谷田川元の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○谷田川委員 立憲民主党の谷田川元です。
 緊急事態であっても国会の機能を維持するため議員の任期延長が必要だとの意見が多く出されていますが、国会機能の維持がそれほど重要ならば、それを不全にする、時の内閣による衆議院解散の問題を優先して議論すべきではないでしょうか。
 二〇一四年、二〇一七年の安倍総理による解散は、どう見ても、今やれば勝てるとの判断の下、解散が強行されたと断じざるを得ません。二〇二一年十月の岸田総理による解散、さらに昨年十月の石破総理による解散は、自民党総裁選が終わった直後で、御祝儀相場のうちに少しでも早い方が有利との判断でなされました。
 しかし、昨年は与党の思惑どおりになりませんでした。憲法審査会の委員でもあった石破総理は、憲法七条による恣意的解散を度々批判していました。さらに、解散前に予算委員会を開いて国民に判断材料を与えるべきと言っていたのが、党首討論でお茶を濁す始末。そういった石破総理の言行不一致に国民がおきゅうを据えたと言えます。
 さて、これまで、日本国憲法下、二十七回の衆議院選挙が実施されましたが、任期満了選挙は一九七六年の三木内閣のときだけです。全てが任期満了で実施されたとすると、十九回で済みました。そうすると、一度も解散がなければ八回分の経費が節約できたことになり、一回の衆議院選の費用は約六百億円ですので、四千八百億円の税金が使われずに済んだことになります。果たして、これだけの大金を使うだけの大義があったのか。時の政権が権力を維持するために国民の血税が使われたのが大半ではないでしょうか。
 さて、二〇二四年の世界の政府総債務残高対GDP比を見てみますと、日本は二三六・六六%で、一位のスーダンに次いでワースト二位です。どうしてこれほどの借金大国になってしまったのか。私は、日本において頻繁に国政選挙が行われていることが大きな要因だと考えます。
 本来、総選挙で勝利した政党は、次の選挙までの四年間で公約に基づく政策を実現していくべきですが、現実には二、三年で解散・総選挙。加えて、参議院選挙まで政権選択の意味合いを帯びると、常に選挙対策優先になり、国民に負担を求める政策は後回しになりがちです。財政再建、少子化対策など長期的に取り組むべき政策が実現できない状態にあると思います。
 さて、与党の幹部や閣僚が、解散は総理の専権事項という発言を度々します。私はそれに違和感を覚えます。憲法や法律にそのような表現は一切ありません。
 専権という字を広辞苑で引いてみると、「権力をほしいままにすること。思うままに権力をふるうこと。」とあります。すなわち、専権事項というのは、口出し無用という意味です。
 五年前の委員会質疑で、当時の高市早苗総務大臣に解散について質問したところ、正当な理由のない恣意的な解散は望ましくなく、時の内閣がしっかりと政治的な責任を持った上で解散を行うと答弁されました。総理の専権事項という表現は一切お使いにならなかった。これは立派な見識だと思います。
 そこで、自民党と公明党に伺います。
 衆議院解散をテーマとして今日こうやって憲法審査会で議論しているわけですから、解散は総理の専権事項という表現は使うべきではないと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 お配りした資料を見ていただきたいんですが、これは、保利茂元衆議院議長、先ほど橘法制局長が述べられたその部分ですけれども、アンダーラインの部分を一部読みます。「現行憲法下で内閣が勝手に助言と承認をすることによって“七条解散”を行うことには問題がある。それは憲法の精神を歪曲するものだからである。」ちょっとワンパラグラフ飛ばしまして、最後の方を読みます。「特別の理由もないのに、行政府が一方的に解散しようということであれば、それは憲法上の権利の濫用ということになる。衆議院を解散するに当たっては、三権分立、議院内閣制のもとにおいてそうせざるを得ないような十分客観的な理由が必要なはずである。」、そういうふうに述べられております。
 そして、水田三喜男元自民党政調会長が沖縄解散・選挙の後の昭和四十五年二月の本会議で質問した、アンダーラインの部分を読みます。「国会議員の任期が保障されない限り、議員は常に選挙運動に追われて落ちつかず、国会の公正な審議と採決が常に選挙用のゼスチュアによって妨げられる実情も、決してゆえなしとは思われないのであります。」、そう述べていらっしゃいます。
 そこで、自民党と公明党にお伺いいたします。このお二人のお考えをどう受け止めるか、見解を伺います。
 私ども立憲民主党は、恣意的解散を抑制するための法案を準備しています。衆議院解散決定の手続等を定めたもので、内閣は、衆議院解散を決定しようとするときは、当該解散予定日及び理由を十日前までに衆議院に通告し、併せて、議院運営委員会における質疑を義務づけます。これにより、衆議院の解散が妥当なのか、総選挙の争点が何なのか、国民に判断材料を提供することになります。
 また、過去二回の衆議院選では、解散から選挙期日までが極めて短く、地方選管の準備が整わず、問題が生じました。そこで、あらかじめ中央選管が全都道府県選管の意見を聴取し、それに基づいた中央選管の意見の聴取後に内閣が選挙日程を決めることを義務づける内容です。
 この法案をしかるべきタイミングで提出することを考えていますが、是非、他の会派の皆さんと共同で提出したいと思いますので、御検討のほどよろしくお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 121704183X00620250508_007

発言者: 谷田川元

speaker_id: 21282

日付: 2025-05-08

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会