とシリコンさえあれば付加価値を全て日本国内で行っていける。加えて言うと、それを東南アジアを始めとしたこれからの国に輸出をしていくということ、これは極めて重要だと思っています。
 そんな中、最後に申し上げたいんですけれども、そのようなデジタルインフラに是非国の力をおかしいただきたいというものでございます。
 弊社は、右のグラフにありますように、二百億円ぐらいの売上げの会社でありながらも、既に今期は百四十五億の投資をしております。恐らく来期は更に多くなっていくだろうというふうに思っております。
 これに関しては、やはり国の支援を一昨年からいただいた結果、我々としては大胆に投資をすることができた。しかしながら、助成金だけではなくて、実は株式市場からも多くの資金を獲得しております。多くの上場企業が自己株買いや配当でどんどんどんどん株主様にお金を返している状況にありますけれども、弊社は、多くのお金を株主様から、市場からいただきまして、また国の支援をいただいて、それを元に利益が出たものも含めて投資をする。
 結果として、弊社は石狩にデータセンターを置いていますけれども、常に石狩市への納税額はトップスリーに入っているという状況にありますし、それを社員に還元することで、今期も一五%の賃上げをいたしました。ですので、付加価値の多くを地元に還元し、そして社員に還元し、そして、最近では、給与水準が上がったので、外資からもどんどんどんどん転職組がやってくるようになりました。
 その結果として、国富を増すためにサービスをつくり、海外に輸出をしていく、それで最終的にデジタル貿易黒字をつくれるように国の皆様の支援をいただければというふうに思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 田中邦裕

speaker_id: 31000

日付: 2025-03-28

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会