湯崎英彦の発言 (予算委員会)

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湯崎英彦君 ありがとうございます。
 まずは、井上座長を始めとして、衆議院予算委員会の皆様方、こうやって地方公聴会を開催いただきまして、こういう発言の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
 私の方は、今日は四点ほどお話をさせていただこうと思うんですが、いろいろと国に申し上げたいことはたくさんありまして、全部言うと三時間ぐらいかかるのかなと思いますので、今日は十分ですので、四点に絞らせていただきたいと思います。お手元に資料を二つお配りしておりますが、参考資料という方もちょっと開きながら御覧いただければと思います。
 まず初めに、東京一極集中の是正についてでございます。
 石破総理は、本国会の施政方針演説で地方創生二・〇というのを打ち出されまして、都市対地方という二項対立ではなくて、都市も地方もその魅力を高めて、一極集中を是正して、多極分散型の多様な経済社会を構築していくというふうに御発言をされております。
 過度な東京一極集中というのは、合計特殊出生率の低い東京圏に人が集まることによって、日本全体の出生数の減少、これは一部、いや、そんなことはないというお話もありますけれども、参考資料をまた御覧いただければと思いますが、やはり大きな問題だと思います。また、大規模災害によるリスクであるとか、あるいは、他地域に比べて実は東京は経済成長率が低いんですね。これも資料にあるので、後で御覧いただければと思います。そこに資源が集中することによる日本全体の経済成長の低下ということがあろうかと思います。日本の持続的な発展を阻害しているとも言えるのではないかと思いますし、放置すれば日本全体の衰退を招きかねない。これは是正しなければならない構造的な課題だというふうに我々は考えております。
 東京一極集中の是正に向けましては、これまでの十年間、各自治体において地方創生の様々な取組が行われてきたところでありますが、構造的要因が大きく作用していると考えておりまして、そのために、大きな流れを変えるには至っていないと思っております。
 明治以来、国策として構造的に東京圏に人口集中するような施策を講じてきたことから、今度は逆に、地域は地域でもちろん取り組む必要があるんですけれども、国策としても構造的に地方分散を推し進める抜本的な対策を実施しなければ、政府が掲げる地方創生の目標は実現が難しいのではないかと思います。国としては、東京一極集中是正を求める地方の声を真摯に受け止めていただきまして、取組を進めていただきたいと思います。
 二点目は、地方創生を推進する財政措置でございます。
 地方におきまして取組を推進するに当たりましては、財源が課題となってまいります。人口減少対策などの重要課題に対応しつつ、地域の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを提供できるように、地方単独事業も含めた歳出の積み上げを行うとともに、地方の税収動向を的確に反映していただきまして、今後も安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額をしっかりと確保、充実していただきたいと思っております。
 また、地方創生二・〇に合わせて創設されました新しい地方経済・生活環境創生交付金におきましては、前身のデジ田交付金から予算額を大幅に拡充していただきましたことには、これは大変感謝を申し上げたいと思います。
 しかしながら、交付金のスキームとして、これは以前と同様なんですけれども、複数年間の事業内容等が具体的に決まっている取組が対象となっています。このため、事業者が試行錯誤しながらいわば探索を行うような事業には、これが対象になりにくいということがございます。
 こういう探索的なものは、これは非常に創発的、創造的なものでありまして、その試行錯誤の過程を通じてイノベーティブなアイデアであるとか施策を生み出していく、未来を切り開く成果獲得の確度の高い施策の実施に次第につながっていくというものであるので、本交付金の対象となるように、要件の緩和であるとかKPIの柔軟な設定といったような弾力的な運用をお願いをしたいと思っております。
 それから、地方の重要な財源であります地方交付税、もちろん地方税もそうですけれども、これらは、特に交付税は基準財政需要額に基づいて額が決まっております。つまり、地方の財政というのは自主の税と交付税で、枠は基準財政需要額で決まるということですね。基準財政需要額というのは国が実施を認めた施策につくという形になっていますので、それ以外は実行が難しいというような状況です。
 資料の十一ページを御覧いただくと、我々が自由になるお金というのは、実は県の場合でも総予算の一割ぐらいしかないのが現状です。地方の創意工夫による独自の取組が実施できるように、交付金も含めて自由度の高い財源を確保していただきたいと考えております。
 三点目でございます。地域医療体制の確保についてでございます。
 本県におきましては、地域医療構想であるとか、あるいは総務省の公立病院経営強化ガイドラインといったものに基づきまして、大都市圏であります広島都市圏の医療の再編統合を進めております。
 大規模な再編を伴う地域の基幹的な病院の整備というのは国も進める地域医療構想の推進に大きな役割を果たすものだと考えておりますけれども、今般、御承知のとおり、非常に建築資材などが高騰しておりまして、投資額が非常に大きくなってきております。
 しかしながら、保険医療機関というのは公的価格である診療報酬によって運営されておりますので、物価や賃金高騰の影響を価格に簡単に転嫁できないような構造的な問題がございます。そのため、医療機関であるとか自治体の努力のみによる対応というのは限界がありまして、また、既存の地域医療介護総合確保基金といった支援制度を活用してもなお財政負担が非常に大きいことから、支援制度の新設や拡充をお願いをしたいと思っております。
 また、病院事業債特別分の普通交付税措置対象となる建築単価がございますが、これも、令和七年度に予算で引き上げていただいて、これは非常に感謝を申し上げるところでございますけれども、建築単価はどんどんどんどん更に上がっておりまして、こういった実態に応じた見直しなど、財政支援の更なる拡充をお願いできればと思っております。
 次に、鉄道ネットワークの在り方でございます。
 そもそも、これはJRの話に絞って申し上げさせていただきますけれども、JRは、国鉄改革時に債務の切離しや事業用固定資産の承継を受けて、鉄道事業以外を含めた会社全体の経営の中で、内部補助によってローカル線を維持するということが基本とされています。
 また、JR西日本でいいますと、その経常利益は、JR発足時の昭和六十二年は八十億円の黒字でした。完全民営化の平成十六年には九百五十九億円でした。それが直近の令和五年度は一千六百七十三億円です。大幅に増加をしております。
 そういった利益状況があるにもかかわらず、単独では維持がローカル線は困難だというふうなことで在り方検討をJRから求められているということがございまして、これは、全国につながる鉄道のネットワークというのがいわばJRの判断のみで分断されていきかねないということがあると思います。これは非常に強く懸念をしているところです。
 JRは上下分離とかというお話もあるんですけれども、これは、鉄道の運営に係る負担を、負担の大きさ自体は変わらないわけで、JRから自治体に、つまり税による負担につけ替えるということにすぎないわけでありまして、そもそも、国鉄の民営化以降、国鉄債務の返済のために税とそれからJR株式の売却費約二十二兆円が返済に充てられているという中で、自治体、あるいは税で鉄道を運営していくということが本当に適切なのかということを疑問に思っております。
 JR各社が担っております全国的な鉄道ネットワークというのは、国民にとって非常に重要な社会インフラとして、国土の強靱化であるとか地方創生を始めとして、国土の均衡ある発展などの観点から重要だと考えております。
 このため、将来の国土の在り方を見据えた鉄道ネットワークの位置づけであるとか、あるいは国費投入を含めた国鉄改革の経緯や現在のJRの経営状況を踏まえた内部補助の考え方、またローカル線の維持に係る国の責任の在り方といったことについて国の考えを明らかにしていただく必要があると考えておりまして、全国知事会などとも連携して、これまで国に対して繰り返し求めているところであります。
 こうした中で、JR西からの要請に基づいて、今、全国で初めてになります再構築協議会というのが芸備線を対象に行われておるところでありまして、議論が進められているところでございます。
 鉄道ネットワークの在り方の整理というのは個別路線の議論を行う大前提だ、つまり、全体のやはり考え方というのをしっかりと定めた上で個別路線の議論かなと思っておりますので、これらの整理を行わないまま再構築協議会の議論を強引に進めるというのは適切ではないのではないかなと思いますので、これは直ちに国の考えを示していただきたいと考えております。是非、先生方の格段の御理解と御協力をお願いするところでございます。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 湯崎英彦

speaker_id: 29022

日付: 2025-02-14

院: 衆議院

会議名: 予算委員会