重徳和彦の発言 (本会議)
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○重徳和彦君 立憲民主党政務調査会長の重徳和彦です。
会派を代表し、政府四演説に対して質問いたします。(拍手)
本論に入る前に、昨日行われたフジテレビの記者会見に関連して質問いたします。
会見は十時間以上にわたりましたが、人権侵害が行われた可能性のある事案に対し、港社長が、人権への認識が不足していたとの発言はありましたが、説明が十分だったとは思えません。識者からは、経営陣の体質、人権意識の欠如という根本から出直す決意表明がなければ、スポンサーも視聴者も納得できないという声も出ています。
総理は、この会見で、公共メディアとしてのフジテレビが十分に説明責任を果たしたとお考えですか。
また、会見では、今回のトラブルが同社のコンプライアンス推進室へ共有されていないことが明らかになりました。厚生労働省の定めるコンプライアンス指針が守られていない可能性があります。
総理は、昨日、放送業界全体で人権に関わる問題が起きてこなかったか把握するべきではないかとの我が党の亀井亜紀子議員の指摘に対し、放送事業者で構成される民放連の取組を注視すると答弁されましたが、セクシュアルハラスメントについての指針が守られているかどうか、業界に任せるのではなく、政府として調査し、必要があれば改善を求める必要があるのではないでしょうか。
もう一点、豪雪地域の被害について要望があります。
昨年末から記録的な大雪による甚大な被害を受けている地域の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、政府に対し、豪雪地域への支援を強く要望いたします。
除雪作業中の死亡事故等の人的被害が発生したほか、交通障害や農業施設への被害が発生するなど、住民生活に多大な被害が生じています。青森県では災害救助法が適用されました。
例年、雪本番はこれからです。豪雪地域からの強い要望に応え、国と県、市町村が連携した道路除排雪の継続的な実施や、農業被害への対応を含む特別交付税の増額など、更なる財政支援に特段の配慮が必要です。石破総理の見解を伺います。
さて、当初予算は政権の姿そのものです。
立憲民主党は、政権奪取を目指す野党第一党として、国民の皆様からの信頼を基盤とする安定した政権運営、そして、自民党が置き去りにしてきた様々な課題に真摯に取り組む姿勢をお示しし、自民党との違いを明確にして、政権交代の意義を国民の皆様に明確に示す責務があります。今、国民の皆様が直面する物価高にどう対処すべきか、経済と財政をどう両立させるのか、そして、いかにして失われた三十年に終止符を打つのか。立憲民主党の考え方をお示しします。
初めに、物価高対策についてです。
立憲民主党は、国民の皆様の負担を減らすこと、収入を増やすこと、この二つの側面から物価高対策を強力に進めてまいります。
まず、負担を減らす政策です。
昨日、我が党の野田佳彦代表が提案したように、政府の補助金政策の失策により高止まりするガソリン、軽油価格に係る上乗せ税率を廃止すべきです。そのための法案を準備しております。
また、次世代を担う子供たちには思い切った投資を行い、若い子育て世代の負担を減らすべきです。学校給食の無償化、高校授業料の無償化については、昨日、野田代表から提案させていただきました。学校給食無償化は、日本維新の会、国民民主党とともに法案を共同提出し、他の野党の皆様にも賛同いただけるよう呼びかけています。
学校給食においては、併せて地産地消で地元農業の振興、オーガニック給食の普及を進めるべきと考えますが、石破総理はいかがお考えでしょうか。
私たちは、ほかにも、次世代への投資、教育無償化の実現を目指しています。
政府は、今年四月から多子世帯の大学授業料無償化を実現するようですが、対象者は、扶養される子供が三人以上いる場合のみであり、非常に限定されています。大学進学の希望者や大学に進学した方の何%が無償化の対象となるのですか。所得や子供の数にかかわらず、国公立大学の授業料を無償化し、私立大学生や専門学校生に対しても国公立大学と同程度の負担軽減を行うべきではありませんか。
また、幼児教育、保育のうち、ゼロ歳から二歳の年齢区分は、現行では、住民税非課税世帯では無償化されていますが、それ以外の世帯は自治体の独自施策に委ねられており、地域格差が生じております。ゼロ歳から二歳の幼児教育、保育は、所得によらず、全国一律に無償化すべきではないでしょうか。石破総理のお考えを伺います。
次に、収入を増やす政策です。
物価以上に賃金を上げることが不可欠です。その主役は民間企業であり、具体的な賃上げの幅や内容は労使交渉に委ねられます。公務員給与は民間に準じて改定されます。
しかしながら、政府が定める公定賃金でありながら、全産業の平均賃金に比べて月額七、八万円低い水準に置かれた職種があります。介護、障害福祉、幼稚園、保育といった分野の職種です。国民の暮らしを支えるベーシックサービスであるだけでなく、介護職にあっては、今後増え続ける高齢者の暮らしを支えるため、二〇四〇年までに約六十万人増やさなければならず、人材確保が必須です。
長らく続いてきたこの処遇の問題に終止符を打つため、立憲民主党は、他の野党とともに法案を提出する予定です。介護、障害福祉、幼稚園、保育といった重要な職種を担う方々の処遇改善について、石破総理の見解を求めます。
収入を増やすため、私たち国民は働きます。働いて収入が増えた分の一部を税金や社会保険料として応分の負担をするのは当然のことです。
ところが、今の社会保険料の仕組みでは、年収が百三十万円を超えた途端に、社会保険料が一気に三十万円程度かかり、手取りが大幅に減るのです。いわゆる年収百三十万円の崖の問題です。壁ではなく、崖です。年収百三十万円の手前でそれ以上働くのを控えたくなる、この制度の理不尽をなくすのが政治の仕事ではないでしょうか。
立憲民主党は、年収が百三十万円を超え二百万円に至るまで、給付で収入を補うことによって、手取りを減らさず働き続けられるようにします。そのための法案を提出しております。百三十万円の崖を解消すべきと考えますが、石破総理、いかがでしょうか。
なお、社会保険料については、事業者側の負担軽減も、昨日、野田代表が提案しており、立憲民主党はそのための法案提出の準備も進めているところでございます。
立憲民主党は、昨年十月に発表した緊急総合対策において、中低所得世帯の所得に応じて物価高手当を支給する仕組みを提案しました。物価高は全ての国民の暮らしに影響しますが、所得の低い人ほど家計に占める生活必需品に係る経費の比率が高いことに着目し、中低所得世帯の方々の所得に応じた手当を支給し、生活に必要な可処分所得を底上げするものです。
そこでお尋ねしますが、政府として、物価高の所得層ごとへの影響をどう分析しているのか、いかに対策を講じるのか、石破総理の見解を求めます。
物価高の中で、国民の皆様の負担を減らし、収入を増やす。立憲民主党は、政策実現のために当初予算の修正を求めるとともに、責任ある政党として、そのための財源も確保いたします。
先週、国会開会前日、国会議員七十人規模の本気の歳出改革作業チームを編成しました。国民の皆様からお預かりする税金の無駄遣いを一円たりとも許さない姿勢で、各省庁ごとの予算を厳しくチェックし、基金や特別会計、予備費などの使途や在り方を検証いたします。今国会では、国会改革の一環として、与野党が合意し、予算委員会に省庁別審査を新たに設けることになりました。この省庁別審査の場でも、作業チームの検証結果に基づく事業内容の見直しを求める方針です。
また、かねてより指摘してきた金融所得課税、租税特別措置の見直しなどの税制改革に着手し、恒久財源の確保にも取り組みます。
石破総理に伺います。当初予算には、立憲民主党を始めとした野党各党の修正要求を取り入れて、より多くの国民の意見を反映させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
さて、失われた三十年に終止符を打つ、そのための重要テーマの一つはジェンダー平等です。
私は、立憲民主党政調会長として、本格的なジェンダー平等の時代をつくりたい。性別にとらわれず、誰もが自分らしく生き、活躍することのできる社会をつくりたい。
当たり前ですが、日本の政治や経済の担い手は、男性だけではありません。日本社会は長らく男性優位の社会と言われ、国際的にも、世界経済フォーラム発表のジェンダーギャップ指数は百四十六か国中百十八位と低迷し続け、いつまでたっても上位に浮上できません。とりわけ政治分野と経済分野の順位は低いです。
それでも政治分野は、昨年の総選挙で、女性が史上最多の七十三人、うち立憲民主党が最多の三十人当選を果たすなど、国会の議席に占める女性の割合は、若干ではありますが、改善の兆しがあります。有権者の意識も着実に変化していると言えましょう。
一方、経済分野については、進展しているようには見えません。三十年前、共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回るようになりました。そして、今や二・五倍となりました。しかし、働く女性のうち非正規雇用の割合は五割強と多くを占め、収入は男性の水準の七割台にとどまります。
非正規雇用で働く人が希望すれば正規雇用で働けるよう、派遣労働を真に労働者の専門性を発揮できる職種に限定したり、契約社員を臨時的な雇用等に限定するなど、雇用制度の抜本改革が必要と考えますが、政府の取組を伺います。
誰もが多様なライフスタイルを選択できるジェンダー平等社会の実現には、例えば子育て支援において、育児休業や保育所、学童、不登校などに関し、制度やハード面を整備するだけでなく、その運用に当たって、周囲の理解を得るためのきめ細かな配慮が欠かせません。
最近では、育児休業を取る若い社員が増えています。とてもいいことです。しかし、育児休業中の仕事を補完する周りの社員への適切な配慮や、臨時的な雇用、育休社員の職場復帰を円滑にするための支援が必要となります。政府の取組をお伺いします。
次に、エネルギーについてです。
政府から第七次エネルギー基本計画案が示されました。
立憲民主党は、国民生活と経済活動の礎であるエネルギー、とりわけ電力の需要が増加する見通しの中、その安定供給が最優先と考えております。将来的な脱炭素社会を見通すとともに、貿易赤字の一因ともなる化石燃料にできるだけ依存をせず、エネルギー自給率を高めることが国家安全保障上も緊要であります。
一方、原発については、福島原発事故の教訓を踏まえ、地震大国の我が国においては、立地周辺地域の安全を第一に考え、厳しい条件をクリアすることなくして原発の再稼働を認めることはできません。
政府は、これまでのエネルギー基本計画で明記してきた、可能な限り原発依存度を低減するという文言については今回の案では削除し、再生可能エネルギーと原子力を共に最大限活用していくという文言を新たに記述しています。これまでの低減するという方針を転換したのですか。御答弁願います。
与党を構成する公明党は、従来より、原発依存度を低減する姿勢だと認識していますが、今回の文言削除を了とされるのでしょうか。国交大臣として福島復興にも注力しておられる中野洋昌大臣にお伺いいたします。
立憲民主党は、再生可能エネルギーを最大限活用し、地域分散型エネルギー供給の仕組みを構築していく中で、電力の安定供給を前提に脱炭素化を目指していくことが、我が国のあるべきエネルギー政策と考えています。しかし、今回の計画で示された電源構成の政府目標では、前回記載していた再エネ最優先の原則が削除され、二〇四〇年に再エネ四割から五割とされています。
国内の再エネ技術は、ここ数年で急速に開発が進んでいます。熱エネルギーを活用するヒートポンプは既に世界市場を席巻し、地熱発電では強化地熱システム、これは高温の岩盤に水を人工的に注入する方式でありますが、といったシステム、風力発電では浮体式洋上風力、そして太陽光発電ではペロブスカイト。日本国内に本拠地を持つメーカーの製品をそれぞれ国内各地に普及させるのはもちろん、世界に向けて輸出する野心的な目標を掲げ、更なる技術開発や生産体制の構築を強力に支援し、日本の再エネ産業の基盤を確立させていくための戦略を組み立てるべきと考えますが、いかがでしょうか。
脱炭素化によるエネルギーの構造転換は、日本最大の基幹産業である自動車産業、そして多くの関連産業に影響を与えます。EVを始めとした電動化に加え、自動運転技術の実装、慢性的な人手不足、米国トランプ大統領の関税引上げリスクなどにさらされる自動車産業が進む道について、石破総理の見通しを伺います。
次は、デジタル化についてです。
日本でデジタル産業が伸び悩んでいるのも、失われた三十年の象徴です。
三十年前、デジタル化が日本でスタートし、電話やファクスがメールに置き換わりました。ワープロがパソコンとプリンターに置き換わりました。金融機関にはネットバンキングが導入されました。
当時の基幹系システムの構築は外部事業者に丸投げのケースが多く、今や八割の企業が老朽化、ブラックボックス化したシステムを抱えますが、システム改革を担うIT人材は退職、高齢化で四十三万人不足し、二〇二五年以降、毎年最大十二兆円の経済損失が発生すると言われています。いわゆる二〇二五年の崖と言われる問題です。
今や製造業でも、有形の製品を作り上げるだけでなく、完成後も無形のデジタル領域がクラウドサービスやアプリによって更新し続ける姿に変化しています。こうしたビジネスモデルへの対応には、多額の投資と、デジタル人材への社員のキャリアチェンジも必要です。
現在、ほとんどの国民が扱うスマートフォンやパソコンも二〇五〇年には消え去り、スマート眼鏡やスマートコンタクトレンズに置き換わるとも言われ、デジタル分野は永遠の学び直しが必要です。国を挙げて、リカレント教育、リスキリングによるデジタル人材、ITエンジニアの育成が急務と考えますが、いかがでしょうか。
他方、行政が所管するデジタル情報が国民生活の利便性向上などに十分活用されているかといえば、まだまだ実感がありません。
そこでお尋ねしますが、まず、デジタル庁自体、民間人の登用や、縦割り行政の打破をして、各省庁のデジタル部門の従来の予算や事業の寄せ集めでなく、それらを統合し効率化した効果がどのぐらい出ているのか、効率的で新しい行政モデルへどんな進化を果たしたのか、お尋ねいたします。また、マイナンバーカードやマイナ保険証の普及策において、費用対効果が疑われるデジタル政策も多いことをどう考えているのか、お尋ねします。
これまで、行政が扱う個人情報の保護の概念は広く国民に浸透した一方、所得や金融資産の把握といった国家統制的な色彩の強い分野でのデジタル情報の活用には国民からの拒絶感が強いと感じます。
本来、行政DXは、デジタル情報の活用のメリットを国民に理解いただき、デジタルのインパクトを医療や教育といった身近な分野にもブレークスルーすることであるはずです。現に、立憲民主党は、インターネット投票を導入するための法案を提出するなど、民主主義の最重要基盤のデジタル化に取り組んでいます。医療における電子カルテの共通化や、学校教育における一人一台のタブレット端末を活用した個別最適な学びなど、DXが各分野に浸透することは、ひいては日本の経済活性化につながると考えます。
ただ、根本的には、こうした情報の活用は、それを取り扱う政府が国民から全幅の信頼を置かれていなければ実行できません。そのためにも、立憲民主党は、政治改革を断行し、政権交代によって、クリーンで公正かつ透明な政府をつくり、国民からの信頼を基盤とする政権をつくりたいのです。
デジタル情報の公共分野における活用をどう進めていくのか、方針をお尋ねします。また、その前提として、行政分野のDXへの国民からの信頼を得るため、石破政権として、政治改革を含め、どう取り組んでいくのか、答弁をお願いいたします。
さて、次は社会保障です。
日本人の平均寿命は、この三十年で男女とも五年延びました。ただ、人生百年時代と言われて久しいですが、若い方々から百歳まで生きたいという声は余り聞きません。百年、健康で生きられる気がしないのだと思います。私たちは、今こそ、健康百年、健康長寿のための制度をつくらなければなりません。
日本人の死因の上位は、半世紀前、今の医療制度ができた頃は結核などの感染症が多くを占めましたが、昨今では生活習慣病が圧倒的に増えました。この疾病構造の変化に伴い、時代に合った医療制度に改革する必要があります。
かかりつけの家庭医制度を導入し、治療から予防へと制度の主眼を転換すべきです。平時から家庭医を登録し、医師の仕事は、病気になってから治療するのではなく、人が病気にならないようにすることを目標とします。食事、運動など各分野との協力体制も必要です。フリーアクセスを維持しつつも、総合診療医として日常的な観察や相談を行い、高度医療にもつなげる仕組みです。ふだんから本人の病歴や家族、仕事の環境も知る家庭医ならば、対面でない遠隔診療でも適切な診断が可能となります。いざというときに身近に相談できる医師がいれば、救急車の頻回利用や搬送先の勤務医の過重労働も緩和されるでしょう。
かかりつけ医を登録する家庭医制度の法制化について、石破総理の御見解はいかがでしょうか。
政府は、患者の窓口負担を一定額までに抑える高額療養費の上限額引上げを決定しました。当事者のがん患者の方々からのヒアリングも一切行われなかったと聞きます。当事者の方々からは、今回の引上げが実現したら、経済的な理由から、今受けている投薬やがん治療を断念せざるを得なくなる、命を奪われかねない自己負担引上げはやめていただきたいとの切実な反対意見が続出をしております。
高額療養費の自己負担引上げについては、令和七年度は今年八月から始まり国の予算削減効果は二百億円とのことですが、来年度は一旦凍結し、がん患者などの方々の御意見をよく聞いた上で、その対象や方法を含め再検討すべきではありませんか。
昨今、医薬品不足が医療現場に深刻な影響を与えています。その根本原因の一つが、薬価の過度な削減です。
薬価の見直しは、従来、診療報酬改定と合わせ、二年に一回行われてきました。しかし、二〇一六年の四大臣決定を契機として、その中間年にも薬価が改定されるようになりました。その結果、薬価は毎年引き下げられ、医薬品産業が予見性を持った投資判断や十分な収益を確保できず、賃金の低下、離職者の増加といった事態まで招いています。
立憲民主党は、国民民主党と共同で法案を提出し、医薬品不足を解消するため、中間年改定を廃止し、原則どおり二年ごとの改定とすることを求めています。石破総理の見解を求めます。
三十年前の阪神・淡路大震災は、ボランティア元年と呼ばれ、災害時の日本人の底力が示されました。そして、それまで公の仕事は行政が担うものとされていた常識が、志を持った市民が集い、行動し、お互いに助け合って地域社会をつくるという新たな常識に塗り替えられました。その流れが、一九九八年のNPO法の制定、そして二〇〇九年に民主党政権が打ち出した新しい公共という政策につながっていきました。
石破総理は、ボランティア元年以来のこうした社会の変化や、民主党政権が進めた新しい公共の政策をどう評価されていますでしょうか。
日本は、経済は発展しましたが、夏の異常な気温、少子高齢化社会、地方の再生、多文化共生など、数多くの社会的課題を抱える課題先進国でもあります。
これからの時代は、資本主義経済の中にあって、経済成長と社会的課題の解決との両立が求められます。企業経営者は、経済的リターンのみでなく、社会貢献的な影響、社会インパクトを重視する経営が求められます。これを促すのが、投資家によるインパクト投資です。いわば経済版の新しい公共です。若い起業家は、経済的利益と併せ、必ずと言っていいほど社会貢献を経営目標としています。若い世代は社会ニーズに敏感なんです。
インパクト投資を促進するための市場環境づくりが必要と考えますが、石破総理はいかがお考えでしょうか。
最後に、外交、安全保障について質問します。
五年間で四十三兆円に上る防衛費は、規模ありきで極めて問題があります。来年度当初予算案でも、過去最高の八兆四千七百四十八億円の防衛費が計上されています。今後、米国トランプ大統領が我が国の防衛費の更なる上乗せを求めてくる可能性もある中、国会での丁寧な説明もなく防衛費を際限なく増やし続ける政府の姿勢は、到底、国民の納得が得られるものではありません。まして、予算執行段階において、防衛産業と防衛省との不適切な関係など、納税者が疑念を抱く事態が発生をしています。
厳しい安全保障環境に置かれる我が国の現状において、防衛費増額の方向性は理解します。理解しておりますが、その原資は国民の税金であります。予算規模ありきではなく、必要経費の積み上げについて十分な理解が得られるだけの説明責任が伴います。石破総理の答弁を求めます。
まして、東日本大震災の復興を支えるために国民の皆様に御負担をお願いしたはずの復興特別所得税を防衛増税に流用するなどということは言語道断です。今回政府が先延ばしにした二千億円の所得税増税は撤回すべきと考えますが、いかがでしょうか。
今国会に能動的サイバー防御に関する法案が提出される予定です。
立憲民主党が一昨年末まとめた「外交・安全保障戦略の方向性」では、能動的サイバー防御の重要性に触れ、国民の権利を最大限に保障しながら、包括的な立法を早急に検討すべきとしています。
企業や官庁などに対する外国勢力と見られるサイバー攻撃は年々増加しています。社会混乱や経済損失だけでなく、ハイブリッド戦などと称される、平時と有事の境目のない安全保障の観点が必要とされることからも、法整備の必要性は十分理解しています。
他方、憲法の通信の秘密との関係や、アトリビューション、攻撃元の特定の法的根拠、目的外利用の禁止、国会又は第三者機関による監視など、多くの懸念される論点があり、丁寧な国会審議が必要です。
能動的サイバー防御に関する法案の審議における政府の姿勢を問います。
国交正常化六十周年を迎える韓国の政界が揺れていますが、北東アジアの安全保障環境への対応のため、良好な日韓関係は何としてでも継続しなければなりません。
今月十七日、私は、立憲民主党の党外交として、大西健介議員、源馬謙太郎議員とともにソウルを訪れ、数年来親交のある与野党の主要な議員と面会してきました。朱豪英副議長や与党議員とも両国の友好関係を確認しましたが、尹大統領と対立する野党議員も、これまで日本に対して厳しい一面がありましたが、最近の韓国の国民世論の動向も踏まえ、対日関係の重要性を強く意識している感触を得てまいりました。訪日者数が年間八百万人に上る韓国国民が日本に好意的な印象を持つようになってきた、その世論も与野党双方の認識を支えていると感じました。
先日訪韓された岩屋外務大臣や、同副議長の訪問を受けた石破総理も、同様の感触を得たのではないでしょうか。石破総理と岩屋外務大臣に御答弁をお願いします。
また、六十周年の今年、日韓の信頼関係を強化するため、何かの事業を検討していますか。特に、日本における韓国国民の入国手続を円滑化する措置の検討を行っていると承知しています。私からは、飛行機の待ち時間を利用して指紋や顔写真による本人確認など一部手続を済ませるプレクリアランスの実施を提案いたしますが、いかがでしょうか。また、日本から韓国への渡航者にも適用すべきではないでしょうか。
以上、内政と外交について質問させていただきました。
特に内政については、政権交代によって、失われた三十年に終止符を打ち、多くの国民が希望を持てる長期的、大局的な国家ビジョンを示すことこそ、政治家の仕事です。
現在、物価高の中、日々の生活や事業運営の窮状を訴える声を聞く一方、コロナ以来続く巨額の歳出予算に対して、財政が心配という声も聞こえてまいります。昨年夏に岸田内閣が行った大規模な経済対策に対しても、どうせ後で増税が待ち受けているのだろうと、冷めた声も少なくありませんでした。有権者は黙ったままです。でも、よく見ておられます。
失われた三十年は、事ほどさように、次世代への責任と長期的視点に欠けた政治の結末だと考えます。
立憲民主党は、政権を担う責任ある政党として、次世代への投資を積極的に行うと同時に、次世代へのツケ、すなわち次世代からの搾取は厳に慎む姿勢で今後の審議に臨む決意です。国民の皆様、とりわけ、将来を担う若い世代からの信頼と負託をいただきながら、この国を立て直してまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕