上村英明の発言 (内閣委員会)
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○上村委員 では、梶田参考人にお尋ねしたいと思いますけれども。
現在の政府は、学術政策として、競争的資金獲得などと結びついて、自然科学系の偏重を目指しているように私には見えます。しかし、理科系の研究者が社会問題と向き合ってきた歴史もあります。
かつて私は明治学院大学の国際平和研究所で働いておりましたが、一九八六年から九二年まで初代の所長を務められたのが豊田利幸先生でありました。一緒に、お話を聞く機会も何回かあったんですけれども、先生は素粒子論を専門とする核物理学者でしたけれども、日本学術会議の初代会員であった湯川秀樹先生や朝永振一郎先生と核兵器廃絶の運動に熱心に取り組まれました。
これは、ここにいらっしゃる皆さんは御存じだと思いますが、一九四三年、東条英機内閣の下で閣議決定した事項がございます。科学研究は大東亜戦争の遂行を唯一絶対の目標としてこれを推進するということがございました。
こうして、軍事研究に動員された歴史をくぐってこられた研究者の方たちが、日本学術会議のこうした位置づけを、設立をされたというふうに考えております。
その意味では、今、永田先生にちょっとお尋ねしたんですけれども、日本学術会議は、通常の学会や大学などの高等研究機関とは異なり、表層の社会課題に向き合うのではなくて、科学研究に従事されてきた研究者の科学的知見とプラス長年の経験を合わせて、深い洞察を示すというのが日本学術会議の本来の役目だというふうに私は思っています。
もちろん、若手の研究者との交流、結構です。それから、多様性を認めること、結構です。ただし、それだけではなくて、科学的知見と長い経験を積まれた方たちが集まり、深い洞察を示すという意味では、従来の学会や大学とは異なる組織であるというふうに考えていますが、梶田先生の御意見はいかがでしょうか。