狹間研至の発言 (厚生労働委員会)

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○狹間参考人 おはようございます。大阪の狹間でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは、医師をしながら薬局そして病院を経営している観点から、今回ちょっと意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 お手元にぺら二枚の資料がございます。そちらもちょっと御覧いただきたいんですけれども、医薬分業制度が始まって五十年になります。薬物治療の適正化を目指して医師と薬剤師が連携をする、これがそもそもの本分だと思うんですけれども、医師の専門性は診断と救命にあると思いますが、薬剤師さんの専門性というのは、薬理学や薬物動態学、製剤学といったものを基に、薬が体に入ったらどうなるかということを見極めることに専門性があると思います。
 医薬分業のそもそもの意味合いというのは、医師が診断をして、それに薬剤を使う、その薬剤がきちっと効果が出るのか、副作用が出ないのかということを薬剤師さんがフォローして、それを医師にフィードバックしていくという、このプロセスが重要なのではないかと思ってやってまいりました。
 ただ、現状の医薬分業制度の中では、どうしても薬剤師さんというのは薬を出すまでのところに限定されがちですので、スライドにも示しましたけれども、薬が体に入ったらどうなるかという学問を構造的に使いにくい形態、これが今、年間八億枚以上の処方箋が出ておりますけれども、日本で行われています。
 昨今、ポリファーマシーの問題や残薬の問題、これは医療費適正化の中でも非常に大きな課題だというふうに認識をしておりますが、これを改善するためには、薬剤師さんが服用後をしっかりフォローして、そこで薬学的なアセスメントを行って、医師にフィードバックする。端的に申しますと、患者さんが様々な、例えば目まいなら目まいという症状をおっしゃったときに、医師は目まいを起こす疾患を考えて薬を出すわけですけれども、薬剤師さんに聞くと、この薬を飲んでいれば目まいは起こり得るんじゃないか、そういうことを思っている。それを私どもに一度フィードバックをしていただければ、私ども医師もそれを考えて適切な処方につなげることができるんじゃないかということを考えてやってまいりました。それは今、大阪の自分の薬局とともに、病院の方でもそういったことをやると、やはりいい結果は出るというふうに認識をしております。
 そういった意味で、今回、薬機法の改正について三点申し上げたいというふうに思います。
 一つは、調剤業務の一部外部委託についてでございます。
 これは御案内かと思うんですが、大阪で国家戦略特区で、私、代表として大阪府、大阪市とともに共同提案し、取り組まさせていただきました。百五十六症例に対して外部委託を行いましたけれども、その結果については、安全性については担保できたというふうに考えております。
 一番の成果は、A薬局からB薬局にお願いをするわけですけれども、電磁的に情報を伝送することができるようになりまして、それによって、間違った機械の操作というのは起こらないというふうに考えております。
 そこの部分を担保しながら、安全性とともに有効性と経済性ということについても検討したんですけれども、ここにおいては、やはり、一包化に限定されていると、調剤、対物業務の効率化にしっかりつながりにくいケースがあるということ。
 それからもう一つは、これは個人情報保護法とも関係するとは思うんですが、患者さんの同意をいただくわけですけれども、この同意に非常に煩雑な手間がかかります。オプトアウトのような形式でしっかりやることの方が、対物業務の効率化については、実際、法律が実効性のあるものとして機能する際には重要なのではないかというふうに思います。
 いずれにしましても、対物業務の効率化に伴って対人業務の充実を実行することは、これからの地域の中で薬物治療が適正化される上では必須の項目というふうに考えております。その際には、どの程度まで外部に委託するのかとか、若しくは、同意をどこまで取るのかということをしっかり議論していただきたいというふうに思います。
 それとともに、高額医薬品の在庫の問題は薬局の経営にも直結いたします。今、外部に委託するのは一包化だけというふうに議論が進んでおりますけれども、高額医薬品も少しそういった形で委託できるようになれば、小さな薬局でも高額医薬品についてきちっとした服薬指導とか服用後のフォローができることで、患者さんは継続してその薬局にかかり続けることができる、そういったことができるんじゃないかなというふうには考えております。
 二点目は、医薬品の販売区分及び販売方法の見直しでございます。
 いわゆる零売のことですけれども、零売というのはやはり例外的なものだろうというふうに思います。そこにもお書きしましたが、医薬品の使用には医師の適切な診断が必要だというふうに考えます。そのためには、薬剤師さん自身の安全性も担保するためには、医師と薬剤師さんのタスクのシェアリングが重要なんじゃないか。軽微な疾患は当然ながら薬剤師さんが見ていくというシフトの概念もあるとは思うんですけれども、最終的には医師と薬剤師さんの連携が必要だというふうに思います。
 そういった意味では、御議論いただいたように、安価に医療用医薬品が入手できる手段として零売という制度が適用されることは、少し問題じゃないかなというふうに思います。
 一方、セルフメディケーションの推進それから薬剤師の職能発揮のためには、医師の処方を前提にした医療用医薬品の零売ではなくて、やはりきちっと、一般用医薬品の制度がございますので、OTC医薬品を適切に販売するということが重要ではないかと思います。
 その際に、セルフメディケーションについても、薬剤師さんはきちっと販売を、前回の薬機法改正でも示されたように、服用後をしっかりフォローをして、そして、医師に必要であればフィードバックする、受診の勧奨をするということが重要だというふうに思います。情報提供書を基に、こういった症状でこういった薬を出したけれども、余り症状がよくならないのでしっかり調べてあげてほしいといった、そういう情報提供書の添付等々も今後必要になるんじゃないかなというふうに考えております。
 三つ目は、医療用医薬品の安定供給体制の強化でございます。
 私、病院では、ケアミックスの病院でございます、元々外科医をなりわいとしておりましたけれども、ほとんど今は高齢者の内科の疾患を診ておりますが、例えば、抗生物質が入らないとか、もう本当に耳を疑うようなことがございます。それによって、自分の診療がどうしても制約を受ける。これの被害を受けるのはやはり患者さんでございますので、医薬品の供給というのは非常に重要であるというのは、私も同様の認識でございます。
 その中で、包括払いで今やっておりますので、当然ながら後発品の使用というのを第一にしているわけですけれども、後発品の供給が滞るということは、やはり、そもそも、現状、人件費の高騰や物価の高騰で、現在の診療報酬制度では非常に赤字の病院も、特に民間病院は多いと言われる中ではゆゆしき問題だと思いますので、是非その安定的な供給というものも実現をしていただきたいというふうに願っております。
 そういった意味では、今回、基金の創設を含めて、小ロットの多品種生産体制を一定修正をしていくということは非常にありがたいというふうに思います。
 ただ、全体の再編をしていく中でも、少し本論とはずれますが、中間年改定が行われている現状では、やはり一定期間まとまった連携といいますか統合というものは、経済的にもやりにくいというところがあるというふうにも考えます。ですので、是非こういったところとも連携をしながら、後発品の安定供給ということに是非業界として取り組めるような体制づくりというものをお願いしたいというふうに思っております。
 以上、私からは、調剤業務の一部外部委託の点については、同意書の部分とそれから委託範囲の部分について、是非、実効性のある部分というものをつくっていただくのがいいんじゃないかなということ。それから、零売については、零売はあくまで例外的なものであって、やはりきちっと、今回、PPIもOTCになるというふうに議論されていますけれども、そういったものをきちっと一般用医薬品の枠組みで行うということ。そして、後発品については、是非、多品種少量生産というところを、制度として修正しやすいような、そういった制度の見直しというものをしていただければというふうに思います。
 以上、現場で患者さんを診ながら、中小の薬局そして病院を運営している立場から意見を申し上げさせていただきました。
 今日はこういう機会をいただいて、ありがとうございました。以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 狹間研至

speaker_id: 12251

日付: 2025-04-08

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会