枝野幸男の発言 (憲法審査会)
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○枝野会長 これより会議を開きます。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、憲法改正国民投票法を巡る諸問題、ネットの適正利用、特にフェイクニュース対策について調査を進めます。
初めに、去る四月十七日、国民投票広報協議会の具体的なイメージについて、会長、会長代理、幹事、オブザーバーによる意見交換会を行いましたので、その議論の概要を御報告いたします。
最初に、広報協議会の事務に関する議論を御報告いたします。
まず、議論を行うに当たっての視点として、広報協議会の性質を踏まえるべきとの指摘がありました。具体的には、広報協議会が憲法改正の発議後に設置され、事務局も臨時的に置かれること、つまり、ガイドライン策定などが現実的に可能なのかという点、政治家が、発議直後の状況下で、かつ、反対会派が少ない構成となり得る場において決定する機関であること、賛否平等の広報を行うことが法定されていること、以上の三点が挙げられました。
なお、憲法改正の必要がない以上、広報協議会の議論も不要であるという意見や、広報協議会における公平公正の確保に疑義を呈する意見なども述べられました。
また、現在議論されている広報協議会の事務は二つのカテゴリーに分けられることが指摘されました。すなわち、現行の国民投票法に規定された、広報協議会自身が行う広報、すなわち広報機能の具体化というカテゴリー、現行の国民投票法に規定されていない、広報協議会が他者の意見表明に何らかの形で関与する事務、すなわち新たな機能の追加というカテゴリーの二つです。
これを踏まえ、以下、このカテゴリーごとに御報告していきます。
まず、一つ目の、広報機能の具体化についてです。
現行の国民投票法十四条一項において、広報協議会の事務として、国民投票公報の原稿作成、憲法改正案の要旨の作成、放送、新聞広告による広報に加え、同項四号に、その他の憲法改正案の広報に関する事務が規定されています。審査会の議論では、その他の憲法改正案の広報に関する事務として、インターネット広報や説明会の開催が提起されてきましたが、意見交換会でも、これらを含め、この四号の事務として実際に何を行うのかを具体的に議論する必要性が改めて指摘されました。
次に、二つ目の、新たな機能の追加についてです。
この議論に当たり、総論として、次のような指摘がありました。
まず、この新たな機能の議論は、広報協議会の細目的事項を定める規程の詳細や、事務局の体制の在り方、つまり必要な人員等に影響するという点です。
また、審査会でこれまで議論されてきた国民投票における放送、ネット等の問題と関連している、つまり、広報協議会の新たな機能として何を行うかは、放送、ネットの問題に関して、法規制を行うのか否か、どのように対応するのかについての結論と関連するという点です。
さらに、特にフェイクニュース対策などSNS関係の議論は公職選挙法や社会問題にも関わるので、国民投票法に限った議論を行うべきであるという点や、客観的、公平公正という性格を有する広報協議会にふさわしい事務かという観点から議論を行うべきであるという点です。
次に、広報協議会の新たな機能の具体的な内容についてです。
これまでの放送、ネット等に関する議論の中で、広報協議会によるガイドラインの策定等の自主的取組の後押しや、事業者からの報告聴取、広報協議会のURLの優先表示等の一定の法的な義務づけなど、様々な方策が提起されており、意見交換会でも改めて各会派から提起されました。他方で、審査会で言及されていた広報協議会による削除要求については、表現の自由の観点から困難ではないかとの指摘がありました。
また、国民投票への外国の干渉は重要な論点であり、憲法審査会を起点として、幅広く他委員会や各政党を巻き込んだ議論を提起してもよいのではないかとの指摘もありました。
新たな機能に関し、意見交換会で特に議論があったのが、ファクトチェックとの関わり方です。
この点、少なくとも投票過程に関する偽情報に対しては広報協議会が自らファクトチェックを行うべきとの意見もありましたが、広報協議会が自らファクトチェックを行うことは、表現の自由等の観点から困難ではないか、公権力の行使に当たるのでかなり精緻な議論が必要ではないかとの意見が述べられました。
また、広報協議会がガイドラインでフェイクニュースの具体例を示すことは必要との意見が改めて述べられた一方、フェイクニュース対策は国民投票法に限らない議論が必要であることから、広報協議会がガイドラインを策定するかは議論が必要であることなど、ガイドラインの射程は論点の一つとの意見もありました。
さらに、ファクトチェック団体と広報協議会との連携や、広報協議会が真偽の判定をするのではなく、事業者の通報を受け、必要に応じて正しい情報を公表すること、いわゆる付随的情報提供も改めて提起されました。この付随的情報提供のように、正しい情報を公表するという行為は、事前に基準を定めれば、ファクトチェックではなく、広報協議会自身が行う広報と位置づけることも可能かもしれないとの意見もありました。
なお、新たな機能の条文の定め方については、新たな機能は国民投票法十四条一項各号の広報協議会自身が行う広報とは性質が異なることから、国民投票法に新たな条文を規定することも考えられるという指摘があった一方、諸外国の規定や、各省庁がガイドラインの策定等を行う根拠規定を参照して新たな規定の必要性を検討すべきとの意見もありました。
これらに関連して、諸外国の国民投票運動における偽情報等対策について、国立国会図書館に調査をお願いしましたので、本日、調査報告書をお配りしています。
以上の、広報機能の具体化と、新たな機能の追加の二つのカテゴリーの議論の順序についても意見が述べられました。
ここまで御報告した議論を踏まえて、放送、ネット等に関する規制に広報協議会が関わること、すなわち、新たな機能の追加は簡単ではないという点は、意見交換会において大分集約できたところであり、まずは広報機能の具体化から議論を進めてはどうかとの提案がなされました。
また、その他として、選挙管理委員会が行う国民投票の周知に広報協議会が連携することの議論の必要性、賛否平等の広報の在り方について検討するに当たり、公的広報に賛否平等の縛りがなかった大阪都構想の住民投票について検証する必要性、広報協議会の活動に必要な予算を積算して国民に明らかにする必要性も指摘されました。
なお、審査会の毎週開催は不要であるとの意見や、最短で憲法改正発議をする場合のスケジュール感を示してほしいとの意見もありました。
以上の広報協議会の事務そのものに関する議論とは別に、今後の議論の進め方についても議論がなされました。
まず、改めて、憲法改正に対する考え方を問わず、広報協議会の細目的事項を定める規程の整備は必要であり、また、事務的な手続の整備なので、できるだけ早く行うべきであるとの意見がありました。
規程の整備を含む広報協議会の議論については、審査会本体以外の場で制度設計等を議論すべきとの意見がありましたので、引き続き、幹事懇談会メンバーによる意見交換会の形式で進め、必要に応じて審査会本体に報告することとしたいと思います。
また、広報協議会に関する諸規程は、両院議長協議決定という法形式で定められることになっているため、ある段階で衆議院と参議院で足並みをそろえる必要があることも、改めて認識を共有したところです。
以上、意見交換会の概要を御報告いたしました。
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