森本真治の発言 (厚生労働委員会)
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○森本真治君 私は、ただいま可決されました労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、カスタマーハラスメント対策の実効性を担保するため、労働者が事業主に相談しやすい環境を整備するとともに、相談した場合に形式的でなく実効性のある対応が行われるような指針を策定するとともに、小規模事業者への必要な支援を行うこと。また、カスタマーハラスメントに関する指針の策定に当たっては、消費者、障害当事者から意見を聞いた上で検討すること。
二、障害者等が社会的障壁の除去を求めたにもかかわらずカスタマーハラスメントと判断され、合理的配慮の提供を受けられない場合は、事業者に問題を指摘して改善を促す必要があることから、相談窓口の周知を図ること。また、事業者がカスタマーハラスメント対策を実施するに当たり、障害者等への不当な差別的取扱いが生じないよう、事業者が正しい障害特性の理解、接し方を学ぶための周知広報ツールが活用されるように促すこと。
三、医療、介護分野等を含む公務・公共現場において、サービスが途絶すると利用者等の生命や心身の健康に重大な影響が及ぶ現場においては、その利用が途絶しないことに最大限の配慮を行いつつ、適切なカスタマーハラスメント対策を講ずること。
四、政府が定める指針に基づく措置を実行するに当たり、事業主はそれぞれの業種業態・顧客等対応業務の内容等に応じた最善のカスタマーハラスメント対策が講じられるよう、その対策の内容を検討、実行するに当たっては、現場の労働組合又は従業員代表、職場委員等の参加・参画の下で、実際に発生したカスタマーハラスメント行為の詳細や対応の結果、効果などを記録し、対策の継続的な改善のために活用するよう努めること。
五、カスタマーハラスメントのみならず、労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないことについて、事業主その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずる際には、各事業分野の特性を踏まえつつ、労働者以外の者へのハラスメントも含め、厚生労働省と業所管省庁が連携して行うこと。
六、事業主が、実効性を伴うカスタマーハラスメントの抑止のための措置を講ずることができるよう、警察との連携、仮処分命令の申立てを含め、当該措置の具体的な内容を指針に示すとともに、各事業分野におけるカスタマーハラスメントの抑止に資するよう、必要に応じて業法の見直しを含め検討すること。
七、労働者に対するSNS等インターネット上での誹謗・中傷として、無断で撮影された労働者の顔写真や名札などの個人情報が拡散される事例が生じていることを踏まえ、労働者のプライバシーを保護し、又はハラスメント被害を訴えたことに対し周囲から誹謗・中傷を受ける二次被害を防ぐため、当該行為がカスタマーハラスメントに該当する行為であることを指針に明示することを検討すること。
八、公務・公共現場でのカスタマーハラスメント対策は国民及び住民の権利制限と表裏一体のため、制度設計に当たって人事院及び総務省からの支援策を講ずること。また、当該対策について、本法の施行後一定期間が経過した後に実態調査を行い、実効性のある対策が取られているか等の運用面の確認等を行うこと。
九、措置義務の対象となるハラスメントに限らず、悪質なハラスメントは刑事罰等の対象となり得ることを踏まえ、都道府県労働局等が相談を受けた際は、警察との連携、事業主に対する指導を含め、真摯に対応すること。そのため、都道府県労働局等の相談支援の強化やハラスメントに関する紛争解決援助制度等の利用促進について検討を進めること。
十、性的指向や性自認(SOGI)の開示であるいわゆる「カミングアウト」を禁止する又は強要・強制する行為がパワーハラスメントに該当し得ること、顧客等から労働者に対するSOGIに関連するハラスメントがカスタマーハラスメントに該当し得ること、就職活動中の学生に対するSOGIに関連するハラスメントの防止が必要であること及び求職者等に対するセクシュアルハラスメントだけでなく、パワーハラスメント、マタニティハラスメント、ケアハラスメントの防止が必要であることをそれぞれ関連するハラスメント防止指針に明記し、もって広く事業主に周知啓発を行うこと。
十一、労働者の就業環境等を害する言動又は行為については、仕事の世界におけるハラスメントとして全て禁止することについて検討すること。また、我が国のハラスメント法制との整合性を精査した上で、速やかにILO第百九十号条約の批准に向けて検討を進めること。
十二、女性の職業生活における活躍に関する情報公表について、女性管理職比率及び男女間賃金差異の定義を明確化するとともに、客観的に比較可能なものとなるような計算方法を示すこと。男女間賃金差異については、企業規模にかかわらず全ての企業への公表の義務化並びに男女間賃金差異が一定割合を超えている企業についてその原因分析及び是正計画の策定・公表の義務化を含め、実効的な対策を検討すること。また、一般事業主、特定事業主ともに、公表項目の充実及びよりわかりやすい公表の在り方を検討すること。
十三、女性の職業生活における活躍の推進に当たり、女性の健康上の特性に留意する観点から、フェムテックの活用に取り組むこと。
十四、治療と仕事の両立支援を推進するため、新たに公表する指針の周知に努めるとともに、守秘義務に留意した上で、産業医と主治医の間における効果的な情報交換の在り方及び病気休職中の労働者からの相談窓口を明確にする等の職場復帰に向けた支援の在り方を検討すること。また、本法の施行状況を踏まえ、治療と仕事の両立支援の在り方について今後も検討すること。
十五、疾病などを抱える労働者が適切な治療を受けながら働き続けられる職場環境の整備を含めた事業主の取組を支援するとともに、治療と仕事の両立に資するよう、医療機関の待ち時間の短縮などの好事例を周知すること。また、小規模事業場で働く労働者を支援する観点から、産業保健総合支援センター等の産業保健活動総合支援事業による企業支援の強化に取り組むとともに、労働者からの相談に応じ、適切な対応をするために必要な体制整備の支援に取り組むこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。