石川香織の発言 (消費者問題に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○石川委員 ただいま議題となりました公益通報者保護法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
まず、本修正案の趣旨について御説明申し上げます。
私たちが直面する企業の不祥事や組織の不正は、時に人々の生命や財産を脅かします。さらに、その不祥事や不正を内部から告発する公益通報者が適切に保護されなければ、真実は闇に葬られてしまい、是正される機会を失います。
反対に、通報者を保護することで、企業や組織が不祥事や不正を早期に改善することができます。つまり、通報者の保護は、個人の権利の保護にとどまらず、社会全体の利益の確保につながるのです。
こうした意味で公益通報者保護法は、通報者が解雇や降格、減給などの不利益を受けることを明確に禁止し、社会的正義を守る盾となる法律です。
この法律の実効性を担保するためには、通報者を保護することが何よりも必要です。通報した後に生じるリスクを排除して、通報者がためらわずに通報できるように措置する必要があります。
今回の改正案では、公益通報を理由とする懲戒や解雇を無効とし、事業者に刑罰を科すとともに、通報後一年以内の立証責任を転換することとしました。この改正自体には、もろ手を挙げて賛成するものです。一方で、消費者庁のアンケートでは、通報した場合の不利益な取扱いとして、解雇や懲戒よりも、配置転換や人事評価上の減点が多くを占めていました。この事業所の花形の部署である営業部にいたのに、一人だけの小部屋に移動させられ、草むしりをするくらいしか仕事を与えられないようなケースもあったと聞きます。現場で多く起きているのは嫌がらせのような配置転換です。現場でまさに直面している通報者保護の課題に真摯に対処すべきです。
また、政府における今般の検討会では、多くの重要な論点が積み残しとなりました。事例の積み重ねを待つのではなく、速やかに検討を進めるべきです。
通報者を保護し、ひいては社会全体の利益を確保するという公益通報者保護法の本来の目的を実現するため、これらの課題を解決する必要があります。こうした思いで、本修正案を提出した次第でございます。
次に、本修正案の内容について御説明申し上げます。
第一に、公益通報者の保護の拡大です。
無効となり、立証責任が転換され、罰則の対象となる解雇等特定不利益取扱いに、不当な配置転換を加えることとしています。
また、公益通報をするために必要な行為をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止することとしています。
第二に、事業者が取るべき措置の対象事業者の範囲の拡大等です。
事業者が取るべき措置に係る義務について、対象事業者の範囲を、常時使用する労働者の数が三百一人以上の事業者から、常時使用する労働者の数が百一人以上の事業者に拡大することとしています。
また、内閣総理大臣は、通報妨害の禁止及び通報者探索の禁止に関し、事業者が適切に対処するために必要な指針を定めることとしています。
さらに、事業者が取るべき措置に係る助言及び指導、事業者が取るべき措置に係る違反を是正するための勧告等について、国及び地方公共団体の適用除外の規定を削除することとしています。
第三に、検討規定について、施行後五年と定められている検討の目途を施行後三年とするとともに、通報対象事実の範囲の抜本的な見直し、公益通報者保護法により保護される者の範囲の更なる拡大、公益通報及び当該公益通報をするために必要な行為に係る刑事上の責任の免除、正当な理由のない通報者探索に対する規制の在り方、公益通報に関する紛争の迅速かつ適正な解決に資する制度の在り方、以上の五つの項目を検討事項として明記することとしています。
第四に、所要の規定を整備することとしています。
以上が、本修正案の趣旨及び内容です。
何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。