原科幸彦の発言 (環境委員会)
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○参考人(原科幸彦君) 大変大事なポイントですね。計画段階という表現使っているのであたかも上位計画のように誤解しますけど、今、配慮書が、これ事業アセスですから、事業の計画段階なんですね。SEAは上位の計画ですから、これは対象が違いますね。これは先ほど申し上げたように、その政策決定の手続自体を、基本の構造を変えないとこれは難しいと思います。
ということで、二〇〇六年から二〇〇七年にかけて環境省が設けたSEA検討会では、それぞれの国の関わる計画のプロセスを全部分析したんですよ。私、ワーキンググループ、これを担当しましたので覚えておりますが、なかなか難しいですよ、本当に。だから、個別の、日本の計画決定のいろんな手続がありまして、それを詳細に分析しなきゃいけないんですが、ともかく、そういうプロセスで情報公開がとても遅れたんです、いろんな段階で。だから、国民の意見を出しようがないとかありまして、そこのところの構造を変えないとなかなか先へ行かないです。
一つ可能性がありそうだったのは実はエネルギー問題で、三・一一の後、政府がそういうエネルギー検討会議を始めたでしょう。ああいうようなプロセスをいろんな公的な計画の中でやれば、これは生まれてくると思います。ポイントは、通常のアセスメント、文書をベースにやりますけれども、それだけではなくて、会議の場を構成して、いわゆる熟議です、熟議をするような格好に進めていけば、これは可能性あります。
例えば、廃棄物処理施設の立地の問題を長野県でやりました。もう二十数年前です。当時は田中康夫知事なんですけど、それを私、頼まれてやりましたけど、そのときは本当に公開の場で議論したんですよ。そうしたら、最初はもう反対反対って大将が、エビデンス、データを基に、データを公開して、そして議論したんですよ。そうすると、一方的に議論できなくなっちゃうんですね。で、事実関係が分かってきますと、そうすると反対派の大将が、いや、これ造る必要全くないと言ったんですけど、だんだんだんだんデータ分かってきたら、やっぱり処理しなきゃいけないものは残るんだと、どんなに頑張っても。そうすると、最小限、これこれの施設は造らないかぬということで、最後にこう言ったんです。最後といっても十回目ぐらいかな、一桁の回数のときに言いましたね、施設の必要性は否定しないと言ったんです。造ってもいいとは言わないんだけど、そういう言い方したんですよ。つまり、理解が進んだんですよね。
だから、そういうのが政策段階のアセスメントです。だから、政策段階で十分情報公開して、そのデータをベースにして議論していくと。その議論も公開でやることなんですよ。
このときに大事なことは、私、ハイブリッドモラルと言っているんですけど、メンバーをハイブリッド、一つは専門家ですね。でも、専門家だけでやっては駄目なんです。ステークホルダー、もう一つはいろんな組織の代表ですよ、このハイブリッド。そうすると、アセスというのは科学性と民主性が大事です。合理的で公正な判断をするためには科学性が必要です。まず合理的、科学的分析、だけどみんなの意見が必要ですから、民主的な手続、この両方を含む。そのためには、科学専門家の意見が出ること、それからいろんな人の意見ですね、価値判断が入って、それも意見出ること、このハイブリッドの視点でそれがうまくいきます。
それでやったので、結局、反対派の大将までオーケーと言ったので立地まで行ったんですけど、その後、いろいろややこしいことがありまして、そういうところへ行きまして、それがいいモデルになってほかにも使われまして、実はさっき申し上げた愛知万博のときにもそのモデルを適用してもらったんですよ。そうしたら、それもやっぱり専門家とステークホルダー、うまくいきましたね。計画が改良できたんですよ。そして、さっきお話ししたような結果になりましたので、だから、政策段階の環境アセスメントというのは、通常の文書のやり取りだけではなくて、たくさん会議の場を設けて、しかもそれを公開でやることです。
二十数年前やりましたけど、そのときは、私、約束してもらったんです、引き受けるときに、この会議は全てテレビで放送してくれと。で、地元のテレビ局が毎回入ってくれていた。そうすると、県民がみんな注目するわけですよ。それみんなが見ているから、おかしな議論はできないですね。だから、反対派の大将も、やっぱりデータに基づいた議論していけば、一方的な議論をしなくなった。だんだんまとまってきまして合意形成できたと。
こんなことでございますから、政策段階のアセスメントというのは、そういうようなことで、通常のこれまでのアセスメントとちょっと考え方を切り替えるとより効果的だと考えます。