林佑美の発言 (本会議)
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○林佑美君 日本維新の会、林佑美です。
私は、会派を代表して、災害対策基本法等の一部を改正する法律案に対して質問いたします。(拍手)
地震、津波、風水害などが頻発する災害大国とも言える我が国において、国民の生命と財産を守る上で、万全な災害対策を講じることは最重要課題です。
最近も、岩手、岡山、愛媛など、全国各地で連続して大規模な山林火災、山火事が発生し、多くの人たちが家を失い、死者も出るなど、大きな被害が生じています。
また、県の内外から集まった多くの消防隊員、消防団員、自衛隊員、警察官が、昼夜を分かたず消火救難活動に当たられました。心から敬意と感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
さて、今回の一連の山火事は、空気が乾燥していたことが延焼拡大の大きな要因であることは明らかですが、それだけでは火災にはなりません。火災の原因については現在究明中とのことですが、これだけの被害を出したのですから、曖昧にすることなく、原因を特定し、今後の防火対策に生かすことが求められます。
令和五年に発生した山林火災は千二百九十九件ですが、その原因の一位はたき火で四百十六件、三二%にもなります。たばこは四十九件、三・八%でした。はっきりと言えることは、特に空気が乾燥する季節において、たき火をしない、歩きたばこをしないなど、当たり前のことをしっかりと守ることが重要だということです。
今、山火事の怖さに対する社会的関心が高くなっている中で、山火事での火の不始末を起こさないための一層の啓発活動を強化すべきと思いますが、いかがですか。総務副大臣の答弁を求めます。
どの地域の山火事も、懸命の消火活動にもかかわらず、制圧、鎮火までに長い日数を要しました。斜面地であること、消火に使える水利がないことなど、消火を困難にする要因は幾つもあると思います。
だからこそ、今回の被災を通じて、山火事の発生や延焼を防ぐための消火体制に関する課題を明らかにして、今後の迅速かつ効果的な消火を可能にする体制をどうつくるかについて、直ちに検討を始めることが重要だと考えますが、総務副大臣の所見を伺います。
今回、被災された方々は、通常の火災とは異なり、個々の火の用心では防ぎようのない大火に巻き込まれています。今回の被災者の今後の生活再建に向け、政府を挙げて、なりわいや住宅の再建など、ニーズに応じた十分な支援を行うべきだと思いますが、被災者支援に対する防災担当大臣の決意をお聞かせください。
以下、今回の改正案の柱に沿って具体的に質問します。
第一に、国による災害対応の強化についてです。
国は、地方公共団体から要請を待たず、先手で支援するといいますが、これを実現するためには、発災直後からの素早い情報の収集と集中、分析力が必要となります。しかし、大災害であればあるほど、情報網が混乱することが予想されます。混乱した状況下、限られた人員の中でどうやって必要な情報を集めるのか、防災担当大臣に具体策をお聞きいたします。
さらに、応援組織体制を整備、強化するとしていますが、いざというときに動員をかけても、災害対応の経験もノウハウもない人たちばかりでは、活躍は期待できません。やはり、平時からの取組が重要です。平時において、どうやって応援組織体制を維持するのですか。防災担当大臣の答弁を求めます。
初動からの迅速な災害対応では、やはり自衛隊の力が不可欠です。
しかし、その自衛隊員の処遇は、任務の重大性、過酷性に比べて、余りに低いレベルだと言わざるを得ません。今般、一定の処遇改善が行われることになりましたが、まだまだ不十分です。災害対応という困難を伴う任務を十分に遂行してもらうためにも、災害派遣される自衛隊員の処遇の更なる抜本的改善を求めるものですが、いかがですか。防衛大臣の答弁を求めます。
第二に、被災者支援の充実についてです。
改正案には、福祉サービスの提供が追加されました。しかし、福祉を必要とする人たちの状況は様々です。
過去の災害では、例えば、避難所での団体生活になじめないような障害を持つお子さんがいる家族が安全な避難所を利用できなかったなどの声を多数耳にしているところです。こうした事例にはどのように対処することになるのですか。防災担当大臣の明確な答弁を求めます。
また、いわゆる福祉避難所について、抜本的な増設が必要だと考えます。様々な障害の特性に応じた多様な避難所を設置すべきと思いますが、いかがですか。併せてお答えください。
石破総理大臣は、体育館の床に雑魚寝の避難所スタイルを改めるべきだと、常日頃から公言されています。総理の主張どおりに、雑魚寝スタイルをやめて、一家族一室の避難施設に移行させるべきだと思いますが、その実現可能性について、防災担当大臣の所見を伺います。
多くの国民が不安を感じている南海トラフ地震について、政府の中央防災会議が昨日公表した報告書によりますと、すぐに避難する人の割合を現在想定している二〇%から七〇%に高められれば、津波による死者数を現在の想定である二十一万五千人から九万四千人にまで抑えられることができるとしています。しかし、地震発生から津波到達までの時間が極めて短いことも想定されています。
足の不自由な方、高齢者や障害者は、安全な高台への移動が困難です。津波の際の避難は徒歩が原則とされていますが、自力で歩けない方は自動車に頼らざるを得ません。防災大臣は、この状況をどうお考えですか。
二月十四日の予算委員会において、私が避難時の自動車利用について質問したところ、坂井大臣は、各自治体において検討することをお願いしているという趣旨の答弁をされました。地域の地理や交通事情をよく知っているのは、その土地の自治体であることはもちろんです。しかし、何もかも自治体任せでは、いつまでたっても、命を守る避難計画は完成しません。
まず、自動車による避難では、その利点とともに渋滞などのリスクを洗い出すシミュレーションを行い、検証することが必要です。しかし、小さな自治体では、そうしたシミュレーションの実施は難しいでしょう。国が先導し、十分なシミュレーションを行った上で、自動車を利用する避難方法を含む移動困難者の有効な避難計画のモデルを各自治体に示すべきと思いますが、防災担当大臣の所見を伺います。
近くに高台がない地域では、津波避難ビルや津波避難タワーが住民の命綱となります。
しかし、既存のビルを一時避難の施設に利用するには、平時は、防犯上、部外者の侵入を防ぐ一方、津波警報の発令時には、一転して不特定多数の者を受け入れることが必要になります。建物の一部を改修することが必要になることもあり、特に民間ビルの所有者には大きな負担となることが課題となっています。
津波避難ビルの指定を増やす取組の課題は何か、その課題の解決の具体方法はありますか。
また、津波避難タワーは、すぐ近くの避難場所として住民に安心感を与えるだけではなく、平時において、海の景色を望める展望台として有効に活用できます。海辺の道の駅などに設置すれば、観光施設にもなります。津波避難タワーの増設について、併せて防災担当大臣の所見を伺います。
改正案では、新たに、被災者救護協力団体についての規定が設けられました。
被災者の救援活動において、民間のボランティア団体の皆さんに活躍してもらうことはとても有益なことですが、心配なこともあります。一つは、登録時には活発に活動している団体であっても、年月を経る中で、高齢化や引っ越しなどで活動が停滞していることも考えないといけません。常日頃から、連絡、連携で団体の状況を把握していくことが必要です。
この協力団体については、災害時だけではなく、平時から国や自治体との連携を図ることが重要であり、その具体的方策を検討すべきですが、いかがですか。
また、ボランティアを装いながら被災地でいわゆる火事場泥棒行為を行う者がいることも、残念ながら事実です。
改正案の第三十三条の二では、こうした犯罪や非行を防ぐために、登録被災者救護協力団体でない者は、被災者救護協力業務を行うに際し、登録を受けているものの表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならないとの規定が設けられました。しかし、これだけでは、一般の被災者には本物と偽物の違いは見分けられません。不正表示を禁止するだけではなく、正しい表示を示すことで、被災者とボランティアの双方に安心してもらうことが大事です。
ボランティアを偽装した者の犯罪を防ぐためにも、登録した協力団体が被災地で活動する際には、分かりやすい標識を着用してもらうことが必要だと思いますが、いかがですか。
以上、協力団体に関する二点について、防災担当大臣の答弁を求めます。
改正案では、防災DXが掲げられました。
しかし、能登地震では、通信インフラが破壊され、情報遮断が起きました。避難所にもWiFi環境がなく、被災された住民は、日頃使っていたメールやSNSなど、家族や友達との会話も、連絡も取ることができなくなる事態が起きていました。この事態を解決したのがスターリンクなどの衛星通信でした。防災DXは、行政機関のみに役立つだけではなく、住民の日常生活を守ることにも使われるべきだと思います。
災害時のスターリンクの活用について、どのように評価されていますか。また、こうした衛星通信の設備をもっと充実させるべきと思いますが、いかがですか。総務副大臣の答弁を求めます。
改正案では、地方公共団体は、年に一回、備蓄状況を公表することとされています。
公表することはよいのですが、住民がこれに安心して各家庭での備蓄を怠るようになっては本末転倒です。一方で、各家庭での過剰な備蓄が買占めとなって、品不足を招くことがあってはなりません。行政による備蓄と各家庭における備蓄はそれぞれ重要であり、その意義も含めて、正しい知識を国民に広報することが必要ではありませんか。防災担当大臣の答弁を求めます。
最後に、インフラ復旧復興の迅速化についてです。
改正案では、水道復旧の迅速化が掲げられました。能登地震では今なお水道が使えない地域が残されており、復旧の迅速化は切実です。同時に、次善の策として、給水車の更なる充実や井戸水の生活水への利用など、災害時に活用できる水を広げる対策も検討すべきと思いますが、いかがですか。水の確保に関する国交大臣の所見を伺います。
埼玉県八潮市の道路陥没事故では、下水道管が破断したため、住民は水の使用を制限される事態となり、改めて下水道の重要性を認識させられました。下水道復旧の迅速化はどう進めるのか、国交大臣の答弁を求めます。
日本維新の会は、災害に強い国づくりを掲げ、迅速で実効性のある災害対策を重視してきました。引き続き、現場目線で課題に向き合い、誰一人取り残さない防災・減災対策の実現に全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣坂井学君登壇〕