山本隆司の発言 (消費者問題に関する特別委員会)
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○参考人(山本隆司君) 今の御発言について申し上げます。
公益通報者保護法はいろいろな面を持っております。通報者を保護するということはありますし、それから社会全体において通報を通じて法が実現されるようにすると、違法行為をなくしていくということがあると思います。そして、もう一つ重要なことは、言わば企業のガバナンスの在り方ですね、これを良いものにしていくということがあると思います。例えば体制整備義務に関する規定などは、まさにストレートに企業として備えるべき標準的なガバナンスの体制について定めているということかというふうに思います。
それで、ということがありまして、バランスということでございますが、これは本当にまさにいろいろあるのですけれども、先ほど来議論がございます不利益取扱いに対する刑事罰の問題ですね。これにつきましても、国際的な動向に鑑みましても、あるいは日本の現状に鑑みましても、そして今回の場合には事業者側からも、やはり不利益取扱いに対して刑事罰を導入するということが、やはり企業のガバナンスの在り方、国際的に信頼をされる企業の在り方としてもやはり必要だろうということを理解いただいたということがあって、刑事罰の導入ということが可能となりました。これは平成三十年の議論の時点では全く考えられなかったことです。これは、林参考人も御存じだと思いますけれども、およそ議論ができなかったという状況でした。これが今回大きく変わったということであります。
ただ、その範囲をどこまでにするのかと。今回は解雇、懲戒というところまでにしたわけですけれども、ということになりますと、先ほど来の議論がありますように、労働法制全体といいますか、あるいは労働政策全体の在り方、それから企業の実態あるいは労働関係の実態というかなり大きな話になるといいますか、公益通報に限らない話になってまいります。それは、確かに今後議論をしていく必要があるテーマであるというふうに思いますけれども、今回その公益通報者保護法の改正の中でそれをしていくというのはなかなか難しい面があったということでございます。
この辺りがバランスという点で、ほかにも、先ほどございました情報の問題ですね。資料の持ち出し等の問題に関しましても、確かに公益通報するためにはそれが必要になる場面があるということがある一方で、企業としては個人情報の取扱いであるとか、あるいはその他、企業の情報の取扱いに関して十分注意をしなくてはいけないと。これもうまさに社会的な要請でありますので、そこのところでどのようにバランスを取っていくのかと。一般規定として、資料の持ち出しの場合の免責規定を入れることが適切かということを考えたということでございます。
このようにいろいろ考慮要素があって、非常に苦労したということでございます。
以上です。