西出順郎の発言 (行政監視委員会)

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○参考人(西出順郎君) 本日は貴重な機会をいただきました。ありがとうございます。私、明治大学公共政策大学院の西出と申します。よろしくお願いいたします。
 今日は、国と地方の役割分担、それと、私の研究の専門領域であります政策評価、そして行政経営、この三点の視点から考えて是非ともひとつ今日お話をさせていただきたいということがございまして、そのことについて陳述、今日はお願いしたいと思っております。
 それでは、私のこのハンドアウトに従いまして話を続けさせていただきます。
 何を話したいのかということを申し上げますと、真ん中にあるタイトルの内容なんですけど、自治体EBPMの更なる推進、そして国・地方自治体の協働作業、それによるEBPMデータバンクの設置試案というものでございます。
 要約は下に書いてありますので、ちょっと読み上げますね。まずは、国のみならず、地方自治体でのEBPM、この定着というのは重要であると、これはもう共通の認識だと思っております。そのためには、やはりオールジャパンで更なる協働作業を推進して効力を発揮していく必要があるだろうと。そのための一つとして、全国の自治体がEBPMを共有できるような場所を設定すると、設置するということが大事なのではないかという内容でございます。
 それでは、具体的な話を続けさせていただきます。スライドの二枚目になります。
 全ての地方自治体でEBPMの定着化、これはどの自治体も本当に望んでいるわけでございます。国においても、もちろんもう随分前からEBPMの推進委員会等々で積極的に推進されていると。地方自治体においても、関心のある自治体はEBPM推進している、また、その運動を国が後押ししているというところがございます。
 しかし、実態として、地方自治体とEBPMに関する現状、これを各自治体の職員さんと私、仕事柄たくさんお話しする機会がございます。そこらをまとめますと、まあ一言で言えば、まだまだ工夫が必要であるということですね。
 それはどういうことかと申し上げますと、真ん中の矢印の内容に尽きるわけなんですが、政策、その政策の中には実現させるための手段があります。その手段が、小さい自治体でも数百個、大きい自治体になれば千、二千、このぐらい多数の政策の手段が存在しています。そういうもののエビデンスを、信頼あるエビデンスをどのように確保したらいいんだと、ここがまず大きなボトムネックになっているわけですね。
 要は、一つや二つのエビデンスぐらいだったら何とか準備はできるかもしれないが、自治体としての政策としての全体最適ですよね、それをうまく実現させるには、それ相応の数のエビデンスのデータがなければ実現しないだろうということなんですね。
 現在として、やはりこれももう当たり前の話なんですけれども、なぜエビデンスがつくられないかというと、二つです、本当に二つの問題です。
 一つは、エビデンスをつくるためにはデータを集めなければなりませんと。データを集めるのにもお金が掛かります。ですから、まず一つ、お金ですよね。二つ目の問題は何かと申し上げると、その集まったデータを統計的にどのように解釈するのかと。客観的それから科学的なエビデンスをつくる以上は、統計的な作法にのっとってデータを解析しなければなりません。そのような人材というものが足りないと。これが二つ目。この二点に尽きるわけですね。
 したがいまして、この二点をどうクリアまずしていくかというのが今非常に重要な課題、エビデンスを、ごめんなさい、EBPMを定着させるための課題だと考えられています。
 じゃ、どうしたらいいのかという話です。スライドの三枚目に移ります。
 自治体の職員さんといいますか、公務員の方々は通年、政策手段の実施に時間を掛けているわけです。自治体でありますと一人当たり、一人一本、二本、三本、それぐらいの事務事業は担当しているわけです。その事務事業に、各事務事業において、まずは通年で実施をしておきながら、かつ評価をし、それらを踏まえて翌年度の政策の基本的な方向性を議論し、それで大体の方向性が固まったら、九月、十月、十一月で予算の要求、査定、編成という話になってきます。これらを毎年繰り返しているわけなんですね。そこに更にエビデンスをつくるために時間を割けるのか、お金を割けるのかということになると、極めて現実的ではなくて二の足を踏むと。
 したがいまして、何が大事かということになる。そうなると考えられるのは、今から申し上げることです。エビデンスをみんなでつくりましょうと、全自治体でエビデンスをつくりましょうと、そしてそれをみんなで利用しましょうということです。極端な話をすれば、極端な話ですよ、一つの自治体が一年に一つだけエビデンスをつくるだけで、たった一年で千七百四十一のエビデンスが確保できるわけです。極端な話ですが。
 したがいまして、したがいましての前に申し上げなくちゃいけないのは、日本においてはおおむね各自治体が、もちろん独自性、地域性はあるとしても、よく似た事例、事務事業を実施しています。したがいまして、Aという町でやっていた事業のエビデンスがBやCの町で使えるか使えないかという話になれば、使える可能性が比較的高いと。比較的というより、もっと高いと思いますね、非常に高いと思っています。
 したがいまして、自分たちが一個つくります、それを各自治体がつくります、千七百個あります、そうすると、一気に千七百個の事例を、エビデンスの事例を確保し、共有することができるわけなんですね。
 そのためにはどうしたらいいのかという話をすると、まずは、ここが地方と国の役割分担という話の肝になってくるわけなんですけれどもね。まず、国としては、そのための財源というものを拠出できないかということです。そして、自治体としては、その財源を元にエビデンスを確保するための分析作業を実施できないかということ。そしてその分析作業を、また国の話に戻りますが、国が一元管理して使い勝手の良いデータベースとして自治体に提供すると。もちろん、その情報は各府省においても有効に活用される情報になるのは間違いない話です。
 したがいまして、こういう形で各自治体が一つ一つでもやったようなエビデンスを集めるだけでも大きな数になると、それをみんなで使おうじゃないかというような方向性が大事じゃないのかということを今申し上げております。
 例えばです、例えば、どういうようなそのデータバンクのイメージがあるかと申し上げると、各府省で地方自治体に対する補助金制度というものがございます。その補助金制度の一部をこのようなデータ分析も一緒になって実施するというような制度設計にすること、それによって、その補助事業に関しては、自治体さんにはエビデンスの確保のデータ分析作業をやっていただくということを付加するという形を取るということですね。ここではお金はEBPM予算というふうに掲げてありますが、何を申し上げたいかというと、事業予算のほかに、エビデンス、いわゆる事業、ごめんなさい、データ分析をするための予算を確保することが大事だということでございます。
 これを皆さんで使っていただくこと、使ってもらうことで、想定効果になりますが、オールジャパンで情報を一元管理して、千七百四十一の自治体がみんな一緒にこれを使おうじゃないかと、それによって良い事業を全国の自治体に提供しようじゃないかということでございます。
 最後のページに移ります。
 これは、データバンクと一言で言ってもイメージが付きにくかろうということで、一つの簡単な例ではございますが、その例を図式化したものでございます。仰々しく言えば、名付けて、全国自治体EBPMバンクの設置というものでございます。ここでは国と自治体の役割を図式化しております。
 簡単に説明させていただきますと、先ほどの例ですね、補助金というものを一つの事例で取り上げてみたいと思います。
 まず、各府省の方で、ある補助金の事業に関しましてはデータ分析の作業をしてくださいということをお願いするかどうかというのを決定します。で、そういうもので決定された制度に対して自治体が申請する場合は、事業申請する場合は、それが採択された場合においてはエビデンスをつくる作業をしていただくことになります。結果的にどの事業がエビデンスをつくるために使われる事業になるかというのは、ここのバンクというもの、EBPMバンクというところで取捨選択をしていただいて、それを各自治体にお願いすると。もちろん、お金を付してです。各自治体においては、様々な手法を使ってエビデンスをつくってもらう、そしてつくった後にまたそれをデータバンクの方にお返しすると。そして、データバンクの方では、それをより良く自治体側が使えるように加工して、し終わった後に提供していくということですね。このようなスキームが組めないかというふうに私たちは考えている次第です。
 くしくも、先週です、先週、日本経済新聞で、「エビデンス不全」というタイトルでエビデンスの問題を連載的に記事にしたものがございました。たしか地方創生の交付金のことだったと思います。このように、地方においても、エビデンスというものは非常に脚光を浴び、それに基づく政策立案というのが本当に期待されているわけです。
 その期待に応えるためにも、まずは、エビデンスをつくる、利用するためにつくる、そのような基盤を国と自治体と一緒になって連携してつくり上げていくと。必ず、エビデンスさえそろえば、自治体はそれを基に科学的な、ごめんなさい、科学的というよりもEBPMですね、EBPMを実現してくれると思っております。
 したがいまして、そのためにも、国と自治体と一緒に協働して更なるEBPMのための推進の取組を行っていただけたらと、このように考えている次第です。
 ありがとうございます。以上です。

発言情報

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発言者: 西出順郎

speaker_id: 23969

日付: 2025-02-26

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会