平林晃の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○平林委員 公明党の平林晃と申します。
 本日のテーマについて発言をいたします前に、三月十三日の本審査会における私の発言に対しまして委員室内外で様々な反応を頂戴いたしましたが、それらの中で、私の立場が正しく理解されていないかもしれないと感じられるものがありましたので、党の立場を含めて、改めて確認をさせていただきます。
 公明党は、昨年の衆議院マニフェストに掲げていましたとおり、日本国憲法が戦後民主主義の基盤を築いた優れた憲法であると認識をしており、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の三点を普遍の原理として、将来とも堅持することをうたっています。
 一方で、憲法施行時には想定されなかった新しい理念や、憲法改正でしか解決できない課題が明らかになれば、必要な規定の追加は検討されるべきとも示しております。いわゆる加憲という立場はこの意味で使っているものと理解をしております。
 こうした考えは、私がここまでの半生をささげてきたエンジニアリング、工学分野の基本的考え方に通じるものであります。課題があれば、それに必要な対策を講じていくということであり、対策ありきではありません。この点が、誤解されたかもしれないと危惧している点です。
 すなわち、私は、三週前、首班指名の正統性に関する疑義を申し述べ、思料すべき課題の一つとして提起をいたしました。改憲ありきで申し述べてはおりません。であるにもかかわらず、そう決めつけておられるような反応をいただきましたので、そうではないことを明確に申し上げまして、本題に入らせていただきます。
 先ほどの橘局長の御説明におきまして、国民投票法の基本理念について言及がありました。すなわち、憲法改正に向けての国民投票運動は、賛否を問わず、できる限り自由に行われるべきであり、その制約は必要最小限であるべきというものでありました。こうした理念は今後も堅持していくべきであると考えております。
 ただし、様々これまでも御言及がありましたとおり、情報通信をめぐる我々の環境は、AIやSNS等の急速な発展により劇的に変化をし、国民投票法成立、公布の二〇〇七年当時とは全く変わっております。
 このため、国民投票運動の自由を認めつつ、一方で国民投票の公平性、公正性を確保するという課題の解決はより困難なものになってきております。二律背反のこの状況は、本年が登場百年と言われる量子力学における不確定性原理をほうふつとさせるものであります。
 この課題を解決するための知恵が必要ですが、自由を尊重し、制約を最小限にという国民投票法の基本理念にのっとれば、自主的な取組を促す重要性を感じます。
 その意味で、まずは、広告主である政党側の自主規制は、我々が論じるべき重要テーマと認識いたしております。
 一方で、広告の受け手側の自主規制につきましては、放送とネットで異なってまいります。
 まずは、放送の自主規制に関しまして、放送事業者は、放送法の第五条の規定に基づき、放送番組の編集の基準を定め、これに従って放送番組の編集を行うこととなっています。これとは別に、国民投票法第百五条において、投票日前二週間の国民投票運動のための広告放送を禁止しております。この点は法規制ですけれども、自主規制として、民放連は国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインを策定し、意見表明CMなどについても投票日前二週間は取り扱わないことが推奨をされております。国民が冷静に判断できる投票環境の構築という意味で、評価をいたしております。
 一方で、ネットCMについては、これも先ほど局長から御説明ありましたように、事業者団体であるJIAAが、国民投票に特化してはいないものの、ネットCMの掲載基準について、業界標準の指針を定めておられます。ネットCMの出稿の複雑さなどを踏まえれば、法規制では容易ではなく、まずはこうした事業者団体による自主規制の取組を尊重すべきであると考えています。
 そして、広告主名、表示などの事業主の自主的取組について、これを遵守していない広告に対しては、国民から見て情報の信頼性を欠くというような状況をつくり出すことが重要と考えています。そのために、我々としても知恵を絞っていく必要があると考えております。
 さらに、もう一点付言させていただければ、日本ではフィルターバブルといった用語の認知度が他国に比べて低いという調査結果が総務省から報告されています。こうした状況を変えていくためにも、国民のネットリテラシーの向上を目指していくことも重要であると考えています。
 以上、るる申し上げてまいりましたが、本日のテーマである放送やネットのCMにおいては、事業者のみならず、広告主側の自主規制によって、ある程度、国民が冷静に判断できる投票環境の構築に資するのではないかと考えています。
 一方、それ以上に問題なのは一般のネット発信であり、これを制御して静ひつな環境を構築することが真に重要かつ極めて困難なテーマであると考えていることを申し述べて、私の発言を終わります。
 以上です。

発言情報

speech_id: 121704183X00320250403_013

発言者: 平林晃

speaker_id: 21927

日付: 2025-04-03

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会