堀田龍也の発言 (文部科学委員会)

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○堀田参考人 堀田でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 私はスライドで用意をしてまいりました。皆様のところには、一枚当たり四枚ずつのスライドが印刷されておりまして、小さいですけれども、各スライドの右下にページが打ってございます。このページを基にお話を差し上げたいと思います。
 私は、まず最初に、こういう場にお呼びいただきましたことを御礼申し上げたいと思います。
 二ページ目に参りますが、私は、情報化に対応した教育の在り方について専門に研究をしてございまして、三ページ目、四角の一と書いてありますけれども、大きく今日は三つのお話を差し上げます。
 一つ目は、二〇二〇年から、先生方のお力で、日本の全ての義務教育段階の子供たちに端末が配付され、高速ネットワークがつながりました。GIGAスクール構想と呼びますが、これから五年ほどたちまして、今、学校現場が着々と変わりつつあるというお話から差し上げます。
 四枚目にありますように、子供たち一人一人が、端末も、もちろん紙のものもいっぱい使っていますけれども、両方使いながら、必要に応じて様々な情報にアクセスしながら学ぶということができるようになりました。先生は間に入って子供たちの支援をして回る、そういう時間が授業時間の中の多くの部分を占めるようになってきました。
 五枚目に参りますが、子供たちは、お友達と違う画面を見ながら学んでいても、そばにいて学びたいという気持ちがございます。これは、子供たちの心理的安全性を考えると、一つの机にずっと座っているよりも、場所を少し変えながら友達と一緒に学ぶということが実現することで、過ごしやすい学校になっている部分がございます。
 六枚目にありますが、体験が重要であるということはもちろん当然のことでございまして、理科の実験のような直接体験は非常に重視されております。
 七枚目にありますが、だからこそ、子供たちは、しっかり録画して、再生し、何度もそれを見て、どこで泡が出たのか、どうしてなのかということを考察するようなことをしています。
 八枚目は、前時間の授業を録画している先生がいまして、これがクラウドで共有されていますので、欠席したお子さんとか、あるいはよく分からなくなって戻りたいお子さんがこれを見て確認できる、こういう環境を実現しているものでございます。
 九枚目。ここには立方体が幾つか出ていますが、これは八人分の画面を今一覧しているところでして、お友達がやっていることが同時にこういうふうに可視化されるということによって、例えば、ちょっと勉強は余り得意じゃないんだよな、分からないなという子も、ほかの方の様子を見ながら自分なりのペースで進めていくということが可能になってきております。
 十枚目。子供たちはノートに書くこともたくさんありますが、これも一旦写真に撮ってクラウドに上がれば、友達と同じように一覧化できますので、それぞれの考えを比べるというのが紙とデジタルの融合でできるようになっております。
 先生方は、十一枚目ですけれども、このクラウドで子供たちがどういう学びをしているかを把握しながら、一人一人の子供たちに関わっていく、介入するということができるようになります。
 十二枚目にありますが、外国籍の児童生徒が大変増えてきておりまして、これも、英語であれば先生方は何とか対応しますけれども、実際、外国の数が多くなってくるとそれも難しい、かといって、加配で先生方を増やすということも難しい。こういう現実の中で、例えば翻訳のツールが手元にある、それによって、この子たちもまた、学校に来て学ぶということがハードルが下がるということになります。
 十三枚目ですけれども、学校に来れないお子さん、来れない時期もございます。けがをしているとか、あるいは感染症の濃厚接触者になっているとか、そういうときも、オンラインでつないだり、クラウド上では同じアカウントで入れば家にいながらも見れますので、具合が悪いときは別ですけれども、元気な場合はこういう形で子供たちとつながっていることで、次、また来れるようになるというふうになっております。
 十四枚目ですが、これは子供たちのまとめの様子ですけれども、非常に多角的に、情報をいろいろ集めていますので、教科書一辺倒ではなく、様々なところから情報を集め、整理するという力がついております。この画面の左下にテレビの画面がありますが、こういう外のリソースとリンクさせるみたいなことができるようになっているということです。
 十五枚目は、これはある小学校の子供たちが学んでいるときの今日の授業の目当てですけれども、公式を導き出すというところで終わりではなくて、それぞれの公式に共通するものを見つけて説明するというような一段上の深い学びに近づいているような、これはそれぞれの子供たちが様々な活動で学びますので、それを合わせていくことで、こういう学びに達するということができるようになっている。
 先生が一人で教えるということには限界がございます。十六ページにありますが、真ん中のB層に合わせて私たちは授業をしますが、実際、A層、簡単過ぎると思っている子は、待ち時間が長いということになります。C層の子は、分からないまま先生は先に進んでしまう。先生も実は分かっていますが、もうどうしようもなくて、そうするしかないという現実がございました。
 今のは小学校ですが、十七枚目は中学校です。中学校では難し過ぎると思っている子の割合が増えるという形になります。
 十八枚目にあるように、授業を山登りのように例えて、全体で一番下から始まって、それぞれの子が、それぞれの興味、関心に基づいて、自分なりの調べ方で様々にアクセスし、調べる。それを時に応じて友達と協力しながら協働で活動し、また全体に戻ってみんなで議論する。こういう授業の形が、多様性を包摂しながら、みんなで一体感を持ちながら、それぞれの個性を生かしながら学ぶ学び方として今イメージされているところでございます。
 今までGIGAスクール構想の現状のことをお話ししましたが、二番につきましてです。二番は、デジタル学習基盤がもたらす効果と課題というお話をします。
 デジタル学習基盤というのは、この端末始め、ネットワーク、あるいはデジタルの教科書、教材、様々なツール、こういう子供たちが学びに使う環境のことを指しておりまして、学習基盤、基盤ですから、これはインフラ、学びのインフラと言ってもよろしいでしょうか。これは紙のインフラが今までは整っていたわけですけれども、これに加えて、デジタルのインフラ、デジタルのいいところをうまく使うことによって、子供たちの学びを積極的に支援していこうというものでございます。
 ところが、この右側にあります、二十ページにあります、これは小学校の都道府県別の端末の利用の頻度でございます。これは都道府県でまとめてありますが、実際は市町村によって結構な差がございまして、都道府県で丸めてみても、このぐらいの差がございます。全体としては九割強はまあまあ使っているということになっていますが、そうでない自治体もやはり幾つかある。
 これは中学校になるとこの差はちょっと大きくなりまして、二十一ページですけれども、地域差が今大きく課題になっているところでございます。
 これは、端末の環境が地域によって少しずつ違うという現実と、例えば、ネットワーク環境が自治体によっては十分ではないみたいな、整備が追いついていないみたいなところもあります。あるいは、先生方の授業に対する意識がまだ十分に変わり切れていない、そういう現実もございます。
 二十二ページ目にありますが、OECDの調査によると、日本の学ぶICT環境というのは、OECD諸国では五位、相当上位に来ております。
 一方で、二十三ページにありますが、それを使って、特に探求的な、子供たちが探求していくような学びをしているということについては、二十九位、二十九か国のうちの二十九位です。ですので、これは最低ということになっています。せっかくよい環境があるのに、それを生かした学びの形になっていない。そうすると、これは大変もったいないことかと思います。
 これは全体としてはこういうスコアになっておりますけれども、努力している、早くから整備をきちんとし、新しい授業に取り組んでいらっしゃる先生方のところでは着々と効果が出ておりまして、二十四ページのスライド、これは、このような、さっきの山登りのような授業をやっているかどうかと学力調査のスコアは明確に相関が出ておりまして、つまり、一人一人のペースに合わせて学ぶことで、全ての子がそれなりにしっかりと学んでいくことができる、こういう多様性を許容したような授業の組立て方に変えるということが、学力に影響するということでございます。
 二十五ページにありますが、そういう授業を試みているところほどICTをよく使っています。先生は一人しかいませんけれども、子供たちは多様な学習リソースにアクセスしますので、そうすると、ICTがない頃はプリントを何枚も用意しなきゃいけなかったわけですので、先生の多忙化に拍車をかけていたわけですけれども、こういう昔からやりたかったことだけれどもできなかったことを、皆さんのおかげで用意された端末がこれを支えているということになります。
 二十六枚目にありますが、文部科学省は、リーディングDX事業ということで、このリーディングDXスクール事業で利活用の強い推進をしてございまして、今年も七百五十四校が指定されております。これで子供たちの学習、授業を変えるということを全国キャンペーンで様々な取組がされているところです。
 二十七ページ目には、デジタル教科書があります。教科書が、デジタルの強みも生かしていくということによって、例えばネイティブの音声を聞きながら学ぶ、これもそれぞれの子供のペースで学ぶことができるということが実現しています。
 二十八ページ目には、これは数学の問題が出ていますけれども、点Pが動くと言ってもちょっとイメージできない子供がいる中で、点Pが動いてくれれば、子供たちは理解が促進されるみたいなところがあると思います。
 二十九ページ目には、デジタルのよさみたいなことには幾つかありますよということ、これは文部科学省がまとめている資料ですけれども、拡大とか書き込みができる、保存ができる、音声の読み上げができる。総ルビ、これは外国人のお子さんなんかには非常に有効ですけれども、こういうようなことができるということがあります。
 このデジタル教科書は何もあらゆるデジタルのものを全て教科書にしようということではありませんで、この三十枚目にありますが、真ん中に、デジタル教科書、検定の範囲でできたようなああいう教科書をデジタルにしたものが真ん中にありまして、このことと、右側のツールですね、様々なツールを併せて使う。そのときに、左側に、いろいろな教材、AIも含めていろいろな教材がこれから出てきます。これは技術の発展がどんどん進んでいきますので、これを全部検定するというのは難しいことでございまして、そういう多様な教材とうまく連携するような、そういう動きをできるようにしてはどうかということになります。
 これが三十一ページ目に、文言として、デジタル教科書のワーキング、中教審の、一部ですけれども、これに書かれていることで、連携性の向上が重要であるということが書かれてございます。
 三十二枚目は、ネットワーク、さっき申し上げましたが、自治体によってはネットワークの整備が十分でないところがございまして、これは学校外の部分、右側と、学校内の部分、この両方をアセスメントしていただく必要があります。学校内のところは調整で済みますが、学校外のところは、そもそもその地域にどのぐらいの回線が来ているのかということになりますので、地域の情報化と関係する部分でございます。
 三十三ページに参りますが、GIGAスクール構想は第二期に入りまして、先生方のおかげで、都道府県に基金を造成するということが決まり、着々とこれが都道府県から市町村に下りまして、端末の更新が進み始めたところでございます。
 これもまた、数年たったら第三期がやってきます。これは新しい時代の学びのインフラであることを考えますと、この第三期につきましても、先生方の強い働きかけをお願いしたいところでございます。
 三十四枚目、四角の三番、次の学習指導要領に向けて大事だと思っていることを二つ申し上げます。
 一つ目は、三十五枚目にありますが、教員に余白をという、先ほどの大森先生の話とも関係することでございます。
 三十六枚目にありますが、現在、中教審では、学校現場に教育課程上の裁量を、権限を与えていく方向で検討が進んでいます。つまり、学校によっていろいろな事情の差があるので、そこを各学校の判断でできるようにしましょう、また、いろいろな子供たちがいるので、子供によっては個別の教育課程が提供できるようにしましょうということです。
 多様になれば先生は苦労が膨らむわけですけれども、ところが、三十八ページにグラフがありますが、これは日頃からICTを使って授業を展開している先生に聞いたものでして、三百七十五人の先生の回答では、大体いつも、昔に比べると板書の時間は減ったと言っています。また、子供たちが整理したりまとめたりするのはそれぞれのペースでやるので、昔は時間はかかっていたけれども今は子供たちがさっさとやる。また、その様子が見て取れますから、学習活動の評価も時間は大分短縮している。これが先生方の実感でございます。
 また、三十九枚目にありますが、これは授業が終わるたびに先生が職員室で授業を今日はこれをやったということを記録していくと、右側の赤い四角にありますように、今、国語の時間は何時間使っていて、あと何時間分だ、ちょっと遅れているのはこの教科だみたいなことがすぐ分かるようになっていて、自分のペースでカリキュラムを進めていくということができるようになる。こういう可視化の機能をうまく使えば、標準の授業時数を適切なタイミングで学んで、遂行できるようになるのではないかということでございます。
 最後に、四十枚目にありますが、山登りで学んでいくときに大事なことをちょっとお伝えして、終わりにしたいと思います。
 この次にありますが、情報活用能力という言葉があります。一人一人がそれぞれのペースで様々なリソースに当たるということは、一人一人がそれを適切に読み取る力が必要です。また、適切にまとめる力も必要です。
 しかし、四十二ページ目にあるように、タイピングのスキル一つ取っても、小学生はまだ、十分に速度、十分にタイピングができないお子さんがまだ三割ほど残っているという現実があります。これは、情報活用能力というのは、現行の学習指導要領でもしっかりとやることになっていますが、明確に教科に位置づいておりませんので、こういうことになっていると。
 また、四十三ページにあるように、SNSでやっていいこととか、よくないこととか、不適切な利用についてもしっかりと教えていかなきゃいけない、そういう時代になっております。
 こういう情報技術のうまい活用、適切な取扱い、特性の理解というのを四十四ページに書いておりますが、こういう形でやっていくことが必要で、四十五ページにありますように、これを小学校、中学校、高校としっかりと教育課程上位置づけることが今日重要であると思います。
 私からは以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 堀田龍也

speaker_id: 5546

日付: 2025-06-13

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会