竹田恒泰の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○竹田参考人 分かりました。では、ページ数だけ申し述べます。百二十九ページにあります。
そこで、たくさんの、十一項目書かれているんですけれども、ほとんどがもう手当て済みだったということで、国会の審議でも明らかになったわけです。そこで、四月十五日付の産経新聞は、社説で、経団連は提言を取り下げるべきだという趣旨の記事まで書いたほどであります。
そして、これはどういうことになっているかといいますと、要するに、アンケートを取ったときに、こんな問題があったというふうに言う人がいるんですけれども、それは手当てする前だったりして、ほとんど解決済み。そして、私が精査したところ、十一項目の中でまだ手当てされていないのがパスポートですね。パスポートは、旧姓との併記によって、飛行機に乗れないなどという問題があるということが指摘されています。
そこで、私、調べたんですけれども、実際、パスポートを使ってこういうお困り事の人は何人いるのかと計算してみました。令和元年の日本人の出国者数は二千八万人、そのうち出張、業務目的は四百三十八万人。これは出入国管理統計から分かります。このうち、海外出張に行く女性は一九・五%ですから、掛けると八十四・四万人。出典は日本産業衛生学研究論文です。次、海外出張の平均回数は同論文によりますと一・七回ですので、加重平均一・七回、これで割ると四十九・六万人。そして、自ら別姓を選ぶ人の割合は二八・九%、実際に別姓を希望する人の割合は三〇・四%、これは令和三年の内閣府世論調査です。これによりますと、掛け合わせると四・三万人。つまり、パスポートが旧姓が使えないということで不便を感じている人は四・三万人ということになります。
これは、決して少ないとは申しませんが、決して多くはない。家族制度の変更をするほどのことなのかということを問いたいと思います。
そして、五月には、当時の経団連の十倉会長が、経団連の提言は便利、不便の議論が本質ではないと述べるんですね。アイデンティティーの問題だと言うわけですよ。つまり、これだけ指摘されて、便利、不便ではないと、ここで開き直ったわけであります。でも、アイデンティティーというのは、つまり、自分の名前で仕事を継続できないとか、そういうことによってアイデンティティーの問題が生じるわけですから、そういうことをしっかり手当てすれば、アイデンティティーの問題もおのずから改善されるというふうに言えます。
そもそも、その点は、平成二十七年の最高裁判決にあります。婚姻によって氏を定める者にとって、アイデンティティーの喪失を抱く者があると言いつつ、氏の通称使用が広まることによって一定程度は緩和され得る、これが最高裁の判決の中に入っています。
ですから、通称使用の拡大、若しくはそれに一定の法制化をしていくということはこの最高裁の示した方向にも合うわけでして、困っている人がいるならば、通称使用の拡大、そして法制化によって全て乗り越えていくということができる。
つまり、家族制度の変更というのは、かなり大きな社会的コストを生むわけなんです。金銭だけではありません。例えば社会的コスト。システムを改修するだけでも何千億円とも言われていますけれども、日本中の事業所は八百五十万事業所あるんですね。病院、学校その他で、例えば、面会制限時の家族関係確認、手術の同意書、そんなので、本来であれば、同姓であれば夫婦であることが推認されるところ、戸籍の提出を求めて確認をするという事務作業が現場で生じるわけなんですね。なので、社会的コストが一定数ありますので、かなり大きな利益がなければ問題外。先ほどの四万人程度のパスポートの不便であれば、旅券法改正によって乗り越えることも可能ではないかと思います。
そして、私は、この選択的夫婦別姓を導入すると少子化が加速すると考えています。なぜかといいますと、結婚というのはいろいろと合意しなくてはいけないことが多いですよね。そこに同姓か別姓かという選択肢が増えるわけです。何とか別姓ということで二人が合意したとしても、じゃ、子供の姓はどうするかということで、二人で話し合わなくてはいけない。
とすると、例えば、恋愛関係になってプロポーズして、結婚してください、分かりました、やったと思ったときに、ところで、同姓、別姓どっちがいいと思う、私、別姓がいいわと言われて、うわあ、来たということになって、えっ、別姓じゃなきゃ駄目かという話になる。じゃ、別姓だというけれども、だって、別姓がいいという女性は、自分の子供は夫の姓でいいとは多分言わないでしょう。本来結婚できたカップルが結婚できなくなる。
つまり、選択肢が多いということは苦しいことなのであり、特に結婚に関しては、スムーズに進むためにはこれは障壁になると私は考えております。
それから、家族の概念が崩壊しという話がありますけれども、これは、大人が言うことよりも子供に聞くのが一番確実でございます。この委員会の参考資料三十三ページにありますけれども、子供に対するアンケート結果、家族が違う名字になったらどうですかといったら、ほとんどが嫌だと答えているんですね。賛成するというのは一六・四%です。子供は同姓がいいと言っているんですね。
つまり、選択的夫婦別姓というのは強制的親子別姓なんですね。ですから、アイデンティティーであるとか自分の自由がとか言っている人が、自分の子供の権利に関しては何も目を向けようとしない。これは大きな矛盾があります。
それから、先ほど小原さんが言いましたけれども、家を継がなければならないと言われて結婚を断念したという例がありました。ところが、この選択的夫婦別姓というのは、家とか何々家という概念そのものをなくすものであります。したがって、もしAという氏、Bという氏が保たれたとしても、じゃ、子供はどっちかになるわけですから、結局どっちかの家は絶家になるわけですよね。ですから、そもそも、選択的夫婦別姓は家という概念を薄めていく、抹消するという概念ですから、それをもって家が守られるというのは詭弁であると私は考えております。
そして、結論ですけれども、困っている人はいない、若しくは、いたとしても少数である。したがって、家族制度を変更するという大きなことをすることなく、本当に困っている人がいたならば、きめ細かく対応すればいい。そして、それは、現在のように通称使用の拡大をしていくのか、若しくは維新が示すように法制化していくのか、この考えはあろうかと思いますけれども、少なくとも立法事実がない。大きなお金をかけて、社会的コストをかけて実行することはないと考えております。
そして、先ほど小原さんが、結婚の妨げになると思うと答えた人が一一・四%いると言いましたけれども、これは私はおかしいと思っています。妨げになると思うかと聞かれたら、妨げになるんじゃないかなと想像する人がいてもおかしくないです。あなたは妨げになったのかと既婚者に聞かなければ、この一一・四%は全く意味のない数字だと考えております。
それから、ちょっと掲示できないということなんですけれども、もし選択的夫婦別姓を導入したらサザエさん一家はどうなるか。磯野波平、奥さんは石田フネ、子供は石田カツオ、石田ワカメ、石田サザエ、そしてフグ田マスオ、フグ田タラオと、これはもう表札もかけられないし、磯野一家というふうに言うこともできない。例えば、ファミリーレストランで呼ばれて、例えば、竹田さん、どうぞといったときに、竹田のうち、俺は竹田じゃない、私は竹田じゃないと、要するに呼ぶこともできない。お墓も造れなくなるでしょう。つまり、伝統的な家族観を守るのか守らないのか、これが問われているのであります。
本当に困っている人がいるのか、私も多くの番組で、この話題になると必ず聞くんです。具体的にどういう人が困っていますかと聞くと、しどろもどろになって一つも出てこない。どうでしょうか、皆さんの周りに本当に困っている人がいるでしょうか。(発言する者あり)まあ、それは後で言ってください。