内閣委員会
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会
会議録情報#0
令和七年五月七日(水曜日)
午前九時三分開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 伊東 信久君
理事 田中 健君
石原 宏高君 井野 俊郎君
江渡 聡徳君 尾崎 正直君
岸 信千世君 栗原 渉君
小池 正昭君 田中 良生君
土田 慎君 西野 太亮君
平井 卓也君 平沼正二郎君
宮下 一郎君 山際大志郎君
山口 壯君 市來 伴子君
梅谷 守君 岡田 華子君
小山 千帆君 下野 幸助君
長友よしひろ君 橋本 慧悟君
藤岡たかお君 馬淵 澄夫君
水沼 秀幸君 山 登志浩君
三木 圭恵君 石井 智恵君
菊池大二郎君 河西 宏一君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
…………………………………
国務大臣 坂井 学君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
政府参考人
(内閣府大臣官房総合政策推進室室長) 笹川 武君
政府参考人
(内閣府日本学術会議事務局長) 相川 哲也君
参考人
(筑波大学長) 永田 恭介君
参考人
(東京大学卓越教授)
(元日本学術会議会長(第25期)) 梶田 隆章君
参考人
(政策研究大学院大学客員教授)
(国際学術会議フェロー) 有本 建男君
参考人
(弁護士)
(日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長) 福田 護君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
五月七日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 土田 慎君
宮下 一郎君 小池 正昭君
おおたけりえ君 岡田 華子君
同日
辞任 補欠選任
小池 正昭君 宮下 一郎君
土田 慎君 西野 太亮君
岡田 華子君 小山 千帆君
同日
辞任 補欠選任
小山 千帆君 長友よしひろ君
同日
辞任 補欠選任
長友よしひろ君 おおたけりえ君
同日
理事伊東信久君同日理事辞任につき、その補欠として市村浩一郎君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
日本学術会議法案(内閣提出第三六号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時三分開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 伊東 信久君
理事 田中 健君
石原 宏高君 井野 俊郎君
江渡 聡徳君 尾崎 正直君
岸 信千世君 栗原 渉君
小池 正昭君 田中 良生君
土田 慎君 西野 太亮君
平井 卓也君 平沼正二郎君
宮下 一郎君 山際大志郎君
山口 壯君 市來 伴子君
梅谷 守君 岡田 華子君
小山 千帆君 下野 幸助君
長友よしひろ君 橋本 慧悟君
藤岡たかお君 馬淵 澄夫君
水沼 秀幸君 山 登志浩君
三木 圭恵君 石井 智恵君
菊池大二郎君 河西 宏一君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
…………………………………
国務大臣 坂井 学君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
政府参考人
(内閣府大臣官房総合政策推進室室長) 笹川 武君
政府参考人
(内閣府日本学術会議事務局長) 相川 哲也君
参考人
(筑波大学長) 永田 恭介君
参考人
(東京大学卓越教授)
(元日本学術会議会長(第25期)) 梶田 隆章君
参考人
(政策研究大学院大学客員教授)
(国際学術会議フェロー) 有本 建男君
参考人
(弁護士)
(日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長) 福田 護君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
五月七日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 土田 慎君
宮下 一郎君 小池 正昭君
おおたけりえ君 岡田 華子君
同日
辞任 補欠選任
小池 正昭君 宮下 一郎君
土田 慎君 西野 太亮君
岡田 華子君 小山 千帆君
同日
辞任 補欠選任
小山 千帆君 長友よしひろ君
同日
辞任 補欠選任
長友よしひろ君 おおたけりえ君
同日
理事伊東信久君同日理事辞任につき、その補欠として市村浩一郎君が理事に当選した。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
日本学術会議法案(内閣提出第三六号)
――――◇―――――
大
大岡敏孝#1
○大岡委員長 これより会議を開きます。
理事の辞任についてお諮りいたします。
理事伊東信久君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →理事の辞任についてお諮りいたします。
理事伊東信久君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大
大岡敏孝#2
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大
大
大岡敏孝#4
○大岡委員長 内閣提出、日本学術会議法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、筑波大学長永田恭介君、東京大学卓越教授、元日本学術会議会長(第25期)梶田隆章君、政策研究大学院大学客員教授、国際学術会議フェロー有本建男君、弁護士、日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長福田護君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、本当にお忙しい中、このように委員会にお運びくださいまして、ありがとうございました。
本日、先生方の忌憚のない御意見は、私たちの審議の重要な参考にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、永田参考人、梶田参考人、有本参考人、福田参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、永田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、本案審査のため、参考人として、筑波大学長永田恭介君、東京大学卓越教授、元日本学術会議会長(第25期)梶田隆章君、政策研究大学院大学客員教授、国際学術会議フェロー有本建男君、弁護士、日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長福田護君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、本当にお忙しい中、このように委員会にお運びくださいまして、ありがとうございました。
本日、先生方の忌憚のない御意見は、私たちの審議の重要な参考にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、永田参考人、梶田参考人、有本参考人、福田参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、永田参考人にお願いいたします。
永
永田恭介#5
○永田参考人 御紹介いただきました筑波大学長永田と申します。
本日、提案されている新しい日本学術会議の法案に対して、賛成の立場から、以下、意見を陳述させていただきます。
その前に、学術会議とはどのような組織であるかということを考えなければなりませんし、それに至っては、学術とは一体何なのかということを一回考え直してみたいと思います。
学術は、基本的には人文社会系、理工系、生物系、その他複合的な領域、幅広い領域における研究者の独創的でそれからオリジナルな知的活動とその成果のことを指しているということです。
研究者は、これらの幅広い領域で、おのずから自分の知的好奇心と自由な発想に基づいて、個人で、あるいは他者と、他者というのは、他の研究者であったり、産業界であったり、時には官庁であったり、そういったところと協働して、基礎研究、応用研究、開発研究、その類いにいそしんで、真理の探求及び価値の創造につなげる試みをなしているというわけであります。
研究者の知的な活動からは、当然ながら、知的好奇心が満足されるということもありますけれども、それ以上に、技術開発はやがて社会を変革するものにつながる場合がたくさんあります。それは、産業の発展であったり、経済の成長であったり、生活の質の向上や、はたまた文化的な変容にまで及ぶ場合があるということであります。AIの例を取っていただければ非常に分かりやすいかと思いますが、それが現実に今もう起こっているということです。
学術には国境がありません。この成果は世界全体に波及し得る人類全体の財産であるということです。それから、研究者の仲間は世界中にいるわけであって、その中では、競争と共創、これはコンペティションとコラボレーションという意味ですが、その中で日々これをなしていくということであります。
現在、インテグリティー、セキュリティーという難しい問題がありますけれども、研究者は、それに鑑みながら、その成果を生み出して、国の在り方あるいは社会、社会の課題の解決、生活の質の向上に資するような研究を続けているということですし、目的は、さっき言ったように、国はもとより世界の人々のウェルビーイングに資するような課題を解決しようともしていると考えて間違いないと思います。
本法案では、ここは読ませていただきますが、学術会議の基本理念を、「学術に関する知見が人類共有の知的資源であるとともに経済社会の健全な発展の基盤となるものであることに鑑み、世界の学界と連携協力して学術の向上発達及び学術に関する知見の活用の推進を図り、もって人類社会の持続的な発展及び国民の福祉の向上に貢献するものとする。」と規定しています。まさに、去年の十二月二十日に有識者会議から出てきた最終報告書の冒頭にあるわけですが、「世界最高のナショナルアカデミーを目指して」という理念を持って書かれております。私としてはこの理念に大いに賛同するところです。
次に、四点ほど、この法案の中身について懸念されていると仄聞していることについて、私なりの考えを申し上げます。
まず第一は、今次の法案では、学術会議の独立性が確保されていない、ナショナルアカデミーとしての活動に制約があるのではないかという御意見があるかと思います。
これは、一番の大本は、現行の第三条、独立して云々の職務を行うという規定が新しい法案にはないということに端を発していると思いますが、それはなくて当然でありまして、現行の学術会議は国の機関として置かれているためこういう文言があります。したがって、特殊法人となる今次の法案では、国から独立した法人格を持つ法人として職務を行うということを逆に明確にしているということだと思います。
諸外国のナショナルアカデミーが、二つの機能がありまして、多くの場合は提言機能と顕彰機能というのがあります。残念ながら、日本の学術会議には、提言機能はありますが顕彰機能がありません。それも、顕彰機能は、JST、JSPS、それから日本学士院に今付与されているわけであります。
にもかかわらず、第一条で、「我が国の科学者の内外に対する代表機関」として規定してナショナルアカデミーであるというふうに位置づけていて、ついでに、第二条第二項では、国は、学術会議の「運営における自主性及び自律性に常に配慮しなければならない。」となっています。
したがって、本法案は、学術会議がナショナルアカデミーとして独立して活動することを尊重しているというふうに読み取ることができます。
最後に、この同じラインで、提言ということを申し上げたので申し上げておくと、法文の後ろの方に勧告という言葉が出てきますが、この勧告という言葉が若干この法文にふさわしくないと思っております。勧告というのは、行政府が他の組織あるいは他の行政府に対して行う権限でありまして、今般、これが政府の機関でなくなるということですから、勧告を行うということができるかどうか、皆さんで御議論を是非いただきたいと思います。
第二に、学術会議の会員の選任方法です。
法案では、会員の選任が、会員から選ばれる会員候補者選定委員会が分野別の業績審査委員会等を経て会員候補者を絞っていって、総会の議決で決定するとなっております。これは、現行法の内閣総理大臣が任命という手続でありますけれども、これを外したものでありまして、より学術会議による会員選任の自主性、自律性が高まっていると考えてよいかと思います。
ただし、学術会議の会員にはあらゆる意味でのダイバーシティーが必要であり、それを多分担保するものとして会員候補者選定委員会があるんだと思われます。会員、大学、研究機関、学会、経済団体、あるいは地域、民間の企業、そういったものに、もちろんジェンダーも含めてですが、含めて幅広に推薦者を選んでいくというプロセスに必要な組織であると思っております。
次に、第三点ですが、内閣府に設置され、会員以外の者で構成される学術評価委員会、これが政府の管理につながるのではないかということでありますが、よく読んでみると、その内容はそうとは読み取れません。
明快に申し上げて、中間的な活動計画とその報告をするというのはどこでも当たり前なんですけれども、必要があると認めたときに学術会議に意見を述べることができるとなっておりまして、それは当たり前のことでしょう。改善は他者からの批判を受けてするものでありますし、自己批判も当然のことながらある中で、それを助長する、助けるという役目があります。政府が管理するというほど強い権限を、ここには表現されていません。
それから、学術会議は国から独立した特殊法人となりますから、経営がほとんど国の支援によるというのが尋常ではない。多くの諸外国のナショナルアカデミーが自前で財源を確保しているという点、これに鑑みますと、ちょっと違う状況のナショナルアカデミーになります。
しかし、外国のアカデミーも、ある事象ごとによっては引き受けるという形で、仕事の対価としてお金を国からいただいているという現状もあるので、それを鑑みて、今般、今次の法案では国が一定の費用を措置するという今条件になっているかと思いますが、できれば将来、国からは離れて、研究者の集団として、独立した自主自律の下の会議に育っていっていただきたいと思っております。
最後に、監事について、独立性を損なうのではないかという御意見があることを仄聞しております。
学術会議の会議等が適正に行われているかいないかということを、公正中立に行われているかどうかということを、監事というのは学術会議からは独立した形で見るものであって、そういう専門知識を持った者がやるべきものである。これは多くの会社や法人組織において当然のことであって、第三者としての監事の設置というのは非常に重要なものであります。一般の企業や国立大学法人でも通例のことですし、今次、内閣総理大臣が監事の任命をするということは、学術会議から独立して監事業務が行える権限と資格を与えるものです。
一言苦言を呈せば、任命者が監事を通じて学術会議に影響を及ぼすという懸念が正しい、学術会議から出ている懸念ですが、だとすれば、学術会議が選んだ監事は自由に操れるというふうに読み取ることができます。これは大変いけないことでありまして、監事は、物が適正に行われているかを見る役割であって、内容についてコメントするのは忌避されるべきものであるということであります。
以上、私から四点述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日、提案されている新しい日本学術会議の法案に対して、賛成の立場から、以下、意見を陳述させていただきます。
その前に、学術会議とはどのような組織であるかということを考えなければなりませんし、それに至っては、学術とは一体何なのかということを一回考え直してみたいと思います。
学術は、基本的には人文社会系、理工系、生物系、その他複合的な領域、幅広い領域における研究者の独創的でそれからオリジナルな知的活動とその成果のことを指しているということです。
研究者は、これらの幅広い領域で、おのずから自分の知的好奇心と自由な発想に基づいて、個人で、あるいは他者と、他者というのは、他の研究者であったり、産業界であったり、時には官庁であったり、そういったところと協働して、基礎研究、応用研究、開発研究、その類いにいそしんで、真理の探求及び価値の創造につなげる試みをなしているというわけであります。
研究者の知的な活動からは、当然ながら、知的好奇心が満足されるということもありますけれども、それ以上に、技術開発はやがて社会を変革するものにつながる場合がたくさんあります。それは、産業の発展であったり、経済の成長であったり、生活の質の向上や、はたまた文化的な変容にまで及ぶ場合があるということであります。AIの例を取っていただければ非常に分かりやすいかと思いますが、それが現実に今もう起こっているということです。
学術には国境がありません。この成果は世界全体に波及し得る人類全体の財産であるということです。それから、研究者の仲間は世界中にいるわけであって、その中では、競争と共創、これはコンペティションとコラボレーションという意味ですが、その中で日々これをなしていくということであります。
現在、インテグリティー、セキュリティーという難しい問題がありますけれども、研究者は、それに鑑みながら、その成果を生み出して、国の在り方あるいは社会、社会の課題の解決、生活の質の向上に資するような研究を続けているということですし、目的は、さっき言ったように、国はもとより世界の人々のウェルビーイングに資するような課題を解決しようともしていると考えて間違いないと思います。
本法案では、ここは読ませていただきますが、学術会議の基本理念を、「学術に関する知見が人類共有の知的資源であるとともに経済社会の健全な発展の基盤となるものであることに鑑み、世界の学界と連携協力して学術の向上発達及び学術に関する知見の活用の推進を図り、もって人類社会の持続的な発展及び国民の福祉の向上に貢献するものとする。」と規定しています。まさに、去年の十二月二十日に有識者会議から出てきた最終報告書の冒頭にあるわけですが、「世界最高のナショナルアカデミーを目指して」という理念を持って書かれております。私としてはこの理念に大いに賛同するところです。
次に、四点ほど、この法案の中身について懸念されていると仄聞していることについて、私なりの考えを申し上げます。
まず第一は、今次の法案では、学術会議の独立性が確保されていない、ナショナルアカデミーとしての活動に制約があるのではないかという御意見があるかと思います。
これは、一番の大本は、現行の第三条、独立して云々の職務を行うという規定が新しい法案にはないということに端を発していると思いますが、それはなくて当然でありまして、現行の学術会議は国の機関として置かれているためこういう文言があります。したがって、特殊法人となる今次の法案では、国から独立した法人格を持つ法人として職務を行うということを逆に明確にしているということだと思います。
諸外国のナショナルアカデミーが、二つの機能がありまして、多くの場合は提言機能と顕彰機能というのがあります。残念ながら、日本の学術会議には、提言機能はありますが顕彰機能がありません。それも、顕彰機能は、JST、JSPS、それから日本学士院に今付与されているわけであります。
にもかかわらず、第一条で、「我が国の科学者の内外に対する代表機関」として規定してナショナルアカデミーであるというふうに位置づけていて、ついでに、第二条第二項では、国は、学術会議の「運営における自主性及び自律性に常に配慮しなければならない。」となっています。
したがって、本法案は、学術会議がナショナルアカデミーとして独立して活動することを尊重しているというふうに読み取ることができます。
最後に、この同じラインで、提言ということを申し上げたので申し上げておくと、法文の後ろの方に勧告という言葉が出てきますが、この勧告という言葉が若干この法文にふさわしくないと思っております。勧告というのは、行政府が他の組織あるいは他の行政府に対して行う権限でありまして、今般、これが政府の機関でなくなるということですから、勧告を行うということができるかどうか、皆さんで御議論を是非いただきたいと思います。
第二に、学術会議の会員の選任方法です。
法案では、会員の選任が、会員から選ばれる会員候補者選定委員会が分野別の業績審査委員会等を経て会員候補者を絞っていって、総会の議決で決定するとなっております。これは、現行法の内閣総理大臣が任命という手続でありますけれども、これを外したものでありまして、より学術会議による会員選任の自主性、自律性が高まっていると考えてよいかと思います。
ただし、学術会議の会員にはあらゆる意味でのダイバーシティーが必要であり、それを多分担保するものとして会員候補者選定委員会があるんだと思われます。会員、大学、研究機関、学会、経済団体、あるいは地域、民間の企業、そういったものに、もちろんジェンダーも含めてですが、含めて幅広に推薦者を選んでいくというプロセスに必要な組織であると思っております。
次に、第三点ですが、内閣府に設置され、会員以外の者で構成される学術評価委員会、これが政府の管理につながるのではないかということでありますが、よく読んでみると、その内容はそうとは読み取れません。
明快に申し上げて、中間的な活動計画とその報告をするというのはどこでも当たり前なんですけれども、必要があると認めたときに学術会議に意見を述べることができるとなっておりまして、それは当たり前のことでしょう。改善は他者からの批判を受けてするものでありますし、自己批判も当然のことながらある中で、それを助長する、助けるという役目があります。政府が管理するというほど強い権限を、ここには表現されていません。
それから、学術会議は国から独立した特殊法人となりますから、経営がほとんど国の支援によるというのが尋常ではない。多くの諸外国のナショナルアカデミーが自前で財源を確保しているという点、これに鑑みますと、ちょっと違う状況のナショナルアカデミーになります。
しかし、外国のアカデミーも、ある事象ごとによっては引き受けるという形で、仕事の対価としてお金を国からいただいているという現状もあるので、それを鑑みて、今般、今次の法案では国が一定の費用を措置するという今条件になっているかと思いますが、できれば将来、国からは離れて、研究者の集団として、独立した自主自律の下の会議に育っていっていただきたいと思っております。
最後に、監事について、独立性を損なうのではないかという御意見があることを仄聞しております。
学術会議の会議等が適正に行われているかいないかということを、公正中立に行われているかどうかということを、監事というのは学術会議からは独立した形で見るものであって、そういう専門知識を持った者がやるべきものである。これは多くの会社や法人組織において当然のことであって、第三者としての監事の設置というのは非常に重要なものであります。一般の企業や国立大学法人でも通例のことですし、今次、内閣総理大臣が監事の任命をするということは、学術会議から独立して監事業務が行える権限と資格を与えるものです。
一言苦言を呈せば、任命者が監事を通じて学術会議に影響を及ぼすという懸念が正しい、学術会議から出ている懸念ですが、だとすれば、学術会議が選んだ監事は自由に操れるというふうに読み取ることができます。これは大変いけないことでありまして、監事は、物が適正に行われているかを見る役割であって、内容についてコメントするのは忌避されるべきものであるということであります。
以上、私から四点述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
大
梶
梶田隆章#7
○梶田参考人 よろしくお願いいたします。
それでは、あらかじめ提出してあります資料に基づきまして発言をさせていただきます。
私の方では、学術会議法案への懸念ということでお話しいたします。
まず、二ページ目ですけれども、日本学術会議と各国のナショナルアカデミーという観点で見ていきたいと思います。
十七世紀以降、各国でアカデミーが設立されて以降、独立と自律を旨とする営みとしての学術を社会の中に備えてまいりました。政府などから独立し、自律的に発展する学術がもたらす多様な見解によって、我々の社会や世界の理解が豊かになり、そのことを通じて人類の福利への貢献が期待できる。そこに、学術、ナショナルアカデミーの役割があります。
各国のナショナルアカデミーを比較した際に、米、英、仏、独のアカデミーと比べると、日本だけが政府機関であることは確かですけれども、設置形態はそれぞれの国の歴史的経緯を反映しているものと考えております。
現在、各国のナショナルアカデミーは、その国の学者、科学者の代表として、科学的助言活動などとともに、様々な学術の国際活動に参加し、世界的に連携して世界の学術と社会の発展に貢献しております。
日本では、日本学術会議がナショナルアカデミーとしての役割を担っております。
なお、日本の場合、立法府への科学的助言のチャンネルがないということが、現状、課題といえば課題であります。法案に立法府への助言機能が明記されるということになれば法人化のメリットとなるというふうに考えております。
続きまして、三ページ目で、ナショナルアカデミーの五要件ということでお話をしていきたいと思います。
日本学術会議では、学術会議の設置形態を議論し、二〇二一年四月の二十二日の総会において、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」を決定しました。その中で、ナショナルアカデミーが最低限満たすべき五要件を示しました。
それらは、学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性、独立性です。
上記の文書では、現行の日本学術会議の設置形態は、ナショナルアカデミーの五要件を満たしており、それを変更する積極的理由を見出すことは困難と結論しております。
実は、この結論は、二〇一五年に科学技術政策担当大臣設置の、日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議で検討された際の報告書における設置形態についての結論、すなわち、国の機関でありつつ法律上独立性が担保されており、これを変える積極的な理由は見出しにくいというものとも合致しております。そして、この報告書は当時の大臣も了承されております。
また、もう一言述べますと、政府が二〇二三年に法人化を検討するとした際に、政府も、学術会議自ら主張している五要件を満たし、G7参加国並みの制度、体制等を持った特殊法人などを検討とし、五要件の重要性を認識していただいております。
さて、そのような中で、今の法案に関して懸念があるんですが、ナショナルアカデミーの五要件との関係で、懸念ということを見ていきたいと思います。
まず、そもそも当事者の日本学術会議は、独自に、自律的改革の方策を議論し、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」で公表するとともに、実行してまいりました。新しい日本学術会議法を求めたことはありません。
現行の日本学術会議法の前文は法案ではなくなり、その中にありました「科学者の総意の下」の文字も消えております。科学者の総意の下と言えない組織が、科学者の賛同を得て学術的に国を代表する機関なのか懸念があります。
また、日本学術会議との真摯な協議を欠き、同意を得ないまま、その独立性、自律性に多大な影響を与え得る組織、選考などを変更し、法定化すること自体が、ナショナルアカデミーの独立性、自律性を脅かす懸念があります。
現在の日本学術会議法では、「独立して左の職務を行う。」として、独立が明記されておりますが、法案では独立の文字は消え、「その運営における自主性及び自律性に常に配慮しなければならない。」との運営面における自主性、自律性への配慮義務にとどまっており、独立性への懸念があります。
続いて、五ページですが、現行の日本学術会議法では、学術会議が自律的に規則を制定して組織運営を行うことを保障しております。例えば、日本学術会議は、国立大学協会などとその役割発揮に向けた意見交換を行い、また自律的に外部有識者に毎年その活動を評価してもらい、その評価を次年度以降の活動に反映しております。
一方、法案は、幾重にも組織、運営に国が監督する仕組みとなっております。国からの独立性、自律性を制度的に保障することでその機能を有効に発揮することが可能となる日本学術会議には過重な監督であり、その独立性、自律性の観点から懸念があります。
それから、少し違う観点で、現行法では国庫負担の原則を定めておりますが、法案は必要と認める金額を補助金により補助することができるとするにとどまっており、すなわち、必要性の判断は政府の大きな裁量となっていて、国家財政支出による安定した財政基盤への懸念となります。
続きまして、六ページですけれども、会員選考に関してです。会員選考に関してもいろいろと自律的に改革を進めております。例えば、第二十五期学術会議では、選考方針を自律的に定め、新会員の選考対象者をより広くから求め、また選考には年齢、ジェンダー、地域などの多様性にも配慮するなどの改革を進めながら行いました。
法案で、新たな法人発足時の会員選考では、特別な選考方式が法定されております。発足時に特別な選考を行わなければならない理由はなく、極めて不自然な選考方式で、懸念があります。
また、法案での通常時の会員選考では、会員以外から構成される選定助言委員会が、選定方針のみならず、候補者選定についても意見を述べることができるとされ、候補者選定が特定の外部の影響を受ける懸念があります。
一方で、今まで述べてきましたけれども、他の先進国のナショナルアカデミーは、これらの五要件は満たしております。
なお、昨日、各国アカデミーの連合体と言える国際学術会議から、日本政府の、日本学術会議の運営と会員選考の手続に干渉しようとする度重なる試みに対し深い懸念を表明するとのメッセージをいただいておりますので、紹介させていただきます。
続きまして、七ページで、ナショナルアカデミーとして取り組むべき課題ということで、前出の「より良い役割発揮に向けて」の中で、我々は、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議が取り組むべき機能強化の課題を挙げました。それらは、国際活動の強化、科学的助言機能の強化、これには立法府への助言機能創設にも言及しております。対話を通じた情報発信力の強化、事務局機能の強化です。
今回の法案作成の過程で上記の課題を議論した形跡がなく、また法案にもその方向での機能強化を目的としているように見えません。すなわち、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議の機能強化に資するかどうかという点で、懸念が拭えません。
八ページでまとめます。
提案されました日本学術会議法案では、日本学術会議が求めているナショナルアカデミーの五要件の点で、また日本学術会議の機能強化に資するものかという点で、懸念が拭えません。
そして、二月の十八日に発せられました元学術会議会長六名の連名による声明を読みますが、「特殊法人という法形式の下に日本学術会議の運営と活動を政府が幾重にも管理するやり方は、日本学術会議の固有の発展を阻害し、七十五年余にわたって培われてきた学術に基づいて社会と政府に発信するという機能を弱体化させ、ひいては日本の学術の終わりの始まりとすることになりかねない。」というものでした。
最後。日本学術会議がよりよくその役割、機能を果たすことを可能とするという観点から、法案の再検討を強く求めます。性急な改革が学術に大きな混乱をもたらす懸念があるということは他国の例でも明らかになりつつあると思っております。
私の方からは以上です。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →それでは、あらかじめ提出してあります資料に基づきまして発言をさせていただきます。
私の方では、学術会議法案への懸念ということでお話しいたします。
まず、二ページ目ですけれども、日本学術会議と各国のナショナルアカデミーという観点で見ていきたいと思います。
十七世紀以降、各国でアカデミーが設立されて以降、独立と自律を旨とする営みとしての学術を社会の中に備えてまいりました。政府などから独立し、自律的に発展する学術がもたらす多様な見解によって、我々の社会や世界の理解が豊かになり、そのことを通じて人類の福利への貢献が期待できる。そこに、学術、ナショナルアカデミーの役割があります。
各国のナショナルアカデミーを比較した際に、米、英、仏、独のアカデミーと比べると、日本だけが政府機関であることは確かですけれども、設置形態はそれぞれの国の歴史的経緯を反映しているものと考えております。
現在、各国のナショナルアカデミーは、その国の学者、科学者の代表として、科学的助言活動などとともに、様々な学術の国際活動に参加し、世界的に連携して世界の学術と社会の発展に貢献しております。
日本では、日本学術会議がナショナルアカデミーとしての役割を担っております。
なお、日本の場合、立法府への科学的助言のチャンネルがないということが、現状、課題といえば課題であります。法案に立法府への助言機能が明記されるということになれば法人化のメリットとなるというふうに考えております。
続きまして、三ページ目で、ナショナルアカデミーの五要件ということでお話をしていきたいと思います。
日本学術会議では、学術会議の設置形態を議論し、二〇二一年四月の二十二日の総会において、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」を決定しました。その中で、ナショナルアカデミーが最低限満たすべき五要件を示しました。
それらは、学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性、独立性です。
上記の文書では、現行の日本学術会議の設置形態は、ナショナルアカデミーの五要件を満たしており、それを変更する積極的理由を見出すことは困難と結論しております。
実は、この結論は、二〇一五年に科学技術政策担当大臣設置の、日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議で検討された際の報告書における設置形態についての結論、すなわち、国の機関でありつつ法律上独立性が担保されており、これを変える積極的な理由は見出しにくいというものとも合致しております。そして、この報告書は当時の大臣も了承されております。
また、もう一言述べますと、政府が二〇二三年に法人化を検討するとした際に、政府も、学術会議自ら主張している五要件を満たし、G7参加国並みの制度、体制等を持った特殊法人などを検討とし、五要件の重要性を認識していただいております。
さて、そのような中で、今の法案に関して懸念があるんですが、ナショナルアカデミーの五要件との関係で、懸念ということを見ていきたいと思います。
まず、そもそも当事者の日本学術会議は、独自に、自律的改革の方策を議論し、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」で公表するとともに、実行してまいりました。新しい日本学術会議法を求めたことはありません。
現行の日本学術会議法の前文は法案ではなくなり、その中にありました「科学者の総意の下」の文字も消えております。科学者の総意の下と言えない組織が、科学者の賛同を得て学術的に国を代表する機関なのか懸念があります。
また、日本学術会議との真摯な協議を欠き、同意を得ないまま、その独立性、自律性に多大な影響を与え得る組織、選考などを変更し、法定化すること自体が、ナショナルアカデミーの独立性、自律性を脅かす懸念があります。
現在の日本学術会議法では、「独立して左の職務を行う。」として、独立が明記されておりますが、法案では独立の文字は消え、「その運営における自主性及び自律性に常に配慮しなければならない。」との運営面における自主性、自律性への配慮義務にとどまっており、独立性への懸念があります。
続いて、五ページですが、現行の日本学術会議法では、学術会議が自律的に規則を制定して組織運営を行うことを保障しております。例えば、日本学術会議は、国立大学協会などとその役割発揮に向けた意見交換を行い、また自律的に外部有識者に毎年その活動を評価してもらい、その評価を次年度以降の活動に反映しております。
一方、法案は、幾重にも組織、運営に国が監督する仕組みとなっております。国からの独立性、自律性を制度的に保障することでその機能を有効に発揮することが可能となる日本学術会議には過重な監督であり、その独立性、自律性の観点から懸念があります。
それから、少し違う観点で、現行法では国庫負担の原則を定めておりますが、法案は必要と認める金額を補助金により補助することができるとするにとどまっており、すなわち、必要性の判断は政府の大きな裁量となっていて、国家財政支出による安定した財政基盤への懸念となります。
続きまして、六ページですけれども、会員選考に関してです。会員選考に関してもいろいろと自律的に改革を進めております。例えば、第二十五期学術会議では、選考方針を自律的に定め、新会員の選考対象者をより広くから求め、また選考には年齢、ジェンダー、地域などの多様性にも配慮するなどの改革を進めながら行いました。
法案で、新たな法人発足時の会員選考では、特別な選考方式が法定されております。発足時に特別な選考を行わなければならない理由はなく、極めて不自然な選考方式で、懸念があります。
また、法案での通常時の会員選考では、会員以外から構成される選定助言委員会が、選定方針のみならず、候補者選定についても意見を述べることができるとされ、候補者選定が特定の外部の影響を受ける懸念があります。
一方で、今まで述べてきましたけれども、他の先進国のナショナルアカデミーは、これらの五要件は満たしております。
なお、昨日、各国アカデミーの連合体と言える国際学術会議から、日本政府の、日本学術会議の運営と会員選考の手続に干渉しようとする度重なる試みに対し深い懸念を表明するとのメッセージをいただいておりますので、紹介させていただきます。
続きまして、七ページで、ナショナルアカデミーとして取り組むべき課題ということで、前出の「より良い役割発揮に向けて」の中で、我々は、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議が取り組むべき機能強化の課題を挙げました。それらは、国際活動の強化、科学的助言機能の強化、これには立法府への助言機能創設にも言及しております。対話を通じた情報発信力の強化、事務局機能の強化です。
今回の法案作成の過程で上記の課題を議論した形跡がなく、また法案にもその方向での機能強化を目的としているように見えません。すなわち、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議の機能強化に資するかどうかという点で、懸念が拭えません。
八ページでまとめます。
提案されました日本学術会議法案では、日本学術会議が求めているナショナルアカデミーの五要件の点で、また日本学術会議の機能強化に資するものかという点で、懸念が拭えません。
そして、二月の十八日に発せられました元学術会議会長六名の連名による声明を読みますが、「特殊法人という法形式の下に日本学術会議の運営と活動を政府が幾重にも管理するやり方は、日本学術会議の固有の発展を阻害し、七十五年余にわたって培われてきた学術に基づいて社会と政府に発信するという機能を弱体化させ、ひいては日本の学術の終わりの始まりとすることになりかねない。」というものでした。
最後。日本学術会議がよりよくその役割、機能を果たすことを可能とするという観点から、法案の再検討を強く求めます。性急な改革が学術に大きな混乱をもたらす懸念があるということは他国の例でも明らかになりつつあると思っております。
私の方からは以上です。ありがとうございました。拍手
大
有
有本建男#9
○有本参考人 おはようございます。有本と申します。
私のちょっと自己紹介から始めたいと思います。
私は、政策研究大学院大学の客員教授、それから国際学術会議のフェロー、それから政府科学助言国際ネットワークのボードメンバーを現在務めてございます。関連で、科学技術的助言あるいは科学技術外交につきまして、海外のアカデミーや科学技術顧問、あるいはOECD等と頻繁に議論をいたしてございまして、幾つか本とか論文も書いてございます。
一方で、学術会議の本体の方では客員連携会員をやらせていただきまして、これはプロジェクトベースでございますけれども、後で御紹介したいと思います。関連で、今年の三月まで、学術協力財団というものが学術会議の外郭財団としてございましたけれども、これの民間寄附金のところの運営の副委員長ということで、若手の研究者の支援に携わってまいりました。
こういう観点から、運営面あるいは実務面のところを中心に、今日は幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
まず、激変する世界の下でのアカデミーの重要性、それからアカデミー間の国際連携というものが極めて重要になっているということでございます。
先ほど来ありますように、各国はそれぞれの歴史とか文化、これによってアカデミーができているわけでございますけれども、先生方御存じのように、米、英、独、仏、その他も政府から独立した法人ということになってございまして、私は、日本学術会議も法人化が重要というふうに思ってございます。
近年は、先進国だけじゃなくて、途上国でも非常にアカデミー活動が活発になっているということ、それから、多国間、OECDとか国連のユネスコ、こういうところでも、今は大転換期ですので、科学とか技術、あるいはアカデミー、学術の在り方、あるいは研究のシステム、ファンディングとか、こういうものを再設計をやらないといけないということが盛んに行われておりまして、そういう意味で、学術会議は、法人化をし、是非機能を高めて、この世界のダイナミズム、こういうものにどんどん入っていただきたい。今もやっておられるわけですけれども、私は、外から見ますと、もう少しいろいろなダイナミズムがあるのではないかというふうに思ってございます。
それで、ちょっと客観的に申します。科学技術、学術というのは、今、途上国も含めて、各国の国力ですね。国力というのは、決して安全保障というだけじゃなくて、研究技術水準、産業競争力、それから社会課題の解決力、こういうものについて全般としての国力というもので、科学技術あるいは学術がどう支えるかというところは、各国、全体としての今大きな流れになっているというふうに私は理解をしてございます。
ちなみに、学術会議は、先生方よく御存じのように、物理学とか化学とか天文学とか、こういう個別の分野の学会活動とは違って、その分野を超える、あるいは組織を超える、あるいは国境を越えた異分野連携ということで、社会課題の解決とか学問のフロンティア開拓というものに対して助言をするという非常にユニークな組織でございます。
例えば、海外のアカデミーで、独立した法人としての柔軟性ということで、国連のSDGsの解決に対して非常にダイナミックに、グローバルなレベルから、アジア、アフリカ、それから国内はもちろんですけれども、ローカル、こういう意味でのいろいろな活動をやられておるというわけでございます。
一つ、私が見る限り、学術会議が世界レベルで貢献した事例を申し上げておきたいと思います。
一九九九年ですけれども、ちょうど二十一世紀に入る直前でございましたけれども、ハンガリーのブダペストで、二千人以上の科学者、技術者、企業家、それから各国の行政、ジャーナリストも集まって、二十一世紀の科学と科学的知識の使用について、いわゆるブダペスト宣言というものがまとまりました。
これは非常に大事な、今も非常に各国の科学技術政策、学術政策の基本になっていると私は理解しておりますけれども、二十世紀を反省して、二十一世紀は、知識のための科学、科学論文を書くだけではなくて、平和のため、あるいは持続可能な開発のため、それから、社会の中の、社会のための科学というもの、これを推進する必要がある、いわゆる四本柱ということで、ここでもよく議論になりますけれども、サイエンス・フォー・ポリシーというものがここで宣言をされた、非常に大事な原点というふうに思ってございます。
この作成には、当時の日本学術会議は非常に大きな貢献をいたしました。こういうものの貴重なレガシーがあるわけですね。これをきちっと組織の記憶として今後のいろいろな活動に、あるいは若手に伝えていただきたいというふうに思ってございます。
三点ほど、ちょっと実務的になりますけれども、機能強化について申し上げたいと思います。
私は、先ほど来申しましたように、国際的な科学助言のネットワークに入ってございますけれども、もう一つは学術会議の特任連携会員ということで、東北大震災、福島の原発事故、それから自動車の自動運転、このプロジェクトに参画をしまして、助言のプロセスに実際に自分も入っていました。それで、やはりこれは、かなりその方法とかテーマのセッティングとかというものを時代に合わせて変える必要があるんじゃないかというふうに個人的には思っています。
非常に学術会議自身、努力をされているとは思いますけれども、やはりデータとデジタルの時代であるということを踏まえた上でのテーマのセッティングの仕方、あるいはプロセスの中での方法、あるいはデータの収集とか分析、こういうものについて、是非新しい方法論なりを実践あるいは開拓していただきたい。このためには、行政や研究機関、シンクタンクもあります、それから企業、こういうものとの連携が必須でございまして、これは法人であることが非常に大事になるんじゃないかというふうに思います。
ちなみに、海外のアカデミーは、先生方よく御存じだと思いますけれども、若手の方々を、まだ会員じゃないんですけれども、いろいろ雇った上で、この連中にそういう作業もやらせるし、それから、将来この人たちが会員になったときのキャリアパスというものとして戦略的に養成をしているということもございます。
それから、第二に、多様な人材の選任と育成でございます。
ちょっと世界の全体の流れを申しますと、二十一世紀の科学者、技術者というのは何者かということが今盛んに議論されているわけです。ずっと科学は、もちろん、ファーストプライオリティーは知識を生産すること、新しい学問、フロンティアを開拓し、それを論文にして世界の共有の財産にする、これが第一でございます。二、三、四として、二番目は、そういう知識を統合して社会を変えていくという意味での統合者とかシンセサイザーとかデザイナーといっていますけれども、三番目に、これを今度は社会とか政治あるいは行政につなぐ仲介者、あるいは科学的助言者といっています、それから最後に、科学コミュニケーターですね。
こういう大きな十九世紀以来の科学者の在り方、あるいはそれを支える科学のコミュニティーというものについての今変革の時代を迎えているということで、私が見る限り、学術会議の若手アカデミーがいろいろ国際会議をやったり、新しい提言、十課題の提言をやったりして、結構いろいろな活動をされています。こういうものも是非応援したいというふうに思ってございます。
そういう意味での、法人化によって、若手の支援の強化、あるいは外国人を会員にするということも含めて多様な人材の選任、特にもう一つ強調しておきたいのは、学術会議の会長ほか運営を支える専門スタッフ、これは非常に大事です。この辺をしっかり確保するということではないかというふうに思います。
そういう意味で、海外のアカデミーは、法人としまして、公的資金や民間寄附金、シンクタンクやNGOとの共同事業、あるいは多様な人材交流といういろいろな手段をミックスした上で柔軟に、戦略的に活動しているということで、日本の学術会議は、国の機関としてはなかなかそれが難しい状況であるんじゃないかと思います。法人化をして、資金を拡充あるいは多様化をして、戦略的に内外の交流を行っていただきたいというふうに思ってございます。
最後に、アジアの件でございます。
二〇二六年に、世界科学会議がインドネシアで行われます、それから国際学術会議が北京で行われる。二〇二七年に、政府科学助言世界ネットワーク、私はボードメンバーですけれども、これの総会がマレーシアで開催されます。この二年間は、アジアで集中的にこういう大きな世界の会議がございます。
これに対して、是非学術会議がインナーに最初から入って、プログラム設計あるいは運営に関わるということが、非常に今の日本にとってもアジアにとっても、それも、高飛車に、上から目線ではなくて、一緒に共同してやるということが分断の時代には大事じゃないかというふうに思っている次第です。これによって、学術会議に参加しようとしている若手の研究者、中堅もありますけれども、それからスタッフというものがおのずから育っていくということでございます。
以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私のちょっと自己紹介から始めたいと思います。
私は、政策研究大学院大学の客員教授、それから国際学術会議のフェロー、それから政府科学助言国際ネットワークのボードメンバーを現在務めてございます。関連で、科学技術的助言あるいは科学技術外交につきまして、海外のアカデミーや科学技術顧問、あるいはOECD等と頻繁に議論をいたしてございまして、幾つか本とか論文も書いてございます。
一方で、学術会議の本体の方では客員連携会員をやらせていただきまして、これはプロジェクトベースでございますけれども、後で御紹介したいと思います。関連で、今年の三月まで、学術協力財団というものが学術会議の外郭財団としてございましたけれども、これの民間寄附金のところの運営の副委員長ということで、若手の研究者の支援に携わってまいりました。
こういう観点から、運営面あるいは実務面のところを中心に、今日は幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
まず、激変する世界の下でのアカデミーの重要性、それからアカデミー間の国際連携というものが極めて重要になっているということでございます。
先ほど来ありますように、各国はそれぞれの歴史とか文化、これによってアカデミーができているわけでございますけれども、先生方御存じのように、米、英、独、仏、その他も政府から独立した法人ということになってございまして、私は、日本学術会議も法人化が重要というふうに思ってございます。
近年は、先進国だけじゃなくて、途上国でも非常にアカデミー活動が活発になっているということ、それから、多国間、OECDとか国連のユネスコ、こういうところでも、今は大転換期ですので、科学とか技術、あるいはアカデミー、学術の在り方、あるいは研究のシステム、ファンディングとか、こういうものを再設計をやらないといけないということが盛んに行われておりまして、そういう意味で、学術会議は、法人化をし、是非機能を高めて、この世界のダイナミズム、こういうものにどんどん入っていただきたい。今もやっておられるわけですけれども、私は、外から見ますと、もう少しいろいろなダイナミズムがあるのではないかというふうに思ってございます。
それで、ちょっと客観的に申します。科学技術、学術というのは、今、途上国も含めて、各国の国力ですね。国力というのは、決して安全保障というだけじゃなくて、研究技術水準、産業競争力、それから社会課題の解決力、こういうものについて全般としての国力というもので、科学技術あるいは学術がどう支えるかというところは、各国、全体としての今大きな流れになっているというふうに私は理解をしてございます。
ちなみに、学術会議は、先生方よく御存じのように、物理学とか化学とか天文学とか、こういう個別の分野の学会活動とは違って、その分野を超える、あるいは組織を超える、あるいは国境を越えた異分野連携ということで、社会課題の解決とか学問のフロンティア開拓というものに対して助言をするという非常にユニークな組織でございます。
例えば、海外のアカデミーで、独立した法人としての柔軟性ということで、国連のSDGsの解決に対して非常にダイナミックに、グローバルなレベルから、アジア、アフリカ、それから国内はもちろんですけれども、ローカル、こういう意味でのいろいろな活動をやられておるというわけでございます。
一つ、私が見る限り、学術会議が世界レベルで貢献した事例を申し上げておきたいと思います。
一九九九年ですけれども、ちょうど二十一世紀に入る直前でございましたけれども、ハンガリーのブダペストで、二千人以上の科学者、技術者、企業家、それから各国の行政、ジャーナリストも集まって、二十一世紀の科学と科学的知識の使用について、いわゆるブダペスト宣言というものがまとまりました。
これは非常に大事な、今も非常に各国の科学技術政策、学術政策の基本になっていると私は理解しておりますけれども、二十世紀を反省して、二十一世紀は、知識のための科学、科学論文を書くだけではなくて、平和のため、あるいは持続可能な開発のため、それから、社会の中の、社会のための科学というもの、これを推進する必要がある、いわゆる四本柱ということで、ここでもよく議論になりますけれども、サイエンス・フォー・ポリシーというものがここで宣言をされた、非常に大事な原点というふうに思ってございます。
この作成には、当時の日本学術会議は非常に大きな貢献をいたしました。こういうものの貴重なレガシーがあるわけですね。これをきちっと組織の記憶として今後のいろいろな活動に、あるいは若手に伝えていただきたいというふうに思ってございます。
三点ほど、ちょっと実務的になりますけれども、機能強化について申し上げたいと思います。
私は、先ほど来申しましたように、国際的な科学助言のネットワークに入ってございますけれども、もう一つは学術会議の特任連携会員ということで、東北大震災、福島の原発事故、それから自動車の自動運転、このプロジェクトに参画をしまして、助言のプロセスに実際に自分も入っていました。それで、やはりこれは、かなりその方法とかテーマのセッティングとかというものを時代に合わせて変える必要があるんじゃないかというふうに個人的には思っています。
非常に学術会議自身、努力をされているとは思いますけれども、やはりデータとデジタルの時代であるということを踏まえた上でのテーマのセッティングの仕方、あるいはプロセスの中での方法、あるいはデータの収集とか分析、こういうものについて、是非新しい方法論なりを実践あるいは開拓していただきたい。このためには、行政や研究機関、シンクタンクもあります、それから企業、こういうものとの連携が必須でございまして、これは法人であることが非常に大事になるんじゃないかというふうに思います。
ちなみに、海外のアカデミーは、先生方よく御存じだと思いますけれども、若手の方々を、まだ会員じゃないんですけれども、いろいろ雇った上で、この連中にそういう作業もやらせるし、それから、将来この人たちが会員になったときのキャリアパスというものとして戦略的に養成をしているということもございます。
それから、第二に、多様な人材の選任と育成でございます。
ちょっと世界の全体の流れを申しますと、二十一世紀の科学者、技術者というのは何者かということが今盛んに議論されているわけです。ずっと科学は、もちろん、ファーストプライオリティーは知識を生産すること、新しい学問、フロンティアを開拓し、それを論文にして世界の共有の財産にする、これが第一でございます。二、三、四として、二番目は、そういう知識を統合して社会を変えていくという意味での統合者とかシンセサイザーとかデザイナーといっていますけれども、三番目に、これを今度は社会とか政治あるいは行政につなぐ仲介者、あるいは科学的助言者といっています、それから最後に、科学コミュニケーターですね。
こういう大きな十九世紀以来の科学者の在り方、あるいはそれを支える科学のコミュニティーというものについての今変革の時代を迎えているということで、私が見る限り、学術会議の若手アカデミーがいろいろ国際会議をやったり、新しい提言、十課題の提言をやったりして、結構いろいろな活動をされています。こういうものも是非応援したいというふうに思ってございます。
そういう意味での、法人化によって、若手の支援の強化、あるいは外国人を会員にするということも含めて多様な人材の選任、特にもう一つ強調しておきたいのは、学術会議の会長ほか運営を支える専門スタッフ、これは非常に大事です。この辺をしっかり確保するということではないかというふうに思います。
そういう意味で、海外のアカデミーは、法人としまして、公的資金や民間寄附金、シンクタンクやNGOとの共同事業、あるいは多様な人材交流といういろいろな手段をミックスした上で柔軟に、戦略的に活動しているということで、日本の学術会議は、国の機関としてはなかなかそれが難しい状況であるんじゃないかと思います。法人化をして、資金を拡充あるいは多様化をして、戦略的に内外の交流を行っていただきたいというふうに思ってございます。
最後に、アジアの件でございます。
二〇二六年に、世界科学会議がインドネシアで行われます、それから国際学術会議が北京で行われる。二〇二七年に、政府科学助言世界ネットワーク、私はボードメンバーですけれども、これの総会がマレーシアで開催されます。この二年間は、アジアで集中的にこういう大きな世界の会議がございます。
これに対して、是非学術会議がインナーに最初から入って、プログラム設計あるいは運営に関わるということが、非常に今の日本にとってもアジアにとっても、それも、高飛車に、上から目線ではなくて、一緒に共同してやるということが分断の時代には大事じゃないかというふうに思っている次第です。これによって、学術会議に参加しようとしている若手の研究者、中堅もありますけれども、それからスタッフというものがおのずから育っていくということでございます。
以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。拍手
大
福
福田護#11
○福田参考人 御紹介をいただきました、日本弁護士連合会、日弁連ですが、憲法問題対策本部という、これは一つの委員会でございますが、その委員をしている弁護士の福田と申します。
御審議いただいている日本学術会議法案、そしてこれに関連する問題について、日弁連の見解を中心に、法的な観点から意見を述べさせていただきたいと思います。ちなみに、日弁連は、この学術会議法案については反対の会長声明を発しております。
本日、資料として、参考人のレジュメと、それから日本学術会議問題に関する日弁連の会長声明四件、そして意見書を一件提出させていただいておりますので、適宜御参照いただきたいと思います。
私の方からは、最初に私の意見の趣旨、概要を申し上げ、大きい二番目として本法案の内容上の問題点、大きい三番目として本法案の立法事実が欠如しているのではないかという問題について述べたいと思います。
まず、私どもの意見の趣旨、概要でございます。
本法案の最大の、そして最も基本的な問題は、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議、この核心を成す独立性、自律性が損なわれることになるのではないかという点にございます。それは、憲法二十三条が保障する学問の自由に対する脅威でもあると思います。
このことを、主に二つの点から指摘しておきたいと思います。
一つは、本法案自体の内容の問題で、特に新法人の会員人事と業務運営の両面において、その独立性、自律性を制約し、阻害する幾重もの仕組みを設けようとしていること、また、ナショナルアカデミーとしての世界標準である会員選任に関するコオプテーション方式を、特に新法人発足に際して基本的に排除をし、これまでの学術会議との連続性を遮断しているということが指摘できると存じます。
もう一つは、立法事実に関する点です。周知のように、内閣総理大臣は、二〇二〇年十月、学術会議の会員改選に際して、学術会議が推薦をした会員候補者のうち六名の任命を拒否されました。しかし、政府は、その意思決定の根拠、理由についての説明責任を果たさないまま、逆に、学術会議の方に問題があるかのようにおっしゃり、例えば、学術会議に対して政府等と問題意識や時間軸を共有することを求めるなど、その在り方を問題にして、今回の法人化法案に至っております。しかし、この過程は、全体として法的正義を欠くのではないかと考えております。
また、政府は、本法案の立法理由として学術会議の独立性を徹底するためとしておられますが、これまでの学術会議は、私どもは十分に独立性を維持してきている、そう評価することができ、さきの任命拒否や本法案による法人化こそ、その独立性を侵害するものではないかと考えております。
大きい二番目として、本法案の内容上の問題点を簡単に指摘させていただきます。
まず、本法案は、独立性、自律性を制約する幾つもの機関を設置することとしております。
新法人には、全て会員等以外の外部の者で構成をされる、一つ、選定助言委員会、二つ、運営助言委員会、三つ、監事、四つ、日本学術会議評価委員会、この各機関が設置をされ、監事と評価委員会は総理大臣が任命し、評価委員会は内閣府に置かれます。
監事や評価委員会はほかの立法例に倣ったものと思われますけれども、これに加えて、余り他に立法例を見ない選定助言委員会や運営助言委員会を加え、幾重にも新法人の運営や会員人事を制約し、チェックをする、こういうことになっております。
しかし、元々、学術会議という二百人以上で構成される民主的なボトムアップの合議体、外部、特に政治権力からの自立と独立が格別に求められる、そういうナショナルアカデミーとしての科学者集団に、独立行政法人や特殊法人のトップダウン的な政府による監督システムを持ち込む、それ自体が適切性がどうなのかという疑問を感じます。
それらは、政府から独立して行うべき業務の自立した運営を阻害し、また、組織の独立性を担保する会員人事の自律性を損なうということになって、その独立性、自律性が由来する憲法二十三条の学問の自由をも脅かすものと考えます。
次に、会員の選考、選任に関する自律性の阻害と連続性の遮断です。
本法案によれば、新法人の会員の選任は、選定助言委員会の意見を聞いた上で作成される選定方針に従い、会員候補者選定委員会が、会員のほか、多様な関係者からの推薦に基づいて、多様な実績のある科学者を含める等の配慮の下で選定すべきことが法定されております。これらは、法律によって会員選定における自律的な判断を制約するものでありまして、これまで会員の推薦を基本に、学術会議が自ら基準を定めて会員候補者を選定してきたコオプテーション方式を制約するものと言えます。
しかし、さらに問題なのは、新法人発足に当たって、特別な会員選定方法が取られ、ここではコオプテーション方式は基本的に排除をされているということです。すなわち、特別な候補者選考委員会なるものが設置をされ、その委員は内閣総理大臣が指定する者と協議の上で決定することとされ、かつ、会員以外の者で構成できるようになっております。そして、会員候補者についての現行会員の推薦権はこれを否定されています。
加えて、新法人発足三年後の会員選任です。ここでは、通常の会員候補者選定委員会ではなく、発足に際して設置された、先ほどの候補者選考委員会の委員のうちから会員候補者選定委員会委員を選任するということに規定されておりまして、発足時と同じメンバーが三年後にも会員の選定に当たるものとされております。そして、承継会員は再任されないとされておりますから、この三年後の会員選任に参加できません。
以上のようなこの法案の会員選考、選定規定は、現在の学術会議会員を新法人の会員の選任手続から殊更に排除をする異例なものと言わざるを得ないのでありまして、学術会議の会員人事の自律性を否定するものであり、かつ、これまで政府から独立して科学的助言を行ってきた従来の学術会議との連続性を遮断するものと言わなければならないと存じます。
大きい三番目、立法事実の欠如について申し上げます。
政府によりますと、本法案は、学術会議の独立性を徹底させ、あるいはその機能の強化のために独立性、自律性を抜本的に高めるため、国とは別の法人にするのだ、こう説明されております。
しかし、私の見るところ、これまでの学術会議は、十分に政府から独立して活動をしてきているのではないかと思われます。それは、例えば、先ほど申し上げた会員任命拒否に対して、学術会議がその理由の説明と速やかな任命を求め続けていること、それ自体から明らかでございますし、典型的には、防衛装備庁が進める安全保障技術研究推進制度への慎重な対応を求めた二〇一七年三月の軍事的安全保障研究に関する声明に表れております。そして、二〇二一年四月二十二日の「学術会議のより良い役割発揮に向けて」との総会の決議で明らかにしたナショナルアカデミーの五要件、この確保を政府に対して要求をし続け、本法案の国会提出に対しても、本年四月十五日の総会において、これを非常に残念だとし、五要件及び懸念事項の全てを充足、払拭した法案への修正を求めていることにも見られるとおりであります。
本法案の立法目的の中心に位置づけられている独立性の徹底は、立法事実たり得ないのではないかというふうに考えます。
そして、二〇二〇年の会員任命拒否との関係です。
先ほど申し上げた任命拒否は、任命制が導入されて以降四十年近くにわたって、総理大臣の任命は形式的な任命にすぎず、学術会議から推薦された候補者の任命を拒否をすることはしないという定着した政府解釈を覆すものでありました。そこで任命拒否をされた六名は、総理大臣によって、優れた研究又は業績がある科学者であることを否定され、かつ、国会、国民に対して責任を負うことができない者と位置づけられました。しかし、これほど科学者としての人格を傷つける任命拒否の具体的理由は明らかにされないまま、現在まで参っております。
日弁連は、この任命拒否が学術会議の独立性と自律性を違法に侵害するものであり、その独立性と自律性を基礎づけている学問の自由を脅かすものであるということ、そして国民主権に由来をする行政の公正、透明性の原則及び説明責任の原則に背反するということを指摘してまいりました。
学術会議の独立性を違法に侵害した任命拒否についての政府自身の責任を放置をしたまま、逆に、学術会議の方に問題があるから、これを廃止して新たな法人にしようとする本法案については、本末転倒であり、法的正義に反するものと言わざるを得ないというふうに考えます。
以上です。拍手
この発言だけを見る →御審議いただいている日本学術会議法案、そしてこれに関連する問題について、日弁連の見解を中心に、法的な観点から意見を述べさせていただきたいと思います。ちなみに、日弁連は、この学術会議法案については反対の会長声明を発しております。
本日、資料として、参考人のレジュメと、それから日本学術会議問題に関する日弁連の会長声明四件、そして意見書を一件提出させていただいておりますので、適宜御参照いただきたいと思います。
私の方からは、最初に私の意見の趣旨、概要を申し上げ、大きい二番目として本法案の内容上の問題点、大きい三番目として本法案の立法事実が欠如しているのではないかという問題について述べたいと思います。
まず、私どもの意見の趣旨、概要でございます。
本法案の最大の、そして最も基本的な問題は、ナショナルアカデミーとしての日本学術会議、この核心を成す独立性、自律性が損なわれることになるのではないかという点にございます。それは、憲法二十三条が保障する学問の自由に対する脅威でもあると思います。
このことを、主に二つの点から指摘しておきたいと思います。
一つは、本法案自体の内容の問題で、特に新法人の会員人事と業務運営の両面において、その独立性、自律性を制約し、阻害する幾重もの仕組みを設けようとしていること、また、ナショナルアカデミーとしての世界標準である会員選任に関するコオプテーション方式を、特に新法人発足に際して基本的に排除をし、これまでの学術会議との連続性を遮断しているということが指摘できると存じます。
もう一つは、立法事実に関する点です。周知のように、内閣総理大臣は、二〇二〇年十月、学術会議の会員改選に際して、学術会議が推薦をした会員候補者のうち六名の任命を拒否されました。しかし、政府は、その意思決定の根拠、理由についての説明責任を果たさないまま、逆に、学術会議の方に問題があるかのようにおっしゃり、例えば、学術会議に対して政府等と問題意識や時間軸を共有することを求めるなど、その在り方を問題にして、今回の法人化法案に至っております。しかし、この過程は、全体として法的正義を欠くのではないかと考えております。
また、政府は、本法案の立法理由として学術会議の独立性を徹底するためとしておられますが、これまでの学術会議は、私どもは十分に独立性を維持してきている、そう評価することができ、さきの任命拒否や本法案による法人化こそ、その独立性を侵害するものではないかと考えております。
大きい二番目として、本法案の内容上の問題点を簡単に指摘させていただきます。
まず、本法案は、独立性、自律性を制約する幾つもの機関を設置することとしております。
新法人には、全て会員等以外の外部の者で構成をされる、一つ、選定助言委員会、二つ、運営助言委員会、三つ、監事、四つ、日本学術会議評価委員会、この各機関が設置をされ、監事と評価委員会は総理大臣が任命し、評価委員会は内閣府に置かれます。
監事や評価委員会はほかの立法例に倣ったものと思われますけれども、これに加えて、余り他に立法例を見ない選定助言委員会や運営助言委員会を加え、幾重にも新法人の運営や会員人事を制約し、チェックをする、こういうことになっております。
しかし、元々、学術会議という二百人以上で構成される民主的なボトムアップの合議体、外部、特に政治権力からの自立と独立が格別に求められる、そういうナショナルアカデミーとしての科学者集団に、独立行政法人や特殊法人のトップダウン的な政府による監督システムを持ち込む、それ自体が適切性がどうなのかという疑問を感じます。
それらは、政府から独立して行うべき業務の自立した運営を阻害し、また、組織の独立性を担保する会員人事の自律性を損なうということになって、その独立性、自律性が由来する憲法二十三条の学問の自由をも脅かすものと考えます。
次に、会員の選考、選任に関する自律性の阻害と連続性の遮断です。
本法案によれば、新法人の会員の選任は、選定助言委員会の意見を聞いた上で作成される選定方針に従い、会員候補者選定委員会が、会員のほか、多様な関係者からの推薦に基づいて、多様な実績のある科学者を含める等の配慮の下で選定すべきことが法定されております。これらは、法律によって会員選定における自律的な判断を制約するものでありまして、これまで会員の推薦を基本に、学術会議が自ら基準を定めて会員候補者を選定してきたコオプテーション方式を制約するものと言えます。
しかし、さらに問題なのは、新法人発足に当たって、特別な会員選定方法が取られ、ここではコオプテーション方式は基本的に排除をされているということです。すなわち、特別な候補者選考委員会なるものが設置をされ、その委員は内閣総理大臣が指定する者と協議の上で決定することとされ、かつ、会員以外の者で構成できるようになっております。そして、会員候補者についての現行会員の推薦権はこれを否定されています。
加えて、新法人発足三年後の会員選任です。ここでは、通常の会員候補者選定委員会ではなく、発足に際して設置された、先ほどの候補者選考委員会の委員のうちから会員候補者選定委員会委員を選任するということに規定されておりまして、発足時と同じメンバーが三年後にも会員の選定に当たるものとされております。そして、承継会員は再任されないとされておりますから、この三年後の会員選任に参加できません。
以上のようなこの法案の会員選考、選定規定は、現在の学術会議会員を新法人の会員の選任手続から殊更に排除をする異例なものと言わざるを得ないのでありまして、学術会議の会員人事の自律性を否定するものであり、かつ、これまで政府から独立して科学的助言を行ってきた従来の学術会議との連続性を遮断するものと言わなければならないと存じます。
大きい三番目、立法事実の欠如について申し上げます。
政府によりますと、本法案は、学術会議の独立性を徹底させ、あるいはその機能の強化のために独立性、自律性を抜本的に高めるため、国とは別の法人にするのだ、こう説明されております。
しかし、私の見るところ、これまでの学術会議は、十分に政府から独立して活動をしてきているのではないかと思われます。それは、例えば、先ほど申し上げた会員任命拒否に対して、学術会議がその理由の説明と速やかな任命を求め続けていること、それ自体から明らかでございますし、典型的には、防衛装備庁が進める安全保障技術研究推進制度への慎重な対応を求めた二〇一七年三月の軍事的安全保障研究に関する声明に表れております。そして、二〇二一年四月二十二日の「学術会議のより良い役割発揮に向けて」との総会の決議で明らかにしたナショナルアカデミーの五要件、この確保を政府に対して要求をし続け、本法案の国会提出に対しても、本年四月十五日の総会において、これを非常に残念だとし、五要件及び懸念事項の全てを充足、払拭した法案への修正を求めていることにも見られるとおりであります。
本法案の立法目的の中心に位置づけられている独立性の徹底は、立法事実たり得ないのではないかというふうに考えます。
そして、二〇二〇年の会員任命拒否との関係です。
先ほど申し上げた任命拒否は、任命制が導入されて以降四十年近くにわたって、総理大臣の任命は形式的な任命にすぎず、学術会議から推薦された候補者の任命を拒否をすることはしないという定着した政府解釈を覆すものでありました。そこで任命拒否をされた六名は、総理大臣によって、優れた研究又は業績がある科学者であることを否定され、かつ、国会、国民に対して責任を負うことができない者と位置づけられました。しかし、これほど科学者としての人格を傷つける任命拒否の具体的理由は明らかにされないまま、現在まで参っております。
日弁連は、この任命拒否が学術会議の独立性と自律性を違法に侵害するものであり、その独立性と自律性を基礎づけている学問の自由を脅かすものであるということ、そして国民主権に由来をする行政の公正、透明性の原則及び説明責任の原則に背反するということを指摘してまいりました。
学術会議の独立性を違法に侵害した任命拒否についての政府自身の責任を放置をしたまま、逆に、学術会議の方に問題があるから、これを廃止して新たな法人にしようとする本法案については、本末転倒であり、法的正義に反するものと言わざるを得ないというふうに考えます。
以上です。拍手
大
大
黄
黄川田仁志#14
○黄川田委員 まず、本日、参考人として来られました四人の先生方、御多用中、誠にありがとうございます。私からも感謝を申し上げたいと思います。
特に、梶田先生におきましては、本来、地元の越谷あたりでお酒でも飲みながらいろいろな話をしたかったわけでございますが、こういう立場で質疑応答をしなければならないということでございますが、お手柔らかに、よろしくお願いを申し上げます。
まず、会長選任について、梶田先生に質問したいと思います。
現役会員の推薦に基づく現行の会員選考は、選考基準が不透明であるとか、似た専門の学者が選ばれ続けるとの指摘がこれまで出ております。
それを裏づけるような発言が、先月の四月十四日から十五日の学術会議総会で出ております。ある会員から、この法案が通ることによって右の方に立っている人が入ってくる、そういう状態を許していいのかという発言がございました。
これまでも政治的な考え方に基づいた選考を行ってきたということでしょうか。例えば、梶田会長の下で行われた令和五年十月の会員選考において、このような政治的な理由や曖昧な方針に基づく選考を行っていたということでありましょうか。
この発言だけを見る →特に、梶田先生におきましては、本来、地元の越谷あたりでお酒でも飲みながらいろいろな話をしたかったわけでございますが、こういう立場で質疑応答をしなければならないということでございますが、お手柔らかに、よろしくお願いを申し上げます。
まず、会長選任について、梶田先生に質問したいと思います。
現役会員の推薦に基づく現行の会員選考は、選考基準が不透明であるとか、似た専門の学者が選ばれ続けるとの指摘がこれまで出ております。
それを裏づけるような発言が、先月の四月十四日から十五日の学術会議総会で出ております。ある会員から、この法案が通ることによって右の方に立っている人が入ってくる、そういう状態を許していいのかという発言がございました。
これまでも政治的な考え方に基づいた選考を行ってきたということでしょうか。例えば、梶田会長の下で行われた令和五年十月の会員選考において、このような政治的な理由や曖昧な方針に基づく選考を行っていたということでありましょうか。
梶
梶田隆章#15
○梶田参考人 御質問ありがとうございます。
まず、私たち第二十五期学術会議が行いました会員選考のあらましにつきまして説明させていただきます。
まず、第二十五期学術会議として、会員の選考方針というものを定めました。これを明確にしたのは多分私たちが初めてだと思いますが、その際には、様々な学術関連団体、大学等関連団体、それから研究機関、それからさらに、産業界、専門職団体その他にいろいろと意見をお聞きしながら選考方針をまとめました。そしてさらに、会員候補者となる方の情報提供も広く受け付けております。
そのような中で、選考方針に基づきまして、しっかりとダイバーシティーも考慮しながら会員選考を進めました。そのようなことを思っております。
そして、私が会長時代、多様な考えを持っている会員がおりまして、それが日本学術会議の財産であると認識しておりました。一方で、今御質問のありました政治的な考え方としましては私は意識しておりませんので、質問に対しては、そこの点につきましては本当かどうか分からない、そんなところかと思います。
この発言だけを見る →まず、私たち第二十五期学術会議が行いました会員選考のあらましにつきまして説明させていただきます。
まず、第二十五期学術会議として、会員の選考方針というものを定めました。これを明確にしたのは多分私たちが初めてだと思いますが、その際には、様々な学術関連団体、大学等関連団体、それから研究機関、それからさらに、産業界、専門職団体その他にいろいろと意見をお聞きしながら選考方針をまとめました。そしてさらに、会員候補者となる方の情報提供も広く受け付けております。
そのような中で、選考方針に基づきまして、しっかりとダイバーシティーも考慮しながら会員選考を進めました。そのようなことを思っております。
そして、私が会長時代、多様な考えを持っている会員がおりまして、それが日本学術会議の財産であると認識しておりました。一方で、今御質問のありました政治的な考え方としましては私は意識しておりませんので、質問に対しては、そこの点につきましては本当かどうか分からない、そんなところかと思います。
黄
梶
黄
黄川田仁志#18
○黄川田委員 ありがとうございました。
であるならば、このような発言を聞くと、会長が知らないところで、特定の考え方に基づき、異なる考え方を持つ人を排除するような選考を行ってきた人がいるということが私は明らかになったというふうに考えます。
次に、日本学術会議の法人化に関する質問をまた梶田先生にしたいというふうに思います。
梶田先生は様々な、特に五点についての懸念をお話をしておりましたが、学術会議を法人化する理由がないということも取材等で述べております。
そもそも、学術会議の法人化に反対ということでよろしいんでしょうか。
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次に、日本学術会議の法人化に関する質問をまた梶田先生にしたいというふうに思います。
梶田先生は様々な、特に五点についての懸念をお話をしておりましたが、学術会議を法人化する理由がないということも取材等で述べております。
そもそも、学術会議の法人化に反対ということでよろしいんでしょうか。
梶
梶田隆章#19
○梶田参考人 お答えいたします。
私の態度としましては、法人化か政府機関であるかということについては、別に、正直なところ、どちらであっても結構だと思っております。
ポイントは、日本学術会議がナショナルアカデミーとしてよりよくその機能を発揮するため、そのためにどうすべきかということを考えるということが重要だというふうに思っております。
先ほども申しましたけれども、今の法案を見させていただく限り、我々が先進国のナショナルアカデミーには普遍的にあるとした五要件のうち、少なくとも三つか四つについて言うと懸念を表明せざるを得ない、そういうことで、そこら辺につきましては、国会においてしっかりと御議論をいただきたいというふうに思っております。
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ポイントは、日本学術会議がナショナルアカデミーとしてよりよくその機能を発揮するため、そのためにどうすべきかということを考えるということが重要だというふうに思っております。
先ほども申しましたけれども、今の法案を見させていただく限り、我々が先進国のナショナルアカデミーには普遍的にあるとした五要件のうち、少なくとも三つか四つについて言うと懸念を表明せざるを得ない、そういうことで、そこら辺につきましては、国会においてしっかりと御議論をいただきたいというふうに思っております。
黄
黄川田仁志#20
○黄川田委員 今、日本学術会議がナショナルアカデミーとしてよりよくその役割、機能を果たすことが大切であるということでお話がありました。
ナショナルアカデミーとしての役割、機能というものはどういうものだというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
この発言だけを見る →ナショナルアカデミーとしての役割、機能というものはどういうものだというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
梶
梶田隆章#21
○梶田参考人 ありがとうございます。
本日の私の発言の中でも述べさせていただきました。これは、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」という文書をまとめたときに、我々として、機能強化の課題として挙げたものです。
一つ目が、国際活動の強化。二番目が、立法府への助言機能創設にも言及しましたけれども、科学的助言機能の強化。現在、日本学術会議は国の機関ということになっているたてつけ上、立法府への助言機能がありませんけれども、もし法人化して立法府への助言機能等が公的資格として認められるのであれば、これは非常にポジティブに考えたいと思っております。それから、対話を通じた情報発信力の強化と事務局機能の強化です。
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一つ目が、国際活動の強化。二番目が、立法府への助言機能創設にも言及しましたけれども、科学的助言機能の強化。現在、日本学術会議は国の機関ということになっているたてつけ上、立法府への助言機能がありませんけれども、もし法人化して立法府への助言機能等が公的資格として認められるのであれば、これは非常にポジティブに考えたいと思っております。それから、対話を通じた情報発信力の強化と事務局機能の強化です。
黄
黄川田仁志#22
○黄川田委員 ありがとうございます。
今、助言機能の強化というお話がありますが、今の日本学術会議の勧告、これは私、少ないんじゃないかというふうに思います。先ほどサイエンス・フォー・ポリシーという話がありましたが、本来、日本学術会議は政府に対して意思を表出することができるというふうに思っています。
梶田先生が会長のときの二〇二三年に、日本学術会議の在り方の見直しについての勧告をしております。それ以前に遡ると、二〇一〇年になります。総合的な科学・技術政策の確立による科学・技術の持続的振興に向けてということであります。しかし、どれも学術会議の在り方や立場を主張するものであります。私は、この間、勧告すべき事項がなかったのかということを思うわけであります。
例えば、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、学術会議は提言や見解を出しておりません。科学に基づく発言をすべきであったというふうに思います。また、AIについても、社会を大きく変える産業革命的な衝撃となり得るものであります。その対応には、理系や科学の知見のみならず、社会学又は歴史学、倫理学的な幅広い知見が必要であります。まさに日本学術会議が会員の知識を結集して政府に対して意思を表出する勧告を行ってもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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梶田先生が会長のときの二〇二三年に、日本学術会議の在り方の見直しについての勧告をしております。それ以前に遡ると、二〇一〇年になります。総合的な科学・技術政策の確立による科学・技術の持続的振興に向けてということであります。しかし、どれも学術会議の在り方や立場を主張するものであります。私は、この間、勧告すべき事項がなかったのかということを思うわけであります。
例えば、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、学術会議は提言や見解を出しておりません。科学に基づく発言をすべきであったというふうに思います。また、AIについても、社会を大きく変える産業革命的な衝撃となり得るものであります。その対応には、理系や科学の知見のみならず、社会学又は歴史学、倫理学的な幅広い知見が必要であります。まさに日本学術会議が会員の知識を結集して政府に対して意思を表出する勧告を行ってもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
梶
梶田隆章#23
○梶田参考人 ありがとうございます。
まず、今、福島原子力発電所の事故に係る処理水の問題の御発言がありましたので、この点につきまして、私の方から考えを述べさせていただきます。
処理水の放出に関しましては、政府が主張し、また、国連の機関であるIAEAも、安全性に問題がないということを指摘しております。当然、日本学術会議の多くの会員も、科学的な安全性の点では同意見であったと思っております。
その一方で、政府が例えば方針を決める前に、政府からこの問題に対して特段の審議の要請等はございませんでした。そして、科学的にはこの問題に関して争点は存在しなかったのではないかというふうに考えております。むしろ、あえて言いますと、争点は政治的なものであったのではないかというふうに認識しておりました。
もちろん、本来、福島原子力発電所の事故がなければこのような海洋放出というものは必要がなかったということは確かであります。その意味で、望んで放出しているわけではありませんので、やむなく放出したということです。そのことの理解を、近隣諸国を含め、求めていくということが重要なのではないかというふうに個人的には思っております。
また、AIにつきましては、日本学術会議は今、真剣に議論をしておりますので、それについては、むしろ現役の会員の皆さんから聞いていただければというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →まず、今、福島原子力発電所の事故に係る処理水の問題の御発言がありましたので、この点につきまして、私の方から考えを述べさせていただきます。
処理水の放出に関しましては、政府が主張し、また、国連の機関であるIAEAも、安全性に問題がないということを指摘しております。当然、日本学術会議の多くの会員も、科学的な安全性の点では同意見であったと思っております。
その一方で、政府が例えば方針を決める前に、政府からこの問題に対して特段の審議の要請等はございませんでした。そして、科学的にはこの問題に関して争点は存在しなかったのではないかというふうに考えております。むしろ、あえて言いますと、争点は政治的なものであったのではないかというふうに認識しておりました。
もちろん、本来、福島原子力発電所の事故がなければこのような海洋放出というものは必要がなかったということは確かであります。その意味で、望んで放出しているわけではありませんので、やむなく放出したということです。そのことの理解を、近隣諸国を含め、求めていくということが重要なのではないかというふうに個人的には思っております。
また、AIにつきましては、日本学術会議は今、真剣に議論をしておりますので、それについては、むしろ現役の会員の皆さんから聞いていただければというふうに思います。
以上です。
黄
黄川田仁志#24
○黄川田委員 ありがとうございます。
私は、日本のナショナルアカデミーとして、しっかりと科学的見地に基づいて、この海洋放出は正しいというお墨つきを与えるような見地を出すべきであったと今でも思っております。やはりそれが、自主性、独立性を保つという上でも、国民、また国益に利する、そういう意思表明もこれからしていくべきだというふうに思っておりますので、その辺り、今後、そういう意味で私は改革が必要だというふうに考えております。
今度は、現行法律の前文について、永田先生に御質問したいと思います。
日本学術会議は、前文に書かれている設立の理念が条文の本則に移ることや、平和的復興などの言葉が現代的な用語に変わることで、学術会議の理念が失われてしまうといって不快感を示しております。永田先生は、現行法の前文や目的規定をどのように評価されていますでしょうか。
この発言だけを見る →私は、日本のナショナルアカデミーとして、しっかりと科学的見地に基づいて、この海洋放出は正しいというお墨つきを与えるような見地を出すべきであったと今でも思っております。やはりそれが、自主性、独立性を保つという上でも、国民、また国益に利する、そういう意思表明もこれからしていくべきだというふうに思っておりますので、その辺り、今後、そういう意味で私は改革が必要だというふうに考えております。
今度は、現行法律の前文について、永田先生に御質問したいと思います。
日本学術会議は、前文に書かれている設立の理念が条文の本則に移ることや、平和的復興などの言葉が現代的な用語に変わることで、学術会議の理念が失われてしまうといって不快感を示しております。永田先生は、現行法の前文や目的規定をどのように評価されていますでしょうか。
永
永田恭介#25
○永田参考人 御質問ありがとうございます。
先ほど新法の方の前文については意見を述べさせていただきました。現行法の方で欠けているのは、実は一番大切な国民、あるいは福祉という問題点が中心にはなっていないという点だったと思います。それが今回、社会とともにとか国民ということが背景にある書きように変わっていて、望むべき方向に書かれているなというふうに感じております。
先ほど述べたように、基礎、応用、開発、そして社会実装まで、研究者が働く場所はたくさんあるわけですけれども、それらは最終的に人々の福祉につながるようなものでなければいけないだろう。そういう観点からは、今次の法案の前文は非常によくできていると思っております。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど新法の方の前文については意見を述べさせていただきました。現行法の方で欠けているのは、実は一番大切な国民、あるいは福祉という問題点が中心にはなっていないという点だったと思います。それが今回、社会とともにとか国民ということが背景にある書きように変わっていて、望むべき方向に書かれているなというふうに感じております。
先ほど述べたように、基礎、応用、開発、そして社会実装まで、研究者が働く場所はたくさんあるわけですけれども、それらは最終的に人々の福祉につながるようなものでなければいけないだろう。そういう観点からは、今次の法案の前文は非常によくできていると思っております。
以上です。
黄
黄川田仁志#26
○黄川田委員 最後に、有本先生にお聞きします。
今回の法人化で、学術会議を先進諸国の自由なアカデミーから中国、ロシアのアカデミーに近づけることになるという意見もあるようです。しかし、私は逆であると考えます。この改革で、他の先進国に近いアカデミーになっていくのだと思っております。有本先生はどのようにお考えになりますでしょうか。
この発言だけを見る →今回の法人化で、学術会議を先進諸国の自由なアカデミーから中国、ロシアのアカデミーに近づけることになるという意見もあるようです。しかし、私は逆であると考えます。この改革で、他の先進国に近いアカデミーになっていくのだと思っております。有本先生はどのようにお考えになりますでしょうか。
有
有本建男#27
○有本参考人 先生のおっしゃるとおりで、私の見方も、ロシア、中国のアカデミーがございますけれども、一方では、先進国、先ほど申しました米、独、UK、それからフランス等々ございます。この辺の全体を見まして、明らかに法人として自律的にやっているということで、一方ではどういうふうにやっているのかとはっきり分からないところもありますけれども、私も同じような見方で、今度の法律、法人化によりまして先進国の方に更に行くということではないかというふうに考えてございます。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
黄
大