階猛の発言 (憲法審査会)
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○階委員 立憲民主党の階です。
本日は、ネットCMに関して意見を述べたいと思います。
現在の国民投票法にはネットCMの規制は全くありませんが、立憲民主党は一定の法規制を設ける必要があるという立場です。
理由として、第一に、津村委員が先ほど述べた、我が党の放送CMの規制強化案とのバランスです。
これについて、先ほど来議論がありますけれども、我々は、放送CMとネットCM、全く同じ規制を課すという趣旨ではありません。政党等以外のものについては、放送CMのように、運動期間中に投票勧誘CMを配信することまで禁止していないからです。広報協議会がガイドラインを定めるなどして、ネットCMの内容の適正化を図るということにとどめています。表現の自由に配慮したものですが、放送CMとのバランスを欠くという御指摘もあることは承知しております。更にここで議論を重ねたいと思います。
ネットCMに法規制を設ける第二の理由は、業界団体の自主規制が及ばないアウトサイダーへの対応の必要性です。
業界団体たるJIAAは、インターネット広告掲載基準ガイドラインを定めています。JIAAに属さない広告主や媒体運営者も数多く存在する中で、アウトサイダーによって国民投票運動の公平公正が害されることのないようにすべきです。JIAA自身も、当審査会での私の質疑の際、法規制を設けることに反対まではしていませんでした。
ネットCMに法規制を設ける第三の理由、そして現状では最大の理由と思われる点は、ネットCMは受け手の意思を支配する力が強く、放送CMとは別の意味で法規制が必要になるということです。
すなわち、個人情報に基づくプロファイリングによるターゲティング広告によって、情報の受け手は無意識のうちに自分の趣味や嗜好に合う情報だけに取り込まれてしまうフィルターバブルに陥り、意思決定がゆがめられる危険が生じます。さらに、ネット上では、自らの考えに批判的な意見よりも同質的な意見を持つ者との交流が強まって、自説がより強固で先鋭的なものになってしまうというエコーチェンバーという現象もあります。一旦意思決定がゆがめられると、正常化するのは困難なのです。
この問題については、EUのターゲティング広告の規制が参考になります。そこでは、ターゲティング広告は、基本的に本人から提供されたデータに基づき本人の明示の同意の下に行われること、あるいは、人種や政治的意見のデータをプロファイリングに使用しないことといったような規制が設けられており、そもそも、ターゲティング広告であるということの表示も義務づけられています。こうしたことも参考にしながら、国民投票法に盛り込む内容を早急に検討すべきです。
関連して、憲法上の新しい人権として、かねてから私は、自己情報コントロール権、情報アクセス権、情報環境権という三つの権利の必要性も主張してきました。この点についても当審査会で議論を深めていきたいというふうに思っています。
以上です。