井坂信彦の発言 (本会議)

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○井坂信彦君 立憲民主党・無所属の井坂信彦です。
 会派を代表して、政府提出の国民年金法等の一部を改正する法律案について、総理及び厚生労働大臣に質問いたします。(拍手)
 冒頭、米価格高騰で国民が苦しむ中、今月十八日に江藤農水大臣が、米は買ったことがないなどと発言をしました。高い米価で困っている国民の気持ちを全く理解できない農水大臣に、米不足対策を任せるわけにはいきません。
 石破総理は、昨日、江藤大臣を官邸に呼んで厳重注意したものの、江藤大臣を続投させる考えを示しました。今朝の新聞報道によれば、江藤大臣は、総理に辞職すべきだと言われればそうするつもりで官邸に来たと明かしたとのことですが、なぜ江藤大臣を辞めさせなかったのか、総理の任命責任をどう考えているのか、併せて総理に伺います。
 年金改革法案の質問に入ります。
 まず初めに、今国会の最重要法案である年金改革法案の提出が二か月も遅れたこと、ようやく出された法案が骨抜きになっていることに対して、怒りを込めて抗議します。
 なぜ重要広範議案である年金改革法案の提出がここまで遅れたのか、そのことの責任についてどう考えているのか、総理に伺います。
 骨抜き法案のままでは、現役世代と若者の年金は最大三割減ってしまいます。選挙が怖くて問題を放置するなら、石破総理に政権担当能力はありません。この法案は、将来の問題から逃げる無責任法案であります。
 総理は、全ての現役世代と若者を見捨てるつもりですか。減り続ける年金を、総理はいつまで放置をするのですか。お答えください。
 私が本日、与野党の皆様に訴えたい最大のポイントは一つです。今からでも遅くない、厚生年金等の底上げをしましょう。年金を底上げして、現役世代や若者が老後の貧困に陥るリスクを解消しましょう。
 二〇〇四年に導入されたマクロ経済スライドにより、このままでは、二〇五七年まで年金は毎年減り続けます。もらえる基礎年金の水準は今より三割減ってしまい、国民年金だけでなく、厚生年金の加入者でも老後の生活が成り立たなくなります。
 今のままでは厚生年金を含めた現役世代の年金が減り続けるという厳しい現実について、総理がどの程度の危機感を持っているのか、お伺いいたします。
 この問題を解決するために、今回の年金改革法案が提出されるはずでした。だからこそ、私たちは、年金改革法案を今年の最重要法案の一つと位置づけ、重要広範議案に指定したのです。しかし、三月に提出されるはずだった法案は、自民党の中で了承を得られず、提出が遅れに遅れました。そして、先週ようやく提出された法案からは、驚くべきことに、一番大事な現役世代の年金底上げが削除されていたのです。このような骨抜き法案は、到底認められません。あんこの入っていないあんパンなど要りません。
 厚生年金を含めた現役世代の年金が減り続けることが分かっていながら、なぜ年金の底上げを削除したのか。また、会期末まで一か月しかないこのタイミングで無責任な骨抜き法案を出してきて、本当に今国会で衆議院と参議院を通す気があるのか。併せて総理に伺います。
 現役世代と若者の年金底上げをしないと、大変なことが起こります。NIRA総研のシミュレーションによると、現在五十歳前後の世代は老後に貧困となる可能性が高いとのことです。潜在的な生活保護受給者は七十七万人、その方々が実際に生活保護を受給すると、追加の予算が累計で二十兆円近く必要になると予想されています。
 政府は、現役世代の老後の貧困率や生活保護の受給者数について、将来見通しの数字を持っていますか。厚生労働大臣に伺います。
 マクロ経済スライドで年金を減らし続ければ、年金制度は百年もっても、現役世代と若者の老後の生活がもちません。減り続ける年金を放置したことが理由で生活保護が増えるなどということは、絶対にあってはならないことです。総理の見解を伺います。
 立憲民主党は、野党第一党として、この問題に正面から取り組みます。厚生年金等を底上げして現役世代と若者の年金を増やし、老後の貧困を防ぐための修正案を用意しています。本日、この後、修正案の骨子を政府と与党にお渡しします。総理には、修正を受け入れていただき、自民党の総裁として、年金底上げのために責任を持って自民党内を説得していただきたいと思います。
 今回の年金底上げに対しては、厚生年金加入者のお金が国民年金に流用されて、厚生年金の人は損をするとの批判が数多く見られます。しかし、これは、政府の説明が不十分だったことによる誤解であります。
 私たちが修正提案する厚生年金等の底上げは、こういう内容です。これまでも、厚生年金のお金は、厚生年金加入者の二階の報酬比例部分と一階の基礎年金部分の両方に投入をされていました。今後は、この一階の基礎年金部分に多めに投入するよう、配分割合を変えようというのが提案であります。基礎年金部分が増えれば、自動的に国庫負担分も増えます。この修正が実現すると、果たして厚生年金加入者の年金額は減るのでしょうか。実は、多くの場合、増えるのです。
 先週の厚生労働委員会で、私なりの試算を発表しました。計算してみて驚きました。低年金の方は、もちろん年金が増えます。加えて、何と、平均的な収入の厚生年金加入者であっても、二十歳から六十代まで幅広い世代でもらえる年金が増えるのです。
 ついては、厚生労働大臣に確認します。
 私たちが修正提案する厚生年金の底上げで、男女それぞれ何歳以下の厚生年金の加入者の年金が増えるのか、政府側の試算についてお答えください。私たちが修正提案をする現役世代の年金底上げにより増える年金額の多さに、皆様も驚かれると思います。
 社会保障審議会の資料によれば、厚生年金加入者で現在五十歳のモデル世帯の年金は、修正で厚生年金が底上げされると、一生でもらえる年金額が夫婦二人で何と四百五十一万円も増えるとのことであります。さらに、四十歳、三十歳と若い世代になるほど厚生年金の底上げで増える年金額も更に大きくなると、厚生労働省からは回答をいただいています。
 そこで、厚生労働大臣に伺います。
 仮に、私たちの修正案が実現し、厚生年金の底上げが行われたら、現在、六十歳、五十歳、四十歳、三十歳、二十歳の厚生年金加入者は、一生にもらえる年金額が何万円増えるでしょうか。お答えください。
 私たちの修正案で、厚生年金の五十歳以下のほとんどの方の年金が増え、六十歳の方でも平均的な収入の方は年金が増えるはずです。しかし、年金が増える現役世代や若者の中にも、自分たちの年金が減るのではないかと反対している方々がおられます。この週末の共同通信の世論調査でも、三十代以下で四三%、四十代、五十代で五四%が年金底上げに反対をしておられます。
 私は、本日の質問で、一部を対象にした底上げだという誤解を防ぐために、あえて就職氷河期世代という言葉を使いませんでした。政府には、正しい説明で国民やメディアの誤解を解く責任があります。
 今回削除した年金底上げは、厚生年金を一方的に減らしたり、国民年金だけを増やす変更ではない、厚生年金加入者の報酬比例部分のお金を、厚生年金加入者が九割を占める基礎年金部分に回す変更である、年金底上げをすれば、現役世代のほとんどの厚生年金加入者の年金額は増えると、総理から分かりやすく説明をしてください。
 一方で、七十代の厚生年金受給者を中心に、年金額が僅かに減ってしまう方々も出てきます。ここは大事なポイントで、年金額がマイナスになる方々を何もせずに放置をしていると、世代間対立が起こって年金改革は進みません。立憲民主党の修正案では、改革で年金額が減ってしまう世代への緩和策を検討するよう求めています。
 厚生年金を含めた現役世代の年金底上げを行うと同時に、年金額が減ってしまう方々に対して何らかの手当てが必要だと考えますが、検討できないか、総理に伺います。
 次に、厚生年金の適用拡大について伺います。
 今回の法案では、中小企業のパート労働者に対する厚生年金の適用について、最長で二〇三五年まで先送りされます。この企業規模要件は、二〇一二年の法改正で経過措置として設けられたものであります。既に十年以上がたっており、当初の予定どおり、二〇三〇年までに企業規模要件を撤廃すべきではないでしょうか。また、企業規模要件の撤廃で新たに保険適用される中小零細企業の保険料負担について、経過措置として財政支援を行うことはできないでしょうか。併せて総理に伺います。
 今回の法改正には、在職老齢年金の見直しも含まれています。望めば何歳になっても働き続けられるという社会と、働き続けても損をしない制度は重要です。しかし、在職老齢年金があるから働く時間を減らすんだという高齢者は一体どれだけいるのか、政府の持っているエビデンスをお示しください。
 また、今回の法改正では、第三号被保険者の実情に関する調査研究も検討事項に盛り込まれています。総理は、将来的に第三号被保険者制度を廃止すべきと考えているのでしょうか。お伺いします。
 最後に、議場の与野党全ての皆様にお訴えします。
 私たちが修正提案する年金底上げには、厚生年金の流用だと、相変わらず批判が寄せられています。しかし、私たちの修正案で、現役世代と若者の厚生年金は増えます。いわば、現役世代と若者の厚生年金底上げ案であります。低年金の方々だけでなく、多くの現役世代と若者が老後の貧困から救われます。生活保護の増加による将来の財政破綻を防ぐことができます。
 与野党を超えて、未来を見据え、今二〇二五年の国会に身を置いている意味をお互いに自覚をし、年金改革に正面から向き合ってまいりましょう。議場の皆様に、修正案への御協力を、心より、心よりお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

発言情報

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発言者: 井坂信彦

speaker_id: 28690

日付: 2025-05-20

院: 衆議院

会議名: 本会議