末冨芳の発言 (文部科学委員会)
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○末冨参考人 皆さん、おはようございます。日本大学の末冨でございます。
「学校における働き方改革を強力に進めるために」というスライドを使って説明をさせていただきます。
私は、日本大学で勤務をしておりますが、教員不足をなくそう緊急アクションの呼びかけ人としても活動しております。
次のスライドを御覧ください。
教員不足をなくそう緊急アクションは、教員不足の実態に一番困るのは子供たちであるということで、子供たちが安心して学び、育つ日本の学校であり続けるために、国、自治体、学校現場のあらゆる関係者を応援し、保護者、住民からの理解やサポートも広げるために、二〇二二年から活動しております。
こちらの会場にいらっしゃる国会議員の皆様にも、折々にかなりむちゃなお願いもしてまいりましたけれども、しかし、子供たちのために共に様々な改革を進めてきてくださいましたこと、改めて御礼を申し上げます。
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私自身はヤフーで記事を発信するエキスパートというお役目もしておりますけれども、この間、ヤフーで発信してまいりましたのは、今次法改正の三本柱改革というものが全て共に進むことが非常に重要であるということ、そして、昨年末の文科大臣、財務大臣の大臣合意の中で、学校現場の期待が高い、頑張る先生たちの期待が最も高いのが、学校における働き方改革を強力に進めるということで、これを社会としても後押ししなければならないことも発信してまいりました。
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こちらは、私が整理しました、なぜ教員不足が起きるのかということですけれども、ごく簡単に申し上げると、左側、教員免許状保有者の供給が停滞していること、志願者が減っていること。そして、右側、一方で教員の需要は増加しております。しかしながら、先ほど佐久間参考人もおっしゃられましたように、正規教員の採用控え、そして非正規教員や臨採も払底している、そこの全てに作用しているのが教員の長時間労働であるということで、この構造の下で教員不足は加速をしてまいりました。
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こうした現状に対し、今次改正の意義というのは、学校における働き方改革を一層推進すること、そして、組織的な学校運営及び指導の促進をする、教職員体制も拡充するということで、教員の長時間勤務にダイレクトに働きかけられるものであること、あわせまして、教員の処遇改善は、若い大学生たちにとって、教員になろうかなと迷ったときに、それを後押しする非常に重要な改革であるとともに、今、学校現場で、一回退職したけれども、あるいは定年を迎えたけれども、非正規教員として頑張っている、再任用として頑張っている先生方の処遇も改善することで、子供を支える大人たちを支えるということが可能になるという意味があります。
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これらの改革を進める上で、やはり学校における働き方改革を強力に進めるということが中核に位置づけられなければなりません。
今次の法改正の中で一番重要なものの一つが、業務量管理、そして健康管理措置実施計画を市町村の教育委員会が定めるということにあります。
これを実効性のある改革として機能させるためには、市町村教育委員会の計画策定に際し、国による、教員が担うべきではない業務の明確化、そして、国による、教員の業務量管理のルール整備が必須です。全国同じルールで測定しなければなりません。自宅からのテレワーク、こちらは、把握できない持ち帰り仕事ではなく、きちんと把握できる、記録が残る形でのテレワーク、そして、勤務時間内の補教による超過負担等も含め、時間外等在校時間の総量把握のルールが必要です。
そして、業務量管理計画の策定とその実施状況につきましては、教員志望者の出願、教員の異動希望、教員公募の参考にできるよう、国、都道府県が各教育委員会の実施状況を公表する必要があります。徹底した見える化をお願いしたく存じます。
あわせまして、この計画がしっかりと軌道に乗りつつあるときに、国による教員勤務実態調査ももう一度実施していただいて、この市町村と都道府県が進めている業務管理計画というのは確かに学校現場の実態と合っているよというオーソライズをすることで、社会全体に、ああ、きちんと各教育委員会が取組を進めているのだなという納得が広がっていくと存じます。
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あわせまして、今次法改正の中では、総合教育会議や学校運営協議会も業務量管理を後押しすることとなっております。
こちらにつきましては、国による教員の業務量管理のルール整備を前提に、個人を特定しない形での業務量管理の実態を校長から学校運営協議会に、教育長から総合教育会議に情報開示を必ず行うということが法改正の趣旨を実現するために必須です。小規模校の情報開示については、総合教育会議での開示とするなどの措置も必要かと考えられます。
この際に、学校運営協議会は現在以上に大きな責務を負うことになります。必置化を進めるとともに、学校運営の支援機能向上、委員の研修改善や処遇改善も必須であると考えております。
ここからは後半の内容に参ります。
教員不足をなくそう緊急アクションでは、重要政策提言を公表し、関係の皆様にお願いをしております。
大きく分けて御覧いただいた五つの柱がありますが、今日はその中で、特に今次改正案と関連ある四つの項目、すなわち、教員が担うべきではない業務の明確化、市町村の働き方改革に教員の声を反映する仕組みを、首長部局、常勤専門職、支援員配置で学校を支えるチーム学校二・〇、児童生徒と教職員のウェルビーイング重視の管理職選考、校長評価の大幅な改善という四点についてお願いをいたします。
それでは、次のスライドに参ります。
教員が担うべきではない業務の明確化が必要です。現在の、文部科学省が教師の仕事を三分類していただいていますが、学校の働き方改革を強力に進めるという改革に際しては、教員が担うべきではない業務を明確化する必要があります。
このスライドに書いてあるような業務がそれに該当すると私たちは判断しておりますけれども、私自身は、およそ二十年にわたって教員に徴収金業務をさせないでくださいという提言と活動もしてきたんですが、いまだにそれをさせている学校があるという信じ難い実態があります。これを、この際、教師が担うべきではない仕事として学校事務職員等がしっかりと分担していくというような職務分担の明確化も必要です。
あわせまして、教員が担うべきではない業務を明確化することで、都道府県や政令市の任命権者に相談窓口を設置し、市町村に改善指導ができる。これは、今次改正の趣旨と照らし合わせても大変整合する改革ではないかというふうに考えております。
次のスライドに参ります。
市町村の働き方改革に教員の声を反映する仕組みをということをお願いいたしたく存じます。今の日本の学校現場の先生たちは、余りにも自分たちに関わることに対して声が上げられない存在なんですよね。だからこそ、働き方改革に際しては、先生たちが困っていることに寄り添っていただきたいということです。
こちらのスライドは、私がこの年末年始に頑張る先生たちのネットワークで拡散していただいたアンケートの結果になりますが、頑張る先生方のネットワークですら、働き方改革が効果を上げているとお答えの方は二割しかいらっしゃいません。厳しい実態がございます。
しかしながら、次のスライドに進みますけれども、学校現場から、こういう働き方改革がしてほしいという提案が幾つかにまとめられたという意義もありました。例えば、授業時数や持ちこま数、小学校専科が最も多いですが、サポートスタッフや業務委託に関する提案。そして、書類、書式、DX化というものをもっと現場の使いでのいいものにしてほしい、これはきっとすぐできる改革の一つだと思いますけれども、頑張る先生たちは、どのような場面であっても前向きに物事を考えて提案できます。だからこそ、このような声を一つ一つの市町で酌み上げていただき、できることをどんどん取り組んでいけば、働き方改革は進むはずです。
次のスライドに参りますが、特に要望が強かったのは保護者対応ですね。非常に苦しんでおられます。もう一つが、やはり授業時数がというお声もありますけれども、保護者対応に関連させて、次のスライドに参ります。
首長部局、常勤専門職、支援員配置で学校を支えるチーム学校二・〇ということで、現在進んでおりますのは、都道府県や政令市、市町村の首長部局や子供の権利擁護機関で、子供のための問題解決を学校、園と連携しながら共に進んでいくというタイプの改革がだんだん広がりつつあります。
例えば、熊本市のこどもの権利サポートセンターでは、子供や保護者だけでなく、教員の相談も受け付けながら、特に事例が多いわけではありませんが、一部の非常に現場を疲弊させる保護者がいたときに、子供の最善の利益を優先にしながら、共に問題解決を図っていきましょうという取組もされておられます。
熊本市の場合、スクールローヤーは地元に信頼できる弁護士さんがおられますけれども、教員だけではない、あるいは非常勤の市の職員だけではなく、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーといった専門職の常勤配置によって、より問題解決能力を上げていくところが課題であるというふうにも、熊本市の教育行政審議会の答申では指摘をされています。このような改革も是非国として後押しをしていただき、共に子供を支える首長部局の役割、それを支える常勤専門職や支援員配置の拡充をお願いいたしたく存じます。
次のスライドに参ります。
「児童生徒と教職員のウェルビーイング重視の管理職選考・校長評価の大幅な改善」と書いてありますが、学校現場の先生たちからは、校長先生が働き方改革に際してボトルネックとなっているという端的な指摘がございます。例えば、十四ページのスライドでは、校長が教員のことは二の次という発言をしていて、そのとおりの学校運営で、教員がどんどん体調を崩している。そして、次のスライドに進んでいただくと、十五枚目、市の校長会の同調圧力が強いのか、全く自校から変えていこうという校長の意識が感じられないと、非常にお困りです。
しかしながら、次のスライドに進んでいただいてよろしいでしょうか、十六ページ目ですけれども。こちら、大阪市の学校の改革ですが、オセロの四つの角のようにと、複数担当、チーム担当、全学年教科担当、四十分授業午前五時間制の四つを同時に行ったことで、大きく働き方がいい方向に変わった。これは何のためにしているかというと、ただ時短じゃない、これは貞広参考人もおっしゃいましたけれども、ただ時短を今している学校が多い中で、大人が生き生きと変われば、子供の学びも生き生きとなるでしょうという前向きな改革をしておられるんですね。こうした校長先生がいる学校では、必ずいい方向での働き方改革が進みます。
では、なぜ働き方改革に取り組まない校長がいるのか。それは、現在の管理職選考と校長評価の仕組みが、校長がつくりたい学校をつくって、それを評価するという大きな特徴を持っているからです。ここに働き方改革ですとか、子供たち、教職員のウェルビーイングというのが考慮されづらい仕組みになっている。この点を地方自治体とともに変えていただきたいと存じます。
それでは、次のスライドに参ります。
今次改正に関して直接関連する提言は以上となりますが、最後に、現在進行中の学習指導要領の見直しと先生の働き方に対してのお願いがございます。三つございます。
まず、持ちこま数上限を設け、教員の勤務時間内で授業準備を終えられる学校にしていっていただきたいということ。もう一つが、そのためにも、標準授業時数の大胆な運用改善、学習内容の精選が必須であるということ。そして、個々の児童生徒に着目した教育課程というものを教育課程特別部会でも今検討してくださっており、私たちも大変すばらしい改革だと思っておりますが、だとすれば、それに対応できる定数改善が必要であるということです。
現在、学校内に不登校の子供たちもいつでも来れる校内教育支援センターを設置する動きが広がっており、大変望ましいことですが、そこに学校の先生が配置されていない、支援員やボランティアだけで成り立っている校内教育支援センターの方が恐らく現状多いはずです。そうではなく、どの子にも専門職であり子供への理解が深い先生方が接することができる、そのような体制をつくっていただきたいと思います。
あわせまして、既に教育課程特別部会でもお取り組みですけれども、子供の声を聞く、そして学校現場の先生の声を聞く、併せて子供の実態を丁寧に把握しながらの学習指導要領のプロセスも大切にしていただきたく存じます。
次のスライドに参ります。ちょっとレーダーチャートで字が小さくて恐縮ですけれども、大事な部分を大きくしてあります。
これは、私が昨年度公表しました、中高生にどんな学校に通ってみたいかと聞いた結果ですけれども、一週間にある授業の数が今より少ない学校がいいと。実は、学校で分からないこととか苦手が解消できていない子が多いんですね。これは、カリキュラムオーバーロードを生徒の側の意識から見るとこういうことになるのだろうと思っております。子供たちにとっても、今の授業というのは分かる授業でもない、それから自分の苦手が解決できるような学校の体制でもない。あわせて、やはり朝から晩まで詰め込まれ過ぎていて、何を学んだのか覚え切れない、定着し切れていないという実態があるということです。このような実態にも寄り添いながら、学習指導要領の面からも、先生たちと子供たちがよりよい学びができる体制のお取組を引き続きお願いいたします。
それでは、最後のスライドに参りますけれども、私たち、教員不足をなくそう緊急アクションは、子供たちのために頑張ってくださる大人の皆さんも応援しますということで、ここからも、あらゆるお立場の皆様方とともに、子供たちのために、教員不足が起きない学校、そのための働き方改革を強力に進める応援団として、引き続き活動してまいりたいと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)