稲富修二の発言 (本会議)

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○稲富修二君 立憲民主党・無所属の稲富修二です。
 私は、会派を代表して、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、日本保守党が提出した財務金融委員長井林辰憲君解任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。(拍手)
 まず、決議の案文を朗読します。
  本院は、財務金融委員長井林辰憲君を解任する。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 現在、世界的な原材料、エネルギー高、円安などの影響により、国民生活は、米などの食料品を始めとして、かつてない物価高にさらされております。とりわけ、ガソリン価格の高騰は、車が必須の交通手段となっている地方在住の方々を始め、流通などの事業者の方々に対しても極めて深刻な影響を与えております。中東情勢の緊迫化によるガソリン価格の更なる高騰も懸念をされます。
 こうした苦境にあえぐ国民の声に真摯に耳を傾け、物価高から国民生活を守り抜くことが政治の使命であることは論をまちません。
 ガソリンの暫定税率は、一九七四年以降、道路財源の確保のための一時的な措置として、一リットル当たり二十五・一円上乗せされてきました。二〇〇九年に一般財源化されてからは、本来の役割を失いましたが、今日まで実に五十年以上にわたり国民に負担を求めてきました。特に、物価の高騰が続き、国民生活に大きな影響を与えている今、課税根拠を失った暫定税率は一刻も早く廃止しなければなりません。
 暫定税率廃止に向けて、日本維新の会や国民民主党など野党各党は働きかけをしてきました。我が党は、今年三月三日、国民民主党とともにガソリン暫定税率廃止に特化した所得税の修正案を提出し、質疑をいたしました。また、ガソリン暫定税率廃止法案を、今年四月十八日に衆議院に提出をしております。
 他方、与党も、ガソリン税の暫定税率廃止については表明をしております。国民生活への影響を考えれば緊急に対応する必要があるにもかかわらず、今に至るまで極めて消極的な姿勢を取り続けており、具体的な実施に向けた協議がなされているとは言い難い状況が続いております。廃止の具体的な時期について、明言を避けてきました。
 こうした状況を打破すべく、国民生活を守るという当然の使命を全うするため、去る六月十一日、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の七党共同により、暫定税率分を廃止すべく、いわゆるガソリン暫定税率廃止法案を提出するに至りました。そして、同日財務金融委員会に付託をされました。
 そのことを受け、十三日、理事懇談会において、与党に対し、財務金融委員会での質疑、採決を求めましたが、与党側は極めて後ろ向きな対応に終始をいたしました。拙速な進め方には応じられない、実務者協議での法案の説明が必要であるなどとして、委員会の開催を受け入れませんでした。同十三日には、翌週十六日月曜の与党実務者への説明と理事懇談会仮置きが決まりました。
 今週十六日、与党の求めに応じ、与党の実務者に対して、立憲、維新、国民三党の政調会長がガソリン暫定税率廃止法案の説明をいたしました。一時間以上にわたり質問にも丁寧に答えましたが、与党側の出席者は口頭の説明では不十分だから文書で提出してほしいなど、法案審議に進むどころか、会期末まで交渉を引き延ばすための時間稼ぎをしているとしか思えない態度に終始をいたしました。
 その後開催されるはずの理事懇談会は、与党側から拒否をされました。本来は、委員長が公正中立な立場から開催に向け努力すべきでしたが、理事懇すら開かれませんでした。まさに与党による審議拒否であります。
 与党側から、今回の法案提出は唐突だとの批判が聞かれます。しかし、これは言いがかりにすぎません。
 そもそも、昨年十二月十一日には、自民、公明、国民三党の幹事長合意で、いわゆるガソリンの暫定税率は廃止すると明確に確認をされておられます。この時点から、与党にもガソリンの暫定税率を廃止する責任が生じていたはずです。にもかかわらず、全く進展は見られませんでした。
 我々立憲民主党は、令和七年度予算及び税制改正法案の審議の際、修正案の形で暫定税率の廃止を政府・与党に迫りましたが、廃止に賛成しているはずの与党議員からは、なぜか否定的な質疑が相次ぎました。
 国民が物価高で苦しむ中、この半年間、暫定税率廃止のために与党は一体何をしてきたのでしょうか。自分たちで結論を先送りしておきながら、いざ野党が結束をし法案を提出し、可決が見込まれる状況になったら唐突などと言い始めるのは、ガソリン暫定税率廃止実現に向けて、むしろ、自らの怠慢を白日の下にさらしているようなものです。本当にやる気があるとは思えません。
 財源について一言申し上げます。ガソリン暫定税率廃止になると殊更に財源論を振りかざす与党に、強い違和感を持ちます。与党自身が財源なき減税を繰り返してきていることは、事実として指摘しておかなければなりません。
 例えば、令和七年度税制改正において行われた基礎控除、給与所得控除等の引上げ、つまり所得税減税については、約六千億円の減収が生じるにもかかわらず、与党の税制改正大綱の中で、特段の財源確保措置を要しないと整理されました。加えて、与党修正により追加された基礎控除の上乗せ特例により更に六千億円の減収が生じる見込みですが、この分の財源も現時点で確保できていません。
 また、賃上げ促進税制は、総務省の政策評価において最低の評価を受けているにもかかわらず、これまで数度にわたって拡充されてきており、直近、二〇二三年度の減収額は約七千三百億円に上りますが、特段の財源を求めなかったと主税局長が答弁しております。
 この間、累次にわたり行われてきた法人税減税についても、必ずしも減税分の財源を確保しているわけではないということが明らかになっています。特に、平成十一年度税制改正における恒久的減税の一環として実施された法人税率引下げに伴う一・七兆円の減収については、全く財源を確保していませんでした。
 また、政府・与党は、令和六年には、一度だけの国、地方合わせて約三・二兆円に及ぶ定額減税を、多大な事務負担をかけて実施しました。これからまた、所得制限なく一人二万円の現金給付を実施する予定とのことであります。効果も見極めることなく、一度だけならばらまいていいという意味が、私には到底理解できません。
 財源なき減税を繰り返し、一度であれば気前よくばらまく、しかし、他党の減税案に対しては財源論を振りかざす、このような一貫性のない御都合主義の財源論にくみするつもりはありません。我々に財源確保を求める前に、自らの過去の言動を顧みるべきではないでしょうか。
 そもそも、我が党は、令和七年度予算の修正案を提出した時点から、具体的に財源を示し続けてきています。財源の在り方についてもし反論あれば、財務金融委員会で議論しようではありませんか。
 今週十六日、野党三党の政調会長からの与党実務者への説明後、ガソリン暫定税率廃止法案について、委員会開催はおろか、与野党間で話し合う理事懇談会の開催すら与党は打ち切りました。全くの門前払いであり、与党の審議拒否であります。野党七党提出という重みを理解すれば、このような対応にはならなかったはずであります。
 拙速性にしても、財源論にしても、実現性にしても、与党が仮に疑問に思うならば、それは委員会で質疑を通じてただすべきことではありませんか。審議拒否をする理由にはなりません。仮に、納得できないことを理由に審議拒否をするならば、それは与党による事実上の事前審査です。野党提出法案の事前審査をする権限は、与党に与えられておりません。
 もし野党提出法案が駄目というならば、委員会において堂々と審議してはいかがでしょうか。そして、それを議事録に残してはいかがでしょうか。議論を通じ賛同者を増やし、委員会や本会議場において否決すればいいではありませんか。
 法案が委員会に付託されたにもかかわらず、また、定例日があるにもかかわらず、説明が足りない、唐突である、実現が難しいなど言い募って、問題点をあげつらえば法案審議にすら入れなくなるという悪例をつくり、議会史に大きな汚点を残すことになります。
 会期末時間切れを狙い、委員会の定例日を無視し、理事懇を開かない、委員会を開かない、このようなこそくな手段で法案審議から何としてでも逃げ切ろうとする与党には、残念ながら、言論の府を守ろうとする気概が感じられません。堂々の政策論議を望むものであります。
 十六日、審議拒否を続ける与党では委員会開会が期待できないことが明らかとなったため、衆議院規則六十七条にのっとり、井林委員長に対し、財務金融委員会の開会要求書を提出いたしました。同六十七条二項には、「委員の三分の一以上から要求があつたときは、委員長は、委員会を開かなければならない。」とあります。財務金融委員会の過半数を超える、野党全ての会派二十一名から要求をいたしました。
 委員長は、本来、公正中立の立場から、与野党の理事を中心に審議日程の調整を行い、委員会を開催し、同法案の審議ができるように最大限の努力をすべきでありました。衆議院規則に基づき、我々の要求に沿って定例日に委員会を開催すべきでした。しかしながら、委員長はそうした努力を怠り、結局のところ委員会を開催しませんでした。結果として、付託された法案を審議拒否する与党に加担をしたことになります。
 井林辰憲委員長の下では、野党七党提出のガソリン暫定税率廃止法案の審議入りすらできないことが明らかになった以上、財務金融委員長の任にあらずと言わざるを得ません。
 仮に本解任決議案が賛成多数となり、常任委員長が解任となれば、衆議院の憲政史上初めてのこととなります。昨年の衆議院選挙の結果、少数与党に転落したことに対する与党の現状認識の欠如は、極めて深刻と言わざるを得ません。
 財務金融委員長を選び直し、新たな委員長の下で暫定税率廃止の議論を進めるために、現委員長の解任に御賛同を賜らんことをお願いをして、提案理由の説明を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

speech_id: 121705254X03520250618_006

発言者: 稲富修二

speaker_id: 14718

日付: 2025-06-18

院: 衆議院

会議名: 本会議